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資料3

検討すべき主なポイント(案)

【基本的視点】
法科大学院における法曹養成教育の在り方は、理論的教育と実務的教育を架橋するものとして、公平性、開放性、多様性を旨とする。
法科大学院の設置は、関係者の自発的創意を基本としつつ、設置基準を満たしたものを認可することとし、広く参入を認める仕組みとすべきである。ただし、その基準は、法曹養成の中核的機関としての使命にふさわしいものでなければならない。

 

設置基準関係

現行の設置基準等の欄については、□は法律・政令、◎は設置基準(又は告示)、○は審査内規等において、既に規定されている事項を示す。
ABA認定基準の欄については、◎はstandard(基準)、○はInterpretation(解釈)、【   】の数字はstandardを表している。※は、各種参考文献からの補足説明である。解釈は基準と一体のものとして遵守すべきものと理解されている。なお、ABA認定基準については、「和英対訳米国法曹協会・ロースクール認定基準」(翻訳者:柳田   幸男弁護士   2001年3月   日本弁護士連合会)を参考とした。
表中、大学院設置基準については「院基準」、大学設置基準については「基準」、大学院設置審査基準要項については「要項」、大学院設置審査基準要項細則については「要項細則」と略する。

<課程>

  現行の設置基準等 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○大学院の課程
(院基準   第2条)

◎   大学院における課程は、修士課程及び博士課程とする。

2   大学院には、修士課程及び博士課程を併せ置き、又はそのいずれかを置くものとする。

 

○   「法科大学院(仮称)」の名称及び目的について、どのように考えるか。

○   法科大学院は法曹養成に特化した実践的な教育を行う学校教育法上の大学院とすべきとされているが、法科大学院の課程は修士課程とするか、あるいは修士課程以外の課程とするか(学位を修士とするかどうか)について、どのように考えるか。

○   専門大学院制度との関係について、どのように考えるか。(教員組織と関連)

○修士課程
(院基準   第3条第1項)
◎   修士課程は、広い視野に立つて精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又は高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力を養うことを目的とする。
○専門大学院
(院基準   第31条)

◎   大学院には、高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力を専ら養うことを目的として、特に必要と認められる専攻分野について教育を行う修士課程を置くことができる。

2   前項に規定する修士課程を置く大学院は、当該修士課程に関し、専門大学院と称することができる。

○専ら夜間において教育を行う大学院の課程
(院基準第2条の2)
(要項   5(2))

◎   大学院には、専ら夜間において教育を行う修士課程及び博士課程を併せ置き、又はそのいずれかを置くことができる。

○   専ら夜間において教育を行う大学院の課程及び大学院の課程における教育方法の特例の実施については、修業年限、履修方法、授業の実施方法、教員の負担の程度、図書館・情報処理施設等の利用の確保や学生の厚生に対する配慮、必要な職員の配置、学生確保の見通し、入学者選抜方法等の点について、(略)修士課程又は博士課程としての水準の確保について十分な配慮がなされている場合において認める。

  ○   社会人等が容易に学ぶことができるよう夜間大学院、昼夜開講制等多様な形態について、どのように考えるか。
○教育方法の特例
(院基準   第14条)
◎   大学院の課程においては、教育上特別の必要があると認められる場合には、夜間その他特定の時間又は時期において授業又は研究指導を行う等の適当な方法により教育を行うことができる。

<修業年限等>

  現行の設置基準等 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○修業年限等
(院基準第3条第2項)
◎   修士課程の標準修業年限は、二年とする。ただし、教育研究上の必要があると認められる場合には、研究科、専攻又は学生の履修上の区分に応じ、その標準修業年限は、二年を超えるものとすることができる。

◎   LSは、卒業の要件として、6学期間以上にわたって、学外研究を含め、56,000分以上の授業時間を修了することを要求するものとする【304b】

○   LSは、2学期(セメスター)制又は4学期制の場合に、その1学期を超えない単位を夏季コースの履修で得ることにより6学期(セメスター)未満の履修期間で卒業することを認めることができる。(解釈304-4)

○   56,000分の必要授業時間を満たすためには、80単位時間(2学期制:700分/単位)又は124単位(4学期制:450分/単位)の取得を要件とする。(解釈304-5)

○   3年を超える標準修業年限について、どのように考えるか。(夜間制等への配慮)

○   標準修業年限は3年とし、短縮形として2年での修了を認めることについて、どのように考えるか。
   ・教育内容等との関係
   ・修了要件との関係
   ・収容定員との関係

(院基準第31条第3項) ◎   第3条第3項の規定(「主として実務の経験を有する者に対して教育を行う場合であって、・・・教育上支障を生じないときは、・・・標準修業年限を1年以上2年未満の期間とすることができる」)は、専門大学院には適用しない。
○収容定員
(院基準第10条)
◎   収容定員は、教員組織及び施設設備その他の教育研究上の諸条件を総合的に考慮し、課程の区分に応じ専攻を単位として研究科ごとに定めるものとする。

<教員組織>

  現行の設置基準等 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○   教員組織
(院基準   第8条)

◎   大学院には、研究科及び専攻の種類及び規模に応じ、教育研究上必要な教員を置くものとする。

2   大学院の教員は、教育研究上支障を生じない場合には、学部、研究所等の教員等がこれを兼ねることができる。

◎   教育(学歴)、教室における授業能力、教育・実務経験、並びに学術研究・論文により証明される、高い能力を有する教授を有するものとする【401a】

◎   LSは、本基準の要件を満たし、その教育プログラムの必要に応じた、十分な人数のフルタイムの教授団を有するものとする。人数は以下の事項に定まる。
   ・学生の規模、個別に教授に面会して相談する機会
   ・教育プログラムの性質及び範囲
   ・教授が教える義務を果たすとともに、学問的研究を行い、LSの運営・法曹界及び公共に対する奉仕に効果的に参加する機会【402a】

◎   開校初年度のLSは、1名のフルタイムの学長及び1名のフルタイムの法律図書館長に加え、少なくとも6名のフルタイムの教授団メンバーを有するものとする。【402b】

◎   フルタイム教授団メンバーは、学年度中、実質的にすべての就労時間を教育、法学研究に注ぎ、かつ、LSの管理及びサービスに参加し、学外で事務所を持ったり事業活動を行わない者である。【402c】

◎   LSの教育については、フルタイムの教授団が主要な責任を負う。【403a】

◎   フルタイムの教授は、フルタイムのカリキュラムの1年目又はパートタイムのカリキュラムの最初の2年間の全授業の主要な部分を担当する。【403b】

 

○教員組織に関して、少人数で密度の濃い教育を行うにふさわしい数の専任教員等の確保について、どのように考えるか。
・必要な専任教員数
・専任教員のうち実務家教員の割合(後掲)
・「専任」についての考え方
・教員資格についての考え方(研究者教員、実務家教員)

○教員資格の基準に関して、教育実績や教育能力、実務家としての能力経験を大幅に加味することについて、どのように考えるか。

(院基準   第9条第1項) ◎   次の各号に掲げる資格を有する教員を、専攻ごとに、文部科学大臣が別に定める数置くものとする。
一   修士課程を担当する教員にあつては、次の一に該当し、かつ、その担当する専門分野に関し高度の教育研究上の指導能力があると認められる者
   イ   博士の学位を有し、研究上の業績を有する者
   ロ   研究上の業績がイの者に準ずると認められる者
   ハ   芸術、体育等特定の専門分野について高度の技術・技能を有する者
   ニ   専攻分野について、特に優れた知識及び経験を有する者
(要項4(8)) ○   ○合教員の資格審査においては、職務上の実績や実務に関する指導能力等についても十分配慮する
(院基準第32条) ◎   専門大学院には学部の専任教員として算入できない教員を置く。
○   専攻毎の教員数
(文部科学省告示第175号)
(文部科学省告示第177号)
◎   最低5人(公法、私法等に専攻を分割したときは各々3人)の研究指導教員が必要。
◎   専門大学院には、通常の大学院の2倍の数の研究指導教員(○合教員)を置くとともに、研究指導教員1人当たりの学生の収容定員に応じて必要な数の研究指導教員を置く。
○   一定規模数以上の入学定員の大学院研究科の教員組織
(院基準第9条の2)
◎   研究科の基礎となる学部の学科の数を当該研究科の専攻の数とみなして算出される一個の専攻当たりの入学定員が、専門分野ごとに文部科学大臣が別に定める数(以下「一定規模数」という。)以上の場合には、当該研究科に置かれる前条に規定する教員のうち、一定規模数を超える部分について当該一定規模数ごとに一人を、大学設置基準第13条に定める専任教員の数に算入できない教員とする。
○   教員:学生比率
(専門大学院に専攻毎に置く教員数)
(文部科学省告示   第177号)
◎   研究指導教員(○合教員)1名当たり10名の収容定員とする。

○   フルタイム教員を1とした場合、それ以外の追加教育資源を構成する教員の算定比率(解釈402-1)
   ・フルタイム教員だが重い管理業務の負担者   0.5
   ・臨床的法学教官でテニュアトラックにない者等   0.7
   ・補助教員、講義を行う図書館員、他学部教員   0.2
※追加教育資源はフルタイム教授団の20%まで可

○   学生1人=1学期中に1週当たり13以上の単位時間を登録した者。
学生2/3人=上記の単位時間の登録に満たない者

○   学生対教授の比率(解釈402-2)
20:1以下であれば認定基準に合致する。
30:1以上の場合は、認定基準に違反することとなる。
20:1を超え、30:1未満の場合は、プログラムの内容等を審査し、十分行き届いた教育がなされているかどうかを判定する(審査項目は授業の質、クラス規模、少人数クラスおよびセミナーが設置されているか、学生と教授の十分なコンタクトがあるか、試験及び成績評価、学問的貢献、公共奉仕、管理責任の履行、及びLSが公表した使命を遂行する能力など)。
○   教員1名当たりの学生数の比率について、どのように考えるか。
○   実務家教員の比率(院基準   第32条第2項) ◎   専任教員のうち相当数は、専攻分野における実務の経験を有する者となるよう配慮しなければならない。

◎   LSは、教育プログラムを向上させるために、フルタイム又はパートタイムの教官の中に経験豊かな弁護士及び裁判官を含むべきである。【403c】

◎   LSは、これらの教官に対し、オリエンテーション、指導、監督及び評価を行う。【403c】

○   理論的教育と実務的教育との架橋を図るとの観点から実務家教員の参加が不可欠であるが、法科大学院のカリキュラムの内容や新司法試験実施後の司法修習との役割分担等を考慮して、実務家教員の数及び比率について、どのように考えるか。

○   実務家教員に関して、専任教員であってもその任期や勤務形態について柔軟に基準を運用することについて、どのように考えるか。

(要項細則   9(1)) ○   ○合教員の概ね3割程度以上は担当する専門分野に関する実務の経験を有するとともに、近年の当該分野の実務に関する状況に通じていることが望ましい。
(要項細則   3) ○   次に掲げる者は、基準上、専任教員に算入しない。
   ・一般職の国家公務員(地方公務員)であって非常勤でない者
   ・特別職の国家公務員。ただし、非常勤の者又は俸給を支給されていない者は可
   ・国会議員、国会職員
   ・会社の役員及び職員。ただし、非常勤の者であって、授業及び研究に支障がないと認められる場合はこの限りではない。
   ・弁護士、公認会計士、税理士、医師等として専ら業務に従事している者等

<収容定員>

  現行の設置基準等 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○   収容定員
(院基準第10条)
◎   収容定員は、教員組織及び施設設備その他の教育研究上の諸条件を総合的に考慮し、課程の区分に応じ専攻を単位として研究科ごとに定めるものとする。   ○   標準型たる3年制と短縮形としての2年制に定員を振り分けて募集するのか。(入学者選抜と関連)

<教育内容・方法等>

  現行の設置基準等 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○   教育目的
(院基準   第31条)
◎   高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力を専ら養うことを目的として、特に必要と認められる専攻分野について教育を行う修士課程を置くことができる。

◎   LSは、卒業生が弁護士資格を取得できるようにすること、及び効果的かつ責任を持って法曹に参加できるようにすることを準備する教育プログラムを維持するものとする。【301a】

◎   LSは、学生が現在及び将来起こりうる法的問題を扱う準備をさせる教育プログラムを維持するものとする。【301b】

◎   LSは、法又は法曹の特定の側面に重点を置いた教育プログラムを提供することができる。【301c】

○   LSが本基準を遵守している程度を判断するに当たって、学生の退学率、卒業生の司法試験合格率及び就職率が考慮される。(解釈301-1)

◎   LSはJDプログラムの全学生に対し、以下のものを提供する。【302a】
   1法曹として効果的かつ責任を持って活動するために必要とされる実定法、その背後にある諸価値及び技能(法的分析及び推論、法的調査、問題解決、及び口頭又は書面でのコミュニケーションを含む)についての教育、
   2最低1つの厳格な論文作成の経験、
   3法曹の専門的技能についての指導に対する適切な機会の付与

○   「専門的技能」の例(解釈302-1)
   陪審裁判および上級審における法廷活動、代替的紛争解決手段、法律相談、インタビュー(事情聴取)術、交渉術、問題解決法、事実調査、法律業務の組織及び管理、ドラフティング

◎   LSは、JDプログラムの全学生に対し、ABAの模範弁護士行動準則についての教育を含む、法曹の歴史、目標、構造、義務、価値及び責任についての教育を義務づけるものとする。LSはこの教育に裁判官及び弁護士を関与させるべきである。【302b】

○   LSは、特定の専門的技能コースに登録を希望するすべての学生を受け入れる必要はない。(解釈302-2)

○   各LSは、その卒業生が確実に効果的かつ責任を持って法曹に参加できるようにするため、カリキュラムを定期的に見直すものとする。(解釈302-3)

○   法科大学院の共通の教育目標(法曹に必要な能力・資質)について、どのように考えるか。

 

○   授業及び研究指導
(院基準   第11条)
◎   大学院の教育は、授業科目の授業及び学位論文の作成等に対する指導(以下「研究指導」という。)によって行うものとする。

○   必置科目や教員配置等についての基準を定めることにより、法曹養成のための教育内容の最低限の統一性と教育水準を確保しつつ、具体的な教科内容等については、各法科大学院の創意工夫による独自性、多様性を尊重するとの観点から、具体的な教育内容・方法について、どのように考えるか。

○   法理論教育を中心としつつ、実務教育の導入部分(例えば、要件事実や事実認定に関する基礎的部分)をも併せて実施することとし、体系的な理論を基調として実務との架橋を強く意識した教育を行うことについて、どのように考えるか。

○   課程を修了した者のうち、相当程度(例えば約7〜8割)の者が新司法試験に合格できるよう充実した教育を行うことについて、どのように考えるか。

<教育内容>
   ・必置科目
   ・単位数等

<教育方法>
   ・研究指導の取扱
   ・少人数教育や双方向的・多方向的な授業方式
   ・演習・実習等の重視
   ・履修科目の上限設定
   ・厳格な成績評価及び修了認定(例えばGPAなど)
   ・セメスター制の採用
   ・教育の質の向上のための取組
   (例えば、ファカルティ・ディベロップメント、学生による授業評価、教員の教育面での評価など)
   ・授業内容・方法、教材の選定・作成等について、研究者教員と実務経験を有する教員との共同作業等連携協力

○   授業科目
(院基準   第12条)
◎   大学院には、専攻に応じ、教育上必要な科目を開設するものとする。
(院基準   第33条第1項) ◎   専門大学院は、その教育上の目的を達成するために専攻分野に応じ必要な授業科目を開設し、体系的に教育課程を編成するものとする。
○   研究指導
(院基準   第13条第1項)
◎   研究指導は、第9条の規定に置かれる教員が行うものとする。
○   授業の方法
(基準第25条準用)

◎   授業は、講義、演習、実験、実習若しくは実技のいずれかにより又はこれらの併用により行うものとする。

2   大学は、文部科学大臣が別に定めるところにより、前項の授業を多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させる場合についても同様とする。

3   大学は、第1項の授業を外国において履修させることができる。前項の規定により、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室以外の場所で履修させる場合についても、同様とする。

(院基準第33条第2項)
(要項5(7))
◎   その目的を達成し得る実践的な教育を行うよう専攻分野に応じ事例研究(ケーススタディ)、討論(ディベート)、現地調査(フィールドワーク)その他の適切な方法により授業を行うなど適切に配慮しなければならない。
○   授業を行う学生数
(基準第24条準用)
◎   大学がひとつの授業科目について同時に授業を行う学生数は、授業方法等を考慮して教育効果を十分にあげられるような適当な人数とする。 ◎   LSの教育プログラムは、セミナー、直接指導による研究、少人数クラスでの適切な研究機会を提供する。【302c】
○   単位の上限設定等履修方法
(基準第27条の2)

◎   大学は、学生が各年次にわたって適切に授業科目を履修するため、卒業の要件として学生が修得すべき単位数について、学生が1年間又は1学期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めるように努めなければならない。

2   大学はその定めるところにより、所定の単位を優れた成績をもって修得した学生については、前項に定める上限を越えて履修科目の登録を認めることができる。

※大学学部についてのみ規定。

◎   LSは、実際の依頼者その他実社会の実務経験を提供するものとする。LSはこの経験を全学生に対して提供する必要はない。【302d】

◎   LSは学生に対し、プロ・ボノ活動に参加する機会を提供すべきである。【302e】

◎   LSは、司法試験準備のためのコースを提供することはできるが、当該コースに単位を与え、又は当該コースを卒業の要件としてはならない。【302f】

◎   LSは、学生の規律遵守、進級及び卒業についての明確な基準を含む、学業成績についての適切な基準を有し、かつこれを遵守する。【303a】

◎   学生の学業成績は、学生の学習の開始時点から評価されるものとする。【303b】

◎   LSは、学習継続が当該学生に誤った希望を抱かせ、経済的搾取となり、又は他の学生に有害な影響を与える程、学習能力の欠如が明らかな学生には在学を継続させないものとする。【303c】

○   学業成績は、適切な時間が与えられた複雑な内容の筆記試験、ペーパー又はその他の書面により評価されるものとする。但し、評価には、法律家としての役割を果たす学生の実務実績の評価をも含めることができる。(解釈303-1)

○   教育内容等改善のための組織的な研修
(基準第25条の2)

◎   大学は、当該大学の授業の内容及び方法の改善を図るための組織的な研修及び研究の実施に努めなければならない。

※大学学部についてのみ規定

◎   LSは、教授団が教育の有効性を確実にするための合理的手段を講ずるものとする。【401b】

○   効果的な教育方法についての教授団の委員会、授業参観、ビデオ撮影した授業に対する批評、学生による授業評価の組織的な検討及び共同討議などは、この目的を達成するための手段である。(解釈401-1)

◎   LSは、全ての教授団メンバーが404aの方針における責任をどの程度果たしているかを定期的に評価する。【404b】

○   1年間の授業期間
(基準第22条準用)
◎   1年間の授業期間は35週(定期試験等含む)を原則。

◎   1学年度は、少なくとも8ヶ月以上の期間とし、少なくとも130日は授業(読書・試験期間を除く)が行われるものとする。【304a】

○   この基準は、通常の2学期制や4学期制だけでなく、短い、または中期の学期の設置をも認める。(解釈304-1)

○   各授業科目の授業期間
(基準第23条準用)
◎   各授業科目の授業は、10週又は15週に渡る期間を単位として行う。
○   教室外の学習等
(院基準第13条第2項)
◎   大学院は教育上有益と認めるときは、学生が他の大学院又は研究所等において必要な研究指導を受けることを認めることができる。ただし、修士課程の学生について認める場合には、当該研究指導を受ける期間は、1年を越えないものとする。

◎   LS外における学習・活動、又は通常授業への出席を要しない学習活動への参加を許容しまたは求める教育プログラムを開設できる。【305a】

◎   基準の在学期間中及び授業時間の要件を満たす単位が与えられる時間の合計のうち45,000分以上は、LSにおける計画された授業への出席、又は、学生が他のLSで単位を与えられている場合は、当該単位を与えるLSにおける授業への出席によるものとする。【305b】

◎   在学期間中に取得した授業時間単位は、学生が費やした時間・努力・学生の教育経験の質に相応しいものとする。【305c】

◎   学習・活動の成果は教授団のメンバー(フルタイム、パートタイム又は補助教員)によって評価される。【305d】

◎   学習・活動はLSのカリキュラム承認手続により事前に承認され定期的に見直される。【305e】

◎   実地指導プログラムの承認、見直しの要素
   ・プログラムの目標・方法、学生の教育経験の質、指導資源の適正さ、授業及び個別指導等【305f】

◎   実地指導プログラムについては
   ・第1学年度を修了するまでは参加できない
   ・実地指導期間中においては、教員・学生間で確実かつ定期的なコミュニケーションを行う
   ・実務指導官は、教授團メンバーとともに評価に加わる
   ・教授團メンバーは現場を定期訪問する
   ・併行して教授團メンバーが授業・個別指導を行う。【305g】

○   学生に対して報酬が与えられるような実地指導プログラムに対して単位は与えられない。(解釈305-2)

◎   LSは、審議会の承認を得て、外国での学習又は活動への学生の参加に対し、単位を与えることができる。【306】

◎   LSは、審議会の承認を得ることなくJDプログラムに追加して他の学位プログラムを設けられない。【307】

○   審議会による法の最初の学位より上の学位の承認は、プログラム自体の認定とは異なる。(解釈307-2)

○   LSと他のスクールまたはカレッジとの共同学位プログラムにおいては、
   156,000分の学習のうち45,000分以上はLSにおける在学期間中の授業とする。
   2JD学位取得の要件を充足するための時間が基準305,306の要件を満たし、LSによって教育プログラムに適切なものと明確に認定されている学習またはコースにおけるものである場合には、残りの11,000分の学習はLS外での授業であっても良いものとする。(解釈304-2)

○   LSは、入学許可前の特別プログラムに対しては単位を与えない。(解釈304-3)

○   他の大学院における授業科目の履修等
(基準第28条準用)
◎   大学院は、教育上有益と認めるときは、学生が大学の定めるところにより他の大学院等において履修した授業科目について集録した単位を、10単位を超えない範囲で当該大学院における授業科目の履修により修得したものとみなすことができる。(外国の大学院に留学する場合及び外国の大学院が行う通信教育における授業科目を我が国で履修する場合も10単位まで可)

◎   LSは、JDを取得するために必要な単位の3分の1を超えない範囲で、他の州認可のLSにおける学習に対して入学を許可し単位を与えることができる。【506ab】

◎   LSは、JDを取得するために必要な単位の3分の1を超えない範囲で、外国のLSにおける学習に対して入学を許可し単位を与えることができる。【507ab】

◎   LSは特定の科目、または限定された数の科目に関して、聴講生、単位非取得学生又は法律学位以外の学位を取得する学生としての登録を認めることができる。但し、これらの学生の登録が当該科目又はLSのプログラムの質に悪影響を及ぼさない場合に限る。【508】

○   単位互換等単位認定について、どのように考えるか。(例えば、認められる単位数、認定の範囲など)
○   本校以外の場所での教育(サテライト教室等)
(要項細則11)
○・大学院における社会人学生の利便を図るため、本校以外の場所に教育研究指導の場を設置するものであること。
   ・本校において十分な教育研究指導が行われると同時にその一部を本校以外の場所で行うものであること。
   ・学生の希望により、本校ですべての課程を受けることも可能であること。
   ・本校における校地、校舎、施設設備等が大学院として十分であること。
   ・本校以外の場所には、学生の自習室を含め必要な施設設備や図書等が適切に配置されていること。
   ・本校以外の場所は、借用の場合は長期にわたって安定的に確保されること。
   ・本校以外の場所は、教育研究にふさわしい環境であること。
   ・本校以外の場所は教員等の移動等を考慮し、教育研究上支障がない距離にあること。
○   認定LSの分校を開設するためには、分校が恒久的なフルタイムの教授団、適切な図書館、適切な事務スタッフ、及び恒久的な物理的施設の計画を含む適切な物理的施設を有することが必要である。(解釈105-2)

<課程の修了要件等>

  現行の設置基準等 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○   専門大学院の修了要件
(院基準   第16条)

◎   修士課程の修了の要件は、大学院に2年(2年以外の標準修業年限を定める研究科、専攻又は学生の履修上の区分にあっては、当該標準修業年限)以上在学し、30単位以上を修得し、かつ、必要な研究指導を受けた上、当該大学院の行う修士論文の審査及び試験に合格することとする。ただし、在学期間に関しては、優れた業績を上げた者については、大学院に1年以上在学すれば足りるものとする。

2   前項の場合において、当該修士課程の目的に応じ適当と認められるときは、特定の課題についての研究の成果の審査をもつて修士論文の審査に代えることができる。

◎   LSは、卒業の要件として、6学期間以上にわたって、学外研究を含め、56,000分以上の授業時間を修了することを要求するものとする【304b】

○   LSは、2学期(セメスター)制又は4学期制の場合に、その1学期を超えない単位を夏季コースの履修で得ることにより6学期(セメスター)未満の履修期間で卒業することを認めることができる。(解釈304-4)

○   56,000分の必要授業時間を満たすためには、80単位時間(2学期制:700分/単位)又は124単位(4学期制:450分/単位)の取得を要件とする。(解釈304-5)

○   1学年度における授業日数は、1日を通して授業が定期的に行われる日の数を言う。(解釈304-6)

○   LSは、各学生に基準の要件を充足させる方策(授業計画、出席、雇用制限等に関する方針の実施を含む)を採用し、これを学生に対し実行していることを証明するものとする。(解釈304-7)

◎   学生は、各学期10単位以上登録し、9単位以上取得しなければならない。【304c】

○   法科大学院の修了要件について、どのように考えるか。
   ・取得総単位数
   ・論文又はリサーチペーパー、試験の合格
   (単位取得と別に研究指導、論文、リサーチペーパーは不要か)

○   厳格な修了認定の取扱いについて、どのように考えるか。

(院基準   第35条) ◎   専門大学院に対する第16条の規定の適用については、同条第1項「修士論文の審査」とあるのは「特定の課題についての研究の成果の審査」と、同条第2項中「特定の課題についての研究の審査をもつて修士論文の審査に」とあるのは「修士論文の審査をもつて特定の課題についての研究の審査に」とする。
○   単位の計算方法
(基準21条準用)
◎   1単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準とし、講義及び演習については、15時間から30時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもって1単位とする。

<施設及び設備等教育条件>

  現行の設置基準等 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○   講義室等
(院基準   第19条)
◎   大学院には、当該大学院の教育研究に必要な講義室、研究室、実験・実習室、演習室等を備えるものとする。

◎   LSが大学に所属していない場合、所属していても大学の他の部分から離れた場所にある場合には、LSは大学の図書館でのみ一般に発見できるような資料を含むように図書館の蔵書を拡充し又は同地域内の他の教育機関との関係を発展させることによって、学生及び教授団に大学との関係に通常由来する利益を提供するよう努力すべきである。【208】

◎   LSは、法律図書館を維持するものとする。【601a】

◎   法律図書館は、LSの授業、研究及びサービスプログラムを支えるのに十分な経済的基盤を有するものとする。【601b】

◎   LSは法律図書館の十分な独立した管理上の自治権を有するものとする。【602a】

◎   学長及び図書館長はLSの教授団と協議の上、図書館に関する方針を決定するものとする【602b】

◎   法律図書館長及び学長は、人材の選任・雇用、サービスの提供、蔵書の維持・拡充について責任を負う。【602c】

◎   予算は、LS予算の一部として決定され、同様の方法で管理されるべきである。【602d】

◎   フルタイムのディレクター(館長:LS教授団の一員)により管理される。【603a、d】

◎   ディレクターの資格要件は、法学の学位および図書館学または情報科学の学位を有し、かつ、図書館の運営に通じていること。【603c】

◎   法律図書館は、適切な図書館サービスを提供するのに十分な数の有能な職員を有するものとする。【604】

◎   レファレンス(文献照会)、ビブリオグラフィー(文献目録)その他LSでの教育・研究に必要なサービスを提供するものとする。【605】

◎   法律図書館は、LSの学生、教授の教育、研究上の要求を満たす十分な蔵書を有するものとする。【606】

○   法律図書館に不可欠な図書は、1連邦裁判所の判例集、2すべての連邦法典、3条約及び国際協定等である。(解釈606-7)

◎   LSは、現在の法学教育のプログラム及び直近の将来において予想される成長の両方について適切な物理的施設等を有するものとする。【701】

○   適切な物理的施設とは、1十分な数と広さの教室・セミナー室、2臨床法学教育、トライアル、上訴手続き等を含む専門的技能コース等の実施に必要なスペース、3教授の研究及び教授・学生間の面談のために必要なスペース、フルタイムの教授一人に一つの研究室等である。(解釈701-2)

◎   法律図書館の広さ、場所及びデザインは、LSのプログラム及び登録学生数に照らし、LSの学生、教授団、法律図書館のサービス、蔵書、スタッフ、運営及び設備に関して十分なものとする。【702】

◎   LSは、その施設内に、学生及び教授団のために、調査研究のための座席を確保する。【703】

○   LSの大きい方のプログラムの登録者の最低50%に相当する数の座席を確保していないLSは、この基準を遵守していないものとみなされる。(解釈703-1)

○   法科大学院について必要な施設設備については、どのように考えるか。
   ・教室(模擬法廷)
   ・図書館
   ・設備
   ・付属施設
   ・支援教員
○   機械、器具等
(院基準第20条)
◎   大学院には、研究科又は専攻の種類、教員数及び学生数に応じて必要な種類及び数の機械、器具及び標本を備えるものとする。
○   図書等の資料
(院基準   第21条)
◎   大学院には、研究科及び専攻の種類に応じ、図書、学術雑誌、視聴覚資料その他の教育研究上必要な資料を系統的に整理して備えるものとする。

<独立大学院>

  現行の設置基準等 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○独立大学院
(学教法   第68条)
□   教育研究上特別の必要のある場合においては、第53条の規定にかかわらず、学部を置くことなく大学院を置くものを大学とすることができる。

◎   大学に所属していないLSは、個人によって構成され、健全な法学教育プログラムの維持のために活動する経営委員会(governing board)によって運営されるものとする。【203】

※ほとんどのLSは大学に所属しているが、例えばロサンゼルスのサウス・ウエスタン・ロースクールなどは、いかなる大学からも完全に独立している。

○   法学部に組織上の基礎を持たない大学院(独立大学院)について、どのように考えるか。
(学教法   第53条) □   大学には、学部を置くことを常例とする。
(院基準   第23条) ◎   学校教育法第68条に定める大学に置く大学院(以下「独立大学院」という。)の研究科の種類及び数、教員数その他は、当該大学院の教育研究上の目的に応じ適当な規模内容を有すると認められるものとする。
(院基準   第24条)

◎   独立大学院は、当該大学院の教育研究上の必要に応じた十分な規模の校舎等の施設を有するとともに、校地については高度の教育研究にふさわしい環境を有するものとする。

2   独立大学院が研究所等との緊密な連係及び協力の下に教育研究を行う場合には、当該研究所等の施設及び設備を共用することができる。ただし、その利用に当たつては、十分な教育上の配慮等を行うものとする。

(要項細則   八) ○・当該大学院の教育研究上の必要に応じる講義室、研究室、実験・実習室、演習室、図書館(室)、自習室等が専用として設けられていること。
   ・教育研究の場としてふさわしいよう、校地、校舎の環境が整備されていること。

<通信制大学院>

  現行の設置基準等 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○   通信教育を行う修士課程、専攻分野、教員組織
(院基準   第25条〜27条)

◎   大学院には通信教育を行う修士課程を置くことができる。

◎   大学院は、通信教育によって十分な教育効果が得られる専攻分野について、通信教育を行うことができるものとする。

◎   昼間又は夜間において授業を行う大学院が通信教育を併せ行う場合においては、通信教育を行う専攻ごとに、第9条第1号に規定する教員を、教育に支障のない相当数増加するものとする。

◎   LSは通信教育(study by correspondence)について単位を与えないものとする。手続規則及び審議会が採択した評価基準に従った遠距離学習(distance learning study)に単位を与えることができる。【304g】 ○   社会人等が容易に学ぶことができるよう多様な形態の一つとして通信制大学院について、どのように考えるか。
○   授業方法、単位計算方法
(基準   第3条〜5条準用)

◎   授業は、印刷教材等による授業、放送授業、面接授業若しくはメディアによる授業のいずれかにより又はこれらの併用により行うものとする。
2   印刷教材等による授業及び放送授業の実施に当たっては、添削等による指導を併せ行うものとする。
3   大学は、第1項の授業を、外国において履修させることができる。

◎   授業は、定期試験等を含め、年間を通じて適切に行うものとする。

◎   各授業科目の単位数は、一単位の授業科目を45時間の学修を必要とする内容をもって構成することを標準とし、次の基準により、計算するものとする。
   一   印刷教材等による授業については、45時間の学修を必要とする印刷教材等の学習をもって1単位とする。
   二   放送授業については、15時間の放送授業をもって1単位とする。
   三   面接授業又はメディアを利用して行う授業については、講義及び演習は15時間から30時間までの範囲、実験、実習及び実技については、30時間から45時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもって1単位

○   大学院の施設
(院基準   第29条)
◎   添削等による指導並びに印刷教材等の保管及び発送のための施設について、教育に支障の内容にするものとする。
○   添削等のための組織等
(院基準   第30条)
◎   添削等による指導及び教育相談を円滑に処理するため、適当な組織等を設けるものとする。

<管理運営等>

  現行の設置基準等 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○   教授会
(学教法第59条)

□   大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。

2   教授会の組織には、助教授その他の職員を加えることができる。

◎   大学に所属していないLSは、個人によって構成され、健全な法学教育プログラムの維持のために活動する経営委員会によって運営されるものとする。【203】

○   次の点について、どのように考えるか。
   ・既存の学部、研究科との関係(カリキュラム、人事等)
   ・法科大学院に係る管理運営組織
   ・法科大学院に係る評価
   (自己評価、外部評価、第三者評価)
(国立学校設置法   第7条の4第4項) □   教授会は次に掲げる事項について審議し、及び教育公務員特例法の規定によりその権限に属させられた事項を行う。
   一   学部又は研究科の教育課程の編制に関する事項
   二   学生の入学、卒業又は課程の修了その他その在籍に関する事項及び学位の授与に関する事項
   三   その他当該教授会を置く組織の教育又は研究に関する重要事項

◎   本基準に従ったものであれば、経営委員会はLSに適用される一般的方針を策定することができる。【204a】

◎   学長(dean)及び教授団(faculty)は、教育方法、入学、学生の在学・進級及び卒業についてのアカデミック・スタンダードを含むLSの教育プログラムを作成してこれに従った運営をし、かつ、教授の選抜、採用、昇進、テニュア(終身在職権)付与について勧告するものとする。【204b】

○   大学当局がLSの学長及び教授団から教授の昇進及び終身在職権付与について勧告を行う適切な役割を奪うことは、当該基準に違反しうる。(解釈204-1)

○   LSの学長及び教授団が承認しない入学許可は本基準に違反する。(解釈204-2)

◎   LSの学長は、経営委員会又は経営委員会が指名した者によって選ばれたフルタイムの学長を有するものとし、学長はその選任者に対して責任を負う。【205a】

◎   LSは学長に対し、その地位に伴う責任及び本基準に規定された責任を果たすため必要な権限及び支援を与えるものとする。【205b】

○   教授団又はその代表機関は、学長選任に実質的に関与すべきである。(解釈205-1)

◎   学長及び教授団の双方が、各LSの定めるところにより、教育方針の決定について実質的な権限を有する。【206】

○   評議会
(国立学校設置法   第7条の3)

□   国立大学に、評議会を置く。ただし、1個の学部のみを置く国立大学及び国立大学院大学で1個の研究科のみを置くものにあつては、この限りでない。

2   評議会の評議員は、次に掲げる者をもつて充てる。
   一   学長
   二   学部長、国立大学院大学の大学院の研究科その他の文部科学省令で定める大学院の研究科の長、教養部の長及び大学附置の研究科の長
   三   教育公務員特例法第2条第3項に規定する部局長のうち文部科学省令で定めるところにより当該国立大学が定める者

3   前項各号に掲げる者のほか、評議会の定めるところにより、次に掲げる者を評議員に加えることができる。
   一   学部、前項第2号の文部科学省令で定める大学院の研究科、教養部及び大学附置の研究所のうち評議会が定めるものごとに当該組織から選出される教授
   二   評議会の議に基づいて学長が指名する教員

4   第2項第3号及び前項の評議員は、学長の申出に基づいて文部科学大臣が任命する。

5   評議会は次に掲げる事項について審議し、この法律又は教育公務員特例法の権限に属させられた事項を行う。
   一   大学の教育研究上の目的を達成するための基本的な計画に関する事項
   二   学則その他重要な規則の制定又は改廃に関する事項
   三   大学の予算の見積もりの方針に関する事項
   四   学部、学科その他の重要な組織の設置又は廃止及び学生の定員に関する事項
   五   教員人事の方針に関する事項
   六   大学の教育課程の編制に関する方針に係る事項
      ・・・等

○   部局長の定義
(教育公務員特例法   第2条第3項)

□   この法律で「部局長」とは、大学の副学長、学部長その他政令で指定する部局の長をいう。

(教育公務員特例法   施行令第1条)

□   教特法第2条第3項の部局の長とは、次に掲げる者をいう。
   一   大学の教養部の長
   二   大学に附置される研究所の長
   三   略
   四   大学に付属する図書館の長
   五   略
   六   大学院に置かれる研究科(略)の長で文部科学省令で定めるもの

○   自己評価等
(院基準   第1条の2第1項)

◎   大学院は、その教育研究水準の向上を図り、当該大学院の目的及び社会的使命を達成するため、当該大学院における教育研究活動等の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するものとする。

◎   前項の点検及び評価を行うに当たっては、同項の趣旨に即し適切な項目を設定するとともに、適当な体制を整えて行うものとする。(院基準第1条の2第2項)

2   大学院は、第一項の点検及び評価の結果について、当該大学院を置く大学の職員以外の者による検証を行うよう務めなければならない。

◎   LSは、同窓生、学生その他の者を関係者あるいは助言者として関与させることができる。しかし、学長及び教授団は、LSの教育プログラムに影響を与える事項についてコントロールを保持するものとする。【207】

◎   LSの学長及び教授団は、その使命の表明を含む文書による自己評価を作成し、定期的にこれを改訂するものとする。
自己評価は法学教育プログラムについて記述し、LSの使命に照らしてそのプログラムの長所、短所を評価し、プログラムを改善するための目標を設定し、LSが未だ実現できていない目標を成し遂げるための方法を述べるものとする。【202a】

◎   自己評価は、当該LSの法学教育プログラムが基準301(a)及び(b)(目的)の要件にどのように従っているかを記述するものとする。【202b】

 
○   専門大学院の評価
(院基準   第36条)
◎   専門大学院は、自己点検・評価のほか、当該大学職員以外の者(当該専門大学院の分野の実務家を必ず加える)による評価を行うものとする。
(大学院設置審査基準要項   八) ○   自己点検・評価の実施、外部の者の検証、外部有識者による評価の実施に関しての大学院としての対応(実施方法、実施体制、結果の活用・公表、評価項目等)が示されていること。 △   仮認定を申請中のロースクール、年毎の実地評価前の仮認定ロースクール及び定期実地評価又は特別実地評価前の正式認定ロースクールは、現在の自己評価を提出するものとする。【解釈202-1】
○   管理運営組織
(院基準   第37条)
◎   大学院を置く大学には、大学院の事務を処理するため、適当な事務組織を設けることとする。  
(要項   7) ○   研究科には、重要な事項を審議するため、大学の定めるところにより、研究科委員会等の機関を置くものとする。

 

学位関係

  現行の法令 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○認定の効果
(学教法第68条の2第1項)
□大学は、文部科学大臣の定めるところにより、…大学院の課程を修了した者に対し、修士及び博士の学位を授与するものとする。

◎LSは、学位取得の要件が満たされると同時にJD学位を授与するものとする。【102c】

◎仮認定のLSは、JDより上の学位プログラムを提供してはならない。(JD学位プログラムに全力を注ぐべき。)(解釈102-2)

◎仮認定を受けたLSの学生及び仮認定期間中に当該LSを卒業した者は、正式認定LSの学生及び卒業生同様の扱いを受ける権利を有する。(解釈102-3)

◎認定LSは、認定される前に卒業した卒業生に対し、遡及してJD学位を授与することはできない。(解釈102-4)

◎仮認定LSは学校案内等に仮認定LSである旨表記するものである。(解釈102-5)

◎仮認定を申請中であって未だ仮認定を受けていない場合にはその文言を学校案内に記載。(解釈102-6)

○修了者に付与される学位に関して、国際的通用性を勘案しつつ、法科大学院独自の学位(専門職学位)について、どのように考えるか。(大学院部会における審議との調整)
・専門職学位の名称
・修士との異同
・博士(後期)との関係
・大学評価・学位授与機構による学位の授与の取扱い
○学位授与権の付与
(学位規則第3条第1項)
□修士の学位の授与は、大学院を置く大学が、当該大学院の修士課程を修了した者に対して行うものする。

 

その他

  現行の法令 ABA認定基準 検討すべき主なポイント(案)
○   大学院の設置
(学教法   第2条)
□   学校は、国、地方公共団体及び私立学校法第3条に規定する学校法人(以下学校法人と称する。)のみが、これを設置することができる。   ○複数の大学が連合して設置する大学院(連合大学院)について、どのように考えるか。
(学教法   第3条) □   学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。
(私学法   第3条) □   「学校法人」とは、私立学校の設置を目的として、この法律の定めるところにより設立される法人をいう。
○   奨学金、教育ローン等各種支援制度  

◎   LSは、学生ローンにおいて、学生の貸付金返済の不履行の発生を抑制すべく、合理的な手段を講じるものとする。【510】

○奨学金、教育ローン、授業料免除制度等の各種支援制度について、どのように考えるか(時間面、費用面等)
・各種支援制度についての考え方
・パートタイム学生の取扱(制度部会における審議との調整)
・奨学金、教育ローン、授業料免除制度等の在り方
○   法学部教育との関係      
○   入学資格
(学教法   第67条)
□   大学院に入学することのできる者は、第52条の大学を卒業した者又は文部科学大臣の定めるところにより、これと同等以上の学力があると認められた者とする。

◎   LSの入学許可方針は、その教育プログラムの目的及び当該目的を実現するために利用可能な諸資源に一致したものとする。【501a】

◎   LSは、その教育プログラムを満足に修了し、法曹資格を認定される能力がない入学希望者の入学を許可しないものとする。【501b】

○   入学許可・在学方針及びその運営が財政上の配慮によって決定的に不利益な影響を受けないようにしなければならない。(解釈501-1)

◎   学士号を有するか学士号を得るために必要な単位の4分の3を修了したことを入学許可の要件とする。【502a】

◎   特別な場合に、LSは、入学希望者の経験、能力その他の特徴が、法律を学ぶ適性を明らかに示す場合は、学士号を有していない者を入学させることができる。【502b】

○   入学者選抜に関する次の事項について、どのように考えるか。
   ・標準型たる3年制と短縮型としての2年制に定員を振り分けて募集するのか(再掲)
   ・適性試験、法律科目試験の在り方
   ・小論文、面接等についての考え方
   ・AO(アドミッションズ・オフィス)方式の取扱
   ・他学部、社会人等への配慮方策
(学教法施行規則   第70条)

◎   学校教育法第57条第2項又は第67条本文の規定により、大学(短期大学を除く。以下この項において同じ。)の専攻科又は大学院への入学に関し大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。ただし、第5号から第7号までについては、大学院への入学に係るものに限る。
   一   学校教育法第68条の2第3項の規定により学士の学位を授与された者
   二   外国において学校教育における16年(略)の課程を修了した者
   三   外国の学校が行う通信教育における授業科目と我が国において履修することにより当該外国の学校教育における16年(略)の課程を修了した者
   四   文部科学大臣の指定した者
   五   大学に3年以上在学し、又は外国において学校教育における15年の課程を修了し、大学院において、所定の単位を優れた成績をもって修得したものと認めた者
   六   略
   七   大学院において、個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で22歳に達した者

○   入学試験等  

◎   LSは入学試験を実施する。LSATを利用しない場合は、他の適切な試験を利用していることを証明する。【503】

◎   LSは、各入学希望者に対し、当該入学希望者が実務を行おうとする衆における弁護士資格認定のために求められる人格その他の条件に関する情報を有すべきことを助言するものとする。【504】

◎   LSは、適切とみなす範囲において、入学許可判定機関が入学希望者の人格及び適切を決定する上でLSにとって有益・適切と判断したテスト、アンケートまたは紹介状を利用できるものとする。【504】

◎   LSは、過去に学業上の理由から失格とされた学生が、必要な能力を有すること、及び以前の失格が入学許可するロースクールにおいてプログラムを修了する能力の欠如を意味するものではないことを証明したときには、入学又は再入学を許可することができる。【505】

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