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資料3−1

大学院における高度専門職業人養成について(論点を踏まえた骨子案)

1.総論
   大学院の目的及びその果たすべき役割は以下の12に大別される。
  1 基礎研究を中心とした学術研究の推進及びそれを通じた研究者の養成
  2 高度で専門的な職業能力を有する人材の養成
   特に、近年の学術研究の進展や急速な技術革新、社会経済の高度化、複雑化、グローバル化等を受け、大学院における社会的・国際的に通用する高度専門職業人養成に対する期待が一層高まっている。
   しかしながら、従来、大学院制度は上記1の学術研究の進展・研究者養成という役割に重点を置いた仕組みとなっており、上記2の役割に対する期待に応える上で必ずしも十分でない面も見られる。
   また、高度で専門的な職業能力を有する人材の養成を充実させていくためには、実務家の参画による実践的な教育の実施や第三者による評価の導入等によって、変化に応じた柔軟で質の高い教育を行うことが求められる。
   このため、平成11年に、高度専門職業人養成に特化した教育を行う大学院修士課程として専門大学院制度が創設されたが、修了要件として特定の課題についての研究の成果を課し、これについて研究指導を行うこととしていること、さらに、この研究指導のために必要な教員組織を求めていること等、従来の修士課程の在り方との違いが制度上必ずしも明確になっていない。
   さらに、現在検討が進められている法科大学院については、上記2の目的に即して「法曹養成に特化した実践的な教育を行う学校教育法上の大学院」として位置付けることとされており、実践的な教育をより一層充実させる観点から、修了要件や教員組織等について現行大学院制度とは一部異なる仕組みを導入することが求められている。
   従って、大学院において「高度で専門的な職業能力を有する人材の養成」という役割をより一層果たしていくため、現行大学院制度を見直し、新たな仕組みを整備することが必要である。

2.専門職大学院(仮称)の創設
(目的・役割)
   大学院の目的・役割の一つとして、「高度で専門的な職業能力を有する人材の養成」を法令上明確に位置付けるとともに、従来の修士課程・博士課程に加え、当該目的を担う専門職学位課程(仮称)を創設する。
   専門職学位課程(仮称)を置く大学院は、当該課程に関し、専門職大学院(仮称)と称することができる。
   専門職大学院(仮称)は、「高度で専門的な職業能力を有する人材の養成」に特化した実践的な教育を行うものとして位置付ける。

(専門大学院との関係)
   専門大学院の目的・役割は、「高度で専門的な職業能力を有する人材の養成」という専門職大学院(仮称)の目的・役割に含まれることから、専門大学院については専門職大学院(仮称)に移行することとする。
   ただし、既に設置されている専門大学院が専門職大学院(仮称)に円滑に移行できるような措置を講じることが必要である。

(分野)
   専門職大学院(仮称)は、国際的にも社会の各分野においても通用する高度で専門的な職業能力を有する人材の養成が求められる専攻分野で設置が期待されるところであり、専攻分野を限定しないこととする。

(修業年限)
   各専攻分野における「高度で専門的な職業能力を有する人材の養成」という目的・役割に適切に対応するため、一律の修業年限を定めないこととする。

(教育方法及び修了要件)
   研究者養成を行わないことから、教育方法は授業のみを必須とし、事例研究、討論、現地調査その他の適切な方法による実践的な教育を行うこととする。
   修了要件についても、各専攻分野ごとに必要となる授業科目の履修単位の修得のみを必須とする(研究指導及び論文・研究成果の審査は、必須の修了要件とはしない。)。

(教員組織)
   研究指導を必須としないことから、高度の教育上の指導能力があると認められる者を専任教員として必要数置くこととし、研究指導教員も必置とはしないこととする。
   一方、実践的な教育を行うため、実務家教員については専任教員中に相当数置くことを義務付ける。
   教員数については、通常の博士・修士課程との教育方法の相違を踏まえた上で、最低基準を定めることとする。

(学位)
   専門職大学院(仮称)は従来の大学院とは異なる目的・要件の下で設置されるものとして位置付けることから、その修了者には、社会的・国際的通用性も勘案し、適切な名称の学位を付与する。
   学位の取り扱い
【案の1】
   修業年限等に応じて修士、博士の学位を授与することとする。この場合、専攻分野については「修士(○○)」の形で、養成される高度な専門職業能力にふさわしい分野名称を学位に付記するものとする。
【案の2】
  修業年限等に応じて「○○修士」、「○○博士」といった新たな専門職学位を授与する。この場合、各専攻分野ごとに専門職学位として使用できる名称を法令等に限定列挙するものとする。

(設置認可)
   専門職大学院(仮称)の新設については専攻分野ごとに認可対象とする。
   既設専門職大学院(仮称)の組織改編については、主体的・機動的・弾力的な取り扱いができるよう、同じ専攻分野の学位を授与する課程である限り、認可対象とはせず届出制とする。

(第三者評価)
   専門大学院には高度専門職業人養成という目的に応じた教育水準の維持・向上を積極的に図るため学外者による評価が義務付けられており、専門職大学院(仮称)についてもその目的に鑑み、各専攻分野ごとに第三者評価機関による継続的な評価(アクレディテーション)を受けることを義務付けることとする。

   アクレディットされなかった専門職大学院(仮称)の取り扱いをどうするか。
  設置認可や学位授与権との関係
  修了が国家資格の基礎資格等と関連している場合の取り扱い



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