平成20年7月23日(水曜日)15時30分〜17時30分
文部科学省 東館 3階 1特別会議室
田中委員(座長)
磯村委員、井上委員、小幡委員、鎌田委員、川端委員、川村委員、小島委員、瀬戸委員、永田委員、中谷委員、林委員、諸石委員、山中委員
山口第2WG委員(主査代理)
大学評価・学位授与機構、日弁連法務研究財団、大学基準協会
久保審議官、藤原専門教育課長、浅野専門職大学院室長、神田専門教育課課長補佐
事務局より配付資料の説明が行われた後、各認証評価機関からの説明及び意見交換が行われた。
【委員】
大学評価・学位授与機構の目的のところで「その個性的で多様な発展に資することを目的とし」とあるが、評価基準はかなり細かく設定があり矛盾を感じる。さらに最後の結果及び所見で、その各法科大学院が教育の理念・目的、養成しようとする法曹像にかなった教育が実施されている、としながら不可なのがよく理解できない。50名という基準について非常に疑問に思うのは、そのために法科大学院以外の学生がその授業に全く参加できない状況になってしまう。また、法律基本科目はおよそ全ての学生が同じような形で受けなければならないそうだが、既修者だと学力の差があるので、分けて講義を受けるのも良いのでは。そういう点で各法科大学院が工夫を凝らすのも、個性的な活動として許容できる問題なのではないか。
【ヒアリング対象者】
専門分野別認証評価と機関別認証評価は、法科大学院の場合、ある程度法律の枠組みが明確に決まっていて、その部分は当然守らなければならないが、各大学の個性を出す部分もあり、そのバランスの問題のような気がする。
【委員】
不適格が出たときに、新聞等マスコミで不適格という見出しが出て、その大学の教育が水準以下という意味での不適格であるかのようにとらえた雰囲気があった。この問題について、ある程度の目配りが必要。
【ヒアリング対象者】
この問題の時に1時間以上も記者会見で非常に詳しく説明をしたが、報道の姿勢がその趣旨を全然理解せずに見出しだけで走るというところがあった。日弁連の法曹人口問題に関する緊急提言についても言えるが、評価報告書の内容をほとんど精査していないのではないか。どこに問題があり、どこが良いか非常に細かく報告書に出ているので、正確に読んでもらうことが必要だと感じている。
【委員】
評価基準に一部不適合があったのが実態だが、それが全体の不適合になる仕組みになっているから、個人的には適格・不適格という判定の仕方が良いのか、少し疑問に思っている。
【委員】
報道や世間の受けとめ方がそのような混乱を巻き起こす結果になっているということ、ある意味ではそれだけ周到にやってもメッセージが伝わらないのだということを反省する必要がある。
【ヒアリング対象者】
法令基準、あるいは準ずる基準について違反しているかという意味ではクリアしているが、ここにある問題点はきちんと書いてある。問題が指摘されたが、法令基準に触れるとまでは言っていない。しっかりと報告書を読んでもらえれば、他の法科大学院の参考にもなる。
【委員】
マスメディアであっても誤解の起こり得ない発表の仕方をするということが必要。確かに基準に適合していないから不適合だという意味では正しいが、誤解の余地のないような発表の仕方について、制度の問題か、運用の問題なのか、見直したほうがいいのではないか。
【ヒアリング対象者】
メディアというのは、例えば新聞で言うと見出しが一番である。不適格があると、それが見出しになる。そうすると、幾ら不適格とはこういう意味であると説明しても、一般的な不適格という意味の使われ方、これを不適格といった場合の誤解だと考えると、どうしてもそう書かれてしまう。またエッセンスを書く場合もあるので、説明の仕方というよりも、やはり言葉の使い方。
【委員】
評価機関も、どこに問題点があり、どのような意見があるということがよくわかるような工夫をしているが、対外的にこのようなことは考える必要がある。
【ヒアリング対象者】
不適格の対象になっているこの基準を示した表現形態だが、極めて形式的あるいは重複的な、多くの場合は法令に由来している基準。そのほか、実質的あるいは理念的な点、例えば不適格になった愛知大学の場合は、授業科目が体系的かつ適切に配置されている基準。この基準は極めて実質的な中身で、これはやはり法科大学院の教育のレベルそのものに対する一つの評価ではないか。そういう位置づけは2つの内容があるということを踏まえて、説明と理解をとらなくてはいけない。
【ヒアリング対象者】
形式的な基準については、認証評価機関の役割としては法科大学院の教育の質を高めるためにサポートする視点があるから、相対的に判断をするというよりも、いろいろな事情を勘案して、相手方の主張を聞いた上で、根拠がある場合には考慮した上で判定をする方式をとっている。
【委員】
対象大学に対する対外的なケアにもう少し考慮しないと、こういう結果のやり方がなかなか直らない可能性がある。その際、もう少し検討していく必要がある。
【委員】
各認証機関が文科省へ報告し、文科省が必要な調査、検討を行うというスキームになっている。各大学の結果はホームページ等で公開されるので、ある大学で指摘された事項については言わないでおくというスキームができている。文科省も、不適格だけでなく改善を進めるような積極的なアプローチを必要に応じてやっている。今のところは法科大学院だけでなく全体の大学の質の保証を促進、支援する外部的な機関として第三者評価機関がベースになるというスキームができ上がっている。
【文部科学省】
制度をつくるときに、ほかの専門職大学院と違って、司法試験と法科大学院と連携に関する法律もつくり、何か問題があれば関係者全部で考えるシステムになっている。第三者評価の結果は全て文科省に来るし、法務省にも必要に応じて渡すし、問題が起きた場合に、その問題の設置基準そのものを見直したりする必要がある場合には、この法科大学院特別委員会で審議するという道もある。それから、文科省自身が資料要求から調査、改善勧告まで出せるシステムがある。特に今立ち上げの時期なので、いろいろ問題が起きた場合には常に法科大学院の先生方、法曹三者、みんなで話し合い、どのレベルで処理していこうという運用にあたっても連携してやっていくシステムを今はとれている。創設者全員で協力しながら行くという、単なるシステムでなく、運用においてもいろいろ配慮しているので、そこはみんなで協力してやっていくということで今後ともやっていきたい。
【ヒアリング対象者】
事前検討会議で4時間、前期検討会で4時間、その後3日間現地調査、自己検討会に4時間、分科会が約3、4時間。評価委員会で問題があるときは2、3時間。大体1校に個人で100時間ぐらいかけてしっかりやっている。
【委員】
新60期生の2回試験が不合格になった者について、ロースクールごとの分布もデータ的に集計はできないとは思わないが、それが持つ意味を分析できているわけではないし、逆に今のこのヒートアップした状況の中で、そのデータだけがひとり歩きすること自体いかがなのか。継続して、もしそういうものの分析ができるようであれば考えていきたいが、まだ分析の前提となるようなデータの蓄積自体が十分でない。
【委員】
実務教育をどうするかは、司法修習が終わって一斉に就職活動をするということであれば、そこのレベルで統一ができていればいいと思うが、実際にはかなり早い段階でいろいろな弁護士事務所に就職が決まるので、各法科大学院によって違い過ぎるというのは、やはりある種の共通スタンダードというのは、法科大学院側で意識してやっていく必要はあると感じている。
【委員】
修習サイドと法科大学院の教育サイドのコミュニケーションや連携が十分だったとは言いがたい。対話を進めて、お互いにあるべき形に持っていくことが必要だが、法科大学院としてはやれることに限度がある。実務との連携の面ももちろん重要だが、それ以上に基礎・基本を充実するのがまず第1で、さらにそれとの架橋を効果的なものにするにはどうするのか。理論的な教育の実を実際のシチュエーションで確認していくのが法科大学院における実務基礎教育であり、むしろ実務技能的なことはやはり修習の期間にやってもらわざるを得ない。これまでの2年間ないし1年半でやっていた修習を1年に圧縮するのは少し無理があるのではないか。
【委員】
日弁連でも、現行カリキュラムと司法修習との連携不足だという指摘があるが、司法修習生に意見を聞いたところ、修習所の先生から法科大学院で教わっていないのかと随分言われたという。実務的なものも法科大学院の教育でやってほしいと言っていた。そういった意味で、法科大学院の教育と修習のあり方を、修習とどう切り分けていくのか明確にしていく必要がある。
【委員】
実務サイドとしては、前期修習は法科大学院でやるという受け止め方が違うということも認識されるようになり、日弁連は法科大学院でやれとも必ずしも言っていない。それは修習のあり方を見直すべきというニュアンスもあるとは思うが、量と数が多過ぎて対応できないのでペースダウンしようというニュアンスなのでは。
【委員】
新しい法曹養成プロセスの中で、法科大学院に期待しているところは法理論教育であって、それをどう実務に応用していくのかは司法修習が担うべき役割だと思う。新61期からは導入研修をやらずに、いきなり実務修習からスタートする仕組みをとった。それに対する危惧や心配は、弁護士会を中心に出されたが、先週の委員会で植草委員長が言われたように、実際多くの者が実務修習の経験を積むに従って伸び、正確な分析はできていないが、法科大学院で本来的に期待されている法理論教育をしっかり受けて基礎体力をつけている人たちが多分伸びていく。大事なのは法科大学院における法理論教育で、そのことに意味がある。そこの切り分け、意識改革をさらに徹底し、修習のあり方を改めて見直す必要があるし、相互連携させるところの架橋教育のあり方についても議論していきたい。
【委員】
法科大学院でも自助努力はしているということを世の中に示すことが今回のミッションだと思う。法科大学院間のバランスという関連でいくと、法律実務基礎科目については法科大学院相互間でしっかりした共通項がないので、研修所とのコミュニケーション・対話との関係でつくって示すべき。コア・カリキュラムを考えるとき、教員が教えるものとして設定していくのか、あるいは法律的な知識ということであれば、学生たちが自分で勉強する目標的なもので示すのかを考えていく必要があるのではないか。法律基本科目については、ある程度共通項ができてばらつきがないと思うので、必要以上の枠組みは必要ない。
【委員】
期待される法曹の質については、確固としたコンセスサスがまだ形成途上だが、制度的には2回試験が終わった段階で最低限のものは確保しなければならない。法科大学院が法律基本科目を中心にし、そこで実務との架橋を従来よりも意識したものを少し付け加えるくらいがスタンダードだろう。これがコアカリということになるのかもしれないが、方向性を示して、法科大学院としてのスタンダードというものを示してもらわないと、やはり法科大学院と実務修習との関連のあり方を言わないで、それぞれの法科大学院がひとつひとつ違った方向・方法でやるということが放置されると、司法試験に最重点を置いてやる法科大学院というものも許容されていく可能性があると思うので、法律基本科目を重視ということは強調しているが、同時に実務基礎科目はどの程度やるべきかという指針を示した方が全体としてよいのではないか。
【委員】
制度の枠組みとしては、法科大学院では法理論教育をきちんとやり、プラスして実務との架橋をやるという合意の上で出発している。それで、法律基本科目は一定単位数に限り、展開・先端を一定以上やる。原点に返って、あるべき姿について再認識することがまず出発点ではないか。
【委員】
適性試験の利用のされ方が、法科大学院の入試の中に吸収されて、どういう利用のされ方をしても、基本的には問題がないかのように進めているわけだが、そのあたりも検討課題になるのではないか。
【委員】
適性試験は一定以上超えていれば必ず相当な成績が上げられるという前提ではないので、適性試験を通過したからといって、その学生の質を保証することにはなかなかならないのではないか。
【委員】
適性試験と入学後の成績に相関関係がなく、一番相関関係があったのが面接試験となっているが、受験者の層と入学者の層が各法科大学院で大幅に違うので、一律にいうのは難しい。適性試験上位者の入学後の成績が不振であったり、下位区分の人が司法試験に合格したりするなど、現時点では適性試験で絞ってしまうのは現実的ではないだろう。適性試験を一つの要素として見て、各法科大学院が受験者層、入学者層に合わせて使い方を考えていくしかない。入学後の成績の厳正な評価は、認証評価で相当チェックできる。法科大学院の修了者の質を確保する、不適格な人に修了認定が出ないようにするのは、ある程度今までよりは現実的にできるのではないか。
【委員】
適性試験も使い方だと思う。一方では定員充足率が問題になり、一方で充足したらどのレベルの人まで入学させているのかと言われる。質の確保という意味では、定員充足率を厳格に意識すると水増しして入学させることも起こりかねないので、もう少し柔軟に考えたほうがいいのではないか。むしろ、厳しいスタンダードで入学者を選別して、充足しない状態が一定期間続いたら定員を見直していくべきではないか。また、統一的な既修者認定試験という議論があるようだが、各法科大学院のカリキュラムに応じて既修者試験のあり方が導き出されているので、それで質の確保は本当に図れるのかという疑問を持っていることをWGに反映していただきたい。
【委員】
既修者認定試験自体も第2WGでそういう方向で話をしているわけではない。ただ、適性試験については、少なくとも法科大学院には一定の質以上の人しか引き受けないのが、入り口から一定の質を確保するということだろう。もう少し一定の質の確保をしていると言える方法は何かないだろうかという議論があるが、既修者認定試験を統一にするというのはない。
【委員】
既修者枠について言えば、現在の制度が法学部の存在を前提としているが、枠を出ていたら未修者に行くのが当然。もっと本来の未修者にとって法科大学院が本当の意味での多様性を持ったものとして活力を活用していく。そうすれば、卒業生に対する社会の評価も高まっていくのではないか。法理論中心で実務の架橋という制度設計が基本にあるが、ある学校が実務を重視し、一つの特色ある教育を行うこともすごく有益で、基本的な制度設計から逸脱しない限り、そのことについて寛容であるべき。
【委員】
今、検討をしているのはよりよくするためであって、当初の目的のリマインドという位置づけでの検討ではないと理解。確かにいろいろ問題点があることは事実だと思う。それがトータルとして、目的と手段も不十分だから、当初考えていたこともスピードダウンをして、このままいくと国民の権利擁護に支障をきたすというようなことが日弁連から公式に会の意見として出されて、放っておいたらみんな、ああ、そうかと思いそうな気がする。我々は、よりよくするためのいろいろな意見は言うが、今の制度を国民の権利擁護に支障を来すような法曹が出てくると本当に思っていないのなら、きちんと発言をしなければいけない。
【委員】
今指摘された点については、言われているほど問題はない。いろいろ検討し打開しなければならない問題もあるが、日弁連のような議論の仕方は少しとんでもないと思っていて、その点ははっきりしておきたい。
【委員】
マイナス情報はどんどん出ていくが、普通にうまくいっている情報はだれかが言わないと届かない。何か必要ではないか。
【委員】
法科大学院は不適格も出て、司法試験の合格率でうまくいっていないのではないかというイメージで受け取る人が多くいる。実際は、法科大学院はいろんな問題がもちろんあるにしても、うまい方向に進んでいるのもあるが、なかなか伝わらない。そういうマイナスイメージを擁する形で日弁連のような提言が出てくる。
【委員】
法科大学院教育の担い手として、弁護士の役割は各大学の個別的な対応になっていて、組織的な教育のバックアップ資源が少し不足しているのではないか。法科大学院の教育の中身における弁護士会の支援体制が少し考えるべき問題ではないか。
【委員】
日弁連には法科大学院センターという組織があり、全国から委員や各法科大学院の教員方を含めて、教育方法や制度について議論している。組織的な支援をしていないわけではない。志がある人が努力すれば、国民にとって役に立つ法曹になり得る。旧司法試験の時点で絞っていた前よりはるかに広い範囲の人を迎え入れて法曹にしていくことによって、もっと日本の法制度が豊かなものになるし、あるいは国民の法的権利の擁護の時代もはるかに増大し、法曹に対する社会的評価も変わってくるのではないか。それを縮小する方向に変えることはやはり間違いだろう。
【委員】
フランスの法曹人口は、欧米諸国の中では少ない。その5万人程度は最低限として一つの手がかりであったことは事実。3,000は少な過ぎるという意見や、もっと慎重に1,000くらいという意見もあったが、議論して3,000になった。人数を増やすだけでは当然質が低下することが考えられるので、教育を充実させて全体のレベルアップを図るのが法曹養成制度の基本となっている考え方で、法科大学院制度は不可欠の要素であることは間違いない。
【委員】
本特別委員会では、法科大学院における教育の質の一層の向上を図るため、法科大学院における教育の質の保証の在り方を重点的に審議している。
【委員】
近時、法科大学院についての認証評価の結果や司法修習生考試の結果などを理由に、法科大学院の教育の質に問題があり、法科大学院修了者の質が低下しているとして、司法試験合格者数の抑制や、法科大学院を中核とする新しい法曹養成制度自体の見直しの指摘がある。本特別委員会は、このような事態を重く受け止め、関係機関の見解の検討や法曹関係者からのヒアリングなどを行い、実態の把握に努めた結果は、以下の通りである。
【委員】
一部とはいえ、法科大学院における教育の実施状況や法科大学院修了者について幾つかの改善を要する問題があり、法科大学院関係者がこれに真摯に取り組むべきであるとの意見が一致した。
【委員】
一方、批判の根拠とされている法科大学院についての認証評価の結果や司法修習生考試の結果などの意義づけの仕方については、一部の法科大学院やその修了者について指摘されていることを一般化して、法科大学院の教育やその修了者の質全体を評価することは適切でないという意見が多数を占めた。
【委員】
新しい法科大学院制度を総体としてみれば、多くの法科大学院において理論と実務を架橋する教育課程の整備が着実に進み、法科大学院を修了した司法修習生の素質・能力も司法修習生の指導に携わる関係者からは、全般的に従来に比べて遜色はなく、優れた点も少なくないと評価されている。
【委員】
このため、法科大学院制度は、基本的には、質量ともに豊かな法曹の養成という今般の司法制度改革で期待されている役割を十分に果たしており、法曹人口増員計画や法科大学院を中核とする新しい法曹養成制度の見直しを必要とするほどの重大な問題が存在するとは認められないというのが大方の意見であった。
【委員】
また、現時点では、法科大学院修了者の法曹としての質がその実際の活動を通じて利用者たる国民の評価を受けるには至っておらず、そのような段階で、法曹の質についての判断基準も不明確なままに、法曹の質の低下ということが性急に論じられることを問題視する意見も多かった。
【委員】
しかし、同時に、上記の検討の中で、法科大学院の教育や法科大学院修了生の一部に改善が必要な課題が生じており、法科大学院制度が関係者や社会一般の十分な信頼を得ることを妨げ、法科大学院制度の早期安定化を困難にしているという実情があることは否定しがたいとの共通の認識に至った。このため、法科大学院関係者はこの実情を真摯に受け止め、法科大学院における教育の質の一層の向上に全力を挙げて取り組むことを強く要望したい。
【委員】
本特別委員会としても、各法科大学院が自主的な創意工夫によってその教育内容・方法を充実させ、修了者の質の保証を実効的に行うことを促進・支援するための方策を審議することを通じて、関係機関とも連携を図りつつ、質量ともに豊かな法曹の養成という社会的責務を法科大学院が適正に果たしうるよう支援していく所存である。
【委員】
法科大学院には問題があるから、もっと直さなければならないというイメージが強いのではないか。全体としては着々と進んでいるということをもう少し強く打ち出せないか。
【委員】
いろいろ指摘はあるが、言われているほどではなく、きちんとやることはやっている。
【委員】
成果とか役割とか前向きなものをもっと大胆に打ち出したほうがいいのではないか。
【委員】
新しいシステムが今動き出して、軌道に乗り出したというメッセージが一番大切ではないか。弁護士があってニーズが生まれる。ニーズがあって弁護士が必要とされるのではない。本末転倒になる。
【委員】
特別委員会として何か出すのは、やはり社会に向かって見識のある見解を出すのがあるべき姿。
【委員】
イメージの持っていき方で、本来のプラス面をもう少し強調できるのではないか。
【委員】
制度は動き出して、どんどん役割を果たしつつあるということはぜひ入れていいのではないか。
【委員】
既に達成した部分をもっと強調してほしい。例えば、今までは法曹倫理について体系的な教育を全く受けないで法曹資格を得ていたがそれが加わった。全員が行政法を学ぶようになったのも大きな変化。早稲田のクリニックで刑事の被疑者弁護をうけたが、学生たちだけで不起訴を勝ち取った。つまり、刑事弁護の実務に対して反省を迫るような変化まで既に引き起こしている。そういうプラス面をもう少し強調すれば、マイナス面ばかりが取り上げられる心配はない。
【委員】
最後の改善が必要な点がひとり歩きするのではないか。もう少し、問題点として指摘され変更している点だととらえることはできないか。
【委員】
うまくいっている点の現状をもう少し具体的に。プレゼンテーション能力やディスカッション能力、そういう双方向、多方向教育のものが確実に芽生えている。
【委員】
基本的に先週と今回の委員会の議論を踏まえて、座長のステートメントという部分になるので、当初の報告された形の範囲でまとめるのが一つの見識を示すことになる。この2日間での議論をまとめていくには、それなりに限度がある。基本的には当初の読み上げられた方向でまとめるのがひとつのバランスになるのではないか。
【委員】
我々の議論の前提は、100年に1回の改革のようなもので、これをきちんと立てていくにはある程度時間がかかることがベースになっている。その意味では、この段階では今の程度のまとめであり、あとは言葉の並べ方をどうするかということの工夫が大事だろう。
【委員】
法科大学院のメリット等を自画自賛することではなく、目指しているものに進んでいるという客観的な叙述が必要である。
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