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法学部卒業だが時間の経過している法学未修者や、現行司法試験の勉強を続けてきた者の入学時の法的素養は必ずしも高くない。しかし、こういった学生を含めて学生全体、特に退職して入学した法学未修者の学習意欲は非常に高いので、今後の法科大学院の大きな起動力になろう。法科大学院の学習日程は厳しく、さらに自学自習の必要もあり、学習意欲と厳しい学習日程とが相俟って短期間で効果が上がるが、反面学生たちが余裕を失い、学習が上滑りして消化不良を起こすおそれもあるので、一つずつ咀嚼して理解できるよう、学生の精神面も含めて指導に当たって配慮している。 自分は理論科目と実務科目の双方を担当しているが、理論科目の授業をする上で4つの点に留意している。 1点目として、法科大学院創設時に強調された、法的思考力や応用力、創造力の基盤となる訴訟法の基礎的な知識や原理をしっかり習得させることである。日本は実定法主義で条文が整備されており、条文に関する解釈等の蓄積も深いので、尚更重点を置くべきである。現状では、学生の法的な知識や素養は必ずしも高いとは言えず、条文を熟読するよう指導している。刑事訴訟法の演習でも演習問題の半分を基礎的な問題として知識を確認し、もう半分は応用問題としている。 2点目として、判例の熟読を重視している。長文を読解し、法律的に整理する能力は、実務家には必要な要素だが、最近の学生はそれが足りない。重要な論点を含む判例については要旨や事実関係だけでなく、どのような主張に対しての判決かまで勉強させている。判例の論点と学説上の論点は概ね一致していることが多く、学説を学ばせる観点からも判例は良い教材となる。また、興味のある判例を読むよう学生に指示し、刑法と刑事訴訟法の問題が混在した事例問題を作成する際も、判例を素材としている。 3点目として、積極的な気持ちで学習に取り組ませることである。教員が一方的に板書し、学生が一生懸命ノートを取り、教科書に下線を引いて覚え込む学習方法は、法科大学院では好ましくない。学生が積極的に質問し、自身の理解度を確認しながら学習を進める必要がある。また、講義や演習の冒頭では時事的な刑事事件の捜査や裁判に関連した話をして学生の興味を喚起している。しかし、双方向授業は難しい。学生同士が議論を始めるとすぐに活発になるが、しばらくすると相手の見解に納得して議論を終えてしまう。そこで事前に学生それぞれの見解を提出させ、それに基づき学生を指名して議論を進めざるを得ない。また、授業時間内に正確に教えるべき事項はきちんと言っておくように心がけているが、双方向授業では時間が不足がちになるので、対処法が難しい。 4点目は感想になるが、やはり時間不足である。特にゼロから始めた法学未修者に刑事訴訟法を十分理解させるには余りに時間がない。そこで関係科目間で取り扱う事柄がなるべく重複しないようにし、私が担当する授業で取り上げない問題については、他の授業で詳しく取り上げる旨を学生に告げている。また、授業では取り上げる時間のない重要な問題もあるが、関連した判例や教科書のページ数を挙げて学生に自習するよう指導している。 実務科目については何に基準を置くかが最大の問題である。法科大学院での実務科目は、司法研修所での実務修習やその後職に就いてからの実務への橋渡しで足りるのではないか。模擬裁判では、事実認定については厳密なものを求めず、手続の流れを理解させることを重視している。 3年程度経過した時点で、学内でカリキュラムや演習の内容、授業方法や再試験の在り方などについて再度吟味する必要がある。刑事なら刑事関係の実務家教員のみで他校との意見交換会を各ブロックごとに開き、より良い教育のために率直に意見交換をすることが必要である。 新しい制度が創設された場合、そのマイナス面を強調して消極的に評価すべきではなく、プラス面を生かすべきである。法科大学院は準備万端で発足したわけではなく、教材も試行錯誤しながら考えている。法科大学院の評価は相当長い期間で見てもらう必要があるのではないか。そのためには大学側でも実状分析などの作業が不可欠であろう。
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理論科目の授業では相互に討論させることは難しいが、担当科目である法曹倫理には、正解はないので、学生には自分の意見を述べ、他人を説得する練習であると指導し、学生も様々な意見を述べ活発に討論している。 成績評価は平常点及び期末テストを組み合わせて評価することとし、演習では平常点評価の実施を学生に伝え、小テストやレポートを書かせて客観化しているが、非常に難しい。 司法研修所では後期修習時2回試験があることや、実務家になることへの不安感があることから熱心に勉強をする一方で、前期修習時には浮かれた雰囲気もあることと比較すると法科大学院の学生は非常に熱心である。特に昨年度の法学既修者は、ほぼ全員が現行司法試験の勉強をしてきた者で、ある程度法知識を持ち、課題もきっちりこなし、講義での発言も積極的だった。オフィスアワーは質問者が多く、講義後にも多くの質問を受けた。講義は、理論だけでなく訴訟手続の流れを意識させるとともに、個々の場面での問題解決のため、訴訟法の理論の必要不可欠さを理解させることを念頭に進めた。講義の最初には司法研修所作成のビデオを視聴させ、手続の流れを説明した上で授業をした。現行司法試験受験の影響か、学生は論点の知識は豊富だが、相互の関連性や理由付けの理解度が不十分であったので、授業中にはなるべく学生の弱点を突く質問を心掛けた。 昨年度の経験から、基本法の知識をより深める必要性を感じたので、今年度の3年生には、手続に沿った書面作成のため、例えば請求原因として何を主張すべきか、手続の進行に従って民事訴訟法上の問題点をどう考えるべきか、という理論的背景をなるべく意識させたいが、具体的にどう教育するかはなかなか悩ましい。学生はやはり新司法試験合格への意識が非常に強いが、実務科目は疎かにできない。 また、昨年は2年生全員が法学既修者であり、ある程度学生のレベルは一定だったが、今年は2年目の法学未修者と、1年目の法学既修者が同じクラスで学んでおり、どのように教育するかが最も悩ましい。昨年より手厚く教育しようと思い、次回の予習用レジュメを事前配付しているが、学生が理解を深める上で十分であるか心配である。学生は多くの科目を学習しなければならず、様々な科目で課題を出されると、時間を取られて復習の時間がないとの声がある。どの科目でも時間不足は否めず、教えることは山ほどあるのだが、院生側の咀嚼能力とのバランスの取り方が非常に難しい。 オムニバス方式の授業の相教官と授業の目的や方法を打ち合わせるほか、民事系の他の科目の教員とも打合せを行っている。各教員共に時間不足を感じており、定期的になるべく授業内容が重なり合わず、かつ抜け落ちることがないよう相談している。新司法試験のサンプル問題やプレテストでは、民事法では民事執行も出題されており、必修科目で補う方法も相談している。特に同じ民事系の教員との意見交換では、学生の他の情報なども得られて非常に貴重である。
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実務科目の履修状況について、特に新司法試験が近づき、試験科目でないことから今年度より急に関心が減退しているとの声があるが、どのような感想をお持ちか。
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本学では2年次に実施しており、今年度は未実施のため状況は不明だが、少なくとも昨年度はかなり熱心だった。
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司法試験科目に関係ないから関心が薄くなったのではないかとの指摘は、年次に関係なく関心が薄いということなのか、それとも特に3年次にその傾向が見られるということなのか。
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合格率の関係で、新司法試験の難易度が高いとの認識が浸透した結果、学生はやはり試験に直結する科目に力を注ぎたいとの考えが強い。アメリカでも同様の指摘があるが、一般論として、この問題にどう対処するか。
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確かに一部の学生は六法科目以外の展開科目・先端科目への関心が薄い。六法科目以外の科目に学生が興味を持って参加するような工夫も重要であると思う。
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各大学での実務科目の内容は、裁判実務にかなり比重を置いているとの印象があるが、例えば予防法学的な活動やロイヤリング等の法定外の実務は、どのように教育しているのか。
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本学では別な施設を借り、現役の弁護士の指導のもとに法律相談を受け付けている。しかし民事のみで、刑事については法律相談はしていない。学生は交代で参加し、1人の学生当たりの実習時間は短いが、今後はなるべく交代で実施する予定である。
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本学では刑事の模擬裁判を、法曹三者の各教員が担当している。エクスターンシップは、弁護士である教員が担当し、選択科目として行われているが、リーガル・クリニックは行っていない。
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どのような理由から、リーガル・クリニックを行わないのか。
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カリキュラム編成時には本学に関与していなかったので,理由は承知していない。
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民事のリーガル・クリニックを実施して何か問題点等はあるか。刑事のリーガル・クリニックを実施しない理由は何かあるのか。
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リーガル・クリニックでは、相当な数の弁護士に協力頂いているので弁護士確保の問題や、学生が同席して勉強するだけの相談があまり来ないという問題があると聞いている。刑事のリーガル・クリニックは法律相談が少なく、あってもどこまで接見等ができるか問題があり、当面は民事のみ実施するようだ。
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実務家教員と研究者教員との間で意見交換や連携の場を設けているとのことだが、少し具体的な例を教えていただきたい。また、実際の教育内容はどう分担しているのか。
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平常点評価の難しさや小テスト実施に関する話をし、レジュメを事前配付している教員とは、レジュメを交換して内容について議論している。分担については、演習で取り上げる判例がなるべく重ならないようにし、さらにお互いの教育方法や成績評価等について意見交換している。
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演習問題の作成に当たっては、実務家教員や研究者教員、あるいは就任予定の教員だけでなく、他大学の刑事系の教員を含めた教材検討委員会を開いた。特に刑事法の総合演習では、刑法と刑事訴訟法の両方が混在した問題を作らなければならず、かなり議論をした。現在は各教員が授業で配付したレジュメや、教育内容についての情報を互いに交換している。また、再度教材検討委員会を開くことも必要であると思っている。
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新司法試験と現行司法試験のための勉強との相違に関してだが、各大学相当努力して、実務家教員が一生懸命教育し、学生も興味を持って学習していることが、新司法試験には反映されるのか。試験問題に法曹倫理を盛り込むのは難しいだろうが、法科大学院全体の取り組みを新司法試験にも反映させてもよいのではないか。前回は学生のコミュニケーション能力はなかなか育ちにくいとの話があり、今回は知識を結び付け、総合的に考える能力がなかなか育っていないとの話があったが、実務科目が疎かにならないような新司法試験にできないか。先日のプレテストはどのように受け止め、また、新司法試験はどう工夫していけばよいのかをお聞かせ願いたい。
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今年のプレテストや昨年のサンプル問題は実務科目に関連した事柄がかなり要求されていると思う。刑事科目に関しては、昨年のサンプル問題では、事実認定で択一的事実認定の問題も論文式試験の中に含まれており、今年のプレテストでも、捜査から始まった手続の流れを基調にした問題があったが、それらは裁判演習の授業で、起訴前の弁護人や検察官の活動を学習しなければ理解しにくい問題である。従って、現在の法科大学院での教育を、相当程度カバーしているのではないか。
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サンプル問題とプレテストについては、特に民事系は文章が非常に長く、多くの情報が盛り込まれた中から必要な事実を取り出して分析することが必要とされていたので、法科大学院での教育を反映していないわけではない。実務の場面で理論的な裏付けの必要があるとの観点から理解を深めるさせると、実務科目に学生も付いてくるのではないか。
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確かに新司法試験に法科大学院の教育内容を反映させる方向もあるが、試験は試験であり、法科大学院での学習全部を試験で試すとの考え方は、制度設計時でも採られていない。コミュニケーション能力などは法科大学院で責任を持って教える能力であり、試験で確認する必要はないとの趣旨から、新司法試験では試さないとした。法科大学院の教育内容に合わせた新司法試験の在り方には多くの側面があり、教育内容に沿った試験であるという点と、そもそも試験で評価できる能力は限定的であるので、その上でどう試すかという点が必要との議論が制度設計時にあった。
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本学の実務家教員もリーガル・クリニックに非常に意欲を持っているが、なかなかうまくいかないので、試行錯誤している。学生からは、課題が多いので試験前の3日間程を休みにして欲しいとの声があり、そのような期間を設けなければ、現状では学習した内容が定着しないままになる懸念がある。
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実務家教員が法科大学院の教育に携わることは、学生だけでなく研究者教員にとっても非常に刺激があり、お互い大変有意義なのではないか。法曹倫理の授業では非常に活発な発言があったとのことだが、多くの学生から優れた意見や指摘が出て授業は非常に活発であっても、答案をしっかり書けないとの感想を述べる実務家教員がかなり多い。これに関してどのような感想をお持ちか。また、本学でも民事・刑事の模擬裁判を選択必修で開講しているが、3年生の後期ともなると、なかなか履修する学生がいない。教員がしっかり準備をしても、ある程度人数がいなければ授業ができず、新たに後期から募ることなどはなかったか。
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自分も、学生が文章を書けないとの感想を持っている。ただし、それは恐らく法科大学院生に限らず、現行司法試験の論文答案を見ても論理的にきれいな文章を書ける者は余りいない。確かに論理的な文章を書けることは必要であり、本学でも学生から文章を書く練習がしたいとの声も挙がっている。答案練習ということではなく、論理的な文章を書く訓練はした方が良いと思う。
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裁判演習を今年の春学期に実施し、30名ほどが受講して15名ずつ2クラスに分けた。模擬裁判では、配役の人数がぎりぎりで、もう少し人数が欲しかった。その理由として、1年目は模擬裁判の授業内容が不明確だったことや、、他の科目と時間が重なる関係もあったのかもしれない。履修した学生からは非常におもしろかったとの声があり、広報にも努めることとしており、おそらく来年度からは増えるのではないか。
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議論はできても文章が書けないとのことだが、論文については少なくとも新司法試験でチェックされる。逆に新司法試験では口述試験がなくなるが、口述試験の試験委員をしていても、やはり法曹としての適格性に不安のある者はいる。典型的なのは、一つの理論に固まると修正できない者であり、そのような場合はもう一人の試験委員と議論の上、落第させていた。そういった問題は法科大学院の授業の中で克服されているのか、あるいはそのような学生は落第させているのか。
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法曹不適格者をどの基準、またはどの要素を重視して落第させるかは非常に難しい問題があり、模索しているのが実情ではなかろうか。例えば、論理的な文章を書くことは、今の法律家にとって非常に重要な要素であるが、口頭で自分の法的な意見を述べ、相手を説得するまではいかないにしても、明瞭に相手に意思を伝える要素も非常に重要である。
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結果的に能力が不足する者に対しては厳しい評価になろうが,法科大学院としてはまずは授業や講義を通して何とか様々な思考力を身に付けさせるよう指導していくべきではないかと考えている。
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基本科目の授業でも、非常に活発に意見を述べるが試験は出来ない学生が多い。文章能力以前の問題で、やはり多くの学生は試験で論理的にアウトプットする思考力が不足している。 司法試験との関係で、各法科大学院での教育の成果をそのまま新司法試験で試すことは無理だろうが、リーガル・クリニックでも相当時間を要する事件の受任をしており、本学では新司法試験は法科大学院の教育にほとんど影響を与えておらず、マイナスの影響は感じない。しかし研究者教員からは、基礎的な知識もない状態で実務科目ばかりにのめり込んで学習することが良いことなのかという声も強い。 法曹不適格者を落第させる問題についても、入学試験の面接試験に大きな比重を置けば、入学してくる学生にそれほど心配はなく、法律家として不向きな者がいたとしても、試験で単位が修得できなければ辞めてしまうので、ある程度の峻別は法科大学院に期待できるのではないか。
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数年前、知的財産分野では全米トップのロースクールを訪問した際、クリニックの授業を見学した。このロースクールはクリニックのレベルが相当高く、学生が死刑確定事件の再審のプログラムに取り組み、DNA鑑定を駆使して無罪を証明し、何人もの死刑囚を救っている。クリニックの説明を受けた際、学生が我々の質問に的確に答えていた。時間の取られるクリニックに熱心に取り組む理由を質問すると、自分が法律家になる意味を再確認するためだとの答えだった。法曹の教育としては理想的だが、日本でそれを可能にするには、やはり司法試験が障害である。今の日本の学生は、六法だけを意識しすぎて、初心を忘れない学生は減少しているのではないか。 確かに司法試験は法科大学院での教育すべてを試す必要はないとの構想だったが、それは司法試験の合格率が相当高い前提があってこそ論理的に成立する話ではなかったか。その点を考慮しなければ、日本の法科大学院は良くならないのではないか。
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これまで紹介いただいた法科大学院の教育の現状など、法科大学院における教育水準の確保のための方策や、指摘いただいた前提条件の整備の問題等については少し整理をした上で、今後の課題について議論を深めたいと思う。また、展開・先端科目や基礎法学・隣接科目の問題も今後検討していきたい。
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法学未修者の教育について、2年次に法学未修者と法学既修者のクラスが一緒になった場合についても、少し幅広い角度から検討して欲しい。
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法科大学院の理念によれば、多様なバックグランドを有する人材をどう教育するかについても、理論と実務の架橋と並んで重要な教育目標であるので、適切な時期に議論したい。また、各委員とも法学未修者と法学既修者が混じったクラスの授業をした経験を持っていると思うので、その点も一度検討したい。 |