平成20年9月30日(火曜日)11時〜14時
文部科学省 東館3階 3F2特別会議室
田中委員(座長)、木村委員(座長代理)
磯村委員、井上委員、小幡委員、小山委員、鎌田委員、川端委員、川村委員、小島委員、瀬戸委員、中谷委員、永田委員、林委員、山中委員
徳永高等教育局長、久保高等教育局審議官、藤原専門教育課長、浅野専門職大学院室長、神田専門教育課課長補佐
事務局より配付資料及び「法科大学院教育の質の向上のための改善方策について(中間まとめ)」(案)について説明が行われた後、意見交換が行われた。
【委員】
志願者が減少して質の高い入学者を確保することが困難になっているとあるが、結局のところ、入学者定員が多い中で最終的な司法試験の合格者数が限定されているので、合格率の低い大学院が出てきている。この関連があるということをどこかで示したほうが公平な書き方になるのではないか。
【委員】
司法試験の合格率が悪いのは法科大学院の教育内容がよくないからだという発想で書いているという印象を受ける。法科大学院を設置したときに、2010年に3,000人という合格者の目標との関係で、すぐに合格率は3割台もしくは2割台に落ちるということはわかっていた。法科大学院の定員にこの段階で何らかの形で絞りをかけるというのは一つの解決策だが、そもそも新しい法曹養成制度をつくった原点は何だったのかということを考えれば、それは唯一の解決策ではない。
もともと多様なバックグラウンドを持つ人たちを法曹に迎え入れて法曹の能力を広げ、社会のあらゆる局面に法律家が進出していくという理念であったが、司法試験というのはまさに法律科目だけの試験なので、それ以外の要素が落ちてしまう。既修者の合格率は51.32パーセントなのに、未修者の合格率は23.67パーセントしかない。今の司法試験が未修者にとっては非常にそれを乗り越えるのは困難な試験になってしまいつつある。それぞれの法科大学院が未修者の教育がおかしいから、あるいは未修者の入学者の選抜がおかしいから合格率が低いわけではないということは容易に想定できる。そうすると、司法試験自体に何か問題があるのではないかと発想したほうが素直ではないか。
本来司法試験は、きちんと法律基本科目の能力を見ることが必要なので行う試験であったはずで、最低限の能力の水準というのは基本的に一定に保たれているべき。しかし、2006年の総合評価の総合点の最低点は915点、2007年には925点に上がり、それが今年は940点になった。もし2006年と同じ水準で合否を判定すれば、今年は2,401人が合格したことになり、去年と同じ水準で判定すれば2,280人合格したはず。合格率3割台には変わりないが、ここで落とされた数百人の人たちが本当に法曹としての最低水準をクリアしていない人なのかという点で言えば、合格者の最低点を引き上げる必要はなかったのではないかと思う。
もちろん法務省からは、この差というのは短答式多枝選択の最低点が2006年と2007年は210点だが、今年は230点に上がったと。その結果として論文の最低点は同じ水準で見たけれども、短答の点数が上がっているから総合点として上がったという説明がされているが、この説明自体も非常におかしいと思う。本来であれば全受験者について論文の成績も採点すべきだが、技術的な理由で論文の採点ができる数は限られているので、その数を決めるために短答式試験を使うということはやむを得ないが、短答で足切りをされて論文の採点を受けられない人が相当高い水準で設定されてしまうと、総合評価をするというこの制度自体をゆがめてしまうのではないか。
また短答式試験は、かつての短答式が予備校教育で担われていたように、細かい法的知識を覚えるのに時間がかかるので、未修者にとって不利な試験として働いている可能性もあるのではないか。法務省は、この210点と230点の間にどれだけの未修者がいてどれだけの既修者がいたのかというデータを明らかにしていないが、もしそこに相当数の未修者がいたとすると、それが未修者の合格率の低下の原因になっているのではないかとも推測できる。
人為的に設定された合格者数が非常に大きな問題の一つであって、法科大学院の教育それ自体がおかしいからたくさんの不合格者を出しているという、そういう関係にはないということをはっきりと理解しなければならない。もちろん、法科大学院によって教育の質に差があることはわかっているが、そういう質の是正というのは本来、第三者評価の制度で行われるべきもので、それを司法試験の合格率で置きかえるというのはおかしいのではないか。
また現在、司法試験の合格率というのは、少なくとも私が関与している第三者評価では見ていない。これを見ない理由は、本来の法科大学院教育に我々が求めたものとは全く逆の方向へのドライブがかかるということを恐れるため。例えば未修者コースの選抜でも、法学部出身で法学を修めていて、合格率が高そうな人が選ばれているのではないかという問題がある。それから、実質、法律基本科目を教えながら、展開・先端科目や基礎法学・隣接科目に分類するとか、3年に演習科目を置いて、実際には司法試験類似の問題を毎週出して添削するというような形で司法試験の勉強に集中しているとか、あるいはその反面として実務基礎科目あるいは基礎法学・隣接科目が軽視されるというような、そういう弊害が出てくる。結局は法廷でしか使えないという法曹を作ってしまうということになるのではないか。
【委員】
多様なバックグラウンドを持つ人を受け入れて、多様な教育をして法曹としてもいろんな仕事をしていくときに、基本的な法律科目をしっかり身に付けなくていいかというと、それは違う。基本的な法律科目についての素養に不安がある法曹も一部にいるという指摘があることも事実で、それを軽視してはいけない。
司法試験も法科大学院の教育を反映させて変わってきていることは事実なので、それが十分かどうかは別だが、やはり一つの指標にはなるだろう。それが過度に行き過ぎると、確かに予備校化をあおるということになるが、それについては認証評価や、フォローアップの組織で厳しくチェックしていくべきだと思う。既に認証評価の中ではそういうことが目立つところは、注意を受けたり、あるいは不適格になっているところも出てきている。
やはり良質の法曹を送り出せるだけの体制が整っているかと見直してみることは、この時期に必要だと思う。
【委員】
結果として随分合格率が違うというのは、恐らく教える側としてもどういう形で未修者に対して教えて、どれぐらい自学自習で任せることができるかというノウハウが、やはり必ずしも十分ではなかったというところが大きい。司法試験のほうでどういう出題のあり方がその能力を試すのに適切かということをご検討いただくとともに、どういう形でカリキュラムの考え方をこれから整理、改善していくかと検討することに大きな課題がある。
【委員】
確かに司法試験というものは、司法制度改革において想定され期待された法曹としての資質のすべてを測ることができるものではないが、やはり相当低いというのは問題あろうということをこの委員会は問題にしている。それぞれの課題はしっかり考えてくれというメッセージは必要であろう。
【委員】
これだけを指標にするのではないということは、全体の論調から見れば理解されると思う。
【委員】
やはりこの10ページのところだけを見られてしまうと思うので、そういったところの注意は何らかの形でもう少し加えた方がよい。
【委員】
「相当低い」では幅があるので、「著しく低い」とした方がよい。
【委員】
このメッセージだけを取り出されることによって、本来の法科大学院のあるべき教育がゆがめられてはいけない。つまり、司法試験の合格率が一番と見られるのは一番困る。各法科大学院が司法試験の合格率をとにかくアップさせなければいけないと思って、みんながそういう方向に進むというのが一番怖いので、昨年の秋に出した報告とのリンクが若干必要ではないか。
【委員】
この「現状」の2つ目の「直近の翌年」はただの「直近の」でよい。「翌年の」があるとわかりにくくなる。
【委員】
今朝ある新聞が、司法試験実績を基準、中教審指針案、法科大学院の再編という見出しで記事を書いていて、このままでは多分、こういうふうにしか受け取られない。それを一番心配している。
【委員】
法科大学院が発足して問題点が山積していることは事実だが、それは基本的には法科大学院の運営実体そのものの責任にすべて集約できることではなく、もう少し現状の実情を見ていくということが必要だと思う。ただ、合格率が年々低下していくだろうということに対して、合格者の数が前倒しで増加していくならば何とか帳尻が合うだろうという意見が前からあるが、今の状況では難しい。
また、法科大学院修了生の能力が極めて質の高いものであるならば、法曹三者になる人が半分以上ではあるけれども、他にいろいろなところで活躍し、社会に貢献してくれる人が含まれているだろうと思っていた。つまり表は法曹養成だが、多くの人が狭い意味での法曹以外のところに進み、社会の発展に貢献してくれるだろうと思っている。
【委員】
やはり司法試験というものが一つの客観的な標準であるし、この法科大学院自体、法曹を養成するためのものであるとすれば、その観点が抜け落ちてしまうとするとやはり問題であろう。法科大学院の教育なりを向上させていく上での評価では抜け落ちてしまうのが問題ではないか。また、報道が偏っているということであれば、文科省の担当者から適切に記者に話していただくということで、全体を読めばわかってもらえる内容になっているのではないかと思う。
【委員】
法科大学院の修了者が必ず将来法曹三者になる必要はないというのは全く同じ意見だが、やはり法科大学院というのは法曹養成機関としてそもそも設置されたので、法曹資格を得た人がいろいろな方面で活躍をしていただくというのが最も望ましい形なのではないか。
【委員】
全くそのとおりで、今申し上げたのは、現在の我が国の歴史とその前段階として、そういうふうに考えることもやむを得ないだろうと思ったということ。
【委員】
既に何年目かには合格率は30パーセントぐらいになるだろうということが明らかだったことから、かなり最初の段階から法曹養成だけを目指すとも言えなくなってきているのが現在の法科大学院ではないか。
【委員】
その意見には異論がある。制度の趣旨に見合っただけの教育をすることができると申請して、形式的な要件に合致すれば設置が認可された。それだけの覚悟を持ってそれぞれの法科大学院が立ち上がって、いい教育をしようと競っている段階だと思う。だから、人数が多くなったのは設置を認めた方の責任であって、制度自身もそれによって変わってしまったというのは、理論としては筋が悪い。ただ、やはり目立った結果がずっと出ているところについては、それぞれが自主的に定員を含めて見直して、十分な教育ができる体制を組み直していかないと、結局、入ってくる学生に対して不誠実だと思う。これは著しく低いところだけではなくて、それぞれ見直していかないといけない。
【委員】
法科大学院は法曹養成を目指す教育をするということ自体全く否定しているわけではなくて、目的はそれであっても学生の中には結局、法曹になれない人もたくさん出てくる。その現状は受けとめざるを得ない。
また、今後の改善の方向性のあり方というものを示し、こういったことを法科大学院で考えようということを言うことはよいが、最後の16ページの「フォローアップ体制の構築」の「改善の方向性」のところで、この委員会としてどういったスタンスでこれを出していくのかということを慎重に考える必要があるのではないか。
【委員】
日弁連が合格者数を減らすべきと緊急提言を出したけれども、司法改革の基本的な考え方である3,000人ないしそれ以上という合格者を出していくということは、基本的に進められるべきでということをきちんと出しておいたほうが、誤解を防ぐにはよいのではないか。
【委員】
確かに日弁連は緊急提言したが、それは一団体の提言に過ぎず、政府としては閣議決定の方針を維持する方向で進めていくというコメントを出している。やはり3,000人になっていくということを前提として、十分な能力、資質を備えた人を送り出せるだけの十分な体制になっているのかどうかをもう一度見直すというのがこの全体の趣旨だと思う。
【委員】
この問題は3,000人問題に対応するために検討しているものではなく、法科大学院の基本的な姿勢を踏まえて、それに沿った質の確保を行うべきということで、議論をしていったと思う。
【委員】
適性試験と法科大学院の成績については、個別の法科大学院で相関を図っても明確に出ない。やはり全体として適性試験と司法試験で相関を見るのが一番見やすい形になり、多くは一定の相関性がある。一定の法曹としての資格の検証に貢献している試験であるということを前提にすれば、確率的に20点はとれるとすると、そのぐらいの点でも法科大学院に入れてしまうというのは、適性試験を実施していることの意味がなくなってしまう。
【委員】
各法科大学院がさまざまな入試制度をやっていて、例えば、たまたま著しく低い人が入ってしまったとしても、論文やその他に課している試験が良いから総合点で入ったということは当然ある。つまり、適性試験が悪ければ、何か他がよくないと普通は入れないということが担保されているという状態をどう見るか。多分どの法科大学院も法曹にふさわしい人をとりたいという意識はかなり強く、それぞれが、法科大学院の成績との関連で何が一番利いているかという調査をし、その結果、例えば一般論文と相関があったということであれば配点を多くするとか、さまざまな取組もあると思われる。
【委員】
適性試験と司法試験の相関を見るしかないということを言われたが、そのデータはあるのか。
【委員】
今、各法科大学院の成績との相関も検証している。ただ、大学ごとの成績のつけ方も違うので、一定の係数を掛けて修正を加えているので、本当に正確な相関とは言えないかもしれないが、それでもよくできる人とそうでない人という見方はできるだろう。
【委員】
法科大学院の教育と相関がある必要はなくてもいいということではないが、やはり適性試験の点数が著しく低いという層を法曹として送り出していいかというあたりで、一つの線を引くべきではないか。また、今実施されている2つの団体の試験が判断力、思考力、分析力、表現力を的確に判断できるものになっているかということの検証と、その改善がよいかということだと思う。
【委員】
4ページの「改善の方向性」の3番目のところで「試験のユーザーである法科大学院関係者が主体的に参画した上で、適性試験の統一化を図る必要がある」というのは、この方向性はあると理解してよいか。
【委員】
現在2つの適性試験が行われているが、1つにならざるを得ないということ自体はもう客観的に前提になっているとご理解いただきたい。それも、どういう形で一つのものにしていくのか、組織的にどういう組織でやるかだとか、どういう実施方法があるのかということにつきましては、今後議論を展開していただきたい。
【委員】
2つの適性試験の成績と、その後の法科大学院の成績ついての調査はどうなっているのか。
【委員】
連携検証でそれぞれの適性試験とそれぞれの成績の相関の検証をしており、それから、それぞれの試験の実施団体の中で、個々の問題の識別値やその他の問題について検討されている。
【委員】
15ページのところに、教育が予備校教育にシフトするといけないので、認証評価をきちっとやってもらうということを加えたほうがよい。
【委員】
11ページのダブルカウントの見直しの括弧書きは削除したほうがよい。「改善の方向性」の(2)のところでも「暫定措置については、延長しないこととする」として、「各法科大学院においては、可能な限り早いうちに自主的にこれを解消することが望まれる」というほうが、はっきりするのではないか。
【委員】
7ページの改善の方向性の(3)のの「授業で取り上げるかどうかにかかわらず」という部分は削除したほうがよいと意見したが、それに対応する形で修正、修文をしていただいたということだが、「法科大学院で行われる授業の内容も含め」がどこへつながっていくのかがわかりにくくなっている。
【委員】
これはワーキングではむしろ意図的にこれを入れようという方向で議論が進んでいた。なぜかというと、共通到達目標を設定するということになると、恐らく極めて限られたコアにしかならないのではないかという懸念を感じた。これだけのことは授業で扱わなかったとしてもマスターしている部分は、それなりに想定されていると思うので、そういうメッセージをむしろ入れるべきではないかということになった。
【委員】
「授業で取り上げるかどうかにかかわらず」というのは、取り上げなくてもいいというように読めなくはないので、文章表現を少し工夫したほうがよい。
【委員】
8ページのの4つ目の「条文等の解釈・適用に関わる主要な判例・学説の考え方や対立点を理解しているか」は削除するべき。
【委員】
ここで主要な判例・学説というのは、大きな流れとして条文の適用を考えるときに裁判例の考え方がどうか、あるいは学説の考え方がどうかということを恐らく理解しないと、その条文の具体的な趣旨、適用というのも考えられないという趣旨だが、そういうこともむしろ適切ではないというご意見なのか、あるいはそういう知識ベースの話なのか。
【委員】
結局これは主要な物の考え方ということに帰着するならば、第一歩として当然に考えている第一の事項であるから、こういう形で表現しなくても、ほかの項目に十分表現されているのではないか。
【委員】
すべての条文についてすべての判例・学説を知っているという趣旨では全くなく、しかし、その条文のまさに具体的な実相を見るというときに必要な部分というのは、共通的な到達目標に十分なり得るのではないか。
【委員】
今のご趣旨は、上の一文の中に「重要な問題点を理解しているか」というところに相当入っているのではないか。それから、これは主要な学説に関する考え方を理解しているかということで、学説の対立点と言われると別の方向に誘導する危険がある。判例の流れをきちっと考えれば、学説そのものの対立点が独自に取り上げられるということになると、別の弊害も出てくる。
【委員】
総合的な法曹としては判例を理解しているだけでは十分ではないので、学説至上主義という意味ではなく、やはり学説も合わせて理解すべきという趣旨が必要かと思う。
【委員】
必ずしも学説あるいは研究者の考え方を位置付けているのが支配的だとは思わない。どちらかに傾けてしまうというのは、やはり危険だろう。
【委員】
本来教育とは何かという問題が、物の考え方の対立に含まれていると理解されれば、この文章も誤解、誤読されないと思う。
【委員】
教員養成については、法科大学院教員だけではなく、法律学の研究者の養成も深刻な問題だと思う。13ページの(2)だけが「構築することも考えられる」とあるが、(1)や(3)は検討が必要であるとされているので、新しい制度を模索するという趣旨で「構築することと等について検討が必要である」という書き方が必要ではないか。
【委員】
16ページの(1)3行目に「必要な改善を各法科大学院に対して促していく仕組みを構築する必要がある」とあるが、具体的にどのようなことを考えているのか。
【委員】
教育の質の問題については文科省で調査するなどしているが、ここでは中間報告で指摘したようなことを踏まえて、総合的にフォローアップする組織をどこにどういう形でつくるかということを、まさに今から仕組みを構築するよう考えていくことになる。
【事務局】
この委員会をそのような位置づけとしていきたいと考えている。
【事務局】
私どもとしては、この特別委員会において、どのような形でフォローアップしていくのがよいかということも含めて、組織の形態を考えていきたい。具体的には、この中間報告を踏まえてこれから各法科大学院に改善策を促していくことになるので、それを特別委員会でどのように評価し、また新たな対策を講じていくかということになると思う。
【委員】
設置の段階では規制緩和という流れの中で、事前規制から事後規制にスイッチした。この場合に、事後規制はどういった形でどこまで行っていいものかどうか。
【事務局】
大変難しい問題で、いわば単純に大学設置認可法制という仕組みの中で事前チェックから事後規制になった。これまで国としても法科大学院が法曹養成の中核機関となるべく、他の大学院に対して、さまざまな公財政支出を深くしてきた。今後も司法制度改革の中で、法科大学院をきちんとしていくために、従来と同じというわけではないが、ある程度は今後とも育成、支援するための方策は続けていきたい。その段階においては、法科大学院に政策的な支援を行っていく法制の確保という問題もあるので、単純な学校教育法レベルでの基準該当性等の担保という問題を超えたところで、事前規制が事後チェックへという言葉を越えた、より広い意味でのフォローアップをしていく必要があると思っている。具体的な法的な方針の手段については、設置基準をクリアしていないところについては学校教育法上のさまざまなその手段も当然考えられるが、それでは設置基準さえクリアしていればよいのかということに対して、政策的な支援をしていくということをこれからも担保するためには、ある程度、例えば再編を促すというようなことをやっていかないといけない。ここにある「フォローアップ」というのは、そういったこと全体も含めている。
【委員】
基本的には、新しく仕組みを構築するということで、設置基準と関連など、いろいろ基礎的な整合性を含めて考えていきたいと思っている。
【委員】
共通的な到達目標は、どのように法科大学院教員及び学生に伝えるのか。
【委員】
具体的な共通的な到達目標設定の作業自体は、ワーキングで行うのではなく、民事系、公法系などの研究班を立ち上げ、法科大学院協会カリキュラム等検討委員会と連携しながら、適宜シンポジウム等を開き、その内容について広くご意見を伺うという形になると思われる。
【委員】
最終的な到達目標は、例えば冊子やウェブ上の媒体で広く提供されることが考えられる。中間まとめにおいても、法科大学院生や各法科大学院に共通の理解が得られるようなものとするべきという趣旨が入っている。
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