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裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(概要) |
紛争の解決を図るのにふさわしい手続を選択することを容易にし、国民の権利利益の適切な実現に資することを目的に、裁判外紛争解決手続についての基本理念等を定めるとともに、民間紛争解決手続(民間事業者が行ういわゆる調停・あっせん)の業務に関し、認証の制度を設け、併せて時効の中断等に係る特例を定めてその利便の向上を図る。 |
第1 | 制定の必要性及び趣旨 | ||
司法制度改革審議会意見の趣旨にのっとって行われる司法制度の改革と基盤の整備(以下「司法制度改革」という。)を総合的かつ集中的に推進するため,その基本的な理念及び方針,国の責務その他の基本となる事項を定めるとともに,司法制度改革推進本部を設置する等の必要がある。 | |||
第2 | 民間紛争解決手続の業務の認証制度 | ||
1 認証 | |||
(1) | 和解の仲介(いわゆる調停・あっせん)の業務を行う民間の紛争解決事業者は、申請により、その業務の適正性を確保する観点から必要とされる一定の要件に適合するものであることにつき、法務大臣の認証を受けることができる。 | ||
(2) | 法務大臣は、認証に当たり、認証審査参与員(民間紛争解決手続に関する専門的な知識経験を有する者のうちから法務大臣が任命)から意見聴取を行う等所要の手続を経るものとする。 | ||
2 利用者への選択の目安の提供 | |||
(1) | 認証を受けた紛争解決事業者(認証紛争解決事業者)は認証を受けている旨及び業務に関する一定の情報の提供を行うものとするとともに、法務大臣はこれらの情報を公表できるものとすることにより、利用者の選択の利便に資するようにする。 | ||
(2) | 認証紛争解決事業者でない者は認証を受けていると誤認されるおそれのある表示をしてはならない。 | ||
3 法律上の効果の付与等 | |||
(1) | 時効の中断 | ||
認証を受けた紛争解決手続(認証紛争解決手続)の終了後1か月以内に訴訟手続に移行する等一定の要件を満たす場合には、認証紛争解決手続における請求時に遡って時効中断の効力が発生する。 | |||
(2) | 訴訟手続の中止 | ||
当事者間に認証紛争解決手続によってその紛争の解決を図る旨の合意があり、当事者の共同の申立てがある等の一定の要件を満たす場合には、受訴裁判所は、一定の期間を定めて訴訟手続を中止することができる。 | |||
(3) | 調停の前置に関する特則 | ||
訴え提起前に裁判所の調停を経なければならない事件のうち一定のものについて、訴えの提起前に認証紛争解決手続を経ている等一定の要件を満たす場合には、原則として、調停の前置を要しない。 | |||
(4) | その他 | ||
認証紛争解決事業者(手続実施者を含む。)は、認証紛争解決手続の業務を行うことに関し、報酬を受けることができる。 | |||
4 認証の基準等 | |||
(1) | 認証の基準 | ||
1) 業務対象となる紛争範囲に応じて適切な手続実施者(いわゆるあっせん人・調停人)を選任するための方法、手続実施者が紛争当事者と利害関係を有する場合等にその手続実施者を排除するための方法、弁護士でない者が手続実施者となる場合の弁護士の関与に関する措置等を定めていること等その業務が一定の基準に適合すること。 | |||
2) 1)の業務を行うのに必要な知識・能力、経理的基礎を有すること。 | |||
(2) | 欠格事由 | ||
暴力団員等一定の事由に該当する者は認証を受けることができない。 | |||
5 認証紛争解決事業者の義務 | |||
認証紛争解決事業者は、暴力団員等を業務の補助者等として使用してはならない。また、利用申込み者に手続実施者の選任に関する事項等を説明するとともに、実施した手続に関し所要の事項を記載した書類を作成・保存しなければならない。 | |||
6 報告等 | |||
(1) | 認証紛争解決事業者は、事業年度ごとに、事業報告書等一定の書類を作成し、法務大臣に提出しなければならない。 | ||
(2) | 認証紛争解決業務の適正な運営を確保するため、法務大臣は、一定の要件の下で、認証紛争解決事業者に対して、報告の徴求、検査、業務に関し必要な措置をとるべき旨の勧告・命令、認証の取消しを行うものとする。
なお、法務大臣は、報告の徴求等に当たっては、利用者との信頼関係に基づいて成り立つものであること等民間紛争解決手続の業務の特性に配慮しなければならない。 | ||
7 その他 | |||
公布の日から2年6か月を超えない範囲内で政令で定める日から施行する。 |
※ 裁判外紛争解決手続の拡充・活性化 |