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法科大学院への裁判官及び検察官その他の
一般職の国家公務員の派遣に関する法律(概要)

1 目的
  この法律は,法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律第三条の規定の趣旨にのっとり,国の責務として,裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員が法科大学院において教授,助教授その他の教員としての業務を行うための派遣に関し必要な事項について定めることにより,法科大学院における法曹としての実務に関する教育の実効性の確保を図り,もって法曹養成の基本理念に則した法科大学院における教育の充実に資することを目的とする。


2 法科大学院設置者による派遣の要請
 法科大学院設置者は,当該法科大学院において将来の法曹としての実務に必要な法律に関する理論的かつ実践的な能力(各種の専門的な法分野における高度の能力を含む。)を涵養するための教育を実効的に行うため,裁判官又は検察官等を教授,助教授その他の教員(以下「教授等」という。)として必要とするときは,その必要とする事由を明らかにして,裁判官については最高裁判所に対し,検察官等については任命権者に対し,その派遣を要請することができる。 


3 職務とともに教授等の業務を行うための派遣(いわゆるパートタイム派遣【裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員を対象】)
(1)〔派遣の取決め等〕最高裁判所又は任命権者は,法科大学院設置者の要請があった場合において,その要請に係る派遣の必要性,派遣に伴う事務の支障その他の事情を勘案して,相当と認めるときは,これに応じ,裁判官又は検察官等の同意を得て,法科大学院設置者との間の取決めに基づき,期間を定めて,裁判官又は検察官等が職務とともに法科大学院において教授等の業務を行うものとすることができる。
(2)〔派遣期間〕派遣の期間は,三年を超えることができない。ただし,当該派遣の日から引き続き五年を超えない範囲内で,これを延長することができる。
(3)[報酬等(裁判官)]1) 裁判官については,法科大学院において報酬等の支払を受けないものとするが,裁判官としての給与は減額しない。
2) 法科大学院設置者は,政令で定める金額を国庫に納付しなければならない。
(4)[報酬等(検察官等)]1) 任命権者は,上記取決めにおいて,検察官等が法科大学院設置者から受ける報酬等について,相当額が確保されるよう努めなければならない。
2) 法科大学院において教授等の業務を行う検察官等については,本来の職務に従事しない時間につき給与を減額して支給する。ただし,特に必要があると認められるときは,当該検察官等には,その派遣期間中,法科大学院設置者から受ける報酬等の額に照らして必要と認められる範囲内で,その減額された給与の減額分の百分の五十以内を支給することができる。


4 専ら教授等の業務を行うための派遣(いわゆるフルタイム派遣【検察官その他の一般職の国家公務員を対象】)
(1)[派遣の取決め等]任命権者は,法科大学院設置者の要請があった場合において,その要請に係る派遣の必要性,派遣に伴う事務の支障その他の事情を勘案して,相当と認めるときは,これに応じ,検察官等の同意を得て,法科大学院設置者との間の取決めに基づき,期間を定めて,専ら法科大学院において教授等の業務を行うものとして検察官等を派遣することができる。
(2)〔派遣期間〕派遣の期間は,三年を超えることができない。ただし,当該派遣の日から引き続き五年を超えない範囲内で,これを延長することができる。
(3)[身分・報酬等]1) 検察官等は,派遣期間中,その身分を保有するが,本来の職務に従事しない。
2) 任命権者は,上記取決めにおいて,検察官等が法科大学院設置者から受ける報酬等について,相当額が確保されるよう努めなければならない。
3) 派遣された検察官等に対しては,その派遣期間中,給与を支給しない。ただし,特に必要があると認められるときは,当該検察官等には,その派遣期間中,法科大学院設置者から受ける報酬等の額に照らして必要と認められる範囲内で,給与の百分の五十以内を支給することができる。


5 その他
(1)[共済組合・退職手当等]いずれの派遣形態についても,共済組合,退職手当等の関係で,処遇面での不利益を防止するための必要な措置を講ずる。
(2)[施行期日]平成16年4月1日。施行期日前においても,必要な準備行為(派遣要請,取決め等)を行うことができる。


 法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律概要図

法科大学院への裁判官の派遣(PDF)

法科大学院への検察官その他の一般職国家公務員(検察官等)の派遣(PDF)