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司法制度改革に関する措置・取組一覧(参考資料)

司法制度改革推進本部事務局




 本資料は、政府の「司法制度改革推進計画」(平成14年3月19日閣議決定)と、最高裁判所の「司法制度改革推進計画要綱」及び日本弁護士連合会の「日本弁護士連合会司法制度改革推進計画」とを比較対照し、司法制度改革の推進に関し、それぞれの権限と責任の下に行うべき措置・取組の全体像を明らかにするため、司法制度改革推進本部事務局において参考資料として作成し、公表するものである。
 なお、政府の「司法制度改革推進計画」及び最高裁判所の「司法制度改革推進計画要綱」については、本部設置期限(平成16年11月30日)までに措置を講ずべきものと記載された項目を、日本弁護士連合会の「日本弁護士連合会司法制度改革推進計画」については、必要な取組を行うものと記載された項目をそれぞれ整理したものである。これ以外の詳細な内容についてはそれぞれの計画を参照されたい。

司法制度改革推進計画
(閣議決定)
司法制度改革推進計画要綱
(最高裁判所)
日本弁護士連合会司法制度改革推進計画
(日本弁護士連合会)
I. はじめに 第1 はじめに はじめに
  第2 改革を推進するための措置  
II. 国民の期待に応える司法制度の構築 1 国民の期待に応える司法制度の構築 I 国民の期待に応える司法制度ー制度的基盤の整備ー
第1 民事司法制度の改革 (1) 民事司法制度の改革 第1 民事司法制度の改革
1 民事裁判の充実・迅速化 ア 民事裁判の充実・迅速化 1 民事裁判の充実・迅速化
 民事訴訟事件の審理期間をおおむね半減することを目標とし、以下の方策等を実施する。     弁護士の執務態勢の充実強化に関し、必要な検討を経たうえ、逐次所要の取組を行う。
(1) いわゆる計画審理を一層推進するため、審理計画を定めるための協議をすることを義務付けることとし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部及び法務省)  計画審理(手続の早い段階で、裁判所と両当事者との協議に基づき、審理の終期を見通した審理計画を定め、それに従って審理を実施することをいう。)を一層推進するための法律の施行に伴い、最高裁判所規則の整備等の所要の措置を講ずる。(平成15年通常国会に政府による法案提出の予定)
 また、複雑な民事訴訟事件を中心として、その審理の充実を図り、合理的な期間内に解決するための所要の措置を講ずる。
  
(2) 訴えの提起前の時期を含め当事者が早期に証拠を収集するための手段を拡充することとし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部及び法務省)  訴え提起前の時期を含め、当事者が早期に証拠を収集するための手段を拡充するための法律の施行に伴い、最高裁判所規則の整備等の所要の措置を講ずる。(平成15年通常国会に政府による法案提出の予定)   
2 専門的知見を要する事件への対応強化 イ 専門的知見を要する事件への対応強化 2 専門的知見を要する事件への対応強化
 専門的知見を要する事件の審理期間をおおむね半減することを目標とし、以下の方策等を実施する。      
(1) IIの第1の1のとおり、民事裁判の充実・迅速化に関する方策等について、必要な対応を行う。  第2の1(1)アのとおり、民事裁判の充実・迅速化に関する措置を講ずる。   
(2) 各種専門領域における法曹以外の専門家が、専門委員として、その分野の専門技術的見地から、裁判の全部又は一部に関与し、裁判官をサポートする訴訟手続への新たな参加制度(専門委員制度)について、裁判所の中立・公平性を確保することなどに十分配慮しつつ、それぞれの専門性の種類に応じて個別に導入の在り方を検討する。(本部及び法務省)  各種専門領域における法曹以外の専門家が裁判の全部又は一部に関与し、その分野の専門技術的見地から裁判官をサポートする訴訟手続への新たな参加制度(専門委員制度)について、関係機関と連携を図りつつ、検討を行う。   
(3) 鑑定制度を改善することとし、所要の法案を提出するなど所要の措置を講ずる(法案提出につき平成15年通常国会を予定)。(本部及び法務省)  鑑定手続を改善するための法律の施行に伴い、最高裁判所規則の整備等の所要の措置を講ずる。(平成15年通常国会に政府による法案提出の予定)   
(4) IIIの第2及び第3の3のとおり、法曹の専門性の強化について、必要な対応を行う。  法曹の専門性を強化するため、関係機関と連携を図りつつ、第2の2(2)のとおり、法曹の継続教育の充実等の所要の措置を講ずる。  弁護士の専門研修等を始め、専門性を一層強化することとし、逐次所要の取組を行う。
3 知的財産権関係事件への総合的な対応強化 ウ 知的財産権関係事件への総合的な対応強化 3 知的財産権関係事件への総合的な対応強化
(1) 知的財産権関係訴訟事件の審理期間をおおむね半減することを目標とし、以下の方策等を実施する。      
ア IIの第1の1及び2のとおり、民事裁判の充実・迅速化に関する方策等について、必要な対応を行う。  第2の1(1)ア及びイのとおり、民事裁判の充実・迅速化に関する措置等を講ずる。   
イ 東京・大阪両地方裁判所の専門部を実質的に「特許裁判所」として機能させるため、特許権、実用新案権等に関する訴訟事件について東京・大阪両地方裁判所への専属管轄化を図ることとし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部及び法務省)  東京・大阪両地方裁判所の専門部を実質的に特許裁判所として機能させるため、専門性を備えた裁判官や裁判所調査官の集中的投入等の裁判所の専門的処理体制の一層の強化についての所要の措置を講ずる。   
ウ IIIの第3の6のとおり、弁理士の特許権等の侵害訴訟における代理権の付与及び能力担保のための研修について、必要な対応を行う。      
エ IIIの第2及び第3の3のとおり、法曹の専門性の強化について、必要な対応を行う。  法曹の専門性を強化するため、関係機関と連携を図りつつ、第2の2(2)のとおり、法曹の継続教育の充実等の所要の措置を講ずる。  弁護士の専門化に関し、逐次所要の取組を行う。
(2) 日本知的財産仲裁センターや特許庁(判定制度)等のADRを拡充・活性化するとともに、これと訴訟との連携を図ることとし、逐次、所要の措置を講ずる。(経済産業省及び関係府省)     日本知的財産仲裁センター等のADRの拡充・活性化、訴訟との連携につき、必要な検討を経たうえ、逐次所要の取組を行う。
4 労働関係事件への総合的な対応強化 エ 労働関係事件への総合的な対応強化 4 労働関係事件への総合的な対応強化
(1) 労働関係訴訟事件の審理期間をおおむね半減することを目標とし、IIの第1の1及び2並びにIIIの第2及び第3の3のとおり、民事裁判の充実・迅速化に関する方策、法曹の専門性の強化等について、必要な対応を行う。  第2の1(1)ア及びイのとおり、民事裁判の充実・迅速化に関する措置等及び第2の2(2)のとおり、法曹の継続教育の充実等の法曹の専門性の強化に関する措置を講ずる。  労働関係事件の適正・迅速な解決を実現するため、及び弁護士の専門性を強化するための方策について、逐次必要な取組を行う。
(2) 労働関係事件に関し、民事調停の特別な類型として、雇用・労使関係に関する専門的な知識経験を有する者の関与する労働調停の導入を図ることとし、遅くとも本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)  労働調停の導入を図るため政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。(遅くとも本部設置期限までに政府による措置の予定)   
(3) 労働委員会の救済命令に対する司法審査の在り方、雇用・労使関係に関する専門的な知識経験を有する者の関与する裁判制度の導入の当否、労働関係事件固有の訴訟手続の整備の要否について検討し、遅くとも本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部及び厚生労働省)  労働委員会の救済命令に対する司法審査の在り方、雇用・労使関係に関する専門的な知識経験を有する者の関与する裁判制度の導入の当否、労働関係事件固有の訴訟手続の整備の要否について、政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。(遅くとも本部設置期限までに政府による措置の予定)   
5 家庭裁判所・簡易裁判所の機能の充実 オ 家庭裁判所・簡易裁判所の機能の充実 5 家庭裁判所・簡易裁判所の機能の充実
(1) 人事訴訟等の家庭裁判所への一本化 (ア) 人事訴訟等の家庭裁判所への一本化   
 離婚など家庭関係事件(人事訴訟等)を家庭裁判所の管轄へ移管し、離婚訴訟等への参与員制度の導入など体制を整備することとし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部及び法務省)  離婚などの家庭関係事件(人事訴訟等)を家庭裁判所の管轄へ移管するための法律の施行に伴い、最高裁判所規則の整備等の所要の措置を講ずる。(平成15年通常国会に政府による法案提出の予定)   
   (イ) 調停委員、司法委員、参与員への多様な人材の確保等   
    民事・家事調停委員、司法委員及び参与員について、その選任方法の見直しを含め、年齢、職業、知識経験等において多様な人材を確保するための所要の措置を講ずる。   
(2) 簡易裁判所の管轄拡大、少額訴訟手続の対象事件の訴額上限の大幅引上げ (ウ) 簡易裁判所の管轄拡大   
ア 簡易裁判所の事物管轄について、経済指標の動向等を考慮して、対象事件の訴訟の目的の価額の上限を引き上げることとし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部)  簡易裁判所の事物管轄について、経済指標の動向等を考慮して、訴額の上限を引き上げるための法律の施行に伴い、所要の措置を講ずる。(平成15年通常国会に政府による法案提出の予定)   
イ 少額訴訟手続の対象事件の訴訟の目的の価額の上限を大幅に引き上げることとし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部及び法務省)  少額訴訟手続の訴額の上限を大幅に引き上げるための法律の施行に伴い、所要の措置を講ずる。(平成15年通常国会に政府による法案提出の予定)   
6 民事執行制度の強化 カ 民事執行制度の強化 6 民事執行制度の強化ー権利実現の実効性確保ー
(1) 不動産執行妨害への対策などについて民事執行制度を改善することとし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(法務省)  民事執行制度を改善するための法律の施行に伴い、最高裁判所規則の整備等の所要の措置を講ずる。(平成15年通常国会に政府による法案提出の予定)   
(2) 家事審判・調停等により定められた少額定期給付債務の履行確保のための制度を整備することとし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(法務省)  家事審判・調停等により定められた少額定期給付債務の履行確保のための制度を整備するための法律の施行に伴い、最高裁判所規則の整備等の所要の措置を講ずる。(平成15年通常国会に政府による法案提出の予定)   
7 裁判所へのアクセスの拡充 キ 裁判所へのアクセスの拡充 7 裁判所へのアクセスの拡充
(1) 利用者の費用負担の軽減    (1) 利用者の費用負担の軽減
ア 訴え提起の手数料 (ア) 提訴手数料   
(ア) 訴え提起の手数料について、訴訟の目的の価額に応じて順次加算して算出するいわゆるスライド制を維持しつつ、必要な範囲でその低額化を行うこととし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部)  提訴手数料の低額化のための法律の施行に伴い、所要の措置を講ずる。(平成15年通常国会に政府による法案提出の予定)   
(イ) 簡易裁判所の少額訴訟事件の訴え提起の手数料について、定額制の導入を含め検討し、平成15年3月までに、所要の措置を講ずる。(本部)  簡易裁判所の少額訴訟事件の提訴手数料について、政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。(平成15年3月までに政府による措置の予定)   
イ 弁護士報酬の敗訴者負担の取扱い (イ) 弁護士報酬の敗訴者負担の取扱い   
 弁護士報酬の敗訴者負担制度について、不当に訴えの提起を萎縮させないよう、敗訴者負担を導入しない訴訟の範囲及びその取扱いの在り方、敗訴者に負担させる場合に負担させるべき額の定め方等制度設計について検討した上で、一定の要件の下に弁護士報酬の一部を訴訟に必要な費用と認めて敗訴者に負担させることができる制度を導入することとし、所要の法案を提出する(遅くとも平成16年通常国会を予定)。(本部)  一定の要件の下に弁護士報酬の一部を訴訟に必要な費用と認めて敗訴者に負担させることができる制度を導入するための法律の施行に伴い、所要の措置を講ずる。(遅くとも平成16年通常国会に政府による法案提出の予定)   
ウ 訴訟費用額確定手続 (ウ) 訴訟費用額確定手続   
 訴訟費用額確定手続を簡素化することとし、平成15年3月までに、所要の措置を講ずる。(本部)  訴訟費用額確定手続の簡素化について、政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。(平成15年3月までに政府による措置の予定)   
       訴訟費用保険の開発・普及に協力することとし、必要な検討を経たうえ、逐次所要の取組を行う。
(2) 民事法律扶助の拡充    (2) 民事法律扶助の拡充
 民事法律扶助制度について、対象事件・対象者の範囲、利用者負担の在り方、運営主体の在り方等につき更に総合的・体系的な検討を加えた上で、一層充実することとし、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部及び法務省)     民事法律扶助の一層の充実・発展を図るため、逐次所要の取組を行う。
(3) 裁判所の利便性の向上 (エ) 裁判所の利便性の向上 (3) 裁判所の利便性の向上
ア 司法の利用相談窓口・情報提供      
 司法の利用相談窓口を裁判所、弁護士会、地方公共団体等において充実させ、インターネット上のホームページ等を活用したネットワーク化の促進により、ADR、法律相談、法律扶助制度を含む司法に関する総合的な情報提供を強化するための方策を検討し、逐次、所要の措置を講ずる。(本部及び関係府省)  ホームページ等を活用したネットワーク化の促進により、ADR、法律相談、法律扶助制度を含む総合的な情報提供を強化するなど、司法の利用相談窓口を充実させるための方策について、関係機関と連携を図りつつ検討し、所要の措置を講ずる。  司法の利用相談窓口(アクセス・ポイント)を弁護士会において充実させ、ホームページ等を活用したネットワーク化の促進により、各種のADR、法律相談、法律扶助制度を含む司法に関する総合的な情報提供を強化するため、逐次所要の取組を行う。
    裁判所の訴訟手続、事務処理、情報提供などの各側面での情報通信技術(IT)の積極的導入を推進する計画を策定・公表するための所要の措置を講ずる。   
    現在、既に実施している裁判所の夜間サービスについて、国民へ周知した上、夜間サービスの拡大及び休日サービスの導入に関する検討を行う。   
イ 裁判所の配置      
 裁判所の配置について、人口、交通事情、事件数等を考慮し、見直しに関する検討を行う。(本部)  裁判所の配置について、人口、交通事情、事件数等を考慮し、関係機関と連携を図りつつ、見直しに関する検討を行う。   
(4) 被害救済の実効化 ク 被害救済の実効化 (4) 被害救済の実効化
ア 損害賠償額の認定
 損害賠償の額の認定に関する制度について検討する。(法務省)  損害賠償額の認定に関する制度について、関係機関と連携を図りつつ、検討を行う。   
イ 少額多数被害への対応      
 いわゆる団体訴権の導入、導入する場合の適格団体の決め方等について、法分野ごとに、個別の実体法において、その法律の目的やその法律が保護しようとしている権利、利益等を考慮した検討を行う。(内閣府、公正取引委員会及び経済産業省)  団体訴権の導入等について、関係機関の検討状況を踏まえつつ、必要な検討を行う。   
8 裁判外の紛争解決手段(ADR)の拡充・活性化 ケ 裁判外の紛争解決手段(ADR)の拡充・活性化 8 裁判外の紛争解決手段(ADR)の拡充・活性化
      (1) ADRの拡充・活性化の意義
       弁護士会関与のADRにつき、それぞれの特長を活かしつつ、その育成・充実を図っていくための関係機関等との連携強化及び共通的な制度基盤を整備することに関し、必要な検討を経たうえ、逐次所要の取組を行う。
(1) ADRに関する関係機関等の連携強化    (2) ADRに関する関係諸機関等の連携強化
ア ADRの拡充・活性化に向けた裁判所や関係機関、関係省庁等の連携を促進するため、平成14年半ばころまでに関係省庁等の連絡会議を設置するとともに、関係諸機関による連絡協議会の体制が早期に整備されるよう所要の措置を講ずる。(本部及び関係府省)  ADRの拡充・活性化に向けた関係省庁等の連絡会議や関係諸機関による連絡協議会の体制を整備するため、政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。(平成14年半ばころまでに連絡会議を設置する等の政府による措置の予定)  ADRの拡充・活性化に向けた裁判所や関係機関、関係省庁等の連携を促進するため、関係諸機関による連絡協議会や関係省庁等の連絡会議等の体制を整備するに際し、これに参加・協力することを含め、逐次所要の取組を行う。
イ 訴訟、ADRを含む紛争解決に関する総合的な相談窓口を充実させるとともに、インターネット上の閲覧窓口である総合窓口サイト(ポータル・サイト)など情報通信技術を活用した関係機関等の連携を図ることにより、手続、機関等に関しいわゆるワンストップでの情報提供を実現するための方策を検討し、平成16年3月までに、所要の措置を講ずる。(本部及び関係府省)  紛争解決に関する総合的な相談窓口の充実と情報通信技術を活用した関係機関等の連携により容易に情報を入手できる環境の整備について、政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。(平成16年3月までに政府による措置の予定)   
ウ ADRの担い手の確保について、人材、紛争解決事例等の情報の開示・共有を促進した上で、必要な知識・技能に関する研修等を充実させる方策を検討し、平成16年3月までに、所要の措置を講ずる。(本部及び関係府省)  ADRの担い手の確保について、情報の開示・共有を促進した上で必要な知識・技能に関する研修等を充実させるための方策について、政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。(平成16年3月までに政府による措置の予定)   
(2) ADRに関する共通的な制度基盤の整備    (3) ADRに共通的な制度基盤の整備
ア 国際的動向を見つつ、仲裁法制(国際商事仲裁を含む。)を整備することとし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部)  仲裁法制(国際商事仲裁を含む。)を整備するための法律の施行に伴い、所要の措置を講ずる。(平成15年通常国会に政府による法案提出の予定)   
イ 総合的なADRの制度基盤を整備する見地から、ADRの利用促進、裁判手続との連携強化のための基本的な枠組みを規定する法律案を提出することも含めて必要な方策を検討し、遅くとも平成16年3月までに、所要の措置を講ずる。(本部)  総合的なADRの制度基盤を整備する見地から、ADRの利用促進、裁判手続との連携強化のための基本的な枠組みを規定する法律案の検討等について、政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。(遅くとも平成16年3月までに政府による措置の予定)   
ウ IIIの第3の6のとおり、隣接法律専門職種など法曹以外の専門家のADRにおける活用及び弁護士法第72条の規制対象の予測可能性の確保について、必要な対応を行う。      
9 司法の行政に対するチェック機能の強化 コ 司法の行政に対するチェック機能の強化 9 司法の行政に対するチェック機能の強化
 行政事件訴訟法の見直しを含めた行政に対する司法審査の在り方に関して、「法の支配」の基本理念の下に、司法及び行政の役割を見据えた総合的多角的な検討を行い、遅くとも本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)  行政事件訴訟法の見直しを含めた行政に対する司法審査の在り方について、政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。(遅くとも本部設置期限までに政府による措置の予定)  逐次弁護士の専門性の強化に取り組む。
第2 刑事司法制度の改革 (2) 刑事司法制度の改革 第2 刑事司法制度の改革
1 刑事裁判の充実・迅速化 ア 刑事裁判の充実・迅速化 1 刑事裁判の充実・迅速化
(1) 刑事裁判の充実・迅速化を図るための方策として、充実した争点整理のための新たな準備手続の創設及び証拠開示の拡充並びに連日的開廷の確保のための関連諸制度の整備を行うこととし、所要の法案を提出する(平成16年通常国会を予定)。(本部)  刑事裁判の充実・迅速化を図るための方策として、充実した争点整理のための新たな準備手続の創設及び証拠開示の拡充並びに連日的開廷の確保のための関連諸制度の整備を行うための法律の施行に伴い、最高裁判所規則の整備等の所要の措置を講ずる。(平成16年通常国会に政府による法案提出の予定)   
(2) 直接主義・口頭主義の実質化を図るための関連諸制度の在り方、裁判所の訴訟指揮の実効性を担保する具体的措置等について検討する。(本部)  直接主義・口頭主義の実質化を図るための関連諸制度の在り方及び裁判所の訴訟指揮の実効性を担保する具体的措置等について、推進本部の検討状況を踏まえつつ、必要な検討を行う。   
(3) IIの第2の2及びIIIの第3の3のとおり、連日的開廷による充実かつ集中した審理を実現するため公的刑事弁護制度の整備及び弁護士の執務体制の強化を行い、弁護人が個々の刑事事件に専従することができるような体制を確立することについて、必要な対応を行うとともに、IIIの第1の2のとおり、裁判所、検察庁の人的体制の充実・強化について、必要な対応を行う。     適正な刑事裁判の充実・迅速化のため、憲法の人権保障の理念に基づき、公的刑事弁護制度の整備を含め、弁護人の体制整備に関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。
2 被疑者・被告人の公的弁護制度の整備 イ 被疑者・被告人の公的弁護制度の整備 2 公的弁護制度の整備
(1) 被疑者に対する公的弁護制度を導入して被疑者段階と被告人段階とを通じ一貫した弁護体制を整備することとした上、その運営主体は公正中立な機関とし、適切な仕組みによりその運営のためにいわゆる公的資金を導入することとして、所要の法案を提出する(平成16年通常国会を予定)。(本部)  公正中立な機関が公的資金を受けて運営する公的弁護制度を導入し、被疑者・被告人段階を通じ一貫した弁護体制を整備するための法律の施行に伴い、最高裁判所規則の整備等の所要の措置を講ずる。(平成16年通常国会に政府による法案提出の予定)  被疑者に対する公的弁護制度(運営主体は、個々の事件における弁護活動の自主性・独立性が損なうおそれのない、公正中立な機関とし、透明性・説明責任の確保等の要請を満たすものとする。)の導入に関し、被告人段階を含め、弁護体制を整備するため、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。
(2) 少年審判手続における公的付添人制度について、積極的な検討を行う。(本部)  少年審判手続における公的付添人制度について、推進本部の検討状況を踏まえつつ、必要な検討を行う。  少年審判手続における公的付添人制度につき積極的な検討を行うことに関し、逐次所要の取組を行う。
3 公訴提起の在り方 ウ 公訴提起の在り方 3 公訴提起の在り方
 検察審査会の一定の議決に対しいわゆる法的拘束力を付与する制度を導入することとし、所要の法案を提出する(平成16年通常国会を予定)。(本部)  検察審査会の一定の議決に対し法的拘束力を付与する制度を導入するための法律の施行に伴い、検察審査会の効率的体制を構築するための所要の措置を講ずる。(平成16年通常国会に政府による法案提出の予定)  検察審査会の一定の議決に対し法的拘束力を付与する制度を導入することに伴い、弁護士が公訴提起、公判維持等を行うことにつき、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。
4 新たな時代における捜査・公判手続の在り方 エ 新たな時代における捜査・公判手続の在り方 4 捜査・公判手続の在り方
(1) 新たな時代に対応し得る捜査・公判手続の在り方      
ア いわゆる刑事免責制度等新たな捜査手法の導入の是非並びに参考人の協力確保及び保護のための方策について、憲法の人権保障の趣旨を踏まえながら、今後の我が国の社会・経済の変化やそれに伴う犯罪情勢・動向の変化等に応じた適切な制度の在り方を多角的な見地から検討する。(警察庁及び法務省)  刑事免責制度等新たな捜査手法の導入の是非並びに参考人の協力確保及び参考人保護のための方策について、関係機関の検討状況を踏まえつつ、必要な検討を行う。   
イ IIの第3の2のとおり、国際捜査・司法共助制度の一層の拡充・強化について、必要な対応を行う。      
(2) 被疑者・被告人の身柄拘束に関連する問題      
ア 被疑者・被告人の不適正な身柄拘束を防止・是正するため、引き続き、刑事手続全体の中で、制度面、運用面の双方において改革、改善のための検討を行う。(警察庁、法務省及び国土交通省)  被疑者・被告人の不適正な身柄拘束を防止・是正するための関係機関の検討状況を踏まえつつ、引き続き、刑事手続全体の中で、制度面、運用面の双方において必要な検討を行う。   
イ 被疑者の取調べの適正を確保するため、その取調べ過程・状況につき、取調べの都度、書面による記録を義務付け る制度を導入することとし、平成15年半ばころまでに、 所要の措置を講ずる。(警察庁、防衛庁、総務省、法務省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省及び国土交通省)      
5 犯罪者の改善更生、被害者等の保護 オ 被害者等の保護 5 犯罪者の社会復帰、被害者等の保護
(1) 犯罪者の矯正処遇及び更生保護に関わる制度及び人的体制(保護司制度に関わるものを含む。)の充実に配慮し、所要の措置を講ずる。(法務省)      
(2) 刑事手続の中での被害者等の保護等への配慮について検討する。(警察庁及び法務省)  刑事手続の中での被害者等の保護・救済への配慮について、関係機関と連携を図りつつ、検討を行う。  被害者やその遺族に対する一層の配慮と保護等につき、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成15年)。
(3) 被害者等への精神的、経済的ケアも含めた社会的支援体制を整備することとし、逐次、所要の措置を講ずる。(内閣府、警察庁、総務省、法務省、文部科学省、厚生労働省及び国土交通省)      
第3 国際化への対応 (3) 国際化への対応 第3 国際化への対応
1 民事司法の国際化 ア 民事司法の国際化   
(1) 国際的な民事事件の増大に対応するため、IIの第1の1から3までのとおり、知的財産権関係事件への総合的な対応強化を始めとする民事司法制度の一層の充実・迅速化について、必要な対応を行う。  国際的な民事事件の増大に対応するため、第2の1(1)アの民事司法制度の充実・迅速化、第2の1(1)イの専門的知見を要する事件への対応強化、第2の1(1)ウの知的財産権関係事件への総合的な対応強化に関する措置を講ずる。   
(2) IIの第1の8のとおり、仲裁法制(国際商事仲裁を含む。)の整備について、必要な対応を行う。  第2の1(1)ケの仲裁法制の整備に関する措置を講ずる。   
2 刑事司法の国際化      
 国際的な犯罪の増加に対応するため、国際捜査・司法共助制度について、適正手続の保障の下、一層拡充・強化することとし、逐次、所要の措置を講ずる。(警察庁、法務省、外務省及び国土交通省)      
3 法整備支援の推進 イ 法整備支援の推進   
 開発途上国に対する法整備支援を引き続き推進する。(本部、法務省、外務省及び文部科学省)  開発途上国に対する法整備支援について、関係機関と連携を図りつつ、引き続き推進する。  IIの第3の5に記載のとおり、継続して法整備支援を推進する。
4 弁護士の国際化 ウ 弁護士の国際化   
(1) 弁護士が国際化時代の法的需要に十分対応できるようにするため、IIIの第2及び第3の3のとおり、弁護士の専門性及び執務態勢の強化について、必要な対応を行うほか、国際交流の推進、法曹養成段階における国際化の要請への配慮等により、国際化への対応を抜本的に強化することとし、逐次、所要の措置を講ずる。(本部、法務省、外務省及び文部科学省)  国際化時代の法的需要に対応するため、法曹養成段階における対応方法について、関係機関と連携を図りつつ、所要の措置を講ずる。  IIの第3の5に記載のとおり、国際化時代の法的需要に充分対応するため、弁護士の専門性の向上、執務体制の強化等を推進するとともに、日本弁護士と、外国法事務弁護士との提携、協働を積極的に推進することに関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う。
(2) 弁護士と外国法事務弁護士等との提携・協働を積極的に推進する見地から、特定共同事業の要件緩和等を行うこと とし、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部)      
III 司法制度を支える体制の充実強化 2 司法制度を支える人的体制の充実強化 II 司法制度を支える法曹の在り方ー人的基盤の拡充ー
第1 法曹人口の拡大 (1) 法曹人口の拡大 第1 法曹人口の拡大
(注) 法曹人口の拡大についての全体像に関する記載は以下のとおりである。

 現在の法曹人口が、我が国社会の法的需要に十分に対応することができていない状況にあり、今後の法的需要の増大をも考え併せると、法曹人口の大幅な増加が急務となっているということを踏まえ、司法試験の合格者の増加に直ちに着手することとし、後記の法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら、平成22年ころには司法試験の合格者数を年間3,000人程度とすることを目指す。
 また、全体としての法曹人口の増加を図る中で、裁判官、検察官の大幅な増員や裁判所書記官等の裁判所職員、検察事務官等の検察庁職員の適正な増加を含む司法を支える人的基盤の充実を図ることが必要であり、そのため、各種の制度改革の進展や社会の法的需要を踏まえるとともに、その制度等を効率的に活用しつつ、必要な措置を講ずる。

(注) 法曹人口の拡大についての全体像に関する記載は以下のとおりである。

 司法制度の充実強化を図る上で、多数の優れた法曹を確保することは最も重要な課題の1つである。新たな法曹養成制度の整備に伴う司法試験合格者の大幅な増加への実効的な対応、裁判官の大幅な増員をはじめとする裁判所の人的体制の充実について、推進本部等と連携、協力しつつ、推進本部の設置期限までに、以下のような所要の措置を講ずる。

  
1 法曹人口の大幅な増加 ア 司法試験合格者の増加への実効的な対応   
 現行司法試験の合格者数を、平成14年に1,200人程度に、平成16年に1,500人程度に増加させることとし、所要の措置を講ずる。(法務省)  現行司法試験合格者数の増加(平成14年に1200人程度、平成16年に1500人程度に増加)に実効的に対応する司法修習の体制の整備を図るため、所要の措置を講ずる。

(2)の法曹養成制度の改革における司法修習の内容の工夫、見直しや修習の体制の整備等に関する措置を講ずる。

  
2 裁判所、検察庁等の人的体制の充実 イ 裁判所の人的体制の充実   
(1) 本部の設置期間中においても、裁判官、検察官の必要な増員を行うこととし、所要の措置を講ずる。(法務省)  より適正かつ迅速な裁判を実現し、専門事件への対応を強化することが求められており、適切な人材を安定的に確保するため、計画性をもった裁判官の増員を図ることが必要である。各種の制度改革の進展、裁判事件の動向等を踏まえるとともに、その制度等を効率的に活用しつつ、裁判官の必要な増員を図るため、所要の措置を講ずる。   
(2) 本部の設置期間中においても、裁判所書記官等の裁判所職員、検察事務官等の検察庁職員の質・能力の向上を一層推進するとともに、その必要な増加を図ることとし、所要の措置を講ずる。(法務省)  上記の目的を達成するため、裁判所書記官等の裁判所職員の質、能力の向上を一層推し進めるとともに、その必要な増員を図るため、所要の措置を講ずる。   
(3) (1)、(2)に掲げる措置のほか、司法を支える人的基盤の充実強化を図るため、司法制度改革審議会意見が提言しているところを踏まえた所要の措置を講ずる。(本部及び法務省)      
第2 法曹養成制度の改革 (2) 法曹養成制度の改革 第2 法曹養成制度の改革
1 法科大学院    1 法科大学院
 司法制度改革審議会意見が制度設計に関して具体的に提言しているところを踏まえ、学校教育法上の大学院としての法科大学院に関する制度を設けることとし、平成16年4月からの学生の受入れ開始が可能となるよう、所要の措置を講ずる。(本部及び文部科学省)     法科大学院では、法理論教育を中心としつつ、実務との架橋を強く意識した教育を行うべきものであるから、弁護士の実務教育の導入部分実施のために、所要の取組を行う(平成14年)。

 弁護士等実務家教員の任用を容易にするため、兼職・兼業の制限等の適正な見直し及び整備に関し、所要の取組を行う(平成15年)。

2 司法試験    2 司法試験
(1) 法科大学院の教育内容を踏まえた新たな司法試験を法科大学院の最初の修了者を対象とする試験から実施することとし(ただし、新司法試験実施後も5年間程度は併行して現行司法試験を引き続き実施するとともに、経済的事情や既に実社会で十分な経験を積んでいるなどの理由により法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得のための適切な途を確保することとする。)、所要の法案を提出するなど所要の措置を講ずる(法案提出につき平成14年末までを予 定)。(本部)

(2) 現行司法試験の合格枠制の実施は、平成15年までとし、合格枠制の廃止について、所要の法案を提出する(法案提出につき平成14年末までを予定)。(本部及び法務省)

     
3 司法修習 ア 司法修習 3 司法修習
(1) 新司法試験実施後の司法修習が、司法修習生の増加に実効的に対応するとともに、法科大学院での教育内容をも踏まえ、実務修習を中核として位置付けつつ、修習内容を適切に工夫して実施されるよう、司法修習の具体的な内容等について、最高裁における検討状況を踏まえた上で検討を行い、少なくとも主要な事項の枠組みについて結論を得る。
 また、併せて、司法修習生の給費制の在り方につき検討を行う。(本部)
 司法修習について、推進本部等における検討と連携しながら、司法修習生の増加に実効的に対応し、法科大学院の教育内容等を十分に踏まえたものとなるよう、実務修習を中核として位置付けつつ、司法修習の内容の適切な工夫、見直しや、司法修習体制の整備を図ることを検討し、政府における検討の結論を踏まえつつ、所要の措置を講ずる。

 司法修習生の給費制について、推進本部における検討状況を踏まえつつ、その在り方について必要な検討を行う。

 新司法試験実施後の司法修習の在り方につき、実務修習を中核として位置付けつつ、修習内容を適切に工夫することにつき、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。
(2) 司法研修所の管理・運営について、法曹三者の協働関係を一層強化するとともに、法科大学院関係者や外部の有識者の声をも適切に反映させる仕組みを設けることに関し、最高裁における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)  司法研修所の管理・運営について、法曹三者の協働関係の一層の強化、法科大学院関係者や外部の有識者の声をも適切に反映させる仕組みを設けることについて所要の措置を講ずる。  司法研修所の管理・運営について、法曹三者の協働関係を一層強化するとともに、法科大学院関係者や外部の有識者の声をも適切に反映させる仕組みを作ることに関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。
4 継続教育 イ 継続教育 4 継続教育
 法曹の継続教育に関する態勢を総合的、体系的に整備することとし、逐次、所要の措置を講ずる。(法務省及び文部科学省)  法曹の継続教育に関する態勢を総合的、体系的に整備するため、関係機関と連携を図りつつ、所要の措置を講ずる。  弁護士の継続教育を法曹養成の総合的・体系的な構想の一環として位置付けたうえで、これを整備することに関し、逐次所要の取組を行う。
5 新たな法曹養成制度の円滑な実施に向けて    5 新たな法曹養成制度の円滑な実施に向けて
 法科大学院の設置認可及び第三者評価(適格認定)のための基準について、その内容を公表し、周知を図ることとし、平成15年3月までに、所要の措置を講ずる。(本部及び文部科学省)      
第3 弁護士制度の改革 (3) 弁護士制度の改革 第3 弁護士制度の改革
      1 弁護士の社会的責任(公益性)の実践
       弁護士がその使命にふさわしい職業倫理を保持するために、「弁護士倫理」を今日の状況に応じて改め、倫理研修を一層充実・強化するとともに、弁護士の職務活動の質の向上をはかるため、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。

 弁護士の公益活動の具体的内容と義務としての位置付け、及び活動内容の国民に対する説明責任に関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。

1 弁護士の活動領域の拡大    2 弁護士の活動領域の拡大
 弁護士の公務就任の制限及び営業等の許可制について、届出制に移行することによる自由化を図ることに関し、日弁連における検討状況も踏まえた上で検討し、必要な法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部)     弁護士の公務就任の制限及び営業等の許可制については、届出制に移行することに関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成15年)。
       弁護士の活動領域の拡大に対応し、「弁護士倫理」の在り方を検討し、倫理研修の充実、綱紀・懲戒制度の適切な運用等を行い、「弁護士倫理」の遵守の確保のため、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。
2 弁護士へのアクセス拡充    3 弁護士へのアクセス拡充
(1) 法律相談活動等の充実    (1) 法律相談活動の充実
 弁護士会の法律相談センター等の設置を進めることについて、日弁連における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(法務省)     全国各地において弁護士へのアクセスを容易にするために、地方裁判所本庁所在地には、弁護士会の「法律相談センター」が既に設置されているが、未設置の一部支部所在地に同センターを設置するための、所要の取組を行う(平成14年)。
       弁護士過疎地域において弁護士へのアクセスを容易にするために、弁護士会の費用で設立し、弁護士が常駐する過疎地型「公設事務所」の設置を更に進めることとし、所要の取組を行う(平成15年)。

 都市部において弁護士へのアクセスを容易にするために、弁護士会の費用で設立し、弁護士が常駐する都市型「公設事務所」の設置を更に進めることとし、所要の取組を行う(平成16年)。

(2) 弁護士報酬の透明化・合理化    (2) 弁護士報酬の透明化・合理化
 弁護士報酬の透明化・合理化の見地からの、個々の弁護士の報酬情報の開示・提供の強化、報酬契約書の作成の義務化、依頼者に対する報酬説明義務等の徹底等について、日弁連における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)     弁護士報酬の透明化・合理化をはかるため、個々の弁護士の報酬情報の開示・提供に関し、必要な検討を経たうえ、逐次所要の取組を行う。

 弁護士報酬の透明化・合理化をはかるため、報酬契約書の作成、依頼者に対する報酬説明義務等の徹底に関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。

      (3) 弁護士情報の公開
       弁護士広告の原則自由化に関しては、現在でも、弁護士の取扱分野や実績などについて、一定範囲での広告が認められているが、今後その範囲を更に拡大するかどうかにつき、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。

 弁護士に関する情報の開示を一層推進することとし、必要な検討を経たうえ、逐次所要の取組を行う。

3 弁護士の執務態勢の強化・専門性の強化    4 弁護士の執務態勢の強化・専門性の強化
(1) 弁護士の執務態勢を強化するとともに、その専門性を強化するため、法律事務所の共同化・法人化、弁護士と隣接法律専門職種などによる協働化・総合事務所化(いわゆるワンストップ・サービス化)等を実効的に推進するために必要な方策について、日弁連における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)     法律事務所の共同化・法人化、専門性の強化、隣接法律専門職種等との協働化を推進するための方策に関し、必要な検討を経たうえ、逐次所要の取組を行う。
(2) IIIの第2の4のとおり、弁護士の専門性の強化について、必要な対応を行う。     弁護士の専門性を強化し、弁護士の業務能力を一層高めるため、研修の義務化を含めた弁護士の継続教育を一層充実・実効化する方策に関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。
4 弁護士の国際化    5 弁護士の国際化、外国法事務弁護士等との提携・協働
(1) IIの第3の4のとおり、弁護士の国際化について、必要な対応を行う。     弁護士が、国際化時代の法的需要に十分対応するため、専門性の向上、執務体制の強化、弁護士及び弁護士会の国際交流等を更に推進することとし、所要の取組を行う(平成15年)。

 法曹養成制度について、これを国際化の要請に配慮する制度とすることに関し、逐次必要な取組を行う。

(2) IIの第3の4のとおり、弁護士と外国法事務弁護士との特定共同事業の要件緩和等について、必要な対応を行う。     日本弁護士と外国法事務弁護士との提携・協働を積極的に推進することに関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。
(3) IIの第3の3のとおり、開発途上国に対する法整備支援の推進について、必要な対応を行う。     現在取り組んでいる東南アジア諸国(ベトナム、カンボジア、ラオス)への司法制度整備支援への協力を更に強化するなど、発展途上国に対する法整備支援を更に推進するため、継続して所要の取組を行う。
5 弁護士会の在り方    6 弁護士会の在り方
(1) 弁護士会運営の透明化    (1) 弁護士会運営の透明化等
 弁護士会の会務運営について弁護士以外の者の関与を拡大するなど国民の意見を反映させることが可能となるような仕組みを整備することを始め、弁護士会運営の透明化を図ることについて、日弁連における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)     弁護士会運営の透明化を図るため、必要な態勢の整備をなすこととし、必要な検討を経たうえ、逐次所要の取組を行う。
       弁護士制度改革推進のために、日弁連弁護士制度改革推進本部(平成13年12月設置済)での検討を始め、更に必要な体制の整備に関し、逐次必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う。
(2) 弁護士倫理等に関する弁護士会の態勢の整備等    (2) 弁護士倫理等に関する弁護士会の態勢の整備
       弁護士への社会のニーズの変化等に対応し、弁護士倫理の徹底・向上を図るため、その自律的権能を厳正に行使するための態勢の整備を行うこととし、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成15年)。
ア 弁護士会による綱紀・懲戒手続の透明化・迅速化・実効化を図ることについて、日弁連における検討状況も踏まえた上で検討し、必要な法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部)     綱紀・懲戒手続について、日弁連は、手続に市民が参加し、透明化をはかるため、綱紀審査会制度の導入を決議しているが(平成14年2月28日臨時総会)、一層の透明化・迅速化・実効化に関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成15年)。
       依頼者の利益保護の見地から、弁護士会の苦情処理制度の適正化に関する諸方策については、全国における苦情相談窓口の一層の整備を図るため、所要の取組を行う(平成14年)。

 弁護過誤に対する救済を強化するため、弁護士賠償責任保険の普及等の方策に関し、逐次所要の取組を行う。

イ 法曹養成段階での倫理教育の強化について、逐次、所要の措置を講ずる。(本部及び文部科学省)  法曹養成段階での倫理教育の強化について、関係機関等と連携を図りつつ、所要の措置を講ずる。  法曹養成、継続教育段階での倫理教育・研修を強化することとし、逐次所要の取組を行う。
6 隣接法律専門職種の活用等 7 隣接法律専門職種の位置付け
(1) 訴訟手続において、隣接法律専門職種などの有する専門性を活用する見地から、次の措置を講ずる。
ア 司法書士の簡易裁判所における訴訟代理権について、信頼性の高い能力担保措置を講じた上で、これを付与するとともに、簡易裁判所の事物管轄を基準として、調停・即決和解事件の代理権についても、同様に付与することとし、所要の法案を提出する(平成14年通常国会に提出済み)。(法務省)
イ アに掲げる法律の施行後、速やかに、能力担保のための研修等を開始することとし、所要の措置を講ずる。(法務省)
ウ 弁理士の特許権等の侵害訴訟(弁護士が訴訟代理人となっている事件に限る。)における代理権について、信頼性の高い能力担保措置を講じた上で、これを付与することとし、所要の法案を提出する(平成14年通常国会に提出済み)。(経済産業省)
エ ウに掲げる法律の施行後、速やかに、能力担保のための研修等を開始することとし、所要の措置を講ずる。(経済産業省)
オ 税理士について、税務訴訟において、裁判所の許可を得ることなく、補佐人として、弁護士である訴訟代理人と共に裁判所に出頭し、陳述する権限を認める。(財務省)(平成13年法律第38号により措置済み)

(2) ADRを含む訴訟手続外の法律事務に関して、隣接法律専門職種等の有する専門性の活用を図ることとし、その関与の在り方を弁護士法第72条の見直しの一環として、個別的に検討した上で、遅くとも平成16年3月までに、所要の措置を講ずる。(本部及び関係府省)

    訴訟手続、及びADRを含む訴訟手続外の法律事務における隣接法律専門職種の位置付けについては、職種ごとに実態を踏まえて逐次個別的に検討したうえ、所要の取組を行う。
(3) 弁護士法第72条について、隣接法律専門職種の業務内容や会社形態の多様化などの変化に対応する見地からの企業法務等との関係も含め検討した上で、規制対象となる範囲・態様に関する予測可能性を確保することとし、遅くとも平成16年3月までに、所要の措置を講ずる。(本部及び法務省)     弁護士法第72条については、その規制内容を何らかの形で明確化することに関し、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。
(4) IIIの第3の3のとおり、いわゆるワンストップ・サービス実現のための弁護士と隣接法律専門職種などによる協働の推進について、必要な対応を行う。     ワンストップ・サービス(総合的法律経済関係事務所)については、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成16年)。
7 企業法務等の位置付け    8 企業法務等の位置付け
(1) 法律事務における企業法務等の位置付けについて検討し、少なくとも、司法試験合格後に民間等における一定の実務経験を経た者に対して一定の具体的条件の下に法曹資格を付与することについて、所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部及び法務省)

(2) いわゆる特任検事、副検事、簡易裁判所判事の経験者の活用等を検討し、少なくとも、いわゆる特任検事経験者に対して法曹資格を付与するための所要の法案を提出する(平成15年通常国会を予定)。(本部及び法務省)

     
第4 検察官制度の改革 (4) 検察官制度の改革 第4 検察官制度の改革
1 検察官に求められる資質・能力の向上等    1 検察官に求められる資質
(1) 検事が一定期間、国民の意識・感覚を学ぶことのできる場所で執務する制度の整備のための所要の措置を平成15年末までに講ずるなど、逐次、検察官の意識改革のための所要の措置を講ずる。(本部及び法務省)     検事が、一定期間、一般の国民の意識・感覚を学ぶことができる場所で執務することを含む人事・教育制度の抜本的見直しのために、法律事務所で執務できる態勢の整備を含め、所要の取組を行う(平成16年)。
(2) 各種の専門的知見を要する分野についての知識・経験を習得・向上させるための研修制度及び刑事司法制度の改革に対応した立証活動等の能力の向上を図るための研修制度を導入するなど、逐次、検察官の能力・資質の向上を図るための所要の措置を講ずる。(法務省)      
2 検察庁運営への国民参加    2 検察庁運営への国民参加
 検察庁運営について、国民の意見を反映させることが可能となるような仕組みを整備することとし、検察審査会が検察事務の改善に関し検事正に対して行う建議・勧告の制度を充実・実質化することに関する所要の法案を提出するなど所要の措置を講ずる(法案提出につき平成16年通常国会を予定)。(本部及び法務省)  検察審査会が検察事務の改善に関し検事正に対して行う建議・勧告の制度を充実・実質化することに関する法律の施行に伴い、所要の措置を講ずる。(平成16年通常国会に政府による法案提出の予定)   
第5 裁判官制度の改革 (5) 裁判官制度の改革 第5 裁判官制度の改革
1 給源の多様化・多元化 ア 給源の多様化・多元化 1 給源の多様化・多元化
(1) 原則としてすべての判事補に裁判官の職務以外の多様な法律専門家としての経験を積ませることを制度的に担保する仕組みを整備することについて、最高裁における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、平成15年末までに、所要の措置を講ずる。(本部)  原則としてすべての判事補に裁判官の職務以外の多様な法律専門家としての経験を積ませることを制度的に担保する仕組みを整備することとし、平成15年末までに所要の措置を講ずる。  原則としてすべての判事補に裁判官の職務以外の弁護士等多様な法律専門家としての経験を積ませることを制度的に担保する仕組みを整備するために、最高裁及び本部における検討状況、ならびに最高裁と日弁連との協議結果を踏まえ、裁判官を法律事務所に受け入れることに関し、所要の取組を行う(平成16年)。
(2) 特例判事補制度の計画的かつ段階的な解消の条件整備に資する方策について、最高裁における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)  特例判事補制度の計画的かつ段階的な解消に向けて、判事の増員、弁護士等からの任官の推進等の諸条件の整備の状況等を踏まえつつ、所要の措置を講ずる。  弁護士等からの任官の推進について、所要の取組を行う(平成16年)。
(3) いわゆる弁護士任官の推進について、最高裁及び日弁連における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)  弁護士任官等を推進するため、日本弁護士連合会と協議・連携を進めることにより、その方策について継続的に検討を行い、所要の措置を講ずる。  弁護士任官等を推進するため、最高裁と日弁連が協力し、恒常的な体制を整備して協議・連携を進めることとし、非常勤裁判官制度の整備を含め、継続的に実効性のある取組を行う。
2 裁判官の任命手続の見直し イ 裁判官の任命手続の見直し 2 裁判官の任命手続の見直し
 最高裁に、その諮問を受け、下級裁判所の裁判官として指名されるべき適任者を選考し、その結果を意見として述べる機関を設置するとともに、その機関が十分かつ正確な資料・情報に基づき適任者の選考に関する判断を行い得るように適切な仕組みを整備することについて、最高裁における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)  最高裁判所に、その諮問を受け、下級裁判所の裁判官として指名されるべき適任者を選考し、その結果を意見として述べる機関を設置するとともに、同機関が十分かつ正確な資料・情報に基づき実質的に適任者の選考に関する判断を行いうるよう、適切な仕組みを整備することとし、所要の措置を講ずる。   
3 裁判官の人事制度の見直し ウ 裁判官の人事制度の見直し 3 裁判官の人事制度の見直し(透明性・客観性の確保)
(1) 裁判官の人事評価について、可能な限りその透明性・客観性を確保するための仕組みを整備することに関し、最高裁における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)  裁判官の人事評価について、可能な限り透明性・客観性を確保するための仕組みを整備することとし、平成15年末を目途に所要の措置を講ずる。   
(2) 裁判官の報酬の進級制(昇給制)の在り方について、報酬の段階の簡素化を含め、検討する。(本部)  裁判官の報酬の進級制(昇給制)について、報酬の段階の簡素化を含め、推進本部における検討を踏まえ、必要な検討を行う。   
4 裁判所運営への国民参加 エ 裁判所運営への国民参加 4 裁判所運営への国民参加
 裁判所運営について、国民の意見を反映することが可能となるような仕組みを整備することに関し、最高裁における検討状況を踏まえた上で検討し、なお必要な場合には、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(本部)  裁判所運営について、広く国民の意見等を反映することが可能となるような仕組みを整備するために、家庭裁判所委員会制度の充実を図るとともに、地方裁判所においてもそれと同様の仕組みを導入することとし、所要の措置を講ずる。   
5 最高裁裁判官の選任等の在り方について オ 最高裁判所裁判官の選任等の在り方について 5 最高裁裁判官の選任等の在り方について
(1) 最高裁裁判官の地位の重要性に配慮しつつ、その選任過程について透明性・客観性を確保するための適切な措置を検討する。(本部)     最高裁判所裁判官が弁護士から選任されている現状にかんがみ、その選任過程の透明性・客観性の確保等に関し、必要な検討を経たうえで、逐次所要の取組を行う。
(2) 最高裁裁判官の国民審査制度について、審査の対象となる裁判官に関する情報開示の充実に努めるなど制度の実効性を高めるための措置を検討する。(本部及び総務省)  最高裁判所裁判官の国民審査制度に関し、最高裁判所裁判官のプロフィールを紹介するなど最高裁判所裁判官に係る情報開示の充実を図るための措置について検討を行う。   
第6 法曹等の相互交流の在り方 (6) 法曹等の相互交流の在り方 第6 法曹等の相互交流の在り方
 国民の期待と信頼に応え得る法曹を育成・確保するため、法律専門職(裁判官、検察官、弁護士及び法律学者)間の人材の相互交流の促進を図るための方策を検討し、逐次、所要の措置を講ずる。(法務省)  国民の期待と信頼に応えうる法曹を育成・確保するための法律専門職間の人材の相互交流の促進について、政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。  真に国民の期待と信頼に応えうる司法(法曹)を育成するための法律専門職(裁判官、検察官、弁護士及び法律学者)間の、人材の相互交流の促進に関し、所要の取組を行う(平成15年)。
IV 司法制度の国民的基盤の確立 3 司法制度の国民的基盤の確立 III 国民的基盤の確立ー国民の司法参加
第1 国民的基盤の確立(国民の司法参加)    第1 国民的基盤の確立
1 刑事訴訟手続への新たな参加制度の導入 (1) 刑事訴訟手続への新たな参加制度の導入 1 刑事訴訟手続への新たな参加制度の導入
 司法制度改革審議会意見が制度設計に関して具体的に提言しているところを踏まえ、刑事訴訟手続において、広く一般の国民が、裁判官とともに責任を分担しつつ協働し、裁判内容の決定に主体的、実質的に関与することができる新たな制度(いわゆる裁判員制度)を導入することとし、所要の法案を提出する(平成16年通常国会を予定)。(本部)  刑事訴訟手続において、広く一般の国民が裁判官とともに責任を分担しつつ協働し、裁判内容の決定に主体的、実質的に関与することができる新たな参加制度を導入するための法律の施行に伴い、最高裁判所規則の整備等の所要の措置を講ずる。(平成16年通常国会に政府による法案提出予定)   
2 その他の分野における参加制度の拡充 (2) その他の分野における参加制度の拡充 2 その他の分野における参加制度の拡充
   (1) 民事司法制度
(1) IIの第1の2のとおり、民事裁判における専門委員制度の導入について、必要な対応を行う。  第2の1(1)イの専門委員制度の導入、第2の1(1)オの調停委員等の制度の拡充に関する措置を講ずる。   
      (2) 刑事司法制度
(2) IIの第2の3及び5のとおり、検察審査会の一定の議決に対しいわゆる法的拘束力を付与する制度の導入及び保護司制度の拡充について、必要な対応を行う。  第2の1(2)ウの検察審査会の一定の議決に対し法的拘束力を付与する制度の導入等に関する措置を講ずる。  Iの第2の3記載のとおり、検察審査会の一定の議決に対し法的拘束力を付与する制度を導入するにあたり、弁護士が行うべき役割等につき、必要な検討を経たうえ所要の取組を行う。
      (3) 裁判官制度
(3) IIIの第5の2のとおり、最高裁に、その諮問を受け、下級裁判所の裁判官として指名されるべき適任者を選考し、その結果を意見として述べる機関を設置することについて、必要な対応を行う。  第2の2(5)イの裁判官の任命手続の見直しに関する措置を講ずる。   
(4) IIIの第4の2のとおり、検察審査会が検察事務の改善に関し検事正に対して行う建議・勧告の制度を充実・実質化することを含め、検察庁の運営について、国民の意見を反映させることが可能となるような仕組みを整備することについて、必要な対応を行うとともに、IIIの第3の5及び第5の4のとおり、弁護士会及び裁判所の運営に国民の意見を反映させることが可能となるような仕組みの整備について、必要な対応を行う。  第2の2(4)の検察審査会が検察事務の改善に関し検事正に対して行う建議・勧告の制度の充実・実質化等に関する措置を講ずる。

 第2の2(5)エの裁判所運営への国民参加に関する措置を講ずる。

  
第2 国民的基盤の確立のための条件整備 (3) 国民的基盤の確立のための条件整備 第2 国民的基盤の確立のための条件整備
1 分かりやすい司法の実現    1 分かりやすい司法の実現
 司法を国民の視点に立った分かりやすいものとする観点も含め、基本法制の改正作業を引き続き迅速に進める。(法務省)  司法を国民の視点に立った分かりやすいものとするための基本法制の改正を踏まえ、判決書を分かりやすいものにするなどの工夫について引き続き検討を行う。  司法の運用を分かりやすいものとし、法廷における関係者間のやり取りについても、傍聴をしている人にも理解できるような配慮をすることに関し、逐次所要の取組を行う。
2 司法教育の充実    2 司法教育の充実
 学校教育等における司法に関する学習機会を充実させるための方策を検討し、本部設置期限までに、所要の措置を講ずる。(法務省及び文部科学省)  学校教育等における司法に関する学習機会を充実させるための方策について、政府が措置を講ずることに伴い、所要の措置を講ずる。(本部設置期限までに政府による措置の予定)  学校教育等における司法に関する学習機会を充実させるため、教育関係者や法曹関係者が積極的役割を果たすことに関し、必要な検討を経たうえ、逐次所要の取組を行う。
3 司法に関する情報公開の推進    3 司法に関する情報公開の推進
 検察庁における情報公開・提供を引き続き推進する。(法務省)  司法の国民に対する透明性を向上させるため、検察庁、弁護士会と同様に、裁判所における情報公開・提供を引き続き推進する。

 判例情報を、プライバシー等に配慮しつつインターネット・ホームページ等を活用して公開し提供するため、所要の措置を講ずる。

 弁護士会における情報公開・提供を推進するために、必要な検討を経たうえ、所要の取組を行う(平成15年)。