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司法アクセス検討会(第1回) 議事概要

(司法制度改革推進本部事務局)
※速報のため、事後修正の可能性あり



1 日時
平成14年1月30日(水)14:00〜16:00

2 場所
司法制度改革推進本部事務局第1会議室

3 出席者
(委 員)亀井時子、高橋宏志、西川元啓、長谷川逸子、長谷部由起子、原田晃治、飛田恵理子、三輪和雄、山本克己(敬称略)
(事務局)山崎潮事務局長、松川忠晴事務局次長、大野恒太郎事務局次長、小林久起参事官

4 議題
  1. 座長の選任等
  2. 検討の進め方についての協議
  3. 今後の日程等

5 配布資料
資料1 司法アクセス検討会名簿
資料2 司法アクセス検討会での主な検討事項
資料3 関係基本法令(略)
資料4 裁判所データブック2001(略)
資料5 民訴費用制度等研究会報告書(略)
資料6 法律扶助制度研究会報告書(略)
資料7 日本弁護士連合会報酬等基準規程(略)
資料8 (財)法律扶助協会平成12年度事業報告書(略)

6 議事
(1) 事務局長挨拶
検討会の開催に当たり、山崎事務局長から挨拶がなされた。

(2) 座長の選任
委員の互選により、高橋委員が座長に選出された。

(3) 議事の公開
協議の結果、議事の公開について、当面、次の取扱いとすることとなった。
  • 毎回の会議の議事概要及び議事録を作成し、公表する(発言者名は記載しない)。
  • 報道機関に会場における議事の傍聴を認める。

(4) 検討事項及び検討の進め方
事務局から、本検討会における主な検討事項(資料2)と検討の進め方について説明がなされた。
これに対して、次のような質疑応答がなされた(○:委員、●:事務局)。

○ 司法制度改革審議会意見書の「裁判所へのアクセスの拡充」の項には、「少額多数被害への対応」として団体訴権の導入についての記載があるが、個別の実体法において検討されるべきであるとされていることから、推進本部で取り上げる事項ではないという整理がされているという理解でよろしいか。
● 基本的には、各個別実体法において検討が進められると承知しているので、推進本部としては、そういった動きを見守らせていただきたいと考えている。

○ 少額訴訟手続の上限の大幅引上げは、推進本部では取り扱わないということか。
● 法制審議会で現在検討が進められているところであり、当検討会では検討する予定はない。

○ アクセス・ポイントの充実は、検討事項の6の「その他」の中で検討されるということであるが、是非検討をお願いしたい。また、裁判所の夜間・休日サービス、裁判所の配置についても、司法へのアクセスということではかなりのポイントがあると思われるので、これらについてもいっしょに検討していただきたい。
● 司法の利用相談窓口・情報提供が審議会の意見書の総論部分でも例示されていたことから、その他の検討事項の中でも重要性が高いと考え例示として説明した。裁判所の利便性の向上に関するそれ以外の事項を検討事項から除外する趣旨ではない。

(5) その他
裁判所へのアクセスの拡充の課題等について、委員間で次のような意見交換が行われた。
  •  社会が事前規制型から事後監視型へと変化する中で、新たな消費者トラブルが心配されている。また、トラブルは複雑化し、一般の消費者を取り巻く環境全般が変化してきており、消費者を取り巻く日常的な環境は厳しいものがある。しかし、本来、法によって解決しなければいけないことなのにそれがわからない、裁判をするのに費用と手間がかかる、生きている間に結論が出ないのではないかと思えるほど長期化する、そのため、裁判への意欲を最初から失っているケースも出てきているというのが現状であると思う。今回のアクセスを考えていく中では、かなり広範な視点から取り上げていただけるということであるので、気付いたことがあれば述べなければならないと思っている。一生懸命取り組みたい。
  •  消費者や一般の人たちは、裁判所というものを大変敷居が高いと感じていて、できればかかわりたくないとか、文言も難しいので通じないのではないかと考えているところが多々ある。いわばバリアを感じているわけで、司法におけるバリアフリーを何とか実現しなければならない。自分たちがバリアと感じていることを、これから先の討議の中でお伝えしていきたい。そして、誰でも裁判を受ける権利を持っていて、問題が何であるかを認識しやすいような環境、誰でも裁判に臨めるような費用の問題、手続の問題を検討していく場であってほしいと願っている。
  •  裁判の現場に携わっている者として、外の意見は必ずしも耳に届かないので、問題を抱えているとすれば、大いに考えなければならない。裁判所の相談窓口や少額訴訟の現場なども一度見ていただき、問題があるのかないのか、問題がなくてもそれが十分に伝わっていないとすると、どういうアプローチの仕方をしていけばいいのかなど、いろいろな意見を聴かせていただけると大変参考になってありがたい。
  •  司法は私たちの生活を横断しているので、一般の人にできるだけわかりやすく簡潔に伝える必要がある。
  •  テクノロジーは大変な変化の中にあるので、瞬時に解決していかなければならない。そういう問題もスムーズに扱えるようになっていただかないといけない。社会的に大きな問題であっても、密室で解決されてしてしまって公開されなければ、先々の解決にはつながらない。
  •  裁判所に対しては、どれだけ専門的に扱えるのだろうかとか、裁判にかけたら費用が高いだろうとか、本当に公正なものが受けられるのだろうかというような疑問を抱かざるを得ないという感じがしている。
  •  司法と普通の生活者との距離は大変遠いと感じているし、言語の違いも感じている。司法も努力はされているとは思うが、日頃かかわらないでいると、まだまだ遠いものであると感じている。
  •  最近、扶助という言葉がやっと日の目を見るようになって、国の予算もかなりつくようになった。自己破産の件数が16万件を超え、そのうちのかなりの方が法律扶助の窓口に来ている。そこで弁護士が付いて解決することによって、無理心中や強盗がなくなったり、生活苦が少しでも緩和される。司法の役割は、最近、少しずつ大きくなっている。このようなときに、法曹三者だけでなく、国民の前に開いてみなさんの意見を聴いて、新しい司法アクセスを考えていこうという会議を開いていただいて大変ありがたい。この機会に、国民の前に開いて、国民の意見を聴きながら、国民に何を期待されているのかということを本当に真剣に考えていきたい。いろいろな職種の方々からいろいろな意見を聴いていくことを楽しみにしている。
  •  今まで、裁判所あるいは司法が一般市民から遠かったという指摘は、そのとおりだと思う。そういう現状が変わっていくことは望ましい。それとともに、裁判に対する正しい理解を広めるということも大事なことだと思う。例えば、費用がかかる、時間がかかるということも、たしかにそういう場合もあるが、そうでもない部分もあるにもかかわらず、そのことが正しく伝わっていないがために、アクセスを阻害しているということもある。そういうことも明らかにしていく場になればいいのではないかと期待している。
  •  司法に関する制度の見直しは、いろいろなところでやっている。我々はその一翼を担っている。せっかくの機会でもあるので、いろいろな声が推進本部に伝わることはよいことである。
  •  基本法を整備して、情報の開示と法律の責任規定だけをきちんとしても、それを現実にきちんと追及できなければ、結局は、法律はできたという自己満足になってしまう。司法へのアクセスは、法整備とは車の両輪みたいなものであって、これからの社会に非常に役に立つことを検討していく機会であると思っている。そういう観点から、いろいろな意見を述べさせていただくつもりである。

(6) 今後の日程等
今後の検討会は、次の日時に開催することとなった。

第2回 2月27日(水) 15:00〜17:00

第3回 3月27日(水) 15:00〜17:00

第2回は、裁判所等を実際に視察することとし、第3回から提訴手数料について検討に入ることとされた。

(以上)