第1回配布資料一覧

資料1−2−(1)

ADR(Alternative Dispute Resolution):裁判外紛争処理



 判決などの裁判によらない紛争解決方法を指し、民事調停・家事調停、訴訟上の和解仲裁及び行政機関や民間機関による和解、あっせんなどを意味する。このうち、(民事)調停や訴訟上の和解は、民事訴訟手続に付随する手続として裁判所において行われるが、紛争解決の作用面に着目して、ADRに分類されることが多い。
 裁判による解決が法を基準として行われるのと比較すると、ADRは、必ずしも法に拘束されず、紛争の実情に即し、条理にかなった解決を目指す点に特徴がある。

「法律学小辞典(有斐閣)」より

○ 仲裁
 当事者双方が紛争の解決を第三者に委ね、その判断に従うことによって争いを解決することをいう。両当事者がその旨の合意(仲裁契約)をすれば、司法裁判所に出訴する権利を失うことになる。

○ 調停
 紛争を解決するため、第三者が当事者間を仲介し、双方の互譲に基づく合意によって紛争の処理を図ることをいう。当事者による自主的解決に比重の置かれる「あっせん」に比べると、調停機関が積極的に当事者間に介入し、紛争解決の実質的内容についてもイニシアティブをとってリードしていく。

○ あっせん(斡旋)
 紛争の当事者間の交渉が円滑にいくように、その間に入って仲介する行為の一切をいう。「調停」と比較すると、「あっせん」は、当事者間による自主的解決の援助、促進を主眼とするもので、当事者の自主性に比重が置かれているという点に差がある。

「公害紛争処理法解説(一粒社)」より