事務局より、「検討状況整理案」に沿って説明が行われた後、討議が行われ、以下のような意見が出された。(○:委員、□:座長、●:事務局)
(全般について)
○ 全般的に、消費者センターなどの方に聞くと、言葉が難しいとのことであった。一般の方に利用してもらうために、一般の方に御意見を伺うものなので、もっと判りやすくしてほしい。
○ 一つの論点について、複数の意見が示されているが、これでは全体として見ると、検討会として採るべき一定の方向が見えないのではないか。このような形でパブリック・コメントに付しても、回答する側はどう回答してよいか判らないのではないか。もう少し、方針を断言的に示して、別案がある場合には、注釈やなお書きで補足するような形の方がよいのではないか。
□ 御指摘の点は、パブリック・コメントを、どの時点で行うかということとも関係すると思われる。これまでの議論の状況を踏まえると、内容的に方針を示せる段階にない論点も多いので、パブリック・コメントでは広く意見を聴取し、それを踏まえて、今後方向性を見出せるよう議論を積み重ねていくことになるのではないか。
● これまでの検討状況を国民の皆様に判りやすく御説明するという意味では、このような形がよいのではないか。複数の意見を記述しているところもあるが、少なくともそこまでは議論が整理されたということはできるのではないか。今後、更に議論が進めば、主流となる考え方を示せるであろうが、これまでの検討会における検討においては意見が分かれているものであり、現段階で何が主流となる意見かを多数決で決めても意味がないのではないか。
○ 今の書きぶりについて、委員から特段の御異論がないということであれば、全体として、意見が割れているところを割れているものとして明示して、自由にお尋ねをするという形式でよいのではないか。
□ この点については、事務局にお任せすることということでよいか。
(第一 検討の対象とするADRの範囲 ~ 第四 調停手続法的事項)
○ これまで相談手続は紛争解決手続そのものではないがADRの幅を広げるものであるという意味合いで論じられてきたと思う。弁護士会の中では、弁護士会が行う法律相談や弁護士事務所が行う法律相談などがこれに入るのかどうかといった疑問が呈せられている。私は代理人としての活動に通じるような相談は、ここでいう相談には入らないと考えていたがどうか。
○ ADR機関が行う相談は、その後の紛争解決手続との連携を考えると対象とする必要があると考えるが、相談のみを行っている機関についても守秘義務などが課されることになると、かなりの負担になるのではないか。相談手続についてもう少し限定的に書いたほうがよいのではないか。
○ ADRが信頼されるためには守秘義務が必要ではないか。相談も守秘義務がなければ利用者は安心して相談できないのではないか。
● 相談手続そのものはADRを支える重要なものであり、議論の対象にするということについてコンセンサスを得ており、ここで特定のものを除くことは難しいのではないか。個別に問題になる点については、各論において御意見を承ることとしたい。
(第五 特例的事項、第六 各事項の適用対象)
○ ADRの適格性の確認方法のところで、「事前確認方式」という言葉が出てくるが、「確認」と「認定」はどう違うのか。また、一定の要件を具備していれば確認するということであれば、執行力はかなり広く付与されることにならないか。確認しないということについて行政訴訟の対象となるのか。
● 「認定」では、認定を受けないと業務自体が行えないような誤解を受けるのではないかという委員からの指摘を受けて、「認定」という言葉に代えて「確認」という言葉を用いたのであるがその内容としてイメージしているものに変更はない。また、執行力については今後さらに議論をしていくであろうが、現段階は広く賛否を伺うということであるため、用語が統一されていた方がよいと考えている。確認をしないことについては行政訴訟で争えるものと考えている。
その他、「検討状況整理案」に対し、何点か表現ぶりについて修正を求める意見が出され、具体的な修文作業については、座長に一任された。