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ADR検討会(第7回) 議事概要

(司法制度改革推進本部事務局)
※速報のため、事後修正の可能性あり



1 日 時
平成14年9月30日(月)13:30~17:00

2 場 所
永田町合同庁舎第1共用会議室

3 出席者
(委 員)
青山善充(座長)、安藤敬一、髙木佳子、龍井葉ニ、原早苗、平山善吉、 廣田尚久、三木浩一、山本和彦、横尾賢一郎、綿引万里子(敬称略)
(説明者)
畑  光(日本行政書士会連合会理事)
北野聖造(日本司法書士会連合会会長)
松岡直武(日本土地家屋調査士会連合会副会長)
石井宏尚(日本税理士会連合会専務理事)
大槻哲也(全国社会保険労務士会連合会会長)
渡邉一平(日本弁理士会副会長)
清水文雄((社)日本不動産鑑定協会副会長)
藤井教子((社)全国消費生活相談員協会理事長)
玉本雅子((社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会副会長)
(事務局)
古口章事務局次長、小林徹参事官、山上淳一企画官

4 議 題
(1) ADRにおける専門家の活用について
  ○専門家からのヒアリング
  ○説明・討議
(2) その他

5 配布資料
資料7-1 日本行政書士会連合会
資料7-2 日本司法書士会連合会
資料7-3 日本土地家屋調査士会連合会
資料7-4 日本税理士会連合会
資料7-5 全国社会保険労務士会連合会
資料7-6 日本弁理士会
資料7-7 平山委員
資料7-8 (社)日本不動産鑑定協会
資料7-9 (社)全国消費生活相談員協会
資料7-10 (社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
資料7-11 説明資料(専門家の活用)
資料7-12 追加提出資料(最高裁判所)
資料7-13 ADR検討会において出された意見等(各論)
資料7-14 ADRの拡充・活性化関係省庁等連絡会議の検討状況
資料7-15 国民生活モニター調査(5月実施)調査結果

6 議 事

(1)ADRにおける専門家の活用について

○ 専門家からのヒアリング

日本行政書士会連合会、日本司法書士会連合会、日本土地家屋調査士会連合会、日本税理士会連合会、全国社会保険労務士会連合会、日本弁理士会、平山善吉委員(建築関係)、(社)日本不動産鑑定協会、(社)全国消費生活相談員協会及び(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会より、各職種の有する専門性を活かしたADRへの関与の現状と今後の可能性につき、ヒアリングを行った。
各説明者より、次のような発言があった。

(日本行政書士会連合会)

  • 行政書士は、市民の日常生活の中で行われる契約・遺産分割協議書類の作成や、建築業や風俗営業・貸金業の許認可申請などに関わっており、業務の内実にも通じている。
  • 行政書士は、日頃から当事者に対して専門用語を使わずに話すよう努めており、ADRにおいても市民の立場から参加できるのではないかと考えている。
  • 行政書士会においては、新たなADR機関の設立を準備している。当機関では、行政手続に関する事件のほか、民民間の紛争について特に著作権に関する紛争を取扱うことを考えており、行政書士が助言者(調停人等)として関与することを考えているほか、他のADR機関において代理人として関与することも考えている。

(日本司法書士会連合会)

  • 司法書士は、全国に会員が存在しており、地域的な偏在がないことが特徴である。
  • 司法書士は、登記実務に携わることによって中立性・公正性を培っている。また、裁判所への提出書類の作成の経験によって、当事者の主体性が尊重されるADRにおける活用が期待される。さらに、相談活動を通じて国民に身近な問題にも対応している。
  • 司法書士の専門性を活用するため、司法書士会が主宰するADRを設立し、司法書士が当事者の代理人や助言者(あっせん・調停人等)としての役割を担うことによって、国民に身近な窓口として活動していきたい。
  • 司法書士によるADRについては、弁護士法第72条による規制が必要以上に働くことのないよう特段の配慮をいただきたい。また、時効中断効を付与してもらいたい。

(日本土地家屋調査士会連合会)

  • 土地家屋調査士は、土地境界を調査・測量する唯一の資格者である。
  • 境界紛争は、土地の筆界と占有界が一致しない場合に生じることが多く、境界確定の訴えや所有権確定の訴えが起こされることになるが、解決に時間がかかること、費用対効果の面で割が合わないことや相隣者間の紛争であることなどから、紛争解決手段として必ずしも訴訟がなじむとはいえない。
  • 土地家屋調査士会では、土地境界をめぐる市民の不安を解消し、土地家屋調査士のノウハウを活用して、より迅速・的確・廉価に紛争解決を図るADRとして、境界問題相談センターの設置を考えている。
  • 現在、境界問題相談センターの本格運営に向けて試行中であり、今後、相談部門を充実させ、さらに調査、鑑定、あっせん・調停部門を設ける予定である。また、他の専門家や弁護士会との協働や、不動産登記制度とのリンクなどについても研究している。

上記の説明に対して、次のような質疑応答がなされた(○:委員、●:説明者)

○各団体とも自らADRを設立するとのことだが、それだけの高いニーズを把握しているのか。

●行政書士会としては、例えば著作権については、カラオケの著作権使用料をめぐる紛争などに直面することも多く、民間機関で解決を図るニーズは高いと思われる。

●司法書士会としては、現に裁判書類作成や法律相談といった業務の中で、訴訟によらないで解決し得る問題を多く把握しており、自らあっせん機能を有したいと考えていた。

●土地境界紛争については、費用対効果の面から泣き寝入りしている事案が多いものと考えられる。地籍調査が進まないのも土地境界に争いがあるからだといわれており、土地家屋調査士としては、紛争解決のニーズは高いと考えている。

○弁護士法第72条については、規制がかけられない方がよいと考えるか、それとも規制がかかる案件は弁護士に依頼すべきであると考えるか。

●司法書士がADRの主宰者、代理人として活動する際に、弁護士法の規制が被さってくることによって、利用者のための活動ができない場合が出てくる。ADRにおいて、誰を代理人とするかは利用者個人の判断に委ねられるべきである。また、主宰者には専門的知見を有する者が活用されるべきであり、必ずしも弁護士であることが必要であるとは思えない。

○司法書士会に対して、①司法書士の専門性をどのように考えるか。②司法書士会によるADRでは、紛争の導入部分を担当したいということだが、さらに紛争が発展し、対立が深まった場合にはどうするのか。③司法書士会の意見は、司法制度改革審議会意見のめざすところと合致していると考えるのか。④司法書士会内では、反対意見や不安は聞かれていないか。⑤財政的にはかなり苦労するのではないかと思われるがどうか。⑥弁護士法第72条の規制を外すべきとの意見は、そのまま、司法書士である必要もないということにならないか。

●①④司法書士会によるADRでは、裁判になじむ案件はすべて受けざるを得ないと考えており、全国に存在し、比較的国民に身近な専門家としてさらに活躍していきたい。
②ADRの利用者は、どの職能を持つ者にどのような内容の相談をしたいかということを区別しないはずであり、これを整理する機関が必要である。その上で、自らの責任、能力の範囲を超えれば、他の機関に移送することを考えるべきである。
③司法制度改革審議会では、国民が主体となって司法へアクセスできる方策について議論されていたものであり、司法書士会のめざすものはこれに合致している。
⑤財政的には苦しいことが予想されるが、国民に身近な存在として頑張っていきたい。
⑥利用者の立場からみて、利用者の信頼を得た専門家がいるのであれば、代理業務を行うことも可能とすべきである。

(日本税理士会連合会)

  • 税理士の社会的任務は、納税義務の適正な実現を図るとともに、納税者の適法な納税義務の履行を援助することにある。また、納税者と国との紛争は必ずしも多いとは言えず、紛争に至らないために税理士が果たしている役割は大きい。
  • 行政型ADRとされている国税不服審判所では、手続主宰者である国税審判官のほとんどが税務行政の執行系統に属していた国家公務員であり、任期満了後は再び執行機関に戻っている状況であるから、中立性を旨とするADRの機能を十分に果たしているとは必ずしも言い難い。
  • 国税不服審判所においては、納税者の権利救済のための第三者機関たる性格がより見える形となることが要請される。
  • 税理士会としては、税務の専門家としての立場から、離婚調停等による財産分与をめぐる紛争や損害賠償に伴う紛争等について、関係団体と連携しながらあらゆるADR機関において、関与していきたい。そのためには、弁護士法第72条の整理を行う必要があると考えている。

(全国社会保険労務士会連合会)

  • 社会保険労務士は、中小規模の事業者との関わりが深い。中小企業においては、厳しい市場競争の下での生き残りをかけた労働条件の見直しなどが、労使間のトラブル発生の原因となることが多い。ただ、これらの当事者は裁判で決着をつけたいとは考えておらず、ADRでの解決が望まれている。
  • 社会保険労務士は、中小企業における労務管理の専門家を部外に求めるとともに、労働者の権利を確保することを目的として作られた制度であり、その重要性は現在も変わっていない。
  • 社会保険労務士は、労使に身近な存在として信頼を厚くしており、ADRにおいても公正な立場で専門性を持った対処を早期に行うことが可能であると考えられる。
  • 社会保険労務士としては、民事調停や紛争調整委員会等における委員、代理人として活用すること、社会保険労務士会が設置する総合労働相談所において、あっせん人・調停人等として活用することを要望したい。そのためには、労働社会保険諸法令に関する法律事務については弁護士法第72条の規制を開放することや、社会保険労務士が積極的にADRに参与できるようにするため社会保険労務士法第23条を削除すること等が必要であると考えている。

(日本弁理士会)

  • 弁理士の業務は、知的財産の創造、保護、活用といった知的創造サイクル全体にわたっており、現在、日本知的財産仲裁センターの運営、調停人・仲裁人、代理人等としてADRに関与している。
  • 弁理士は、知的財産に関する法律的知見、特許技術に関する専門的知見のほか、依頼者との対話を通じた調停術的能力等の資質を有しており、知的財産分野におけるADRに、調停・仲裁人等の担い手として、あるいは代理人として関与する適性がある。
  • 今後は、知的財産関係の民事調停事件における更なる活用や、民間型ADRに対する発展的関与が望まれる。そのためには、裁判所と日本知的財産仲裁センターとの連携や、弁理士が行い得る仲裁代理等の業務範囲の見直し、特許庁の判定制度と日本知的財産仲裁センターの業務との関係整理、ADRへの明確な法的効力の付与等が必要である。

上記の説明に対して、次のような質疑応答がなされた(○:委員、●:説明者)

○国税不服審判所の審判官については、中立性が疑われるような実態上の問題が生じているのか。

●必ずしも中立性が損なわれている実態があるわけではないが、税理士等が登用されることによって中立性に対する疑問が晴れるものと思われる。

○社会保険労務士には労働関係全般の紛争を手がけるだけの専門性があると考えているか。また、ADRで活用していくには経験が必要ではないかと思うが、研修だけでカバーできるのか。

●ADRにおいて社会保険労務士が活動する分野としては、労務管理を基本とした各分野が中心になると思われる。また、労使関係の紛争は法律論だけでは解決できない問題が多く、人間関係も重要となるので、そのような点も研修内容に盛り込んでいるほか、労使双方の団体との意見交換などを実施している。

○税理士会では、どのような観点から民民間の紛争を扱いたいと考えているのか。

●例えば、相続税をめぐる問題の前段階として、遺産分割の争いが生じることが多い。税務問題の前段階で紛争が生じている案件はかなりあると思われるので、このような紛争の解決について他の専門家と協働する形で、様々なADR機関に参画していきたい。

○各士業団体がADRを設置する場合には、執行力の付与は必要であるか。

●(各団体から、執行力が必要であるとする意見や、執行力をそのまま付与することは考えていないとする意見が述べられた。)

(平山善吉委員(建築関係))

  • 建築関係では、建築士等の専門家が多数関わっており、それぞれの業務が多岐にわたるうえ、業務範囲があいまいなため、紛争が生じた際にはその原因が何であるかが大きな問題となってくる。
  • 建築紛争においては、争点整理等の特定にADRを活用した上で、裁判所に法的判断等を求めることが迅速・適正な紛争解決に有効であると考えられる。
  • 日本建築学会では司法支援建築学会を設置し、裁判所に対して鑑定人・調停委員の推薦を行うとともに、裁判所の協力の下で建築紛争事例の調査・分析を行っている。

((社)日本不動産鑑定協会)

  • 不動産鑑定士には、その作成する鑑定評価書に対する説明責任が求められる。また、不動産を規制している多岐にわたる行政法規にも通暁している。
  • 協会においては、家賃、地代増減額を中心とする借地、借家に係る紛争等を扱うADRを設立、運営することを含め、ADRへの参画について検討しているところである。
  • 不動産鑑定士は、不動産の価値が関連する事件について、主宰と代理のいずれの役割においても専門性を有効に活用することができると考えている。
  • 不動産鑑定士の更なる活用を実現する上での問題点としては、ADR機関運営における財政上の負担についての検討や、弁護士法第72条に関して不動産鑑定士がADRにおける代理が可能となる方向での改正等が望まれる。

((社)全国消費生活相談員協会)

  • 消費生活相談員協会の会員のほとんどは、消費生活専門相談員の資格を取得し、大半が全国の消費生活センターや国民生活センター等で消費生活相談の業務に携わっている。
  • 消費生活相談の範囲は、消費者が商品・サービスを購入・利用する場合に生じる契約等に関する相談であり、事業者との交渉に必要な助言や事業者との直接交渉を行っている。
  • 今後は、行政型ADRの更なる整備・充実が必要であるといわれており、これが実現すれば相談担当者の需要が増大する。また、民間型ADRでの活用なども考えられる。
  • 全国的にみると、地方公共団体においては苦情処理委員会による調停がほとんど活用されていないことから、制度の改善が必要である。また、消費生活相談員の更なる活用を実現するためには、他の機関との連携等が必要となってくる。

((社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会)

  • 消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタントは、問題解決に向けた知識・能力を有しており、さらに新しい消費者問題等についての調査・研究を重ねている。
  • ADRへの関与の状況としては、司法型ADR、行政型ADRへの関与のほか、民間型ADRとして各種PLセンターや業界団体の相談センター等でも活躍している。
  • 協会においては、消費者相談室ウイークエンド・テレホンを設けているほか、これまでHP上での消費者相談やポータルサイト的な取組を行ってきたが、政府予算が得られずITによる事業は継続できなかった。
  • 今後の活用の場としては、人材は豊富であり、消費生活アドバイザー・消費生活コンサルタントが専門とする相談業務の拡充や、協会における消費者相談室の組織をさらに強化・発展させて全国ネットでの展開を図ることなどが考えられる。

上記の説明に対して、次のような質疑応答がなされた(○:委員、●:説明者)

○不動産鑑定士が裁判所で活躍されている現状をみると、人によって質の高低が大きいように思われるが、一定のレベルの質を確保する方策が考えられないか。

●不動産鑑定士に対しては、義務的な研修を始めたところであり、今後は急ピッチで準備をして質の平準化を行っていきたい。

○消費生活専門相談員や消費生活アドバイザー、消費生活コンサルタントについては、どのような資格認定の仕組み・要件となっているのか。また、ADRの主宰者としては、法律知識以外にどのような能力が備わっているべきであると考えるか。

●消費生活専門相談員については、高度な内容の試験が課されており、相当の知識を持っていると認識している。ただ、知識があるからといってすぐに現場の相談に対応できるものではないので、ベテランと新人を組み合わせるなどして実務に当たらせている。

●消費生活アドバイザー、消費生活コンサルタントについては、実務実習やロールプレイを取り込んだ研修を行っている。ADRの主宰者には、実務を通じてバランスよくものを考える能力が求められていると思う。

○ 説明・討議

事務局より、資料7-11に沿って説明が行われた後、以下のような討議が行われた。

○ADRにおける専門家の活用については、ADRに係る共通的な制度基盤を整備するという側面からの議論と、法曹制度の中での個別士業等の位置付けという側面からの議論があることに留意する必要がある。

○ADRにおける専門家の活用形態としては、主宰者の補助者としての専門的知見の活用を考えていくのが一般的ではないか。各々の専門家の有する専門性の分野は細切れであり、本日のヒアリングのように、個々の専門家がADR機関を設立して主宰者となるという形では、トータルな紛争解決サービスを求める利用者のニーズには応えられないし、果たして、司法制度改革審議会の意見書が望んだ姿といえるのか疑問がある。

○弁護士法第72条の規制については、既にいくつかの士業法では例外扱いされており、また、調停委員としても専門家が活用されているのであるから、一概に補助者以外の活用形態を否定することなく、前向きな形で制度を仕組んでいく必要があるのではないか。

○仮に、各々の専門家ごとにADR機関を設立することとなると、的確に機能するのか、質の確保がなされるのか、国民にわかりやすいものとなるのかという点で疑問である。専門家の知見の活用形態については、もう少し基本的なところから考えていかなければならないのではないか。

○専門家ごとのADR機関が林立する姿が理想的な姿とは思わないが、紛争解決サービスについて、国家による規制は最低限に留め、市場を通じた淘汰に委ねるべきとの立場からは、たとえ専門家ごとのADRが乱立する姿が理想的ではないとしても、最初から参入を規制するのではなく、不都合が生じた段階で対応するという、自律的努力に期待するのが望ましいのではないか。

○専門家の有する専門性には、紛争内容に関する専門能力とともに、特に調整型については紛争解決そのものに関する専門能力という2つの面があり、その双方について活用のあり方を整理していくことが重要ではないか。

○専門家の活用は、弁護士法第72条やADR全体の制度論(ADRに対する規制のあり方等)にも波及する問題であるが、専門家の有する2つの専門能力の活用という司法制度改革審議会の意見書の趣旨に沿って、まず、実態を踏まえて基本的なところを議論していくべきではないか。

○世界的にみても、ADR振興の動きが生じている大きな要因には、紛争解決を法曹三者に任せてよいのかどうか、むしろ自由な観点で多様な紛争解決が目指されてもよいのではないかという考え方の存在がある。このためには、ADRの活動に規制がかけられることは望ましくないし、ADRを作ってはいけないという議論はできないのではないか。
ただし、ADRの主宰者となるためには、法的知識や紛争内容に関する専門能力のほかに、紛争解決に関する専門能力も必要とされるのだから、法曹関係者にもいえることであるが、ある分野の専門家が直ちにADRを主宰する能力があるとはいえず、ADR主宰者への研修や資格認定についても検討する必要があるのではないか。また、ただADR機関が乱立するのではなく、機関相互の連携やワンストップ・サービスの仕組みの検討も必要である。このためには、研修の充実や関係機関間の連携の問題ともどこかの段階でリンクさせて、法や行政ができることは何かを考えなければならないのではないか。

○ADRの利用者は、まず相談窓口を経てからADR主宰者のところへ行くのが通常の姿ではないかと思われる。このため、利用者が気軽に相談できる窓口の充実や、窓口と主宰者との連携が必要であり、紛争解決の主宰者ばかりでなく、相談担当者として専門家を活用することも重要ではないか。

(2)その他

その他、ADR検討会の議論とも関係する動きとして、
 ① ADRの拡充・活性化関係省庁等連絡会議の検討状況
 ② 内閣府の実施した国民生活モニター調査
について、説明があった。

次回は、10月28日(月)14時から、専門家の活用及び裁判手続との連携についての議論(続き)行うとともに、意見書指摘事項のうち残された項目についても検討を行うこととなった。

(以上)