第2回配布資料一覧

資料2−3
別添5

各国交渉提案の概要




自由職業サービス(法律サービス)

1.米国の提案・法律(S/CSS/W/28 2000年12月18日)
(1)現在の分類(W/120)は法律サービスを明確に定義していない。米は、商取引のアドバイザーとしての法律相談/法的代理、ビジネス組織管理への参加、調停・仲裁及びこれに類似する裁判によらない紛争処理サービス、公的弁護及びロビー活動が法律サービスに含まれると解釈する。
(2)市場アクセスと内国民待遇における障壁を削減することが交渉の重要な目標。特に、第3モードでの自由化(免許発給のための市民・居住要件、業務範囲、現地の弁護士と外国人弁護士との連携や現地の法律事務所と外国の法律事務所との連携を含む)に焦点を当てることが有益。また第4モードを含む他のモードでの自由化についても検討すべき。
(3)弁護士及び弁護士事務所が国際的に活動する際の問題に対処するため参照文書を策定すべきであり、草案を提出したい。

2.オーストラリアの提案・法律(S/CSS/W/67 2001年3月28日)
(1)法律サービスの自由化のために次の原則が重要。
(イ)出身国の法律、国際法、及び資格を有する第3国の法律についての活動の権利、
(ロ)外国法律事務所が業務上の拠点を設置する権利、
(ハ)外国法律事務所及び弁護士が、パートナーシップ契約を結ぶ権利、
(ニ)知識と能力に応じて、滞在国の法律についての活動の権利、
(ホ)外国法律事務所が、滞在国の弁護士等を雇用する権利、
(ヘ)国際商事仲裁裁判の準備をし出廷する権利。
(2)外国弁護士に対する特定分野に限定された免許の概念について検討する。
(3)国籍要件及び居住要件を廃止する。消費者保護、職業倫理の高潔さ、サービスの質等については、別の方法で担保されるべき。
(4)「会計規律」をベースに、法律分野の規律を作成する。

3.オーストラリアの追加提案・法律(S/CSS/W/67/Supp.1/Rev.1 2001年7月10日)
(1)ホスト国の弁護士免許を持たなくても、外国の弁護士が母国法、第三国法又は国際法についての法律サービスを行うことを認める「限定的な免許」制度を導入する。この「限定的な免許」は、ホスト国の法律に関する法律サービスや法廷における弁護士業務を含む必要はないが、豪においては、外国からの短期滞在(出張ベース)の法律サービスや国際商事仲裁における法律サービスも認められている。
(2)また、他の外国法事務弁護士やホスト国の弁護士とパートナーシップを組んで、外国の法律や国際法に関するサービスを行うことを認める。

4.ECの提案・自由職業(S/CSS/W/33 2000年12月22日)
(1)この分野の交渉のねらいについてサービス貿易理事会特別会合又はそのための下部組織で議論を始めるべきである。
(2)国籍要件は、公共の利益を追求する特定のサービス提供者が実施する公的任務についてのみ、居住要件は、消費者保護やサービス提供者の責任を理由とする場合においてのみ正当化される。
(3)第1モードでは、居住要件をより貿易制限的でない措置に代替することを検討すべき。第2モードでは、いかなる制限も正当化されないと考える、第3モードでは、拠点の設立形態における制限を最小にし、現地パートナーとのパートナーシップ/雇用にかかる規制や職業団体の会員制に関する規制を削減すべき。第4モードについては自然人の一時的な移動を改善・促進する方法について議論するべきである。(ECは、企業内転勤及び契約ベースの短期移動に関する約束を行っている)。
(4)当該分野におけるMFN免除はGATS第7条の適用対象となる相互承認に基づくものであり、通常、MFN免除リストに掲載する必要はなく削除すべき。

5.カナダの提案・自由職業(S/CSS/W/52 2001年3月14日)
(1)第1、第2及び第3モードの内国民待遇と市場アクセスについて、国籍・市民権要件の撤廃と居住要件の代替措置(例えば、現地人との協同、還償請求確保のための要件と越境懲戒に関する協定の結合等)を検討し、約束の数と質を改善させる。
(2)第4モードについて、自由職業サービス提供者の一時入国・滞在につき、対象となる職種を拡大する。(人の移動については、カナダは別途提案を行っている。)
(3)全加盟国が資格の相互承認の協定を締結することを推進するための方法を検討する。そのため、「会計分野における相互承認協定または取極のためのガイドライン」を自由職業全体に拡大する可能性が出発点となり得る。
(4)国内規制についての透明性が重要。一般原則に加え、個別分野の事情を踏まえた分野別原則を作ることを目指す。エンジニア、建築、法律、都市計画、不動産鑑定、測量に特に関心がある。
(5)第4モードによるサービス提供に必要な道具の持ち込みの関税免除を認めるルールの必要性について検討する。

6.スイスの提案・自由職業(S/CSS/W/75 2001年5月4日)
(1)内国民待遇と市場アクセスに関する約束を拡大する。特に、資格の承認のなさ、国籍・居住要件、自由職業団体の会員や拠点設置の形態に関する制限及び第4モードに関する制限を除去する。
(2)国内規制作業部会における透明性と必要性の議論は重要であり、透明性は必要性の関係でのみ意味を持つ。分野によっては、電気通信における参照文書や会計規律を参考に、個別の規律を作成することも必要。

7.チリの提案・自由職業(S/CSS/W/88 2001年5月14日)
 自由職業サービスについては、国籍・居住要件をなくし、GATSにおける承認の規定を有効化する。第7条の「承認」については、実態上、民間団体の間での取り決めによって行われる場合が多いため、第3国には、参加のための協議の機会が与えられていないことは問題であり、事務局に第7条2の適用状況の調査を委託する。

8.コロンビアの提案・自由職業(S/CSS/W/92 2001年7月9日)
(1)相互承認を推進する。
(2)自由職業サービスの国籍要件・居住要件は廃止する。
(3)自由職業サービスの約束を拡大する。

(了)