首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸 文字なし
 トップ会議等一覧司法制度改革推進本部検討会労働検討会

労働検討会(第1回)議事録



1 日時
平成14年2月12日(火) 13:00 ~15:00

2 場所
司法制度改革推進本部事務局第1会議室

3 出席者
(委 員)菅野和夫座長、鵜飼良昭、岡崎淳一、春日偉知郎、髙木剛、村中孝史、矢野弘典、山川隆一、山口幸雄(敬称略)
(事務局)山崎潮事務局長、大野恒太郎事務局次長、松川忠晴事務局次長、近藤昌昭参事官、齊藤友嘉参事官、黒田修参事官補佐

4 議題
  1. 座長の選出について
  2. 議事の公開について
  3. 検討事項及び検討スケジュールについて
  4. その他

5 議 事

【齊藤参事官】それでは、定刻になりましたので、第1回労働検討会を開催させていただきます。本日は、御多忙のところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。 後ほど、この検討会の座長を互選でお決めいただきたいと思いますが、それまでの間、私、参事官の齊藤でございますが、議事を進行させていただきます。よろしくお願いします。
 それでは、始めに司法制度改革推進本部事務局長の山崎からごあいさつを申し上げます。

【山崎局長】事務局長の山崎でございます。どうぞよろしくお願いします。開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 皆様方には、大変お忙しいところをこの検討会に参加いただくことを御承諾いただきまして、大変ありがとうございます。心から御礼を申し上げたいと思います。
 皆様方も、既に御承知のとおり、この本部が昨年の12月1日をもってスタートを切ったわけでございます。司法制度改革審議会の意見の趣旨にのっとりまして、司法制度の改革と基盤の整備を総合的かつ集中的に行うという目的で設置をされ、3年以内を目途に、関連法案の成立を目指すということとされています。
 この具体的な法令案の立案作業につきましては、私ども事務局の方が中心となって行っていくということになろうかと思いますけれども、その際にはこの労働検討会を始め、主要なテーマごとに有識者等による検討会を開催いたしまして、意見交換を行いながら事務局と一体となって作業を進めるという方式を取らせていただいているところでございます。 この労働関係の問題につきましては、司法制度改革審議会の意見において、「労働関係事件への総合的な対応強化」と題しまして、近年、社会経済情勢の変化に伴いまして、企業組織の再編、あるいは企業の人事労務管理の個別化の進展等を背景といたしまして、個別労働関係事件を中心に、数多くの相談や紛争が生じているという中で、我が国におきましても、労働関係事件の専門性、事件動向等を踏まえまして、訴訟手続に限らず、簡易迅速、柔軟な解決が可能なADRも含めまして、労働関係事件の適切・迅速な処理のための方策を、総合的に検討する必要があるとされているところでございます。
 具体的には、労働関係事件の審理期間をおおむね半減することを目標とした、民事裁判の充実・迅速化に関する方策等の実施、これが1つでございます。
 2つ目には、民事調停の特別な類型としての、労働調停の導入。
 3つ目には、労働委員会の救済命令に対する司法審査の在り方、雇用・労働に関する専門的な知識経験を有する者の関与する裁判制度の導入の当否、労働関係事件固有の訴訟手続の整備の要否について早急な検討の開始、といった点が提言されているところでございます。
 そこで、この労働検討会におきましては、ただいま申し上げましたような労働関係事件の総合的な対応強化の在り方について、御検討をお願いしたいと存じます。
 この検討会は、労働関係事件への対応という課題については、国民に身近で利用しやすく、その期待と信頼に応え得る司法制度の実現の観点から、率直かつ充実した御検討をいただける場であると考えておりますので、皆様には是非忌憚のない御意見をお聞かせいただけますよう、よろしくお願いを申し上げます。
 簡単ではございますが、これであいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

【齊藤参事官】それでは、恐縮ですけれども、ここで一旦報道関係者の方は御退席願います。

(報道関係者退室)

【齊藤参事官】それでは、この検討会に本日お集まりの皆様を御紹介させていただきたいと思います。皆様、お一言ずつ自己紹介をいただければありがたいと存じます。
 まず、委員の方からお願いしたいと思いますが、鵜飼委員の方から、順にお願いできますでしょうか。

【鵜飼委員】弁護士の鵜飼と申します。私は、専ら労働サイドで労働事件をやってまいりました。同じく日弁連推薦の石嵜弁護士が、経営側でやっておりましたので、双方の立場からそれぞれの意見が出せるものかと思います。是非、よろしくお願いします。

【岡崎委員】厚生労働省の岡崎と申します。労使関係の担当参事官になっておりますが、これまで厚生労働省でも個別紛争の解決のための法律、これを昨年の10月から施行しておりますし、現在また私のところで労働委員会の審査の在り方、これは労働委員会サイドからでございますが、検討を行っております。こちらの検討会との連携を取りながら、今後仕事を進めていきたいというふうに思っております。よろしくお願いいたします。

【春日委員】筑波大学の春日でございます。専門は労働法ではなくて、民事訴訟法でございます。この検討会では、手続問題が多く議論されるかと思います。少しでもお役に立てればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【菅野委員】東京大学の菅野でございます。東京大学では、労働法という科目を担当しております。この労働検討会の課題は、戦後の労働法、今、再編成の過程でありますが、その中でも非常に重要な課題であると考えております。よろしくお願いいたします。

【髙木委員】連合から出ております、髙木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【村中委員】京都大学の村中でございます。労働法を専攻しております。労使紛争処理ということについては、非常に関心を持って勉強しております。よろしくお願いいたします。

【矢野委員】日経連の矢野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【山川委員】筑波大学の山川と申します。専攻は労働法でございます。数年間だけ、パートタイムで弁護士をやった以外に実務経験がありませんので、いろいろお教えいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【山口委員】東京地方裁判所の民事19部というところに所属しております、山口と申します。民事19部というのは、労働専門部でございまして、平成12年の4月に着任して、丸2年経とうとしております。個別事件、集団事件等難しいものが多くて苦労しております。どうぞよろしくお願いいたします。

【齊藤参事官】ありがとうございました。なお、本日は石嵜委員、法務省からの後藤委員が所用のため御欠席です。なお、矢野委員は、今日は。

【矢野委員】ちょっと早めに退出させていただきます。

【齊藤参事官】わかりました。
 それでは、続きまして、事務局の出席者を御紹介させていただきます。山崎事務局長から、順にお願いいたします。

【山崎局長】山崎でございます。よろしくお願い申し上げます。

【松川次長】事務局次長の松川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【大野次長】同じく、事務局次長の大野です。よろしくお願いします。

【齊藤参事官】参事官の齊藤でございます。この検討会を担当させていただきます。私は、弁護士出身でございますが、労働事件はほとんど経験がございません。事務局の立場で、この検討会の運営にできるだけ尽力させていただきたいと思っております。よろしくお願いします。

【近藤参事官】参事官の近藤と申します。私は、手続法を所管している参事官ということで、この検討会に関与させていただきますけれども、一応全般について齊藤参事官と一体となってやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【黒田参事官補佐】参事官補佐の黒田と申します。よろしくお願いいたします。

【事務局(平瀬参事官補佐)】同じく平瀬と申します。よろしくお願いいたします。

【事務局(矢野主査)】矢野と申します。よろしくお願いいたします。

【齊藤参事官】それでは、続きまして、関係機関、オブザーバーの御出席者の御紹介に移らさせていただきます。
 裁判所、内閣官房、法務省、厚生労働省、日本弁護士連合会、全国社会保険労務士会連合会の順にお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

【最高裁判所(定塚課長)】最高裁の行政局第一課長をしております、定塚と申します。労働事件を担当している部署でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【法務省(小川参事官)】法務省民事局参事官の小川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【内閣官房(清武主査)】内閣官房の清武と申します。よろしくお願いいたします。

【厚生労働省(村瀬係長)】厚生労働省労政担当参事官室の村瀬です。よろしくお願いいたします。

【中央労働委員会(齋藤係長)】中央労働委員会事務局総務課、齋藤と申します。よろしくお願いいたします。

【日本弁護士連合会(高橋副会長)】日弁連副会長の高橋勲です。どうぞよろしくお願いいたします。

【日本弁護士連合会(藤村事務次長)】日弁連の事務次長の藤村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【日本弁護士連合会(越智嘱託)】日弁連の司法改革調査室の越智と申します。よろしくお願いいたします。

【全国社会保険労務士会連合会(久保田副会長)】全国社会保険労務士会連合会の副会長でございます、久保田でございます。よろしくお願いいたします。

【齊藤参事官】裁判所からの方も、全員一言どうぞ。

【最高裁判所(清水局付)】最高裁の行政局の局付をしております、清水と申します。よろしくお願いいたします。

【最高裁判所(小澤課長補佐)】行政局課長補佐の小澤と申します。よろしくお願いいたします。

【齊藤参事官】どうもありがとうございました。それでは、続きまして本日の配付資料の確認をさせていただきます。

【黒田参事官補佐】座って失礼いたします。
 本日お配りしております、資料の確認をさせていただきます。まず、クリップで止めてある資料があると思います。1枚目が、議事次第でございますが、2枚目以降、資料番号1の「労働検討会名簿」でございます。
 資料2が飛びまして、資料3の「労働検討会の検討事項(案)」でございます。
 次が、資料4「当面の検討スケジュール(案)」でございます。
 次が、資料5「ヒアリングの進め方について(案)」でございます。
 そのほか、緑色のファイルにとじてある資料がございます。こちらは、資料番号2でございます。「司法制度改革審議会関係資料(労働関係部分)」でございます。司法制度改革審議会の意見書の労働関係部分の抜粋、それから審議会の労働関係の議事録、配付資料の抜粋を付けてございます。今後の検討の資料として御活用いただければと存じます。
 このほか、とじてはございませんが、司法制度改革推進法案に対する国会の附帯決議、2枚の紙のものがございます。
 最後に、4月から7月までの検討会の日程調整表をお配りいたしております。
 資料は以上でございます。

【齊藤参事官】よろしいでしょうか。
 それでは、続きまして座長の選出をお願いいたしたいと存じます。座長は参集者、今日お集まりの皆様の互選により選出していただきたいと存じます。それから、必要に応じまして、座長代理を、これは座長の指名により御選出いただければと存じます。
 それでは、どなたか座長の御推薦はございますでしょうか。

【髙木委員】菅野先生を推薦します。

【齊藤参事官】ありがとうございます。そのほかに、どなたか御推薦される方ございますか。
 それでは、髙木委員の方から、菅野委員を座長にという御推薦がございましたけれども、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

【齊藤参事官】ありがとうございます。それでは、菅野委員に当検討会の座長をお願いしたいと存じます。それでは、座長席の方にお移り願いますか。

(菅野委員、座長席へ移動)

【菅野座長】それでは、座長としてのごあいさつを申し上げる前に、座長代理の選出と議事の公開についての検討を行いたいと存じます。
 座長代理につきましては、私の方から指名させていただきたいと存じます。東京におられて、労働法を専攻しておられるということで、山川委員にお願いいたしたいと思います。よろしいでしょうか。

【山川委員】はい。

【菅野座長】それでは、よろしくお願いいたします。

(議事の公開について協議の結果、次の取扱とすることとなった。)
  •  報道機関に会場における議事の傍聴を認める。
  •  毎回の会議の議事概要及び議事録を作成し、公表する(議事録には原則として発言者名を記載する。)。
  •  ただし、プライバシー保護の必要性がある等事情によっては、会議を公開しないことができることとする。また、事情によっては、議事録に発言者名を記載しないこ   とができることとする。

(報道関係者入室)

【菅野座長】それでは、私、座長としてのごあいさつを一言申し上げたいと思います。
 このたび司法制度改革推進本部に設置された労働検討会において、座長に選出していただきまして、大変光栄に存じております。微力ではありますが、皆様の御協力をいただきながら、何とか役目を果たしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 皆様御承知のとおり、近年経済の長期的な低迷、グローバルな市場競争の進展、それから労働市場におけるさまざまな構造的な変化などを背景に、個別労働関係紛争が大幅に増加しておりまして、戦後の労使紛争解決制度の改革の必要性が認識されてきました。
 そこで、各方面で検討が進められてきておりまして、行政における紛争解決制度の方は、御承知のように既に改革の第一歩を踏み出しております。
 司法制度は、労使紛争解決制度においても、扇の要の役割を果たすものでありまして、それを時代の新たな状況に則して、よりよいものにしていくということは、大変重要な課題であると存じております。
 労働検討会は、司法制度改革審議会の意見書を踏まえて、事務局と一体となってこの重要な課題を検討する貴重な場であるというふうに思っておりまして、その任務は大変大きいと存じております。
 司法制度改革審議会意見書で提出された、労働検討会の具体的課題は、いずれも長年続いてきた制度の基本的な改革に関わるものでありまして、しかも労働調停の導入を除いては、意見書において基本的方向が提示されておりません。
 このように、当検討会の課題は、かなり難しいものであるというふうに思っておりまして、現行制度の運用状況、それから諸外国の参考となる制度の内容、運用状況などについて総合的な議論をいただいて、まず認識をできるだけ共有したいと思います。
 その上で、率直で柔軟な御議論をいただければと存じておりますが、議論の仕方としては、例えば、考えられる選択肢と各選択肢のメリット・デメリットなどを明らかにしていくというのも、一つの方法かと考えております。
 いずれにせよ、皆様には既に十分な専門的知識、経験をお持ちの方々でありますので、実りの多い御議論をお願いしたいと存じ、また期待しております。何とぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次に当検討会における検討事項及び当面の検討スケジュールについて、事務局の方から御説明をお願いいたします。

【松川次長】それでは、私の方から着席のままで恐縮でございますが、労働検討会における検討事項と検討スケジュールにつきまして、御説明申し上げます。
 配付資料の3を御参照ください。この資料は、この検討会における主な検討事項と考えるものを記載させていただいたものでございます。先ほど、事務局長からごあいさつ申し上げましたとおり、当検討会におきましては、労働関係事件への総合的な対応強化の在り方について御検討をお願いしたいと考えております。
 具体的には、資料にもございますように、主として
 ○ 労働調停の導入
 ○ 労働委員会の救済命令に対する司法審査の在り方
 ○ 雇用・労使関係に関する専門的な知識経験を有する者の関与する裁判制度の導入の 当否
 ○ 労働関係事件固有の訴訟手続の整備の要否
の4つの事項につきまして、御検討をお願いしたいと考えております。
 なお、司法制度改革審議会の意見では、労働関係訴訟事件の審理期間をおおむね半減することを目標とし、民事裁判の充実・迅速化に関する方策等を実施すべき旨の提言もなされておりますが、これらに関しましては、労働関係事件に限った課題ではなく、現在法務省の法制審議会等で検討されているところでありますので、この検討会の主な検討事項としては掲げておりません。
 しかしながら、これらの事項につきましても、法制審議会における検討状況等を踏まえた上で、労働関係事件固有の課題として検討する必要性が生じた場合などには、この検討会における主な検討事項と併せまして、検討していただくことになるものと考えております。
 今、申し上げました個々の検討事項について申し上げますと、労働調停の導入につきましては、司法制度改革審議会の意見におきまして、導入すべきであるということとともに、制度設計に当たって留意すべき指針が提言されておりますので、これらを踏まえまして、具体的な制度設計も含めまして、導入の方策を検討していただきたいと考えております。
 また、労働委員会の救済命令に対する司法審査の在り方、雇用・労使関係に関する専門的な知識経験を有する者の関与する裁判制度の導入の当否、労働関係事件固有の訴訟手続の整備の要否につきましては、意見書におきまして、早急に検討を開始すべき旨が提言されておりますので、その提言の趣旨に即しまして、それぞれ調査検討を深めていただきたいと考えております。
 次に検討のスケジュールでございますが、労働関係事件の対応強化には、司法制度改革審議会の意見におきましても指摘されておりますように、その方策を総合的に検討していただく必要がございます。
 例えば、労働調停制度は、裁判所が実施する紛争処理制度の一環として、訴訟手続との連携や、専門的な知識経験を有する者の関与の在り方等との関係で、労働関係事件に関わる裁判制度の在り方と不可分でございまして、これと切り離して議論することは適当ではないと考えられるところであります。
 このように、各検討事項は、相互に密接な関連を有していると考えられますので、当面は検討事項ごとに進めるというよりは、全体として総合的に検討を進めていただければと考えている次第でございます。
 そこで、資料の4「当面の検討スケジュール(案)」を御覧いただきたいと存じます。当面の第7回検討会のころまでの予定といたしましては、まずは実態を踏まえまして、実際に国民にとって利用しやすく有効に機能するような制度改革を実現するという観点に立って、検討の素材といたしまして、我が国の労働関係紛争処理制度の実情、問題点などを、諸外国の制度とも比較しながら、調査把握するというところから進めていくのが適当ではないかと考えているところであります。その上で、検討すべき論点項目の整理を経まして、本格的な御議論をお願いしたいと存じます。
 ただし、司法制度改革推進本部の設置期限は、御案内のように平成16年の11月30日まででありますので、所要の法律案を国会に提出する場合には、その提出時期といたしましては、平成15年あるいは平成16年のそれぞれの通常国会のいずれかを目指すことになります。いずれの通常国会に、どのような法律案を提出すべきかは、今後の検討状況や司法制度改革全体の進捗状況にもよりますので、現時点では確定したことは申し上げにくいわけでありますが、検討はおおむね1か月に1回程度のペースで遅滞なく進めていただきたいと考えているところでございます。
 御多用中のところを誠に恐縮ではございますが、よろしくお願い申し上げたいと存じます。

【菅野座長】ありがとうございます。それでは、まずただ今の御説明事項のうちの資料3の検討事項案についての御意見・御質問がありましたら、お願いいたします。
 当面こんなところで、よろしいでしょうか。
 それでは、資料4の当面のスケジュール案、こちらの方の御意見・御質問はいかがでしょうか。どうぞ。

【髙木委員】議論の仕方について、今、松川次長から御説明もありましたが、議論の仕方も含めて議論をスタートさせていただくという、そういう意味では審議会のときにもやはり同じ議論になりました。事務局主導の議論をやめようということでした。委員の間で議論をつくり上げていこうというのが、司法制度改革審議会の一番最初のホットな議論の内容だったんです。ですから、進め方についても、これを見たら8回目までこういう段取りが出ていて、ヒアリングをする相手も全部でき上がっている。少なくとも2回目、3回目、それは多分議論しても大体こういう方々にお話を聞くのかなという方々を大方包含されているのかもしれませんけれども、その辺のこれからの運営も含めまして、私どもは私どもでこういうイメージかなと思っていたものもあります。事前にキャッチボールする機会も全然ありませんし、今日、ここへ来てこんな進み方になるのかということを一方的に説明されたという印象なんです。
 だから、進め方等についても、くれぐれも議論をしながらやっていきましょうということは、是非確認しておいていただきたいし、事務局の方の主導で、結局最終的には事務局の方が、こういうふうに収めたいという案を用意して議論を進められる。そんな議論は私はだめだと思いますから、その辺くれぐれもお願いしたいということです。

【菅野座長】次長、どうそ。

【松川次長】御趣旨はよくわかっておるつもりでございまして、そのようにこの検討会で御検討いただければいいと思います。ただ、第1回目にスケジュールを立てさせていただく関係上、あらかじめ各委員の先生方にも、いろいろお考えを伺った上で、一つの議論の素材として提供させていただいたものでありますので、これにこだわることなく、委員の先生方に。

【髙木委員】そんなことを言うんなら、もうあなた方は3月25日の段取りをしているじゃないですか。私は、3月25日にヒアリングに呼ばれているのですよということを聞いた人は、1、2、おります。

【齊藤参事官】予定に間に合わないといけませんので、そろそろ打診に入っている状況はございます。ただ、この検討スケジュール、それから資料5のヒアリングの進め方についての案、これはあくまでたたき台としてお示しさせていただいたというつもりでおるんです。 z したがいまして、今日いろいろと御意見をいただく、あるいは御指摘をいただいて、細部については詰めさせていただきたいというふうに考えておりますので、どうか率直な御意見・御指摘をいただきたいと思っております。

【菅野座長】今日は、事務局で用意した検討事項、スケジュールを素材にして、この検討会での検討の仕方についても御議論をいただければと思いますので、髙木委員もこういうふうに検討したらどうかというような御意見がありましたら、どうぞ。

【髙木委員】とにかく、余り事務局主導でなく議論をお互いにやっていくということをお願いしたいということと、それから、一番終わりが平成16年ですよという今の御説明だと月に1回議論の場を持つとすれば、今日は2月ですから8回というのは10月になるのか、9月になるのか、8月をどうするかということもありますが、それであと来年の通常国会、その後の臨時国会、それから翌年の通常国会、ということになると、正味2年ぐらいの期間で、大体どれぐらいのものがどんなふうに仕上がっていくのか。もちろん議論の結果によって仕上り方というのは決まってくるものでしょうが。
 そういうことを先々にらんでいきましたときに、第7回までいろいろお話を聞いて、それで8回ということは、今年の秋から暮れにこの論点項目というのができ上がるのでしょうか。それで、後が詰まってしまわないのかなという心配はないのか、率直に言ってそんな印象がありますので、もう少し前に倒すなり、これが全部必要なのかどうかも含めて、もう少し詰めて議論をしていかないと、最後また時間切れで、時間がありませんでしたということになって、中途半端に終わるのではないかなという心配もあります。この案を見ますと月に1回とおっしゃっているので。

【鵜飼委員】手続的な問題として、私も先週の金曜日、日弁連にいらっしゃって、私自身はいなかったんですが、こういう資料が渡されたということで、あとで私のところに来まして、ちょっと手続的な問題で今後御注意いただきたいと思うんですけれども、基本的に労働紛争の実態と解決の状況について、総合的にまず検討して、実際の解決の実情を知り、かつ諸外国のそれに対するシステムを知ると。そこから、共通認識の上で、制度設計を考えるということは、私自身は基本的に賛成いたします。
 是非これを短期間に、実りあるものにするにはどうしたらいいかということだろうと思うんですが、例えば3月25日の厚生労働省と労働委員会からスタートするということですが、事前に、例えば我々委員がこの点についてデータを明らかにしていただきたいとか、こういう点についてはどうかとか、事前のペーパーとか質問書というものが出せるチャンスがあるんだったら、それがこういうところで反映することができるのであれば、是非お願いしたいと思います。

【齊藤参事官】この後で、もう少し第2回、第3回辺りの検討会の在り方について事務局から説明させていただいたりして、それで御議論いただきたいと思っていたところなんですが、今、鵜飼委員から御指摘のように、ヒアリングをできるだけ今後の議論に有益な形で実施できるように、ヒアリングの中身であるとか、プレゼンテーションしていただく項目であるとか、それから質疑応答の時間も当然設けたいと思っていますが、その際の質問事項でありますとか、こういったことを今日この場で、あるいはこの後適宜委員の方々から、事務局にそういった御希望なり御要望をお寄せいただきたいと思っております。
 それを事前にヒアリング先に伝えておきまして、できるだけ有意義な形で実施できるようにというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

【菅野座長】これをスケジュールされている事務局の方も、3月の会議はアレンジをなるべくちゃんとしないといけないということで、3月のものは具体的な準備に入っているんだと思いますが、例えば4回目以降とか、このとおりにやらないといけないということはないので、例えば裁判と行政の仕組みを2回、3回でやるわけですけれども、そのところでまた1回議論をしてみるとか、そういうこともあり得るので、どうぞその点も含めて御自由に御意見を出していただければと思います。別に、これでみんなセットされているわけではありませんので。

【矢野委員】最初に現状とか問題点を把握するためにヒアリングするというのは必要なことだと思います。それと、今おっしゃったように、是非にというのがあるんだったら、その都度、改めて意見を出して決めていけばいいと思うんですね。一応、秋までに勉強を終えて、それで本格的議論に入ろうという段取りですね。ですから、どういう人を呼んで話を聞くかというのも、なかなかの問題ですね。そんなことも含めて、何を聞くかということと、どういう人を呼ぶかということついて、事務局の方にも案があると思いますけれども、ちょっとそこら辺を自由に、柔軟に論議していったらいいんではないでしょうか。
 場合によっては、もう一回ヒアリングをやろうということがあってもいいし、一遍減らそうというのがあってもいいし、あまり最初からがちっと決めておかない方がいいように思います。

【齊藤参事官】そういう趣旨で御提案させていただいておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

【鵜飼委員】時期的な目途としては、大体いつごろになるんでしょうか。この論点項目の抽出が、大体9月か10月ぐらいですか。

【齊藤参事官】ざっとした事務局の方の心づもりという程度でお聞きいただきたいんですが、8月は検討会は入れないようにしたいと思っています。したがいまして、その夏休み前にできることならば、検討すべき論点項目の抽出・整理等までできれば、理想ではないかと思います。
 仮にそこまでちょっと順調に行かない場合でも、夏休み明けぐらいにこういった作業を終えて、その後の本格的な議論に入っていきたいと。心づもりとしては、そんな見通しでおります。

【菅野座長】ほかにいかがでしょうか。

【矢野委員】8月に会議を入れないということには賛成をしたいと思います。私ども一切の会議がありません。もっとも、去年はちょっと例外で2日か3日に1回会議がありましたけれども、原則は入れないということで進めていただいた方がいいんではないでしょうか。

【髙木委員】だから、7月までにそういう論点項目か何かを詰めようと思ったら、もう少し詰めた格好でやらないと。

【菅野座長】みんな終わらなくては論点項目はつくれないということもないと思いますね。

【齊藤参事官】そうですね。ただ、もしも7月いっぱいまでに論点項目の抽出、整理までやろうとした場合には、月1回のペースではちょっと間に合わないわけです。したがいまして、今日委員の方々のスケジュールについてアンケートを取らせていただきまして、それで少し検討会を入れるペースを早めさせていただくということもあり得るかと思います。

【山川委員】やはりなるべく検討項目はあらかじめ早目に出した方がいいと思うんですけれども、そうすると全部でなくても、例えば労働委員会だったら労働委員会についての論点項目を、ヒアリングが終わった段階で出すというふうにすれば、ある程度小出しでも記憶がビビッドなうちに整理できるのかなと思います。
 ちょっと別な方向ですが、スケジュールがタイトなときに自縄自縛なことを言うようですけれども、企業内における紛争解決はこの検討事項自体ではないんでしょうけれども、使用者、あるいは労使での紛争解決も促進していくということもにらみながらでないと、なかなか外部機関の適正な位置づけはできないかと思いますので、例えばヒアリングをするときには、そういう視点も入れていただければと思います。

【齊藤参事官】ありがとうございます。

【菅野座長】どうぞ。

【春日委員】効率的に検討会を行うということですと、時間的な問題もあるので、不可能なのかもしれないんですが、例えば厚生労働省の方がいらっしゃるとき、その資料というのを事前に、例えば3日ぐらい前とかに拝見することは可能なんでしょうか。

【齊藤参事官】その辺りは、具体的な段取りの問題としてまだ詰まっておりませんので、できればそういう御要望にも沿えるように努力したいと思います。

【春日委員】その場で資料を見て、それで質問をするというよりも、ちょっと事前に拝見できた方が質問を的確にできると思うので、できたらある程度事前に資料を見ることはできないでしょうか。もっともヒアリングに呼ばれる方の都合もあるでしょうから、非常にタイトな時間の中でやらないといけないということで、無理があるかもしれませんけれども、可能でしたらお願いします。

【齊藤参事官】はい。心得ました。

【菅野座長】個人的な感じでは、外国の制度というのは、論点をつくった後の方がいいんではないかという感じがするんです。少なくとも日本についてのヒアリングが終わったところで論点をつくって、それに関して外国の制度を検討する方がいいんではないかと思います。外国の制度というのは、調べ始めたらもう切りがありませんから、そういう感じがちょっといたします。

【村中委員】利用者サイドのヒアリングで、労働者が出ているんですが、これはどういう人を相手に考えておられるのでしょうか。労働関係の紛争処理というのは、うまく紛争が処理主体に持ち込まれておらずに、労働者サイドの泣き寝入りで終わってしまっているケースが結構多いのではないか、すなわち、そもそも制度を利用できていない人たちが相当数いるんではないかという問題意識が以前から言われておりますけれども、そういうニーズの現状をとらえるというのは、どういう形でやればいいのか。これが特によくわからないんですけれども、そういう目というのもどこかで必要なんだと思うんですけれども。

【齊藤参事官】その点も実際当事者として労働者の中からどういう人を人選するかというところまでは、正直、そんなに詰まっているわけではないんです。要は労働者のサイドでの問題意識なり、労働者のサイドの実情のようなものを、できるだけつぶさに聴取したいということを希望しているわけなんです。
 今、村中委員から御指摘のように、手法として、ではどういう人から、どういう要領で実施するのかという点は、なかなか難しいという面があるということは承知しておりまして、この辺りもできるだけうまく工夫して、これから具体的な準備をしていきたいと思っているところですので、どうかお知恵を拝借したいと思っているところでございます。

【鵜飼委員】個別紛・gt;


転送が中断されました!

はじめとして労働組合もそういう議論を大分前からやっておりますけれども、労働相談活動、あるいは相談を受けて具体的な解決に乗り出すということを、各組合もやっておりますし、全国的にはそういうネットワークもできております。
 そういう意味では、ある意味では先駆的にと言いましょうか、そういう問題に携わっている労働組合なりの人たちがたくさんいらっしゃいますので、そういう意味ではその中から、それはどういう人を選ぶかという点は皆さんの御議論の中で決める必要がありますけれども、そういう現実の個別紛争の相談を受け、解決のために携わっている人たちに来ていただいて、その実情を話していただくということは十分できるのではないかと思います。 このスケジュールの中でも、利用者サイドのヒアリングが、2回設けられているということは、非常に大事なことだと私は思います。ですから、利用者サイドから見た現在の紛争解決システムについての、いろんな議論が2回、場合によっては2回で終わるかどうか若干気になりますが、そういうことができるように、我々も努力しなければいけないと思います。
 この中で、紛争解決制度を現実に担っているものとして、労政事務所関係というのがないんです。それと、最近は労働委員会が個別紛争を処理することが増えておりまして、それと労政事務所と連携しながら、いろいろ紛争解決しているということがございますので、それも現行の紛争解決の在り方の問題としては、どこかで入れていただいた方がいいんではないかと思います。

【菅野座長】どうぞ。

【山口委員】今のお2人の意見とも絡むんですけれども、出されている検討の議題というのは、その制度設計のために必要なんですが、紛争になってから公的機関に来た場合にどうなるかというのが中心になっていると思うんですけれども、制度設計を考えればそれ以前の紛争解決システムとのリンクというのが、やはりどうしても必要になってくると思うので、その辺の実情を把握できる機会があればいいと思います。
 先ほど山川委員の方から、企業内における紛争の処理、解決がどうなるのか、あるいは、鵜飼委員の方からは、その労働組合がある程度関与して、一定の解決に役立っているというお話がありますので、その実情を是非聞かせてほしいなと思います。

【齊藤参事官】わかりました。

【山川委員】あと先ほどおっしゃられた、海外の状況についてのヒアリング等のスケジュールですけれども、日本労働研究機構で出した個別紛争処理システムの報告書のアップデートの作業が進んでおりまして、夏ごろまでには出るかもしれません。その関係からいっても、ちょっと遅らせて、ある程度論点整理を先にするということはあり得るかと思います。

【菅野座長】このスケジュールの最初の4回ぐらいをやって、それが一回一回何が足りなかったのかとか、どういう論点が浮かび上がったのかというのを検討する回を設けて、それでその後のことをまた、外国のヒアリングに入るかどうかというのも、そこで決めたらどうかという気もしますね。

【齊藤参事官】その辺りのスケジューリング的なことは、適宜座長とも相談させていただきながら、また委員の方々にもお諮りさせていただきたいと思います。

【髙木委員】中身を見ると、ADR絡みがものすごく多いんですね。例えば3月25日にどういう御報告を厚生労働省がされるのか知りませんが、個別労使紛争解決制度等、労働委員会もある意味で裁判との関わり合いを踏まえれば公的な関与の強いADRだろうと思いますし、もちろんADRも含めてトータルで紛争処理体系をどうやってグレードアップしていくかという話だろうと思いますけれども、今日いただいたばかりなので、内容はもう一度吟味をしてみたいなと思いますが、そういう意味では2回、3回ぐらいまでとりあえずということにし、途中でもう一遍レビューする機会を是非つくっていただきたいと思います。
 ここに書かれているけれども、例えば制度を利用する紛争当事者、労働者と書いてあるけれども、これもさっきどなたかがおっしゃったけれども、この労働者というのはだれのことを言っているのか、この労働者はだれのことを言っているのですか。

【齊藤参事官】これは、正直言いまして、労働者サイドというぐらいにまだ御理解してください。具体的にどういう個人をイメージしているというところまでは、正直、まだ準備は進んでおりません。

【髙木委員】例えば、利用者という言葉も使ってあるけれども、利用者という言葉ももうちょっと吟味してこれから使っていかなければいけないのではないかと思ったりもします。 労働者ということで、例えば私にだれか連れて来いと言われたら、だれに頼みに行ったらいいか、私もわかりませんね。

【菅野座長】先ほど鵜飼委員も言われたように、実際に相談に応じているような、複数のたくさんのケースを知っているような方々でしょうね。自分のケースだけを言われても困りますのでね。

【矢野委員】ある程度客観的に見て物が言える人が、勉強会の場としてはいいですね。なかなか選ぶのが難しいかもしませんけれども、そういう努力をしたらいいんではないでしょうか。

【髙木委員】だから、できるだけ冷静に話してくださる人にお願いをする。片一方の論理にばかりやたらと傾斜した立場論だけの話を聞いてもしようがないと思います。

【菅野座長】当面は、第2回、第3回はセットのこともありますので、こういうふうにしてやらせていただいてよろしいでしょうか。それについてもっと具体的にヒアリングの対象先とか、ヒアリング事項について御検討、御意見をいただきたいと思います。

【齊藤参事官】若干資料5の説明をさせていただきたいと思います。これまでのところで、大体議論がある程度出てまいりましたので、私の方からくどい説明は避けたい思います。
 第2回は、期日が切迫しておりますので、対象者としては、限られた時間で準備を対応していただきやすい厚生労働省、それから労働委員会、ここからのヒアリングを行ってはどうかというふうに考えております。
 厚生労働省の方は、本省と東京労働局というふうに分けてヒアリングをしてはいかがかと考えております。
 プレゼンテーションしていただく事項などは、一応基礎的な視点を踏まえて、このように書いてございますが、今日あるいは近日中に委員の方々から御意見を伺えば、それも参考にして最終的にヒアリング先に伝えて準備をしていただきたいと思っております。
 労働委員会の方は、中労委と都労委というふうに分けて、ヒアリングをするというふうに考えております。
 先ほど来御説明申し上げているとおりに、この資料5もただき台というふうに御理解いただきまして、できれば御意見・御指摘をいただければと思っております。
 それから、第3回は、裁判所からのヒアリングを予定しております。プレゼンテーションの事項なども、大体ここに書いてありますようなものを、一応事務局としては念頭に置いておるということでございますので、その辺りにつきましても、今日中にでも、あるいは近日中にいろいろと御意見・御指摘をいただければというふうに思っております。
 ちなみに第4回でございますが、第4回はちょっと先になりますので、まだ事務局としての考え方も漠然としているわけなんですが、大体厚生労働省、裁判所とある程度基本的なプレゼンテーションの事項などは、ある程度共通なものとしつつ、例えば弁護士からヒアリングするときに、弁護士会の仲裁センターのことなどもヒアリングの対象にしていってはいかがかというふうに考えております。
 大体以上でございます。

【菅野座長】どうぞ御意見、御質問ありましたら、お願いいたします。

【矢野委員】次回のことについてのお願いなんですけれども、厚生労働省の方からADRについて話があるわけですけれども、実はこの個別紛争処理の論議をやったときにも出たことなんですが、なるべくこれを複線化してしまう。なるべく1つのところではなしに、たくさんやって、実際働く側の人がなるべくいろんなところへ行って相談できるように便宜を図ろうじゃないかという議論をした覚えがありまして、それは複線化してやっていく一つが労働局でのいろんな取り扱いなんです。
 ですから、このお話のときに、全国でどういうふうに労働局を窓口にして行われているか、東京労働局の事例もいっぱい出ると思うんですけれども、複線化しようとしたことについて、ほかでどうなっているかということがわかれば、わかる範囲でいいと思いますけれども、直接担当ではないので集めにくいかもしれませんけれども、例えば都道府県の労政事務所とか、労使でやっている労働委員会もありますし、もし、そういう点についてデータが取れるようであれば、わかる範囲で示していただけるといいと思うんです。労働局でこんなに案件が増えましたというだけではなくて、全体的にどうだということを知るようなことが少しでもできるといいなと思います。

【岡崎委員】できるだけいたしますが、ただ、矢野委員も御承知のとおり、10月から始まっていて、3月にお話しするとすると、ほかのところがどこまで動いているか、どこまで情報が取れるか若干不安があるんです。もう少しいろんなところということであれば、年度が終わってから、いろんなところで聞いてまとめるという方が、もうちょっとまとまったことが言えると思います。

【矢野委員】少し時点がずれてもいいと思います。この場にどこかで出していただければですね。

【岡崎委員】そこはちょっとヒアリングの際に、間に合う部分はやりますが、あとはまた年度が変わって、13年度の状況がまとまった時点で何らかの形で御報告するということにしたいと思います。

【矢野委員】来月の分はできればということにしていただいたらどうでしょうか。

【鵜飼委員】現状は厚生労働省さんがレポートを出されたように、大体はわかるんですけれども、それが今までやってきた労政事務所の相談とか、あっせんと、どういうふうに関係しているのか。あるいは、相談者がどういうルートを通って来ているのか。それと、今、個別労働紛争を労働委員会でやろうとしていますけれども、その部分との関係はどうなるのか。あるいは今度、労働調停についても、これは実施課題になっておりますので、検討することになりますが、そういうADRの関係でもかなり整理されつつありますね。個別紛争についてはそこら辺の状況を是非知りたいです。
 ですから、公開の情報で知り得る以上の情報、例えばあっせんについても、あっせんの解決事例をできれば全ケースで参考にできるんだったら、資料としていただきたいなと。もちろん、個人的なプライバシーの問題は当然配慮することは必要でしょうけれども、そこら辺ももし可能であれば。

【岡崎参事官】ほかとの連携も、制度をつくって10月からどういう形でということで各局を指示してやりつつあるわけですが、ただ、地方労働委員会も10月から始めたところとか、まだこれから始める準備をしているところとか。したがって、利用者がどういうふうに回っているかというのは、ほとんど立ち上がったばかりなので、なかなかそこまでの分析は、今、言われても、たまたまそういう人がいるという程度の分析しかできない。今、鵜飼さんが言われたようなところまでいくとしたら、1年とか、制度が動いてからじゃないとなかなか難しいかなと思います。ですから、どういう連携を各局でやりつつあるかとか、まだちょっと制度的なところまでしかなかなか資料ができないのではないでしょうか。

【鵜飼委員】例えば弁護士会で相談をやる場合には、どういうルートで弁護士会の相談を知ったのかとか、そういう参入のルートは、受け付けの段階で聞いているのですが。多分、この厚生労働省のやられているものについても、そういうのは事実関係は把握されているのではないかなと私は思うんです。

【岡崎委員】これは相談だけでいけば何千件もありますから、ちょっとそこまではとても分析しきれないですね。

【髙木委員】岡崎さんは、答弁する人ですか。

【岡崎委員】いえいえ。意見もいろいろ言うために来ていますから。

【髙木委員】岡崎さんにこの場で振ったりしたら、答弁する人になってしまう。

【菅野座長】事務局を通じてまた御連絡いただいて、現時点でわかることをお出しいただくということにしたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。

【岡崎委員】今後のスケジュールとは直接関係ないんですが、今回の検討事項の2つ目で、労働委員会の救済命令に関する司法審査の在り方というのがありますが、厚生労働省の方でも、労働委員会の在り方については、別途検討していますので、こちらの検討とも関わりがあるのかと思いますので、ちょっとこの辺の考え方を御紹介しておきたいと思うんですが、よろしいでしょうか。

【菅野座長】どういうことですか。

【岡崎委員】労働委員会の救済命令に関する司法審査のことについてここで検討するわけですが、一方では労働委員会自体の審査の在り方についても検討を別途私どもの方で進めているわけですが、それはやはり相互関係があるんではないかという気がするんです。したがって、委員の皆さん方に私どもの方で今検討している状況を御説明しておいた方がいいかなと思うんです。

【菅野座長】それは厚生労働省の方でやっている検討ですね。それは、その検討を踏まえられたりして、岡崎さんが意見としてこちらの中に、それも参考にしながら述べていただくということでいいんじゃないかなという感じもいたします。こちらの検討会の検討をどういうふうにしていくかとか、それに関わりがあるなら、述べていただきますけれども。

【齊藤参事官】述べていただく方がよろしいんじゃないですか。こちらとのスタンスの取り方を気にされているんだと思うんです。

【岡崎委員】最終的にはこちらでいけば、16年の通常国会に法案を出すということが、一番後ろとして掲げている。私どもの方で、労働委員会制度の改革をする場合に、そのタイミングの問題とか若干あるかと思いましたんで、ちょっとその辺を御説明しておいた方がいいかなと思ったんです。

【菅野座長】そうですか。それではどうぞ。

【岡崎委員】司法制度改革審議会の方でも、労働委員会の救済命令も、司法審査の在り方について、色々な議論がされている。そういう中で、厚生労働省として、あるいは労働委員会として、労働委員会の今の不当労働行為の審査の在り方が、今のままでいいのかとか、そういう中で司法審査の在り方として、地方裁判所を飛ばした形での審査にできないか、とか、いろんな議論があったわけです。
 一方では、労働委員会の審査そのものについても、何らかの形で変えていかないと、全体として整合性のある制度にはできないというのが私の方の問題意識です。
 そういう中で、労働委員会制度を今後どうしていくかということで検討を始めている。村中先生や山川先生もいらっしゃいますけれども、厚生労働省の方でも学識経験者の先生方に集まっていただいて、去年の10月から検討を始めています。
 私どもとしては、司法審査の在り方が検討されるに際して、現在の労働委員会だけを前提にして議論されると、それにとどまった議論になってしまう。したがって、労働委員会が今の社会状況の中で変わるべきところは変わっていく必要があるんではないかというふうに思っております。
 したがって、こちらの方の議論、それから私の方ですが、あるいはお2人の先生もいらっしゃいますので、つなぎはそれでやっていくということであると思いますけれども、私の方でもそちらの検討もされていく。したがって、そういった意味でここの場では、今の労働委員会がこうだからこうだというだけの議論ではなくて、変わっていく方向もある程度念頭に置いた議論をしていただければ幸いというふうに思っているということでございます。
 ちなみに、こちらの方の委員会では、4月か5月くらいには一定の検討項目をとりまとめる形で、その後の議論を進めていくということを一応考えています。一応そういう御報告だけで、あとはどういう形で両方を整合して、最終的な姿にしていくかというのは、これは検討が進んでいく中でいろいろ調整を図りたいと思っております。

【菅野座長】そのほか、当面のヒアリングについての御意見ありましたらどうぞ。
 なければ、当面はここに書いてあるような線で、いただいた御意見も参考にして行うと。ただ、質問事項などについてあれば、何日までいいんですか。

【齊藤参事官】その辺りですが、ヒアリング対象者のプレゼンテーションの事項につきましては、できれば一応目標としては今週中くらいに、どんな事項についてプレゼンしてほしいかといった御希望を事務局までお寄せいただければと思います。一応、目安としましては、できるだけ早目にということをお願いしたいと思います。
 それから、質疑応答の際の質問事項という点では、これは来週の末くらいまで、2月22日くらいまで、約一月前くらいまでに御意見、御指摘をお寄せいただけませんでしょうか。

【髙木委員】次は3月25日でしょう。これはいろいろ検討して吟味してからきちっとお願いしたいと思うんだよね。今週中に持ってこいとか、みんな仕事をしながらやっているんだから。

【齊藤参事官】もちろん、目安として申し上げるんですけれども、どのくらいが適当でしょうか。

【髙木委員】吟味してみなければ分からないね。そんな乱暴なことは言わないけれども、今日いただいて、今週末にというのは。

【松川次長】ちょっと早いのではないか。

【齊藤参事官】すみません。その辺の要領がまだつかめなくて申し訳ないんですが、そうしましたら、一応3月25日に実施するということを念頭に置いていただいて、御準備いただけますか。

【髙木委員】厚生労働省は1週間くらいあれば十分でしょう。

【岡崎委員】質問であれば十分ですが、資料と言われれば、もう少し早目にいただかないと間に合わないかもしれないです。

【齊藤参事官】それでは、ちょっと様子を見ながら、集まり状況などを見ながら、それから厚生労働省の準備状況もこちらで確認しながら、ある種のタイミングと言いますか、リミットを見計らいながら、お願いするようにしたいと思いますので、よろしくお願いします。

【山口委員】ヒアリングの関係ですが、細かいことで恐縮なんですけれども、例えば労働委員会の場合ですと、中労委と都労委に、それぞれ個別にプレゼンテーションをやってもらって、個別に質疑応答をしろという形なんでしょうか。

【齊藤参事官】質疑応答は一緒にと思っているんですが。

【山口委員】中労委と都労委とまとめて質疑応答すると。

【齊藤参事官】はい。

【山口委員】質問事項を出すというのも、多分重複する形になると思いますので、質疑応答は一緒にやってもらった方がいいです。

【菅野座長】それでは、質問事項とお聞きになりたい事項等ありましたら、是非お出ししていただきたいと思います。
 それでは、ヒアリングの進め方などはこのくらいにしまして、その他の事項に移らせていただきますが、今日は第1回ですので、その他の事項で、この検討会の位置づけ、事務局との関係なども含めて、自由に御質問、御意見がありましたら出していただきたいと思います。

【齊藤参事官】口火を切る意味で、事務的なことをちょっと御説明させていただければと思います。
 まず1つは、オブザーバーとして、この検討会にも多数御出席いただいている方がいらっしゃるんですが、オブザーバーとして御出席の方につきましては、原則として、発言権限まではないという取り扱いにさせていただきたいと思っております。
 ただし、座長の指示で一定の説明をしていただくとか、そういうことは当然あり得ることですので、もしも関係機関等で御出席の方から、事前に発言、あるいは説明の要望等があれば、事前に事務局の方にお知らせいただければ、取り扱いについて適宜御相談なりさせていただきたいと思っております。
 もう一つ、資料の提出なんですけれども、委員の方からは御自由に資料を提出していただいて結構だと思います。ただ、これも正式にこの検討会の資料とするか、あるいは参考資料にとどめるか、その辺りの取り扱いなどを適宜事務局としても判断させていただきたいと思いますので、できるだけ資料の提出等については、事前に事務局の方に御相談いただきたいと思います。
 それから、オブザーバーとして出席されている方からも、適宜必要に応じて資料をお出しいただくという場面があろうかと思いますが、これも基本的には座長の方からの指示に従っていただきたい。
 あるいは、関係団体等から資料提出の御希望があれば、これも事前に事務局の方にお諮りいただきたいと思います。
 とりあえずその辺りのことを御説明させていただきます。

【髙木委員】「資料」と「参考資料」はどういう使い分けなのですか。

【齊藤参事官】今、私が申し上げようとしたのは、この検討会の正式な資料として、資料番号も付して、正式にこの検討会の資料というふうに扱ってしかるべきものと、それから単なる参考資料として委員の方々が、一般の文献に接するのと同じような意味で、単なるお一人お一人の参考に供するという程度のものと、必要に応じてそういう振り分けもした方がよろしいんではないかということなんです。

【松川次長】補足させていただいてよろしいですか。

【菅野座長】はい。

【松川次長】事務局としては、できるだけ検討の段階での議論とともに、それに供された資料は、できるだけ幅広くオープンにしていきたいと考えておりますが、資料の性格上、既に発表された分厚い資料であるとか、広く一般に配るにはなかなか適さない資料もありますので、そこら辺を適宜、委員の方々とも御相談しながら、正式な資料として広く一般にも知らしめる形にするものと、適宜参照ということで、これはほかのところに行けばアクセス可能ですという表記にとどめて、資料そのものは膨大なものであるので、正式な資料とせずに参考資料として委員の方々に供していただくという区分けをさせていただきたいという趣旨で、実務上の便宜からそういう区別が必要ではないかということです。

【齊藤参事官】正式な資料にした場合には、資料自体も公開していきますので、ただ、公開に適さないものもあり得ると思うんです。著作権が支障になるとか、この検討会で資料化しなくても、頒布されていて、流通性の高いようなものまでは、あえてこの検討会の正式資料としてインターネットにも載せるといったようなところまでは必要ないんじゃないかというふうに判断されるものもあり得るかと思うんです。そういったことの仕分けは、ある程度やはり事務局の方の関与で交通整理させていただきたいということなんですが。

【髙木委員】あまり恣意的にならないようにしてください。

【齊藤参事官】それはもちろんです。

【鵜飼委員】是非、意見を聞いてください。

【髙木委員】それからオブザーバーの方のお話があったけれども、おのずとルールがあるのかもしれないが、できるだけオープンで、フリーにというのが原則じゃないかと思います。

【菅野座長】座長としては、座長にお任せいただきたいと思います。

【山川委員】他の検討会との関係で、例えばADRとか、この検討会に関わりのある議論もあるかと思います。それも公開されたらインターネット等で見ればわかるのかもしれませんし、また詳細に説明いただくと、時間がかえって無駄になるかと思いますが、もし、必要な部分があったら、それだけでもコピーして、参考資料としてお配りいただくとか、そういうことをしていただくといいかなと思います。

【菅野座長】ほかにはありますか。第1回目ですので、おっしゃりたいことがあればと思いますが、会の運営の仕方についてもよろしいでしょうか。
 もしもなければ、今日の第1回目はこのくらいにいたしたいと思いますが、今後の検討会の日程について事務局から御説明をお願いいたします。

【齊藤参事官】次回は第2回でございますが、御案内のように、3月25日、午後1時30分から午後5時までを予定しております。
 それから、第3回以降の日程を入れさせていただきたいんですが、当面、7月くらいまでの日程をあらかじめ決めさせていただきたいと存じます。
 そこで、お手数ですが、本日お配りしております日程調整表に御都合を御記入の上、できればこれは今週中くらいまでに御提出願えればと思います。こちらで基本的には最も委員の方々の御出席いただきやすいところをねらって、今日御議論いただいたスケジュールの点も勘案しながら、当面、7月くらいまでの日程を入れさせていただきたいというふうに考えています。よろしくお願いします。

【菅野座長】よろしいでしょうか。
 それでは、ほかにございませんようでしたら、本日の検討会はこれで終了いたします。 どうもありがとうございました。