首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸 文字なし
 トップ会議等一覧司法制度改革推進本部検討会裁判員制度・刑事検討会

裁判員制度・刑事検討会(第23回) 議事概要

(司法制度改革推進本部事務局)
※速報のため、事後修正の可能性あり

1 日時
平成15年7月29日(火)15:00~17:35

2 場所
司法制度改革推進本部事務局第1会議室

3 出席者
(委 員)
池田修、井上正仁、大出良知、清原慶子、酒巻匡、四宮啓、髙井康行、土屋美明、樋口建史、本田守弘(敬称略)
(事務局)
古口章事務局次長、辻裕教参事官

4 議題
「刑事裁判の充実・迅速化」について

5 議事

(1) 被疑者の取調べの適正を確保するため、その取調べ過程・状況につき、取調べの都度、書面による記録を義務付ける制度の導入に関し講じられる所要の措置について、法務省から、説明がなされた(説明資料は別添のとおり)。
 説明に対する質疑応答の概要は、以下のとおりである。

・取調べ時間が記録されることになっているが、被疑者が取調室に入退出を繰り返した場合には、その都度の時間を記録するのか。

 回答:そうである。

・客観的・外形的事項の記録とされているが、取調べ時間など、その記録の正確性について争いが生じた場合の確認方法はどうなるのか。

 回答:例えば取調べ時間について争いが生じた場合は、留置人出入簿などの他の記録との対照による確認が可能である。供述調書の作成通数などの正確性については、虚偽を記録すれば虚偽公文書作成罪にもなり、警察官や検察官が法廷で虚偽の証言をすれば、偽証罪の罪責を問われ得るという担保措置があるし、記録制度を発足させる以上、正確性について争いが生じないようにしっかり運用していきたいと考えている。また、問題が生じてから取調べ記録を作成するわけではなく、取り調べの都度作成するので,その段階から意図的に虚偽の記録を作成するということは考えにくいし,取調べ記録も事件記録の一部として検察官に送致される制度になっているので、事後の改ざんということも生じにくいと思われる。

・身上調書や余罪に関する供述調書の作成については、どのように扱われることになるのか。余罪が立件されない場合は、余罪に関する取調べの記録は検察官のもとに送致されないのではないか。

 回答:例えば、同じ日の午前中は本件について取調べを行い、午後は余罪について取調べを行ったという場合、取調べ時間等は、余罪分も含めて1枚の報告書に記録されるが、被疑者調書作成の有無及びその数、被疑者がその存在及び内容を明らかにして欲しくない旨の意思を表明した被疑者調書作成の有無及びその数については、本件に関するもののみが記録されることになる。余罪に関する調書作成の有無などは、余罪について送致されるときに、その記録が送致されることになる。したがって、余罪が送致されるまでは、検察官は、警察に問い合わせないと、余罪に関する調書作成の有無などは分からないということになる。

・記録事項に「取調べ担当者」とあるが、押送を担当している警察官など取調べの場に立ち合った者すべての氏名が記録されるのか。

 回答:取調べを補助した者は記録されるが、例えば取調室に書類を持ち込んだだけのような者は記録されない。

(2) 前回に引き続き、第22回検討会配布資料2「刑事裁判の充実・迅速化について(その2)」(以下「たたき台」という。)に沿って、刑事裁判の充実・迅速化について議論が行われた。
 議論の概要は、以下のとおりである。

ア 直接主義・口頭主義の実質化
 たたき台の「第4 直接主義・口頭主義の実質化」に関し、主として、以下のような意見が述べられた。

・刑事裁判の充実・迅速化に向けた方策に関する最高検の提言を拝見した。それは、今の制度下で努力すべきところを提言したものだが、それを前提に裁判員制度の場合にそれで十分なのかということは、9月のおさらいの議論の機会に議論することになるのか。

・最高検の提言は一つの参考であるが、他にもいろいろな提言があり、それらをも参考にしながら、夏休みの間に、第2ラウンドでの議論を踏まえて、各委員それぞれにさらに考えを発展させていただき、9月に他の重要な問題も含め集中して議論する中で、そのことについても議論することになるであろう。

・確かに裁判員制度については4月に一度議論したが、法務省から取調べ記録制度についての報告もあったのであり、せっかくだから、今日も議論してみたらいかがか。裁判官による裁判の場合でもそうだが、特に裁判員制度の下では、裁判員も判断する責任を負うので、判断のための客観的な資料を示した方が良いと思うので、例えば、取調べの録画についても議論していただけたらと思う。

・第2ラウンドの議論を踏まえて、夏休みの間に十分考えていただいた上で、改めて9月に議論をしていただければと考えている。これまで、裁判員制度の対象事件をまず念頭において議論をし、次に裁判員制度対象事件以外の事件で特に考慮すべきことがあるかという形で議論してきたところであるが、今の御意見も裁判員制度対象事件の場合にどういう配慮が必要かということが中心であったので、この段階で、その問題だけをもう一度取り上げて議論するのは適当でないと思う。

・「裁判員制度について」と題するペーパーの「4 公判手続等」の「(6) 新たな裁判員が加わる場合の措置」及び「(7) 証拠調べ手続等」に記載された諸点に関し、裁判員制度対象事件以外の事件について、特段異なる考慮をすべき点はないと考える。

・裁判員制度対象事件とそれ以外の事件とにおいて考慮すべき点は基本的に同じであると考えるが、公判手続の更新の在り方については、全く同じとするのかどうかという点は検討の余地がある。また、鑑定のための事実的措置についても、裁判員制度対象事件以外の事件では集中審理の要請の度合いが異なるだろうから、実際には、公判を開始してから鑑定の要否を決めるということが多くなるであろう。

・裁判員制度対象事件以外の事件においても、争いがある場合には、裁判員制度対象事件と同様に、弁護人が冒頭陳述を行うことにするのが望ましい。

・裁判員制度対象事件以外の事件において弁護人が冒頭陳述をすることにしても問題ないと思う。裁判官に理解してもらいやすくもなる。

・公判廷で心証を採るべきというのは職業裁判官のみの場合でも同じだと考えるので、公判手続の更新についても異なる考慮をする必要はないと考える。

イ 即決裁判手続
 たたき台の「第5 即決裁判手続」に関し、主として、以下のような意見が述べられた。

・たたき台は、公判段階での合理化のみを考えているが、捜査段階の合理化こそが重要である。被疑者が事実を認めている事件で、警察からの送致段階の証拠だけで起訴できるような場合でも、公判で否認された場合に備えた裏付けをとるために、捜査を続けざるを得ないという実情がある。しかし、結果として、多くの事件は公判でも被告人は自白したままで、裏付け捜査が無駄に終わっているのであり、捜査関係者の時間の合理的な配分ということを考えるべきである。例えば、送致段階で被疑者が事実を認めている事件では、すぐ起訴をし、裁判官の面前でも事実を認めたらすぐ判決ということにし、かつ裁判所は執行猶予の判決しかできないことにして、その代わり被告人はその判決に対して上訴できないということにする一方、裁判官の面前で否認に転じた場合は、勾留が再び始まるという制度設計にしたらどうか。そうすれば、警察、検察の無駄がなくなるし、無駄な身柄拘束もなくなる。
 確かに裁判の感銘力の問題はあるが、もともと執行猶予判決の場合には感銘力に限界があるのであり、その必要性などにつき再検討する必要があるのではないか。また、第1審で判決が確定することも多いのであるから、最初から上訴権を放棄することもおかしくないのではないか。

・刑事司法に求められているものは何かを考える必要があるが、治安・安全の確保は重要な観点である。たたき台の即決裁判手続は、捜査の合理化に全くなっていない。現下の治安・安全については厳しい情勢にあり、犯罪の認知件数が増えているが、捜査機関においては、犯人性に問題がなく、犯行を自認している事件であっても、他と同じような捜査書類の作成及び裏付け捜査に時間がとられ、新たな犯罪の検挙のための捜査に手が回らないという現状がある。
 仮に、たたき台の即決裁判手続が導入されても、同手続の対象となる事件についてもそれ以外の事件の場合と同じような捜査をする必要があり、捜査の合理化にはつながらない。
 捜査の合理化のためには、検察官送致段階のような早期に起訴することができるようにするとともに、被告人が公判で否認するなどして、即決裁判手続によることが不相当となった場合には、再度の公訴提起のために必要な捜査を再びできるような制度設計にすべきである。つまり、通常裁判に移行する場合には、裏付け捜査などを行うことが必要であり、そのための期間が必要となる。必要な期間は、罪種、犯行態様などにより異なるであろう。全犯罪の80数%を占める窃盗のうちの、乗り物盗、かっぱらい、万引きや、寸借詐欺、無賃乗車、金員以外の物の偶発的な横領、凶器を用いていない偶発的な傷害・暴行事件などが、このような合理化の制度の対象として考えられるが、その中でも必要な期間は異なってこよう。

・捜査においては個々の被疑者の量刑事情についても調べるのであり、本当に執行猶予となることが最初から明白な事案というのがあるのか。量刑事情についての捜査の省力化には問題があるような気もする。

・例えば薬物の使用の事案で、初犯であれば、実刑は考えられないであろう。我が国では、犯行態様など罪体に関わる事情が重要な情状事実であり、被告人の身上経歴など一般情状に関わる事実が重要な場合は少ない。

・再度の捜査をして再び起訴をするとすると、最初の起訴はどうなるのか。

・例えば、即決裁判によることの被告人の同意を公訴提起・維持の手続的要件とし、それが欠けるに至ったときは公訴棄却とするといういう構成を採ることは、考えられかもしれない。

・検察官が、最初の起訴を取り消すということでもよいであろう。

・最初の公訴提起は維持したまま、再捜査するということでもよいのではないか。

・そうだとすると、被疑者は被告人の立場のままとなり、取調べが難しくなるので、検察官にとって利用しにくい制度になるのではないか。

・たたき台の即決裁判手続は、捜査の合理化にも配意していると考える。また、勾留人員が増加しているなどの中で、有効な捜査をする必要性があることからすると、捜査の合理化が必要であると考える。加えて、執行猶予になるような事件については、被告人に早く社会復帰して更生の道に入ってもらう必要もあろう。捜査をかなり遂げてから即決裁判手続の申立てをしたのでは、即決裁判手続を設ける趣旨が必ずしも生きないので、申立ての時期をどうするかが重要な問題である。

・被疑者、警察、検察のいずれにとっても利用してみたいと思わせる制度である必要がある。送致後、現在では勾留請求をする段階で起訴をし、弁護人の選任、証拠開示などをして、起訴後14日位で期日が指定され、期日に裁判所が被告人に即決裁判手続でよいかどうか確認した上で判決するというような制度を設ければ、相当数の事件で利用されると考える。また、そのような制度の下では上訴制限を設けるべきであるし、簡略な手続によることに異議が出た場合には、その後、必要な捜査を尽くすことができるようにすべきである。

・捜査の合理化自体が目的なのではない。治安・安全の維持のために貴重な公共財を振り向けるという意味で、合理化が必要であると考えている。

・即決裁判手続の対象事件について、たたき台は、簡易公判手続と同様の制約、すなわち、死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮にあたる事件は対象外とするのが自然という前提で作成している。

・対象事件としては、重い事件はふさわしくなく、現行の簡易公判手続と同様の法定刑によるはっきりした枠があった方が良いであろう。

・仮に、上訴制限を設けないとなると、現行の簡易公判手続とほとんど変わらず、それとは別にたたき台の制度を設ける意味があるのか、疑問である。「できる限り、速やかに」公判期日を開き、即日判決をするというところが違うかもしれないが、実務的には早くはならないだろう。

・簡易公判手続では、第1回公判期日を開いてみないと利用できるかどうか分からないので、結局、検察官も弁護人も通常の手続の場合と同じ準備をしてくるということがあるが、即決裁判手続では、そのようなことがなくなるので、簡易公判手続とは異なってくるであろう。また、裁判所としては、即決裁判手続対象事件を専門に扱う部や係を設けて、集中的に処理するということも考えられるし、検察官や弁護人の側でも同様のことが可能となるなど、実務的な工夫の余地があり、即決裁判手続を設けることに意味がないことはないと思う。

・たたき台のように判決内容の予想ができない制度だと、弁護人の立場としては、被疑者・被告人に積極的に利用をすすめにくい。したがって、科刑制限が必要である。また、弁護人にも、即決裁判手続の申立権を与える必要もあるのではないか。そうすれば、弁護人にとって利用しやすいし、捜査の合理化にもつながるのではないか。

・上訴制限がないと、何の合理化にもならず、意味がない制度となると思う。もっとも、事実誤認を理由とする上訴を全く認めないというのではなく、弁護人が選任されていた場合には、上訴を制限するというのも考えられる。また、刑事訴訟法435条6号に該当するような場合に限り、事実誤認を理由とする上訴を認めてもよいのではないかとも思う。また、上訴制限をするのであれば、科刑制限を設けることも考えられる。
 ただ、科刑制限を設けて弁護人に申立権を与えると、検察官がどれくらいの量刑が相当と考えているかを探るために、申立てをするということになりかねず、おかしなことになるのではないか。

・弁護人が選任されていない場合があることを想定している点で、たたき台には問題がある。

・科刑制限を設けて、実刑を科すことはできないとすべきである。検察官の求刑を予想できることも重要であるが、即決裁判手続では検察官による求刑がされるのか。そうであれば、求刑について、検察官と弁護人との間で事実上交渉することもあろう。

・たたき台は、検察官による求刑がなされることを前提としているが、求刑について検察官と被疑者側の間で事実上交渉が行われることまでは想定していない。

・即決裁判手続でも、実刑を科すことができるようにすべきである。判決が出るまで、実刑になるかもしれないという状況に被告人は真摯に向き合わざるを得ないので、感銘力も確保できるであろう。

・科刑制限を執行猶予とすることにより、本来実刑相当の事件が即決裁判手続に流れてしまうようだとよくない。かといって、実刑を科すことができるとなると、即決裁判手続は利用されなくなるのではないかというジレンマがある。

・科刑制限として、実刑でも1年以下くらいなら利用されるであろうが、3年以下ということになると利用されなくなるであろう。

・科刑制限を設けると、利用者は多くなるであろうが、問題もある。執行猶予のみというのは問題があるが、実刑の上限を設けるというのは考えられる。
 弁護人が選任された場合の上訴制限は一つの考え方だと思うが、他の手続では不服申立て手続があるのに、なぜ即決裁判手続だけ制限できるのかが問題となろう。上訴制限を設けなくても、事実誤認を主張して控訴した場合、刑事訴訟法382条の2の「やむを得ない事由」に当たると認められず、結局制限を設けたのと同じようなことになるのではないか。

・上訴制限を設けないと、検察官は、上訴に備えて捜査しなければならないので、結局、即決裁判手続を使う意味は薄れよう。

・対象事件の重さなどを考えると、すべての事件について弁護人が選任されなければならないとまでする必要はないであろう。

・弁護人の立場からすると、たたき台の3(4)のように、不相当を理由に即決裁判手続が取り消された場合に、既に取り調べられた書証について同意があったものとみなされるのでは、即決裁判手続は利用しにくいものとなる。

・たたき台は、有罪陳述の撤回がされた場合は、不相当を理由に取り消すべき場合に該当するという前提である。また、有罪陳述の信用性に疑念が生じた場合も、不相当という場合に該当するのではないか、と思われる。

・後者の場合に、たたき台3(4)のように、同意があったものとみなすのはいかがなものか。

・即決裁判手続では、有罪の陳述を行い、証拠とすることに異議がない場合に、書証が採用されるが、そこでの判断は、実質的には、書証について同意しているのと変わらないだろう。そして、書証についての同意の撤回は現行法の下でも原則としてできないのであるから、それと同様に、不相当を理由に取り消す場合にも、書証の請求に対する意見聴取を最初からやり直す必要はないのではないか。

・即決裁判手続なら軽い刑で済むという前提で書証が取り調べられてもやむを得ないと考えていたのに、即決裁判手続が取り消されて通常手続になると、重い刑が可能となるのであるから、再度書証の同意不同意について考える機会が弁護人側に与えられるべきであるし、そうしないと、制度として即決裁判手続は弁護人にとって使いにくいものとなる。

・現行法でも書証の同意の撤回が許されないことを踏まえた理由付けは説得的であり、たたき台3(4)に賛成である。

・検察官請求証拠の開示を受け、弁護人が被告人と打合せをして、有罪の陳述をすれば書証は取り調べられるということは分かった上で、即決裁判手続に応じるのであるから、それは書証に同意するのと同じではないか。また、同意とみなされ書証が採用されても、その書証の信用性を争うのであれば、供述者を証人として呼んで尋問することもできるであろう。

・有罪陳述の信用性に疑いがあるとなれば、即決裁判手続において取り調べられた証拠のみで事実認定をするということはないであろうし、不相当ということで即決裁判手続の決定が取り消された場合には、問題があれば証人尋問がされる余地があるので、たたき台3(4)のように、取調べ済みの書証が同意されたものとみなしても問題ないのではないか。

・科刑制限の範囲内で即決裁判手続で判決まで至った場合は、予想の範囲内のことであるので、上訴制限をしてもいいが、裁判所の方の判断で、即決裁判手続による量刑では軽くて不相当ということで取り消される場合は、被告人側にとって予想外のことなので、書証について改めて同意不同意の機会を与えるべきだという趣旨であり、考え方として矛盾はしていない。
 証人尋問の余地があるという点も、証人尋問請求が採用されないこともあるので、弁護人にとっては、やはり使いにくいことに変わりはない。

・適式の証拠調べをしない手続が取り消されるのであるから、即決裁判手続を取り消した後の手続では、証拠採用も含めた適式の証拠調べをするのが筋である。

・たたき台4のA案でも、量刑不当を理由に上訴をすることができる。

・たたき台1(1)の「捜査の結果」とは、検察官がすべき捜査をしたと判断したとき、という趣旨である。

・即決裁判手続の申立てについて、時間的な制限を設けることはできないのか。

・制限を設けると、その時限を過ぎると即決裁判手続を一切利用できなくなり、かえって不都合ではないか。

・送致段階で起訴するという意見があったが、その段階で、即決裁判手続が相当な事件と起訴猶予が相当な事件との振り分けができるのか。

・現在でも逮捕中に起訴することもあり、振り分けはそれほど難しい判断ではないと思う。

・たたき台1(1)の「被疑者が被疑事実を認めており」の要件は必要なのか。削除して、自白のない事件でも即決裁判手続が利用できるようにすることも考えられないか。

・米国における「不抗争の答弁」の制度を念頭に置いているように思われるが、それは有罪答弁制度を前提にしたものであるし、そういった答弁を認める実質的なメリットは、そのような答弁をしたことを理由に有罪を自認したと後の民事訴訟などでいわれないですむという点にあるのであるが、わが国でも同じように考えられるかどうか、疑問である。

・そもそも自白のない事件で即決裁判手続を利用することが適切なのかという疑問がある。

(3) 次回以降の予定

 次回(9月11日)は、刑事訴訟手続への新たな参加制度の導入に関する検討を行う予定である。

(以上)