第2回配布資料一覧

日弁連配付資料---資料3

綱紀・懲戒制度の改革に関する基本方針

平成14年2月28日
日弁連臨時総会決議



 日本弁護士連合会は、弁護士自治を堅持し、発展させる見地から、その基幹をなす綱紀・懲戒制度をより一層充実させ、その透明化、迅速化及び実効化を図るため、以下の諸点について、各弁護士会と共に、綱紀・懲戒制度の改革に取り組む。

第1 綱紀・懲戒機関の見直しと改善・強化

  1.  各弁護士会の綱紀委員会の参与員制度を、議決権を有する外部委員制度に変更する。
  2.  各弁護士会及び日弁連の綱紀委員会及び懲戒委員会は、弁護士である委員が過半数を占めるものとし、外部委員のうち学識経験者については、法学部教授等に限らず、有識者たる市民からも選任するものとする。
  3. 各弁護士会及び日弁連の綱紀委員会及び懲戒委員会は、実情に応じ、委員の増員、調査・審査回数の増加、調査・審査方法の改善、標準審理期間の設定等、その手続の充実・迅速化を図るための施策を講じるものとする。
  4.  各弁護士会及び日弁連の綱紀委員会及び懲戒委員会に、必要に応じ弁護士である調査員を置くものとし、調査員は委員を補助して案件の調査・整理等を行うものとする。
  5.  各弁護士会及び日弁連の綱紀委員会及び懲戒委員会は、それぞれ複数の審査体が独立して審査することが可能な制度とし、各弁護士会及び日弁連は、必要に応じて複数の審査体を設置するものとする。
  6.  各弁護士会綱紀委員会の議決に対する懲戒請求人の異議の申出に対する決定は、日弁連綱紀委員会の議決に基づき行うものとし、異議の申出が棄却又は却下された場合に更なる不服申立ができる制度として、市民が参加して構成される「綱紀審査会」を日弁連に設置する。綱紀審査会が、懲戒委員会の審査に付することを相当と決定した場合は、日弁連綱紀委員会が再検討し、懲戒委員会の審査に付するか否かを決定するものとする。

第2 綱紀・懲戒手続の見直しと改善・強化

  1.  各弁護士会及び日弁連の綱紀・懲戒手続において、会員である弁護士が調査・審査手続に協力する義務を負うものとする。
  2.  各弁護士会及び日弁連の綱紀・懲戒手続において、事案に実質的な関係のある懲戒請求人に、意見陳述などこれに参加する機会を与えるよう運用に配慮する。
  3.  懲戒事由の具体的類型化や懲戒処分の量定のあり方を検討し、懲戒事由と事情に応じた適正な懲戒処分が行われるよう運用の改善を図る。
  4.  過去に懲戒処分を受けた事実を情状として考慮するにとどまらず、累犯加重による重い懲戒処分を行うことができるものとする。
  5.  各弁護士会及び日弁連の懲戒委員会の議決にあたって、少数意見がある場合には、議決書にそれを明示することができるものとする。
  6.  綱紀・懲戒手続に関する除斥期間及び綱紀・懲戒手続中の弁護士の登録換、登録取消請求について、その整備を図る。

第3 懲戒処分等の公表の拡充

  1.  懲戒処分の内容を官報に掲載し、各弁護士会及び日弁連のホームページに掲載するなど懲戒処分の公表方法・手段を拡充する。
  2.  懲戒委員会の審査に付された段階において、公表する必要性の高いものとして一定の要件に該当する案件について、これを公表することができるものとする。