① 事務局からの説明
第5回検討会事務局配布資料5−14「特任検事経験者に対する法曹資格の付与 検討のたたき台(案)」について説明がなされた。
② 法務省からの説明
第5回検討会法務省配布資料「特任検事関係資料」に基づいて、特任検事の概要について説明がなされた。
③ 日弁連からの説明
第5回検討会日弁連配布資料「特任検事に対する法曹資格の付与について」及び「特任検事への法曹資格付与について」に基づいて説明がなされた。
④ ①ないし③の説明に対して、次のような質疑応答がなされた。(○:委員、●:事務局、□:法務省、■:座長)
○:法務省の説明によると、特任検事に合格するのは四十代後半ということである。資格付与のため、仮に特任検事としての5年の経験年数を求めるとすると、相当の年齢になるようにも思うが、法務省としては、特任検事が弁護士になった後の活躍の姿として、どのようなイメージを持っているのか。
□:仮に資格を認められたとして、それぞれの方々がその資格をどのように生かされるかは何とも申し上げられないが、特任検事の出身庁・出身地が各地方に分散していることからすれば、都会地より地方で国民の皆様のリーガルサービスに従事したいと考えている者が多いと想像している。
○:事務局が、たたき台(案)において、法曹資格を弁護士となる資格に絞っているのはなぜか。
●:通常、法曹資格という言葉は、「弁護士になる資格」だけではなく、「弁護士、検察官、裁判官となる資格」の意味で用いられることが多いと思う。たたき台(案)において、「法曹資格(弁護士となる資格)」としたのは、実質的には、意見書が、「III 法曹制度を支える法曹の在り方」の中で、まず法曹人口の不足の問題を取り上げ、これを受け、「第3 弁護士制度の改革」の中で、弁護士不足を補う方策として、まず、隣接法律専門職種の活用等を、続いて、企業法務等の位置付けの中で、司法試験合格後に民間等における実務経験を経た者に対する資格の付与や、特任検事経験者等の有する専門性の活用等を提言しているのであって、資格を付与された者が弁護士として活躍することを想定していると考えられることが理由である。法制面においても、現行の裁判所法をみると、判事・判事補になるためには、司法試験と司法修習を経ることが必要とされており、その例外は大学教授・助教授など極めて限定されているところ、特任検事経験者は、これらを経ていないという事情もある。これらからみて、特任検事経験者に対しては、弁護士となる資格を付与することが相当であると考えられるので、このようなたたき台(案)としたものである。
○:特任検事に弁護士資格を与えるということでよいと思っている。研修等の何らかの担保措置が必要かもしれない。
○:特任検事に弁護士資格を付与することに賛成である。意見書は、基本的には法科大学院を前提にした法曹養成を念頭に置いているが、いろいろなルートからの法曹も考えておく必要があるのではないか。経験年数は5年くらいが適当であろう。能力補完のための措置として研修が必要であると思う。
○:今は民事、刑事と分けられない問題が多い。弁護士は圧倒的に民事を得意とする方が多く、特任検事が弁護士になって刑事に強い弁護士が増えると使い勝手が良くなる。弁護士が少ない地方にも多くいるということも心強いところである。
■:特任検事に弁護士資格を付与すること、その場合の特任検事としての経験年数は5年とすることでどうか。
○:異議なし。
■:その他の条件については、研修等が必要であるとの話もあったが、そもそも条件を要求するか、要求するとしてどのようなものとするかについて、次回、引き続き議論したい。