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知的財産訴訟検討会(第1回) 議事録

(司法制度改革推進本部事務局)



1 日 時
平成14年10月23日(水) 16:00〜17:30

2 場 所
司法制度改革推進本部事務局第1会議室

3 出席者
(委 員)
伊藤眞座長、阿部一正、荒井寿光、飯村敏明、小野瀬厚、加藤 恒
小林昭寛、櫻井敬子、沢山博史、末吉 亙、中山信弘(敬称略)
(事務局)
山崎局長、古口次長、松川次長、近藤参事官
(関係省庁・団体)
法務省、最高裁判所、特許庁、日本弁護士連合会、日本弁理士会

4 議題等
(1)座長の選出について
(2)議事の公開について
(3)主な検討項目及び日程案について
(4)その他

5 議 事

○近藤参事官 それでは、定刻になりましたので、第1回「知的財産訴訟検討会」を開催させていただきます。本日は、御多忙のところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。後ほど、この検討会の座長を互選でお決めいただきたいと思いますが、それまでの間、私、参事官の近藤が議事を進行させていただきます。よろしくお願いします。
 それでは、初めに司法制度改革推進本部事務局次長の古口からごあいさつを申し上げます。

○古口次長 事務局次長の古口でございます。今日は局長が所用でまだ参加できておりませんが、後で駆け付けてくれるのではないかなと思っております。私の方から一言ごあいさつを申し上げます。
 皆様方には、大変御多用中、この「知的財産訴訟検討会」への御参加を御快諾いただきまして、厚く御礼申し上げます。
 当司法制度改革推進本部は、司法制度改革審議会の意見の趣旨にのっとり、司法制度改革を総合的かつ集中的に推進するため、昨年12月1日に内閣に設置されました。具体的な法令の立案は、私ども事務局が中心になろうかと思いますが、検討に当たっては主要なテーマごとに有識者の方々に御参加いただく検討会を開催する方式を取らせていただいております。この知的財産訴訟検討会以前には既に10の検討会が立ち上がり、司法制度改革を推進する政策を実施するために必要な法制上の検討などを行ってきており、3年以内を目途に関連法案の成立を目指しております。
 知的財産権関係訴訟につきましては、司法制度改革審議会の意見において、その充実・迅速化が重要かつ喫緊の課題であり、各国ともこれを知的財産をめぐる国際的戦略の一部として位置づけ、これを推進するための各種方策を講じているところであり、我が国としても、こうした動向を踏まえ、政府全体として取り組むべき最重要課題の一つとしてこの問題を位置づける必要があると指摘され、知的財産権関係訴訟の更なる充実・迅速化を図る必要があるとされました。
 一方、本年7月3日に、総理の下に置かれた知的財産戦略会議において決定された知的財産戦略大綱でも、知的財産の保護の強化がうたわれ、知的財産関連訴訟について、紛争の合理的な解決の方策が、また、実質的な特許裁判所の機能の創出のために、管轄の集中化、専門家参加の拡大、及び証拠収集手続の機能強化などが挙げられているところでございます。
 そこで、当本部において、これら意見書及び大綱の趣旨にのっとり、この知的財産訴訟検討会が当推進本部の11番目の検討会として立ち上がりました。この検討会におきましても、皆様方の御議論につきましては法令案の立案等に反映させていただくことになっておりますので、是非忌憚のない御意見をお願いしたいと存じます。
 ただいま申し上げました課題はいずれも大変難しい問題を含んでおり、また、当本部に残された期間からして、非常に短期間で検討を行う必要がございます。皆様方には、大変お忙しい中とは存じあげますけれども、国民の期待と信頼に応え、かつ、我が国の産業競争力を強化するという事柄の重要性にかんがみまして、是非御協力を頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。
 はなはだ簡単でございますが、以上でごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○近藤参事官 続きまして、議事の運営や公開の在り方等につきまして、検討会の参加者の皆様に御議論いただきますので、その間、恐縮ですけれども、ここで一旦報道関係の方は御退席願います。

(報道機関退席)

○近藤参事官 それでは、この検討会に本日お集まりの皆様を御紹介させていただきたいと思います。後ほど皆様からこの検討会への参加の抱負等についてお聞かせいただくことにして、ここでは御紹介申し上げましたら、お一言ずつ簡単な自己紹介を頂ければと思います。五十音順に御紹介申し上げます。
 まず、阿部一正さんでいらっしゃいます。

○阿部委員 阿部でございます。新日本製鉄株式会社の知的財産部長をやっております。同時に、日本知的財産協会の副理事長をやっております。そういう観点から意見を述べさせていただきます。

○近藤参事官 次に、荒井寿光さんでいらっしゃいます。

○荒井委員 荒井でございます。どうぞよろしくお願いします。96年から98年まで特許庁長官をやっておりました。その縁もありまして、知財の関係、関心を持って常にフォローしておりますが、昨年から知的財産国家戦略フォーラムの代表をしております。どうぞよろしくお願いします。

○近藤参事官 飯村敏明さんでいらっしゃいます。

○飯村委員 飯村でございます。よろしくお願いいたします。私は平成10年から東京地裁の知財部で裁判長として事件に携わっております。いろいろと実情などについて御説明する機会がもしありましたら、そういうことで実務を御報告したいと思っております。よろしくお願いします。

○近藤参事官 伊藤眞さんでいらっしゃいます。

○伊藤委員 東京大学の伊藤眞でございます。私は民事訴訟法を専攻しておりまして、そういった立場からこの検討会に参加させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

○近藤参事官 小野瀬厚さんでいらっしゃいます。

○小野瀬委員 法務省民事局参事官の小野瀬でございます。現在、民事訴訟法等の手続法を担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。

○近藤参事官 加藤恒さんでいらっしゃいます。

○加藤委員 加藤でございます。三菱電機株式会社の知的財産渉外部次長を務めております。この検討会に対しましては、経団連派遣委員の立場でいろいろと参加させていただきます。よろしくお願いいたします。

○近藤参事官 小林昭寛さんでいらっしゃいます。

○小林委員 小林でございます。よろしくお願いします。特許庁の審判部の審判企画室長をやっております。今、審判制度の改革ですとか、審決取消訴訟等の関係での特許法の改正を担当しております。今回の検討会におきましては、特許庁、とりわけ審判部との関係が大なり小なり密接な事項について検討されるということでございますので、その観点から貢献できればと思っております。よろしくお願いいたします。

○近藤参事官 櫻井敬子さんでいらっしゃいます。

○櫻井委員 筑波大学の櫻井でございます。専門は行政法でございまして、知的財産権法というのはかつてはと言うべきなんでしょうか、行政法の一部ということでありましたけれども、恐らくそこから離脱、独立している領域ではないかと思いますけれども、今回この検討会で審議する特許訴訟の在り方につきましても、民事的な発想と、あるいは行政法的な発想と両者相まって、どの辺で落とすかというあたりが問題だろうかと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

○近藤参事官 沢山博史さんでいらっしゃいます。

○沢山委員 旭化成の沢山でございます。旭化成では法務を担当させていただいています。この検討会には日本商工会議所から派遣という形で参加させていただきます。

○近藤参事官 末吉亙さんでいらっしゃいます。

○末吉委員 弁護士の末吉亙と申します。日本弁護士連合会の推薦でこの委員に就任いたしました。ただいま日本弁護士連合会の知的財産政策推進本部の事務局の次長も務めております。よろしくお願いします。

○近藤参事官 中山信弘さんでいらっしゃいます。

○中山委員 東京大学の中山でございます。知的財産法を専攻しております。よろしくお願いします。

○近藤参事官 それでは、続きまして事務局の出席者から順に自己紹介させていただきます。古口次長よりお願いします。

○古口次長 次長の古口です。よろしくお願いします。

○松川次長 次長の松川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○近藤参事官 参事官の近藤です。よろしくお願いします。

○吉村企画官 企画官の吉村でございます。よろしくお願いいたします。

○坂口補佐 補佐の坂口でございます。よろしくお願いいたします。

○滝口補佐 同じく、補佐の滝口でございます。よろしくお願いいたします。

○小田主査 主査の小田でございます。よろしくお願いいたします。

○近藤参事官 それでは、続きまして関係機関等の出席者の御紹介に移らせていただきます。関係機関から、最高裁判所、法務省、特許庁、日本弁護士連合会、日本弁理士会の順にお願いいたします。まずは、最高裁判所からお願いします。

○定塚最高裁事務総局行政局第一課長 最高裁の事務総局で行政局第一課長をしております定塚と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

○中吉最高裁事務総局行政局付 最高裁事務総局、行政局付の中吉でございます。よろしくお願いします。

○団藤法務省大臣官房司法法制部参事官 法務省大臣官房司法法制部参事官をしております団藤と申します。よろしくお願いします。

○武智法務省民事局局付 法務省民事局で局付をしております武智と申します。よろしくお願いします。

○杉浦特許庁制度改正審議室 特許庁制度改正審議室補佐の杉浦と申します。よろしくお願いします。

○藍谷日弁連知的財産権政策推進本部事務局長 日弁連の知的財産権政策推進本部の事務局長をしております藍谷と申します。よろしくお願いいたします。

○須須木日弁連副会長 日弁連の副会長の須須木と申します。担当は知財でございます。よろしくお願いいたします。

○村木日本弁理士会研修所所長 日本弁理士会の研修所の所長をしております村木でございます。この検討会に重大な関心を持っております。と申しますのは、弁理士法が一部改正されまして、御存知のように、来年度に予定されております能力担保研修と効果確認試験を修了して、来年度、侵害訴訟代理人が数百人のレベルで発生すると思います。そういうことで、我々の方も単に権利の取得ということではなくて、紛争解決、特に侵害訴訟代理の方に代理人として加わっていくことで、数百人レベルで貢献できるのではないかと思っております。よろしくお願いします。

○佐藤日本弁理士会知財制度改革推進室長 日本弁理士会の知財制度改革推進室長をしております佐藤と申します。よろしくお願いします。

○近藤参事官 それでは、次に座長の選任をしていただきたいと思います。座長の選任につきましては、委員の互選によりお願いしておりますが、どなたか御推薦をお願いできますでしょうか。

○加藤委員 よろしゅうございますか。本件検討テーマを考えますに、ユーザー側及び制度運営側それぞれの立場もあろうかと思いますけれども、座長の方のお立場を特に考えますと、それぞれの意見を聞きやすい方が一番よろしいのではないかと思います。そういった意味から、東大の伊藤先生にお願いしたらいかがかなと考えております。

○近藤参事官 今、伊藤先生という意見がございましたが、いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○近藤参事官 それでは、伊藤委員、当検討会の座長のこちらの席の方にお移り願いたいと思います。

○伊藤座長 それでは、皆様の御意向ですので務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

(伊藤委員座長席へ移動)

○近藤参事官 今後の議事進行は伊藤座長にお願いいたしますが、本来、ここで伊藤座長にごあいさつをお願いすべきところではございますが、後ほど報道関係の方にもお入りいただいた上でごあいさつをいただいた方が適当かと存じますので、恐縮ですが、伊藤座長にはとりあえず議事の進行をお願いしたいと思います。

○伊藤座長 それでは、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 早速でございますが、議事に入る前に、緊急等の事態に備えまして、検討会では座長が座長代理を指名することができると聞いておりますので、座長代理を選ばせていただきたいと思いますが、もし私にお任せいただけるということであれば、是非中山さんにお願いをしたいと考えておりますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

○伊藤座長 よろしゅうございますか。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次に事務局から、皆様のお手元にございます資料の確認をしていただきます。

○近藤参事官 それでは、お手元の資料を御確認ください。配付資料としては、番号が付いているものが9つと、荒井委員から御提出の資料がございます。1番目の資料として、第1回知的財産訴訟検討会議事次第。
 2つ目は、知的財産訴訟検討会名簿。
 3つ目が、知的財産訴訟検討会の主な検討事項。
 4つ目が、司法制度改革審議会意見書(抜粋)。
 5つ目が、司法制度改革推進計画の冊子。
 6つ目が、知的財産戦略大綱「第3章具体的行動計画」(抜粋)。
 7つ目が、知的財産戦略大綱の冊子。
 8つ目が、知的財産訴訟検討会開催予定。
 9つ目が、最後として司法制度改革推進法案に対する附帯決議です。
 荒井委員から提出していただいた資料として、「知的財産訴訟検討会への要望」と題する書面が出ています。
 以上です。
(協議の結果、議事の公開について、次の取扱いとすることとなった。)
・毎回の会議の議事概要及び議事録を作成し、公表する(議事録については、発言者名を記載する。)。
・報道機関に会場における議事の傍聴を認める。

(報道関係者入室)

○伊藤座長 それでは、これから議論を開始いたしますけれども、先ほど皆様の互選で当検討会の座長として私が選任されましたので、議事に入るに先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。
 司法制度改革審議会の意見書、あるいは知的財産戦略大綱に示されておりますように、知的財産権に対して適切な保護を与え、またその侵害に対して実効的かつ迅速な救済を図り、侵害を抑止する効果を上げるべきこと、これがいわゆる知財立国にとって不可欠な制度的基盤に属するとの点については異論のないところかと思います。そのために取り組むべき課題は多いとは存じますが、とりわけ大綱において具体的に取り上げられている課題については、まずもってその具体的な検討を進めることが喫緊のものとされているように思います。
 私自身は、先ほど申し上げましたように、民事訴訟法の一研究者でございまして、この課題に取り組むには余りにも非力であるということは自ら感じているところでございますが、幸い知的財産権訴訟に関する理論または実務の立場で高い識見と深い経験を備えられた委員各位の御協力、及び練達の事務局員の力添えを頂いて、限られた期間ではございますけれども、本検討会において充実した審議を実現したいと存じます。
 何分慣れないことでございますので、不手際が多いこととは思いますけれども、忌憚のない御意見、御叱正を頂きまして、座長としての責務を果たすことができればと念じておる次第でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、次に当検討会における主な検討事項、及び当面の日程案につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○近藤参事官 知的財産訴訟検討会の検討事項及び当面の日程案について説明をさせていただきます。
 まず、お手元に配付してあります資料3、「知的財産訴訟検討会の主な検討事項」と題した横書きのペーパーです。これは、当検討会の主な検討事項として与えられている課題を模式的に表したものです。その趣旨を御説明いたします。
 まず、左上の「司法制度改革審議会」とある部分からですが、先ほどの次長からのごあいさつにもありましたとおり、司法制度改革推進本部は司法制度改革審議会の意見書に基づいて設置されたものであります。それに引き続いて、次の資料4の「司法制度改革審議会意見書(抜粋)」は、ただいま申しました意見書の抜粋です。これに基づいて作成されたのが資料5の「司法制度改革推進計画」であります。
 意見書におきましては、知的財産権関係訴訟について、「知的財産権関係事件への総合的な対応強化」とのタイトルの下で、先ほど次長の説明にもありましたように、我が国としても、国際的な動向を踏まえ、政府全体として取り組むべき最重要課題の一つとして位置づけ、知的財産権関係訴訟の更なる充実・迅速化を図る必要があるとされております。
 このような観点に基づきまして、意見書では、民事裁判一般の充実・迅速化のための方策として、訴訟を計画的に進行させる計画審理、それから訴えの提起前から証拠収集方法を拡充するための証拠収集手続、それから専門家が裁判に関与する専門委員制度等が挙げられており、ことに知的財産権関係訴訟については、加えて実質的な特許裁判所設立のための管轄集中化等が挙げられております。そして、現に以上の事項についての議論は、法務省の法制審議会において進んでいるところです。
 一方、資料3の「知的財産訴訟検討会の主な検討事項」に戻りまして、今度は右上の知的財産戦略会議とある部分をごらんください。総理の下に置かれた知的財産戦略会議において決定された知的財産戦略大綱、これは大綱と呼ばせていただきますが、この大綱でも知的財産の保護の強化がうたわれております。当本部で検討すべき事項ということも大綱の中で挙げられているところです。この大綱も、知的財産関連訴訟の問題については、基本的には先に述べました意見書と同一の問題意識に立脚するものと考えられ、意見書を実現していく上で重要かつ喫緊の課題と受け止めるべきものです。
 資料6「知的財産戦略大綱『第3章 具体的行動計画』(抜粋)」をごらんいただきたい思いますが、ただいま申し上げました大綱の知的財産訴訟に関連する部分を抜粋したものです。この中では、知的財産関連訴訟について、紛争の一回的解決を目指す方策も含め、紛争の合理的な解決の方策について、2004年末までを期限といたしまして結論を得ること、また、実質的な特許裁判所機能の創出のため、裁判所調査官の役割の拡大・明確化を含めた専門家参加の訴訟手続への新たな参加制度について、2004年末までを期限といたしまして結論を得ること、及び営業秘密の保護を含め、証拠収集手続の機能強化について、2005年度までに所要の措置を講ずることが掲げられているところであります。
 このような意見書及び大綱を見てまいりますと、当検討会において最低限御討議いただく必要のある事項は、この意見書及び大綱の双方から要請されております、資料3の下に書いてあります「知的財産訴訟検討会の主な検討事項」の下の枠に囲まれたところになるのではないかと思われます。
 すなわち、知的財産関係訴訟のさらなる充実・迅速化のために、1番目といたしまして、侵害訴訟における無効の判断と無効審判の関係等に関する検討。
 2番目といたしまして、専門家が裁判官をサポートするための訴訟手続への新たな参加制度の検討。
 3番目といたしまして、侵害行為の立証の容易化のための方策の検討ということになろうかと思われます。
 これらの3つの検討事項は、早急に結論を出すことが経済界をはじめとして各方面から期待されていること、それから、それぞれに憲法問題や行政法、民事訴訟法の根本にかかわる問題等が山積しておりまして、問題解決には検討会の先生方の英知を集めていただく必要があるというように思われます。これに加えて、当検討会に与えられた日程等を考慮いたしますと、ただいまお示しした3つの検討課題をまずもって検討していただくということをお願いしたいと存じております。
 次に、検討会のおよその日程についてですが、資料8、「知的財産訴訟検討会開催予定案」と題しましたペーパーがあると思いますのでごらんいただきたいと思います。当検討会は、原則として1か月に1回程度開催させていただきたいと思っております。先ほど申しました大綱に定められております検討期限からいたしますと、仮に国会に法案を提出する場合には平成16年の通常国会ということが考えられます。そういたしますと、1年後には何らかの結論なり方向性を出す必要があるのではないかというふうに考えております。そのようなわけで、ハイペースでの審議となることと思いますが、当面、来年の3月までの期日につきましては、資料8のとおり、事務局において各委員の方に御都合を伺いまして日程を確保させていただいているところです。これを前提にしてよろしくお願いいたします。

○伊藤座長 ただいま、事務局から主な検討事項及び日程案の説明を差し上げましたが、この点につきまして御質問、御意見はございますでしょうか。どうぞ、荒井委員。

○荒井委員 今、お話ししていただいて事務局の考え方はわかったんですが、先ほど来お話がありますように、知的財産の訴訟について各方面の期待が非常に大きいと思うんです。今まで10の検討会が、いわば横割りの形であったと思うんですが、それに対して特に知財についてだけこういう検討会ができたというのも、特別なことだと思います。それはこの知財訴訟について、言わば縦というか、総合的に検討することが期待されているのではないかと思います。
 ということで、知的財産の訴訟にはいろいろ課題があるわけですので、今ここで3つの項目を主な検討項目とすることをまだ決めるのではなくて、各委員の意見をみんなで言って、それからたしか2回目、3回目にいろいろな人々の意見も聞くことが予定されていると思いますので、それを踏まえた上で、どんなふうに検討していったらいいかを決めていただくということで、今日は主な検討事項については事務局の案としてみんなで聞き置いて、これを踏まえてみんな持ち帰ってよく検討する。それから、2回目、3回目での各方面の意見を聞いた上で、どんなふうにしたら総合的な立派なものになるかが決まるのではないかと思いますので、そんなふうにしていただいたらどうかと思います。

○近藤参事官 この知財訴訟検討会においてどういうことを検討していくのかということについては、この検討会の委員の皆様方に決めていただいて結構だというふうに思っております。ただ、大綱、それから司法制度改革審議会の意見書というものが、司法制度全体、それから知財に関する全体の政策について広く提示をして、それの具体的な実現について各省庁ないし各場に与えられていて、この検討会としては、大綱として与えられた全体の中の訴訟に関して、具体的な制度設計を検討するというような、全体と制度設計をするという役割分担があるということは御認識していただいた上で、この検討会としてどの範囲で検討するのかということを、今、荒井委員がおっしゃったように、2回目、3回目で議論していただくということを考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

○伊藤座長 荒井委員、よろしいでしょうか。後ほどまた、御自身のお考えについては承る時間を取っておりますので。

○荒井委員 ここで主な検討事項がこの3つだということは決めずに、引き続いて検討して、それで今のお話のとおり、是非この検討会は、単に議論しただけではなくて、いい制度をきちんとつくるという仕事がありますよ、そこを忘れないように、サボらないようにという御趣旨と理解いたしますので、みんなでいい制度をつくるのは大賛成です。ただ、そのときにどんな範囲のものをどんな角度から見ていったら、そういう社会のニーズに一番応えられるかということだと思いますので、是非、検討事項自身も含めて、皆でいろいろ各方面の意見も聞く機会もあるわけですから、その上で決めていただいたらいいと思います。

○伊藤座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。御質問、御意見はございますか。どうぞ、加藤委員。

○加藤委員 その点については荒井委員に賛同する立場なんですけれども、この3点挙がっているマンデートなテーマにつきましては、私ども産業界としても非常に検討してほしいと従来から申し上げていた点なので、その点を取り上げていただいて感謝しております。
 ただ、産業界から見た場合、知的財産の侵害訴訟を単に要素として見るのではなくて、是非この検討会の場では広い視点から、まず知的財産に対する紛争というのはどんな解決を目指さなければいけないのかを視野に入れた上で、この侵害訴訟という点を取り扱っていただきたいなと思っております。例えば審判制度に大きく関係しますし、場合によってはADRとの役割分担というような面も一部考えなければいけないのではないかという気持ちでおりますので、このマンデートな3つのテーマについては賛同いたしますが、あくまでも視野は広く持っていただきたいなと。以上のように考えています。

○伊藤座長 ほかに、御意見、御質問はございますか。

○近藤参事官 視野を広く持って、全体としてどういう制度設計をするかというのは非常に重要なことだというふうに事務局も思っております。ただ、先ほど言いましたように、各制度設計をしているところが、例えばADRであると、当推進本部の中のADR検討会というところがまた別にあって、また知財ロースクールの関係は法曹養成制度というところの検討課題になっているところもございますので、そことの連携ということも考えていただきたいというふうに思っています。

○伊藤座長 いかがでしょうか。先ほど、事務局から説明を申し上げました3つの課題の重要性については恐らく御異論がないところかと思いますが、そのほかにどういうことが考えられるかについては、一般論として議論するよりも具体的に挙げていただいた方がよろしいかと思いますので、先に進ませていただいてよろしいでしょうか。それぞれの方から御意見をいただくようになります。
 そこで、その前に日程でございますけれども、これだけ御多忙の皆さん方にお集まりいただくにつきましては事務局は大変苦労しているようでございますので、委員各位に御異存がなければ、先ほど御説明いたしました来年3月までの日程はこれで確定ということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○伊藤座長 それから、2回目、3回目の検討会でございますけれども、これにつきましても、特許訴訟の利用者及び運用の立場にある方のヒアリングを予定しておりますが、この点もそういうことでよろしゅうございますか。

(「異議なし」と声あり)

○伊藤座長 それでは、具体的にヒアリングをお願いする方につきましては、事務局と相談して、私の方で考えさせていただきますので、この点も御了解いただければ幸いでございます。
 引き続きまして、各委員から先ほど簡単な自己紹介は頂きましたけれども、改めてそれぞれのお立場、お考え、それから知的財産訴訟との関わり等について、手短にお話を頂ければと存じます。
 それでは、順番でまず阿部委員からどうぞお願いします。

○阿部委員 それでは、順番でございますので、私から少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 私は企業におるわけでございまして、特にメーカーにおります。メーカーに身を置く者から見ますと、最近の発展途上国からの追い上げといいますか、競争が激しくなっているという状況の中で、今後、日本の企業というのはどういう方向にいったらいいのかというのが非常に身にしみて心配になっているという状況でございます。現場ではコストの切下げを中心にやっているわけですけれども、もう多分これ以上のコスト切下げというのは不可能に近いという状況のところまで来ております。
 したがいまして、この先はそういうコスト競争力を争って活路を求めるのではなくて、知恵で生きていくという社会を実現しなければいけないというのは身にしみて感じております。
 そのときに、特許法をはじめとする知的財産権を認める制度がございますので、我々としてはそういう制度にのっとって、権利を確保しながら自己主張していくということになろうかと思います。
 そういう観点から今の制度を見ますと、法律でもって権利を与えているけれども、その中身が我々が思い描いているような権利にはなっていないのではないか。どちらかというと、ペーパーだけの権利ではないのかと日常思うことがございます。それは、特に権利行使をする段階において、権利としてはあるけれども、証拠がなかなかつかめないとか、そういうところがございます。あるいは、権利を実現する過程でもう少し合理化された方がいいのではないかということがございます。
 そういう観点から見ますと、事務局の方から示唆されましたこの3つの課題は、私は一番重要な問題がみんなこの中に大体は含まれているというふうに感じております。中でも、証拠収集の問題が私としては非常に関心がございます。
 もう一つは、訴訟の一元的解決というところについても、やはりワンストップでもって解決をしてもらえる、そういうところはもし実現していただけるならありがたいというふうに思います。そういうことを実現するためのいいアイデアが出てくればいいだろうと思っております。そういう観点からこの議論に参加させていただきたいと思っております。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。それでは、引き続きまして、荒井委員、お願いいたします。

○荒井委員 お手元に資料をお配りしましたので、これに沿いましてお話しさせていただきたいと思います。知的財産訴訟検討会ができるということは、訴訟面から知的財産について総合的に検討するということだと思います。これは本当に画期的だと思います。さっき櫻井先生からお話がありましたけれども、従来は行政法の一部というような感じだったものが、こういう形で経済的にも、実態的にも非常に大事になってきた、そういうことをまさに反映していることではないかと思います。
 更に、今回、提案されました知的財産基本法案にも知財訴訟の充実・迅速化がはっきり書いてあるということでございますので、この検討会の結果、やはり新しい時代が来ていると思いますので、この21世紀にふさわしいようなもの、今ビジネスの動向のお話がございましたが、更にまた技術の方も、物の製造的なものだけではなくて、情報絡みのものとか、バイオ絡みとか、いろいろな形のものに変わってきているわけですし、それから何といっても知的財産についても国際競争も非常に厳しくなっていると思いますので、こういう時代にふさわしい、中身の濃い結論が出ることが各方面から期待されているんだと思います。
 このため、3件要望いたしますが、第1点は、今もお話がありましたが、日本の特許権者は単なるペーパードライバーのようなものだという表現もございますが、持っているだけだという時代はもう終わったんだと思いますので、是非、ペーパードライバーではなくて、実際に知的財産を持っていることの意味を国が保障してやらなければいけないと思います。何といっても、今までは侵害し得な状態だと言われておりましたので、これをなくすということを目標にしていただきたいと思います。
 これは従来いろいろ議論すると必ず、侵害をする人にも権利があるんだということで、いろいろな権利を、バランス、バランスというと、どうしても結果としては権利は侵害されている方が損をしている、侵害している方が得だというのが実態としてあったわけでございますので、これを直していくということを目標にしていただきたいと思います。
 第2点は、ここでは「いわば、法律的な知財特区の実現を目指し、知財の特例を考案する」と書きましたが、この意味は、とかく知的財産の議論を始めますと必ず出るのは法律の横並び、それからほかの民法、民事訴訟法、あるいは刑法、刑事訴訟法、行政法の体系といったものとのバランス、横並び、整合性ということで、従来基本的に改正がなされずにきたんだと思います。更に、日本社会になじまないという議論も多く出て、改正しない理由で使われることも結果としては多かったわけですし、更にまた憲法上の制約ということも必ず言われるわけです。基本的人権といった憲法上のものは是非守らなければいけないと思いますが、そうではなくて、やはりいい経済社会をつくるというのも憲法上の要請だと思いますので、こういう問題についてももう一遍ゼロから考えて、いい知財立国を目指すということで総合的な体系の検討をしていただくというふうにお願いしたいと思います。
 3点は、先ほどのテーマにも関係するんですが、是非、この検討会では知財の訴訟に関する全体的なシステム設計を考えていただきたいと思います。これはいろいろほかの検討会でやっている、あるいは法制審議会でやっている、あるいは産構審でやっているとか、いろいろなところでやっているのも承知はしておりますが、やはりここの知財訴訟検討会ということができたということは、ここは全体についてオーバービュー、全体を見て、全体としていいシステムになると。いい部品はできたけれども、整合性がなければいけないと思いますので、是非、ほかの検討会との連携というお話がございましたが、いろいろな連携、ほかの検討会・審議会への要望を出すとか、いろいろな形で、全体として日本にとって必要なことは、自分のところだけきれいになっていればいいという状況はもう終わってしまいましたので、国全体として知財訴訟については意味ある、有効性のあるシステムができるということが求められているんだと思いますので、そういう意味では是非、全体について見るというのは一番の大きな課題ではないかと思っております。
 それで、2枚目の紙は、知財戦略フォーラムで出した提言のうち知財訴訟の関係のものを書き出したわけでございますが、私としては、いろいろ問題がありますので、できれば次回にこの中身については少しお時間をいただければ発表させていただきたいと思います。是非、総合的にこういうテーマについてみんなで考えて、いい知財システムをつくっていただきたいということを要望させていただきます。ありがとうございました。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。それでは、飯村委員、お願いいたします。

○飯村委員 飯村でございます。先ほど申し上げましたように、平成10年から知財の侵害訴訟に直接関与しておりまして、いろいろな変化、環境の変化から当事者の変化、裁判所の変化、目の当たりに見ております。裁判所に求められた期待、国民とユーザーからの期待というものにできる限り応えるような制度をつくり、また制度でなくても実務上のもので図っていかなけれはならないとと思っています。
 どういう理念で進めるかということについてですけれども、やはり第一審裁判所の充実・強化ということで、質のよい紛争解決、幅広い紛争解決をできる限り早く、迅速に、かつ充実した審理でということになるわけでございます。しかも、裁判の過程が透明で、国民にとっても、当事者にとってもわかりやすいようにということ、さらにグローバルスタンダードにもかなっているということで進めていきたいとは思っております。
 制度設計の問題ですが、迅速を目指すと審理の充実に問題が出てくるとか、透明性や手続をきちんとすると時間がかかるとか、いろいろな拮抗する問題が出てくるわけでございます。そういう点を十分に検討する必要がありますが、その前提としても、今、どのような状況であるかについて、機会があるごとにお話し申し上げたいと思います。機会があれば、できるだけきちんと整理して、改めて御報告させていただければと思っております。以上です。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。引き続きまして、小野瀬委員、お願いいたします。

○小野瀬委員 法務省民事局参事官の小野瀬でございます。現在、法務省におきまして民事訴訟法等の手続法を担当しております。先ほどもお話がありましたけれども、改革審の意見書を踏まえまして、現在、法制審議会で民事訴訟法の改正について審議がされております。私は法務省の者といたしまして、法制審議会に事務局の立場で関与しているものでございます。
 法制審議会におきましては、民事訴訟の一般的な制度といたしまして、審理をサポートする専門委員の制度ですとか、あるいは先ほど出ました知的財産関係訴訟の裁判の管轄の問題、そういったようなものを取り上げて審議がされております。そういった意味で、私は民事訴訟法を法務省で担当している者、あるいは法制審議会の事務局に関わっている者、いわば基本法を担当しているセクションという立場からこの検討会に参加させていただいたというように思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。それでは、加藤委員、お願いいたします。

○加藤委員 先ほども若干発言させていただきましたけれども、まず経済界といいますか、産業界から見た場合、活用できる裁判制度というのは何かという点ですけれども、3つ挙げますと、迅速性、信頼性、手続の容易性という点があるのではないかと思います。その点で、事務局で用意されている検討テーマはまさにその点には見事にカバーしているのではないかというふうに見ております。つまり、迅速性という点を見た場合、我々から最近の知的財産訴訟に対する裁判所のスピードを見ていますと、裁判所の御努力によって相当スピードアップされてきているなという印象を受けております。ただ、無効判断との関係を見た場合、現状の仕組みでいく場合はこのぐらいが限度ではないかというところも一方で感じております。
 それから、信頼性の問題については、やはり知財訴訟については非常に特別な専門性が必要なのではないかと。我々もその判決を信頼するためには、そういった面で専門委員制度というのはやはり必要ではないかということを日ごろ感じております。また、手続の容易性という面から見ると、産業界からは営業秘密がきっちり保護された上で手続が拡充されてほしいというふうに感じております。
 一方、先ほど知的財産の紛争を広く解決する視野を持つことは重要ではないかと申し上げたのは、例えば我々の会社同士で知的財産の紛争が起きた場合、一つには決して裁判所にお願いしないで、裁判制度に依頼しないで、例えば権利の無効性が問題になったときに、当事者間で無効審判の結果によって解決しましょうという、そういった実質的解決が日々行われているところです。そういった意味で、全体の中でこの侵害訴訟の問題を最適に位置づけるという検討が非常に重要ではないかというふうに感じております。
 先ほどの事務局からのお話にもありましたとおり、他の検討会も進んでおりますので、是非適切なインターフェースと申しますか、連携を是非お願いしたいなと思っております。
 以上でございます。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。それでは、小林委員、お願いします。

○小林委員 小林でございます。特許庁に所属しておりますので、制度の運用者という立場からこの検討会に貢献させていただければと思っております。先ほどごあいさつさせていただいたときも申し上げたんですけれども、現在の特許法には、権利が付与された後のその権利の有効性に関する争いをする制度が、無効審判制度というものと付与後の異議申立制度というものと2つあるんですけれども、それらを整理・統合するという検討ですとか、あるいは権利が付与された後の審判制度と審決取消訴訟との関係の制度をどうするかという検討を進めているところでございます。
 また、その検討の中で、侵害訴訟と無効審判との関係をどうするかということにつきましても、多少の議論をしてございますが、この検討会でその点については第1点の検討項目に挙げられているということもございまして、特許庁の審議会においては、根こそぎその中身を考えますというところまでの検討を実はしていないんですけれども、その検討の中でユーザー委員の方々から、もう少し抜本的な検討をした上で答えを出したらどうかという指摘もされているところでございます。
 先ほど阿部委員からも、侵害訴訟の一元的解決ないしはワンストップというお話も出ましたし、加藤委員からも、手続の容易性という観点から審判制度と侵害訴訟との関係をとらえ直したらどうかという提言もあったんですけれども、我々、無効審判制度を運営している立場から言いますと、そこは非常に関心もあり、しかもユーザーのニーズに是非とも応えたいところでございますので、各委員の御意見を踏まえながら、我々としてもできることはやっていきたいと思っておりますし、この検討会で我々の意見をインプットすることができれば、そういったこともしていきたいと思っております。
 それから、検討事項の2点目の専門家の参加制度ということでございますが、現在、確かに我々特許庁の方からかなりの人数の者が裁判所に出向という形で調査官になっておりますが、それは必ずしも給源が特許庁ということを意味しているわけではなくて、現に弁理士会からも最近では調査官に採用されているという実態がございます。したがって、一般論として申し上げますが、この点につきましても、我々が聞いているところでは、ユーザーからの知財訴訟についての専門家関与の要請が高いということは常日ごろ聞いているところでございます。
 この点につきましては法制審議会の方でも御検討されているところではございますけれども、それにもかかわらず、あえてIP訴訟固有の問題として、この検討会でこれが取り上げられたというのは、恐らくIP訴訟の特有の事情というんでしょうか、そういった固有の事情があるからだろうと思うんですね。その点が、先ほど荒井委員の御提言にも関係しているんですけれども、法律的な知財特区という言葉がいいかどうかは別としましても、やはり横並びとか、そういったものがむしろなじまない、恐らくそういう固有の事情があって、そういう事情があるからこそユーザーニーズがあるんだろうというふうに理解しております。したがって、その観点から知財分野特有の問題として、それに適した解決というのは一体どういうものがあるのか、それは他方で法律全体の整合性を考えなければならないんだろうと思いますから、その中でどの程度のことができるのか、した方がいいのかというところ辺りを検討していくべきだろうと思っておりまして、その中で特許庁がどの程度のことができるのかというのを検討していければと思っています。
 それから、侵害行為の立証の容易化の話に関しましては、とりわけ営業秘密の保護と裁判の公開原則との関係につきまして、現在、経済産業省の委員会におきまして、不競法上の営業秘密の保護という観点から検討していただいております。まだ完全に委員会が終わっているわけではないので、後日に報告できる機会があるかもしれませんが、その中でも委員の方々からは、営業秘密の保護という観点から制度を見直していくべきというポジティブな御提言が多数出ていると聞いております。この問題は、実は若干審判制度とも関係しておりまして、審判制度でも口頭審理というのがございまして、基本的には公開原則なのですが、公序良俗に違反する場合には公開を制限することができるという規定ぶりとなっております。これは訴訟と全く同じなんですが、審判制度の中においても、そういったことが問題とされる局面というのは多少なりともございますので、その観点で、訴訟の方の検討と平仄を合わせた形で、特許庁の方でも検討を進めていきたいというふうに考えております。以上でございます。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。それでは、櫻井委員、お願いします。

○櫻井委員 私は知的財産権に関しては、恐らくほかの委員の方と比べますと、多分一番距離感を持っている立場にあるのではないかなと自分では思っております。実際上、社会のニーズにどうやって応えるかという問題については、先ほど荒井委員の方から大変刺激的なお話がございまして、例えば100の提言の中の三倍賠償制度とか、そういう大変アメリカ的な発想といいますか、そういう現実に即応的にいかに対応するかというようなことがおそらく産業界の要請でもありましょうし、実際、特許の実務のレベルではそういうことが要求されているということだろうと思うんですけれども、行政法的な話の文脈からいきますと、知的財産権制度というのが、さはさりながら、ほかの分野に非常に影響を持ってくるというところがあります。現在の行政審判、行政上の紛争解決制度というのは抗告訴訟制度というのが基本にあって、それはヨーロッパ的な法治国家の考え方でもって非常に厳密な、精密な、キャリア裁判官が厳格な法解釈をしていくという制度で、効率性とか、国民の利用のしやすさといったことについては、それに直接応えることが必ずしもいいことでもないんだというような発想が基本的にあって、それでむしろいいという価値判断だったんだろうと思います。
 そんなことで、行政訴訟改革も今まさに岐路に立っているところで、21世紀にふさわしい訴訟とはどういうものかということが問題になるんですけれども、そういう問題関心からすると、知的財産の領域は非常に活気のある領域であって、私としても大変に興味のあるところでございますが、ただ、ひとつ申し上げたいのは、いきなり社会のニーズに直接応えるということが近道みたいな話になるんですが、いきなり応えればいいというものでもなく、日本について言えば日本流の歴史もあり、伝統もあり、それから物の考え方もあり、判断する人たちがいてという中で、いかに日本的なものにデフォルメして、合理的な制度をつくっていくかということが大事で、私はあえて慎重に考えたいというスタンスで見ていきたいなというふうなことを思っております。
 例えば侵害訴訟と無効審判の関係についても、確かに訴訟経済とか当事者の利便ということからすると一本化するのが一番いいということになるんでしょうけれども、これは本来的に特許制度、特許権というものをどう考えるのか、行政処分が介在していることをどう考えるのかというようなことに根幹的に関わってくる話でもあるので、その辺りにつきまして、具体的にヒアリング等で実務のあり方について勉強させていただきながら考えていきたいと思います。
 ただ、戦後50年以上経って、まさに新しい世紀にふさわしい合理的な紛争解決制度というのが要求されるというところで、従前は外国法に依拠した制度改革をやってきましたけど、そうではなくて、自分の頭で考えて、自分の歴史に沿った形での紛争解決制度というものを模索したい、ニーズを踏まえつつ、アメリカの制度をいきなり持ってくればよろしいのではないということを申し上げたいところです。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。それでは、沢山委員、お願いいたします。

○沢山委員 櫻井先生と同じく、知的財産からはある程度距離のある職場におるものですから、私が知的財産というものと直面するのは、実施許諾契約をドラフティングするときと、それから知的財産をめぐる訴訟を遂行する、この2つの局面であります。
 訴訟といっても、ほとんど原告の立場の経験しかございませんで、そういう意味で先ほどの阿部委員から出た証拠収集の問題というところに一番の関心があります。もっといい証拠があるはずなのになぜそれにアクセスできないのか、そういうものを取り払ったときにどういう問題があるんだというのは素朴な疑問として常に感じておりました。
 そういう意味で、荒井委員がお示しになった知財立国100 の提言の中の87番の日本版ディスカバリー、それから89番の倒産法制、それから、いろいろ難しい問題があるんでしょうが、98番の侵害訴訟と無効審判との重複をなくすこと、これは非常に企業人として共感するところであります。そういう意味で、先ほど御説明のあった本検討会のテーマは非常に的を射た、関心のあるところでありますので、距離のある仕事しかなくて余り貢献できるかどうかよくわかりませんが、是非、積極的に参加させていただきたいと思います。
 以上です。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。それでは、末吉委員、お願いいたします。

○末吉委員 私は日本弁護士連合会から推薦いただいて委員になっておりますが、8月2日に知財大綱の動きを日弁連も受けまして、知的財産政策推進本部という本部を立ち上げました。これは私は大変画期的なことではないかと日弁連の中でも思っているところでございます。
 これは、旧来の組織にとらわれることなく、会長を本部長にして、この知財大綱の動き、あるいはこの検討会の動きに対応すべく動いていかなければいけないんだということを、日弁連が自分で考えて、自分で決めたということではないかと思っております。
 もともと司法制度改革におきましては、日本弁護士連合会も当事者でございまして、法科大学院を初めとして、法曹養成などなど、司法改革の言わばもともと当事者であり、いろいろな方面で議論をし、改革に対応していかなければいけないということは常に既定路線でございましたところ、ここにまた知的財産の訴訟ということを検討会のテーマとして立ち上げられた検討会に参加させていただくということは、その意味でも大変ありがたいことではないかと思っております。
 先ほど近藤参事官の方から、ほかの10の検討会と一緒にいろいろなことを検討していくということは実は大変ありがたいところでございまして、大変恐縮ながら、私ども日弁連もたくさんの委員をほかの10の検討会にも出しているんですが、残念ながら、検討会同士の関係と申しますか、どこがどんなことを検討しているかぐらいだけはわかるのでありますけれども、どこがどう足りないかとか、もしかするとポテンヒットになっているところがあるのかないのか、あるいは重複に当たっているのか、その調整と申しますか、そういうことがまだうまくできていないところがありまして、もしできればそのような御示唆もいただきながら、3つの論点だけで十分かどうかという点はお示しをいただきながら議論を進めていただけると大変ありがたいというお願いでございます。
 私は弁護士20年目でございますが、主に侵害訴訟を中心としてここまでやってまいりました。件数は余り多くないのでございますけれども、大変難しい案件を手掛けさせていただきまして、裁判所には随分御迷惑をかけた方ではないかと思っております。特に、国際的な紛争が多うございまして、日米で同時に特許紛争が動いたり、国際的な法律問題がかなりの部分を占める訴訟というものを経験させていただいたわけでございます。
 その中で一つ考えることは、確かにアメリカの制度というのをそのまま直輸入するということは、櫻井先生や荒井委員の御指摘のとおり、そのまま持ってくるということはきっとないんだろうと思いますけれども、確かにアメリカには優れたものがあり、またヨーロッパにも優れたものがある。そういうものを前提として、今の段階で日本の知的財産訴訟というものを見直す機会を与えられたということは実にすばらしいことであって、この際見直すべきものはどんどん見直して、できればやはりアジアの中の日本ということで、この際立派な制度をつくり上げた上で、アジアの中に大きな地歩を確保していかないと、もう完璧に中国に抜かれておりますので、そういう意味での国策としても頑張る必要があるのではないかと、このように考えている次第でございます。よろしくお願いします。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。それでは、最後になりましたが、中山委員、お願いいたします。

○中山委員 日本の知的財産法は、実体法につきましては、おそらく国際的に見てもそんなに遜色はないし、あるいは何か問題があれば改めるのもそう難しくないと思うのですけれども、阿部委員のおっしゃった実効性、エンフォースメントの方はなかなかという面もあります。これは条文をちょっと改めればすぐ実効性が増してくるのではなく、非常に難しいわけです。税関におけるボーダーメジャーも極めて重要ですけれども、この検討会は裁判所に特化してやるんだろうと思います。
 現在の裁判を見ておりますと、飯村判事のところを先頭に、裁判所の努力で専門部に関してはかなり国際的な水準にいっていると思いますが、やはり問題がないわけではない。事務局が先ほど言いました3つの問題点などは大いに議論していかなければいけないと思っております。ただ、先ほどから議論に出ておりますけれども、どこの国でも民法の原則とか、民訴、行政法の原則の枠内で苦労してやっているわけです。知財はそれらの原則と全く同じでいいかというと、そうはいかない。では、どこが違うかというと、それは知的財産というのは情報財の特殊性にあると思います。それさえうまくできれば、ここのところはこう違うんだからこう直してもいいということが言えるだろうと思います。ユーザーニーズだけを条文に直結させてしまうと、全体の法体系の問題がありますので難しい。知財特区で知財だけ全然別個に扱うというのは難しいと思います。ですから、通常の財と情報財と何が違うか、そこを十分考えていかなければいけないと思っています。
 私は、医学にたとえれば、民法とか行政法は恐らく一般外科だと思うんですね。ちょっと自分の分野で勝手なことを言い過ぎますけれども、そこから飛び出した脳外科みたいなものが知財ではないかと思っております。脳外科も恐らく大半は一般外科と同じだろうと思います。一般外科と全然違うことをやるわけはない。だけど、やはり脳は脳の違いがあるわけですね。腸と違いがある。どこが違うかということを検討してやらなければいけない。検討作業をおろそかにしたのでは多分結果は成立しないんだろうと思うんです。
 具体的には、事務局が挙げてくれましたこの3つの中で、私はこの3番目、特に営業秘密の保護の問題が一番難関ではないかと思っております。なぜかというと、これは憲法に絡んでくるからです。10年前に不正競争防止法を改正して、営業秘密を入れる際にも裁判の公開の問題は議論になりましたけれども、余りに難しいので、民訴一般に投げましたが、うまくやってくれないので、またこちらに投げ返されているという状態ではないかと思います。
 裁判の公開とは何かということを、私は憲法学者ではないんですけれども、憲法学者に聞いてみましても、余り深くは研究されていないようです。
 特に、営業秘密などの情報財についての裁判の公開の研究というのは日本では遅れているのではないか。10年前に不正競争防止法ができたときに、ある国際シンポジウムで日本の事情を説明しましたら、アメリカのある学者が、自分は日本の憲法を読んだことがないけれども、そんな憲法がこの世の中にあり得るはずがないと言われて、それ以上議論にならずに困った経験があります。諸外国ではうまくやっている。日本の憲法も、ある種の基本的人権のように一歩も譲れないものというのはあるはずです。しかし、経済財というのはある程度調和ということが必要だと思うので、ここでも憲法の問題から目を背ける必要はないと思っております。
 知的財産戦略大綱には、憲法問題もあるけれどもやるということがきちっと書いてありますので、是非その問題についてはしっかりやっていただきたいと思っております。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。私自身、先ほど申しましたように、民事訴訟法の研究者でございまして、知財訴訟について何か特別に研究したということはないわけでございまして、その意味では余り申し上げることはありません。
 ただ、今、中山さんのお話を承っておりますと、恐らく民事訴訟法の一般原則とか訴訟手続の一般原則と違った規律を設けるということは、当然この3つのテーマに関しても考えられるところかもしれませんが、その場合にはやはり保護される法的利益の特質というところから議論をしていかないと、なかなか受け入れられるようなものにならないのではないかというふうに感じておりまして、これは私自身の課題でございますが、その辺りも自分なりに勉強して、また皆様の御意見をいろいろ承りながら考えていきたいと存じます。 それでは、ただいまの御発言につきましては、それぞれいろいろ御意見もあろうかと存じますが、これから本検討会の審議の中で更に敷衍していただくなり、相互の意見交換をお願いしたいと存じます。
 それでは、引き続きまして、知的財産権の問題では審議会の意見書、それから先ほどの大綱でも、諸外国の知的財産権の問題について言及をしております。そこで、当検討会での検討をより充実したものにするために、外国法制の勉強会を開催してはどうかと考えるところでございまして、その詳細について事務局から説明をお願いいたします。

○近藤参事官 ただいま伊藤座長から御指摘がありましたとおり、知的財産権の問題につきましては、国際競争力の強化という観点から、諸外国との比較が必要になってまいります。国際的比較の必要性については、従前から強調されているところでありまして、これは必ずしもその外国の制度自体をそのまま導入するかどうかということではなくて、日本的なものにするとしても、やはり諸外国の研究ということを前提にしながら研究する必要があるのではないかということです。ただ、知的財産関連訴訟に限定してみますと、必ずしも十分な諸外国の調査がされていたとは言えないのではないかと思っております。
 そこで、座長と座長代理の御指導を仰ぎながら、若手の学者数名から成る勉強会を当検討会の下に組織いたしまして、当検討会の検討事項に関する諸外国の制度を調査して、調査結果を当検討会で御報告申し上げるということではどうかと考えております。
 具体的な人選につきましては、座長及び座長代理に御一任いだたきたいと考えておりますが、委員の先生方におかれまして、人選等について何か御意見がおありの場合には、今月末を目途に事務局に御連絡を頂くようお願いいたします。
 それから、勉強会の調査事項、調査対象国等につきましても、座長と座長代理に原案をお作りいただき、当検討会の場を通じて適宜各委員からの御意見もお聞きして確定していきたいと考えておるところでございます。

○伊藤座長 ただいまの勉強会につきましての事務局の説明に対しまして、何か御質問、あるいは御意見がございましたらお願いいたします。

○荒井委員 質問なんですけれども、ちょっと具体的なイメージが浮かばないんですけれども、そこの若手の学者が、私どもがお願いすればいろいろな世界中の様子を調べてくれるということなんですか。

○近藤参事官 要求したすべてのことに応じられるかどうかというのはまた問題が別にあるんですけれども、事務局の体制等でなかなか調べ切れないところもございますので、全体の構造として、どうしてこういう構成になっているのかというような根拠のところとか、そういうところにも踏み込んだ研究をしていただいて、半年ぐらいの期間検討していただいてから、それがまとまったものを当検討会の場に御報告いただく。そういうものもまた資料にしながら、御議論していただければと思っております。

○荒井委員 では、そこは検討会の案をつくるとか、そういうのではなくて、外国の様子を調べてくると。

○近藤参事官 純粋に外国の制度自体を調べてもらうということを考えております。

○荒井委員 やはり国境を越えて動くというボーダーレスの特質を科学技術は持っているわけですので、科学技術には国境はないという面と、それから経済活動自身が非常に国際化しておりますので、今のように外国といい仕組みになっていない限りは日本経済全体はうまくいかないわけで、そういう趣旨からすると非常にいいお考えだと思いますので、いろいろお願いしたいことがありますので、是非よろしくお願いします。
 これは国際競争をやっているときに、日本だけ特殊で変わっています、昔から、2000年前からこうですと言っていてもいけませんので、是非よろしくお願いします。

○伊藤座長 事務局から申しましたように、御意見、御要望があれば是非お寄せいただきたいと存じます。今の点につきまして、ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。では、お気づきのところや御意見がございましたら、事務局に個別にお話をいただくということをお願いしたいと存じます。
 一応予定をしております議事は以上でございますが、ただいま山崎局長がおいでになりましたので、一言ごあいさつをお願いします。

○山崎局長 大変遅れまして恐縮でございます。事務局長の山崎でございます。よろしくお願い申し上げます。これから5分したら、また出て行かなければいけないという状況で申し訳ございません。
 皆様方には、本当にお忙しいところ、この検討会に御参加をいただくことを御了承いただきまして、大変ありがとうございます。私どもも一生懸命やって、いいものをつくり上げたいと思っておりますので、是非いろいろお知恵を拝借したいと思っております。
 私がこの問題を意識をし始めたのが、法務省の司法法制調査部長の時代でございます。そのときに声を上げられたのがここにおられます荒井委員でございまして、そのときからいろいろ言われていたんですけれども、何かそのときは私もぴんとこなかった。はっきり言って、周りも余り盛り上がらなかったんですね。それが、あれから5年、やはりこれだけ波が大きくなってきているということだと思います。
 こういう流れの中できっちり議論をして、将来役に立つようないいものをつくり上げたいと思います。知財関係については何もできなかったことから責任も感じておりましたところ、今回検討会が立ち上がって、私も実はほっとしているんです。是非、皆様方に御協力いただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。それでは、大体予定の時間になりましたので、ほかに特に御意見がございませんようでしたら。

○村木 日本弁理士会の村木でございますが、権利をつくる側、それから紛争解決に携わる側として意見を述べるチャンスがあるのか心配しておりまして、それで文書で提出してもよければ、出させていただきたいというふうに思いまして、関係者ということで出席させていただいておるわけでございます。そういうことで御了解、御了承をいただきたいと思っているところです。
 それから、この場を借りまして意見ということで一言だけ言わせていただきたいんですが、今までは主に知財をつくる側、ある意味ではこれから紛争に携わる側になるわけですけれども、日本だけではなくて、世界的に関わっていって、世界中の訴訟制度、あるいは紛争解決制度に常日ごろ関係を持っていまして、その差にかなりギャップを感じたり、困ったりしております。
 そういう意味で、今回の知的財産訴訟検討会という名前で、これは余りにも名前が特定され過ぎているかなと思います。先ほど末吉委員からお話がございましたように、少し広く知的財産に関する紛争解決ということで広い視野で問題を検討していただきたいというふうに思います。
 よろしくお願いします。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。それでは、次回の日時について事務局から御案内を差し上げます。

○近藤参事官 先ほど日程を確定させていただきましたけれども、次回の検討会は11月18日月曜日、午後1時から4時まで、同じくこの会議室での開催を予定しておりますので、よろしく御参集ください。本日はどうもありがとうございました。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。また、次回、どうぞよろしくお願いいたします。