各委員から、以下のような発言がされた。
○現在活動している仲裁機関は、消費者保護についても機能している。消費者仲裁合意について将来検討する際には、消費者の保護とともに、仲裁制度の健全な発展にも十分な配慮をしてほしい。
○市場活性化のためには、事前規制から事後的紛争処理への流れが必要であり、仲裁を含めたADRの充実が不可欠である。仲裁法の改正は、最初の一里塚として重要である。
○日本で国際商事仲裁が行われないのを、仲裁法の制定を契機に逆転したい。国内仲裁についても、今後生じる新しい紛争について、運用面を考えていきたい。
○仲裁制度を根付かせるには、まずは、一般の人々に仲裁を正しく認識していただくためのPR活動が必要である。
○仲裁法の英訳を作り、日本がモデル法に沿った仲裁法を制定したことを世界に向けて発信すべきである。
○モデル法改正の議論の結論が出ていない事項については、UNCITRAL作業部会の結論を踏まえて仲裁法を改正していってほしい。
○消費者仲裁合意について、細かな制度の詰めが必ずしも十分とはいえなかったことは否めない。将来の議論の中で、よりよい解決策を模索してほしい。
○仲裁が裁判と並び立つ制度になるよう、仲裁機関として、仲裁の活性化を図ってゆきたい。
□1年でこれだけのものができたのは、各委員の熱意と使命感のたまものである。各委員の御協力に感謝する。この要綱案をもとに作成された法案が国会を通過した後には、使いやすい仲裁法ができたことをPRし、実務に定着させ、仲裁人を育成してゆくことが重要となろう。