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資料7

第三者評価(適格認定)基準に関する主な論点



 法科大学院に関する第三者評価(適格認定)基準(解釈指針等で定める部分を含む。以下「評価基準」という。)の主要部分の策定に当たっては、次のような点が主な論点と考えられる。

第1 教育研究上の基本組織等について

 法科大学院の「教育研究上の基本組織」、「教員組織」並びに「施設及び設備」に関する評価基準については、大学院設置基準と同じ内容とする。

(規定振りの例)
「法科大学院の教育研究上の基本組織、教員組織並びに施設及び設備は、学校教育法及び大学院設置基準の規定並びにこれらの規定に基づく告示に定める基準に適合していなければならない。」

第2 在籍者数と収容定員について

 法科大学院の在籍者数については、収容定員を上回る状態が恒常的なものとならないよう配慮されていなければならない旨を評価基準で定めることとする。

(規定振りの例)
「法科大学院の在籍者数については、収容定員を上回る状態が恒常的なものとならないよう配慮されていなければならない。」

第3 入学者選抜について

 法科大学院の入学者選抜における
  1. 「公平性」の確保に関する措置
  2. 「開放性」及び「多様性」の確保に関する措置
について評価基準で定めることとする。

(規定振りの例)
「法科大学院の入学者選抜に当たっては、次の措置が講じられていなければならない。
1 「公平性」の確保に関する措置
 ○ 適性試験(判断力、思考力、分析力、表現力その他の法科大学院における授業科目の履修の前提として要求される能力に関する試験であって、法律学についての知識を問うものではないものをいう。)その他の入学試験の成績、学部等における学業成績、学業以外の活動の実績等を総合的に考慮して公平に合否を判定する方法が採用されていること。
 ○ 特定の大学の出身者とその他の者とを区別することなく公平に選抜するための方法が採用されていること。
2 「開放性」及び「多様性」の確保に関する措置
 ○ 法学関係の学部の出身でない者(以下「非法学部出身者」という。)及び社会における活動の実績を有する者(以下「社会人」という。)から一定割合以上を選抜するために必要な方策が講じられていなければならないものとし、当分の間、次の基準によるものとする。
 ・入学者のうち、非法学部出身者及び社会人の合計が☆割以上である場合には基準に適合しているものと推定する。
 ・入学者のうち、非法学部出身者及び社会人の合計が★割未満である場合には基準に適合していないものと推定する。
 ・入学者のうち、非法学部出身者及び社会人の合計が★割以上☆割未満である場合には入学志願者の動向及び選抜方法の実情に照らして基準に適合しているかどうかを判断するものとする。」

第4 在学期間について

 いわゆる短縮型の認定の在り方について評価基準で定めることとする。

(規定振りの例)
「大学院設置基準第○条の規定により在学期間を三年未満とすることを認めるに当たっては、法律科目試験(法科大学院における基礎的な法律科目の履修を免除することができる程度の基礎的学識を有するかどうかを判定する試験をいう。)の実施及びその他の教育上の目的に応じた適当な方法により、公正かつ妥当な判定が行われていなければならない。」

第5 教育課程について

 法科大学院の教育課程について、大学院設置基準の定めに加え、必置科目等を評価基準で定めることとする。

(規定振りの例)
「法科大学院の教育課程については、学校教育法及び大学院設置基準の規定並びにこれらの規定に基づく告示に定める基準に適合していなければならないほか、次の措置が講じられていなければならない。
○ 教育課程の編成については、専門的な法知識を教授するとともに、豊かな人間性並びに法曹としての責任感及び倫理観を涵養するよう適切に配慮されていること。
○ 次のイからヘまでに定める授業科目が教育上の目的に応じて適当と認められる単位数以上開設されていなければならない。ただし、教育研究上適当と認められる場合には、ニに定める授業科目をイからハまでに定める授業科目と併せて単一の授業科目として開設することができる。
 イ 公法系科目(憲法又は行政法に関する分野の科目をいう。以下同じ。)
 ロ 民事系科目(民法、商法又は民事訴訟法に関する分野の科目をいう。以下同じ。)
 ハ 刑事系科目(刑法又は刑事訴訟法に関する分野の科目をいう。以下同じ。)
 ニ 実務基礎科目(法曹としての基礎的な技能及び責任その他の法律実務に関する分野の科目をいう。以下同じ。)
 ホ 基礎法学・隣接科目(基礎法学に関する分野又は法学に隣接する分野の科目をいう。以下同じ。)
 ヘ 展開・先端科目(イからホまでに定める授業科目に関する分野以外の分野の科目をいう。)」

第6 教育方法について

 法科大学院における教育方法につき、大学院設置基準の定めに加え、
  1. 「少人数教育」に関する措置
  2. 「双方向的かつ多方向で密度の濃い」授業に関する措置
  3. 「実務教育の導入部分」に関する措置
について評価基準で定めることとする。

(規定振りの例)
「法科大学院における教育方法については、学校教育法及び大学院設置基準の規定並びにこれらの規定に基づく告示に定める基準に適合していなければならないほか、次の措置が講じられていなければならない。
1 「少人数教育」に関する措置
 ○ 一の授業科目について同時に授業を行う学生数(以下「各授業の学生数」という。)は、授業の方法及び施設、設備その他の教育上の諸条件を考慮して、教育効果を十分にあげられるような適当な人数でなければならないものとし、当分の間、第5イからハまでに定める授業科目について、次の基準によるものとする。
 ・各授業の学生数が☆人以下である場合には基準に適合しているものと推定する。
 ・各授業の学生数が★人以上である場合には基準に適合していないものと推定する。
 ・各授業の学生数が(☆+1)人以上(★−1)人以下である場合には授業の方法その他教育上の諸条件に照らして基準に適合しているかどうかを判断するものとする。
2 「双方向的かつ多方向的で密度の濃い」授業に関する措置
 ○ 授業は、教員と学生との間及び学生相互の間での討論を通じるなどして、専門的な法知識を確実に修得させるとともに、批判的検討能力、創造的思考力、事実に即して具体的な問題を解決していくために必要な法的分析能力及び法的議論の能力その他の法曹として必要な能力を育成するために適切な方法によることを基本としていること。
 ○ 授業の方法に応じ、当該授業の教育効果を十分にあげられるよう、授業時間外における学修等を充実させるための方策が講じられていること。
 ○ 各年度において学生が履修科目として登録することができる単位数は、合計**単位を上限としていること。
3 「実務教育の導入部分」に関する措置
 ○ 第5ニに掲げる授業科目(実務基礎科目)については、法曹養成のための実践的な教育を行うよう、実務の経験を有する教員が関与する事例研究、討論その他の適切な方法による授業が行われていること。」

第7 成績評価について

 法科大学院における成績評価の在り方について評価基準で定めることとする。

(規定振りの例)
「法科大学院における学修の成果に係る評価(以下「成績評価」という。)は、客観的かつ厳格に実施されていなければならない。」

第8 修了要件について

 法科大学院の修了要件について、大学院設置基準の定めに加え、必修科目等を評価基準で定めることとする。

(規定振りの例)
「法科大学院の修了の要件は、次のすべてを満たすこととされていなければならない。
 ○ 大学院設置基準に定める修了の要件を満たしたこと。ただし、修了の要件として定める単位数は、合計**単位(下記イからハまでに定める授業科目については合計**単位)を超えないものとする。
 ○ 次のイからホまでに定める授業科目につきそれぞれイからホまでに定める単位数以上を修得したこと。ただし、三年未満の在学期間での修了を認める場合にあっては、イからハまでに定める授業科目について合計**単位以上並びにニ及びホに定める授業科目についてそれぞれニ及びホに定める単位数以上を修得したこと。
  イ 公法系科目 **単位
  ロ 民事系科目 **単位
  ハ 刑事系科目 **単位
  ニ 実務基礎科目 *単位
  ホ その他の分野の科目 **単位(基礎法学・隣接科目*単位以上を含むものとする。)」

第9 情報の公表について

 法科大学院の重要事項の公表について評価基準で定めることとする。

(規定振りの例)
「法科大学院については、教育研究上の基本組織、教員組織、施設及び設備、在学者数及び収容定員、入学者選抜、在学期間、教育課程、教育方法、成績評価、修了要件その他の重要な事項を公表するために必要な措置が講じられていなければならない。」

(注)
・各事項に関する具体的定めを評価基準の本則と細則(解釈指針等)のいずれで定めるかについては、今後引き続き検討するものとする。
・評価基準に盛り込むべきその他の事項についても引き続き検討するが、法科大学院の「公平性」、「開放性」及び「多様性」の確保、関係者の自発的創意による教育の向上その他の必要な措置の実施を妨げることのないよう留意するものとする。
・評価基準の内容については、実情に応じて適宜見直すものとし、そのための体制を整備するものとする。