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法曹養成検討会(第13回) 議事概要

(司法制度改革推進本部事務局)
※速報のため、事後修正の可能性あり



1 日時
平成14年9月30日(月)14:00〜15:00

2 場所
司法制度改革推進本部事務局第1会議室

3 出席者
(委 員)
田中成明座長、井上正仁、今田幸子、加藤新太郎、川野辺充子、川端和治、ダニエル・フット、永井和之、牧野和夫、諸石光熙(敬称略)
(事務局)
山崎潮事務局長、大野恒太郎事務局次長、片岡弘参事官

4 議題
(1) 司法試験法及び裁判所法の改正について
(2) 法曹養成に関する法律について

5 配布資料
資料1法曹養成検討会(第12回)議事概要
資料2司法試験法及び裁判所法の一部改正について(骨子)(案)
資料3法曹養成のための法科大学院の教育と司法試験等との有機的連携の確保等に関する法律(仮称)について(骨子)(案)

6 議事
(□:座長、○:委員、■:事務局)

(1) 司法試験法及び裁判所法の改正について

 事務局から、配布資料2に沿って、司法試験法及び裁判所法の一部改正に関する立案作業の状況等について説明がなされた後、以下のとおり、司法修習の期間について、関係機関から意見が述べられた上、意見交換がなされた。

(日本弁護士連合会)
法科大学院の完成期においては、実務基礎科目が9単位行われることなどから、法曹養成期間全体の長期化等も考慮し、その教育内容を充実させることにより、修習期間を1年間程度に短縮することが可能であると考えている。移行期間中の新司法試験合格者に対する司法修習の期間についても、1年間程度とするのが適当であると考えるが、そのためにも、法科大学院における教育を早期に充実させる必要がある。移行期間中の現行司法試験の合格者に対する司法修習については、それらの者が法科大学院における教育を受けておらず、新司法試験合格者と同じ修習期間とすることは合理性がないが、他方、移行期間中には多数の司法修習生を受け入れる必要があり、新司法試験合格者に対する司法修習(以下「新司法修習」という。)と現行司法試験合格者に対する司法修習(以下「現行司法修習」という。)を始期・終期を異にしながら併行して実施する必要があるという現実面を考慮すると、修習期間をある程度短縮することはやむを得ず、現行司法修習の期間を1年4か月間とするのが妥当であると考える。その場合の集合修習や実務修習の具体的な内容については、関係機関と更に協議することとしたい。
(法務省)
新司法修習と現行司法修習が開始時期を異にしながら併行して実施される移行期間中においては、現行司法修習の期間を1年6か月間としたままでは、双方を実施する十分な態勢を維持することは困難であり、日本弁護士連合会が述べるように、現行司法修習の期間をある程度短縮することはやむを得ないと考える。日本弁護士連合会の意見も踏まえ、その修習内容等について、関係機関と更に協議していきたい。
(最高裁判所)
限られた教育指導態勢の中で教育的効果を損なわない形で現行司法修習を実施するためには、その期間を1年4か月間とする考えは適切なものであると考える。引き続き、司法修習の担い手である法曹三者において、その具体的内容等を協議、検討していきたい。

○ 前回の検討会で、現行司法修習の実務修習と新司法修習の実務修習とを併行して実施することになる実務庁会の負担の問題を指摘したが、実施方法の工夫等によりその問題を解決できるのであれば、移行期間中の現行司法修習の期間を1年4か月間とすることに異存はない。

○ 司法修習を実際に担当する法曹三者が移行期間中の現行司法修習の期間を1年4か月間とするのが妥当であるという意見であれば、それを尊重すべきであるが、その場合には、集合修習の重複を避けようとすれば、新司法修習を11月より前に開始することが難しくなるのではないか。

○ 法科大学院は、実務基礎科目の教育について、早期に充実したものとなるよう努力すべきであり、弁護士会としても協力していくべきである。

□ 移行期間中の現行司法修習の期間については、1年4か月間とすることを基本として、事務局において立案作業を進めていただき、その具体的な実施の在り方については、関係機関において引き続き検討していただきたい。その他、司法試験法及び裁判所法の一部改正については、配布資料2の方向で、事務局において最終的な立案作業を進めていただきたい。

■ 移行期間中の現行司法修習の期間に関する規定振りについては、法制的・技術的な問題もあり、更に検討したい。

(2) 法曹養成に関する法律について

 事務局から、配布資料3に沿って、法曹養成の基本理念等を定める法律に関する立案作業の状況等について説明がなされた

○ 配布資料3では、法科大学院が法曹養成の中核と位置付けられることが明記されているほか、本検討会で議論してきたように、求められている法曹の姿、法科大学院における少人数による教育や、厳格な成績評価等が基本理念として盛り込まれており、また、法科大学院における教育を充実させるための法曹関係者の協力についても触れられているなど、評価できる内容になっている。財政的措置に関する規定についても、可能な限り積極的に規定すべきであると考える。

○ 財政的措置については、なるべく具体的な規定を置くべきではないか。

○ 財政的措置に関する規定を置くことは、本検討会の総意ではないか。

□ 法曹養成の基本理念等を定める法律についても、配布資料3の方向で、事務局において最終的な立案作業を進めていただきたい。財政的措置に関する規定についても、本検討会の議論を踏まえて、引き続き関係機関等と協議していただきたい。なお、このような財政的措置に関する規定が置かれた場合でも、司法修習生の給費制については、今後見直しを検討することとする本検討会のこれまでの方針に変更はないことを確認したい。

7 今後の予定
 次回の検討会は、事務局において、別途日程を調整して、開催日時を決定することとなった。

(以上)