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国民一人ひとりが輝く透明で開かれた社会を目指して

ー21世紀の日本を支える司法を確実に築くためにー



司法制度改革とは

 21世紀の日本を豊かな創造性と活力に満ちたものとするためには、明日を切り拓く勇気とひたむきな努力が報われる透明で開かれた社会を築かなければなりません。
 そのためには、国民一人ひとりが、自律的で社会的責任を負った主人公として、自らの人生を生き、互いに協力しながら社会の運営に参画していくことが必要です。
 司法制度改革は、そのような社会を目指して、公正で明確なルールに基づき正義を実現し、国民一人ひとりの社会生活をサポートし、国民とともにある司法を確立するためのものです。



21世紀の日本を支える司法の姿

○ 国民にとって身近でわかりやすい司法(FAMILIAR)

いま
 全国の8割以上の市町村では弁護士のサービスを身近に受けることができません。
 地方裁判所の本庁・支部の管轄地域内で、弁護士がゼロか4人以下の地域が、253地域中119地域と半数近くに上っています。
 また、法の精神が国民の生活に浸透せず、弁護士に相談するにも経済的・心理的負担が大きいという指摘があります。

これから
 法曹人口を大幅に増大させ、人間味にあふれた信頼できる法曹が身近に存在し、「国民の社会生活上の医師」として、わかりやすい言葉で国民一人ひとりの社会生活や健全な経済活動をサポートするようにします。


○ 国民にとって頼もしく、公正で力強い司法(FAIR)

いま
 不透明な問題処理の過程で、国民の正しい主張や正義が必ずしも通らず、社会を改革していく活力と創造性を阻んでいるという指摘があります。

これから
 司法により、国民一人ひとりの訴えに十分に耳が傾けられ、充実した審理を通じて得られた公正な判断が確実に実現されるようにします。
 


○ 国民にとって利用しやすく、速い司法(FAST)

いま
 裁判に時間がかかり、権利の救済が迅速に行われていない、あるいは、健全な経済活動や国際的な競争の足かせになっているという声があります。

これから
 裁判所で2年以内に判決がなされるように、制度的基盤の整備や人的基盤の拡充を十分に行い、国民が必要とするときに真に役立つ解決を得られるようにします。



司法制度改革の三つの柱

第1の柱  国民の期待に応える司法制度を整備します。

 司法制度は国民のためにあり、国民の権利を守り、国民の社会生活や経済活動をサポートするために真に役立つ制度でなければなりません。そのために、

○ 裁判所で2年以内に判決が得られるように裁判の充実・迅速化を図ります。

○ 知的財産権など専門的な問題への対応力を高め、国際的通用力のある司法制度にします。

○ 社会的弱者が泣き寝入りすることのないように、裁判費用を援助する民事法律扶助制度を充実させます。

○ 被疑者・被告人に対する公的弁護制度を整備します。

○ 裁判外の紛争解決手段の拡充、労働関係事件への総合的な対応強化及び行政に対するチェック機能の強化を図ります。


第2の柱  人間味のある優れた法曹が身近に存在するようにします。

 制度を活かすものは人であり、国民が様々な生活領域で必要とする質と量の法曹を国民自らの責任で確保することが、いま最も重要な課題です。そのために、

○ 平成22年(2010年)に新司法試験の合格者を年間3000人とすることを目指し、その後も、国民の必要に応えるに十分な法曹が社会の様々な領域で活躍するように努めます。

○ 創造的な思考・多様な発想・高い責任感をもった法曹を生み出すために、高等教育の抜本的改革の中核として、法科大学院を基幹とする新たな法曹養成制度を創設します。

○ 国民の生活を支え、国民から信頼される弁護士・検察官・裁判官制度を確立するために、国民によるアクセスの拡充や、制度運営の透明性の確保などに努めます。

○ 国民の裁判官に対する信頼を高めるために、裁判官の指名に国民の良識が適切に反映する仕組みを整備します。


第3の柱  国民が参加し、国民によって支えられる司法にします。

 透明で開かれた社会を目指して、司法が様々な社会的課題に果敢に取り組んでいくためには、司法の運営について国民の適切な参加を得て、その信頼と理解を深めていくことが必要です。そのために、

○ 広く国民が、自主性と責任感をもって、裁判官とともに裁判の内容に主体的かつ実質的に関与する裁判員制度を導入します。

○ 国民にわかりやすい法律・裁判制度を整備し、司法に関する情報公開を推進します。


司法制度改革の確実な実現のために いまこそ国民の力強い支えを!

 司法制度改革審議会の意見書を確実に実現するためには、改革の過程を国民の目に見える分かりやすいものとし、国民の意見を十分に反映していくことが必要です。
 国民は傍観者であってはなりません。21世紀の司法が真の意味で国民一人ひとりの社会生活をサポートするものとなるように、国民の知恵と勇気で改革を推し進めましょう。