(別紙1)
平成11年7月27日(火) 司法制度改革審議会第1回会議 |
司法制度改革審議会の発足に当たりまして、ひとことごあいさつを申し上げます。
まず、各界におきまして枢要な地位にあられる皆様方が、この司法制度改革審議会の委員の任務をお引き受けくださいましたことに対し、深く感謝申し上げます。
皆様御承知のとおり、我が国は今、内外の極めて厳しい環境の下、大きな転換期を迎えております。21世紀の我が国社会においては、社会の複雑・多様化、国際化等に加え、規制緩和等の推進により、社会が事前規制型から事後チェック型に移行してまいります。このような社会においては、社会の諸活動が公正かつ透明なルールに基づいて行われるとともに、国民一人ひとりの権利が十分に守られることの必要性がますます高まり、司法の役割はより一層重要なものになると考えております。そのような状況の下におきましては、司法制度を国民にとってより身近で利用しやすいものとし、司法制度が法的紛争を適正迅速に解決して国民の権利の実現を図るとともに、社会情勢に応じて法秩序を維持し、国民の基本的人権を擁護していくその役割を十全に果たし得るものとすべきであると考えられます。そこで政府といたしましては、21世紀を目前に控えたこの時期に、利用者である国民の視点に立って21世紀の我が国社会において司法が果たすべき役割を明らかにし、司法制度の改革と基盤の整備に関する基本的な施策について有識者の皆様に審議をしていただく必要があると考え、本審議会を内閣に設置したものであります。政府といたしましては、本審議会において、このような観点から今後2年間にわたり十二分な審議を行っていただき、内閣に有益な御意見を頂くことを期待しており、充実した審議が可能となるよう有効適切な対応に努めて参りたいと考えております。
委員の皆様方には、限られた期間のうちに極めて多くの調査審議等の作業をお願いすることになりますが、この審議会の重要性を御理解いただき、21世紀の我が国の司法制度が国民の期待に応え、その役割・機能を十分果たし得るものとなりますよう、御尽力を切にお願いいたしまして、私のあいさつといたします。