(説明者)
陣内孝雄法務大臣、房村精一法務大臣官房司法法制調査部長
(事務局)
樋渡利秋事務局長
①陣内法務大臣から「司法制度改革審議会設置法の国会審議経過等について」の説明が行われた。
②房村法務大臣官房司法法制調査部長から「臨時司法制度調査会及びその後の司法制度に関する改革について」の説明が行われた。
③以上の説明に関して、以下のような質疑応答があった。
○臨時司法制度調査会では、ユーザーからの視点の議論はあったのか。法曹一元について英米やヨーロッパ大陸との比較を踏まえての日本の風土・歴史の観点からの議論や、弁護士出身の裁判官を国民が欲しているのかどうかという議論はあったのか。
(回答:臨時司法制度調査会では、国民が利用する制度を扱ったのであるから、国民の視点に立った議論ももちろんなされたと考えるが、委員が国会議員・司法関係者等の専門家で構成されていたことから見て、専門家からの視点に力点が置かれていたことも否定できないであろう。法曹一元について、当時、日本の歴史・風土をどの程度踏まえた議論がなされたかは分からないが、導入している国の歴史等の背景に密接に関わるものであるから、それを踏まえた議論が必要であろう。)
○当審議会での調査・審議と並行して、政府が進めている施策として具体的には何があるか。
(回答:民事法律扶助の法案化と予算増額や裁判官・検察官の増員などがある。)
○法曹一元という概念には、例えば、経験豊富な長老弁護士が裁判官になる点を重視するものと、当事者経験を有する者が裁判官になる点を重視するものとがあり、臨時司法制度調査会ではどちらのものを念頭に議論したのか。
(回答:法曹一元の理解の仕方は、必ずしも完全に一致していなかったようである。)
○司法制度に関して、世論調査や国民へのアンケートの例としてはどのようなものがあるか。
(回答:法曹養成制度等改革協議会や法律扶助研究会、また、日弁連によるものがある。)
④議事の公開の取扱いに関して、既に議事概要や議事録のインターネット等による公開がなされているが、これに加え、マスコミ等の傍聴をどうするかについては、更に数回の審議会を開催してみた上で、改めて検討することとなった。また、当審議会のホームページに国民からの電子メールによる意見を受け付けるページを構成することとなった。
⑤今後の審議スケジュール等について、概ね以下の方向で進めつつ、必要に応じ見直していくこととなった。
審議の主要な柱になる点としては、制度的インフラ(例:国民により利用しやすい司法制度の実現、国民の司法参加、人権と刑事司法との関係)、人的インフラ(例:法曹人口と法曹養成制度、法曹一元)、その他。
今後の大まかなスケジュールとしては、平成11年9月から12月ころまでに、有識者・ユーザー・法曹三者等からヒアリング及び21世紀の司法の在り方ないし役割についての審議を行った上で、具体的な審議項目(論点)について審議し、12月中に審議の対象となる項目(論点)を整理決定した上で発表する。平成12年中に、整理された論点についての一通りの審議の上、しかるべき時期に中間報告を発表する。平成13年4月ころまでに、中間報告に対する国民からの反応等を踏まえながら、整理された項目(論点)について更なる調査審議をし、平成13年7月までに最終意見書の審議を行い、内閣への提出を行う。
なお、既に進行中の民事法律扶助の改革に関しては、本年11月ころに審議の上、合意が得られれば何らかの提言を行う。
また、必要に応じて、国内公聴会、アンケート等による国民からの意見聴取、海外の司法制度に関する調査、隣接法律専門職種や学者等への調査嘱託等を行う。
なお、審議スケジュールの検討の過程で、次のような意見が出された。 <
⑥ヒアリングについて、各委員からの希望を踏まえ、本年中に、有識者・ユーザー等最大10人程度から行うこととした。また、法曹三者からも別途ヒアリングを行うこととした。
⑦今後の審議日程の調整が行われ、平成12年1月から3月までは次の日時に決まった。
1月:18日(火)、28日(金)
2月:8日(火)、22日(火)
3月:2日(木)、14日(火)
時間は、3月2日のみ9:30から、その他の日は14:00から各3時間程度。
また、委員による裁判所・検察庁・弁護士会等の実情視察を次の日程で行うこととなった。
10月1日(金)、20日(水)