司法改革審議会

民事法律扶助に関する会長談話について

 
 司法制度改革審議会第2回会議(本年9月2日)において、政府が現在検討を進めている民事法律扶助制度の改革に関し、本年11月ころ、ヒアリング及び審議の上、合意が得られれば同審議会としての何らかの提言を行うこととされていたが、第6回会議(本年11月8日)において、法務省及び財団法人法律扶助協会の担当者からのヒアリング及び審議が行われ、その結果を踏まえて、同月24日、第7回会議終了後、委員全員の合意の下で、同審議会としての考え方が会長談話(別紙)という形で発表された。


(別紙)

民事に関する法律扶助について(会長談話)

平成11年11月24日

  1.  当審議会としては、今後の調査審議において、国民により身近で利用しやすい司法制度を実現するための諸方策について、十分に議論すべきものと考えるが、その一つとして、憲法第32条の裁判を受ける権利の実質的保障という理念から、国民が十分な資力を有しない場合においても裁判等において自己の正当な権利の実現・保護を図ることを可能とするための支援体制を整備することは極めて重要であると考えており、この点についても今後とも総合的・体系的に審議を深めていく予定である。

  2.  一方、政府においては、司法制度に関し緊急に必要な施策については、当審議会の審議と並行して、これを適切に実施するものとされているところ、その一つとして、現在、民事に関する法律扶助事業に関し、国の責務を明らかにした上、その統一的な運営体制を整備し、国民に対し全国的に均質な法的サービスを提供することができるように、財政基盤の強化を含め必要な措置を講ずることを検討されているものと承知している。
     当審議会としては、それらの措置については、上記の理念に立脚し国民が正当な権利の実現を図っていくことを可能とする支援体制整備に向けての第一歩として緊急性があると考えており、政府においてその早急な実現を図ることを期待する。