司法制度改革審議会

(別紙44)

平成12年4月25日
司法制度改革審議会

法科大学院構想に関するこれまでの主な意見(参考)


(基本的な考え方)
○ 21世紀の司法を担う質量ともに豊かな法曹を養成するためには、「点」から「プロセス」による養成へと発想を変える必要がある。
○ 国際法務の重要性の高まりへの対応、立法に参画する議員スタッフ、行政官、シンクタンク等の人材の充実をも視野に入れ、広い意味でのローヤーの養成を考えるべき。
○ 税務、会計、特許等で国際的に活躍する人材が求められ、その場合に修士や博士の学位が重要となっており、法曹分野においてもこの点を考慮すべき。
○ 入学者選抜の「入口」や大学(学部)・大学院教育の在り方、司法試験の在り方、司法修習の在り方、さらには、望ましい法曹人口やどのような法曹の養成を目標として念頭に置くのかという点まで、一貫した整合的な制度を構築すべき。法曹養成の目標は裁判官でなく弁護士を念頭に置くべき。
○ 法科大学院構想を実現するためには、大学人の相当な意識改革が不可欠。研究中心の考え方から教育重視へ、さらに、専門的職業人(法曹三者)を大学院教員として迎え入れる柔軟な制度への転換など、大変な努力が必要。

(設置形態)
○ 学校教育法上の大学・大学院のみを前提とするのではなく、専門学校的なものも視野に入れて検討してはどうか。大学・大学院卒の学生が入学する国際レベルの専門学校も存在する。
○ 法科大学院を既存の大学とは全く別個の機関(例えば法曹三者が運営するスクールや第三セクター方式等)として設立することは考えられないか。
○ 設置形態は多様であってよい。

(名称)
○ 「ロースクール」にはプロフェッショナルの語感があるが、「法科大学院」と呼ぶことが本当に内容を適切に表しているのか疑問。

(他の取り得る方策)
○ 法学部教育を充実すれば足りるのではないか。
○ 法学部を6年間とすることも考えられるが、学部生全員に法曹教育を施す必要はなく、適当でもない。
○ 司法試験の合格者増を図れば足りるのではないか。
○ 一発勝負の司法試験でなく、その前段階で、ケースメソッド等で比較的小人数の教育を実務経験者を教員に入れて行うべき。司法試験に7~8割が合格するような法科大学院とし、腰を落ち着けて勉強させ、怠けたら落第させる。法科大学院では、理論と実務、先端と基礎、人格と職業技術といった三つの総合が必要。
○ 教育や研修に全てを期待して、完成した法曹を社会に送り出すというのは非現実的。社会に出る段階は、あくまで出発点に過ぎない。法曹は、責任をもって仕事をすることを通して鍛えられるもの。

(教員構成)
○ 教育能力のある教員の確保が最も重要。
○ 実務家教員の確保が不可欠で、大学側だけでなく法曹三者や関連法務分野の実務家も入れて検討する必要。
○ 弁護士が後継者養成の義務をも負うことを明確にしないと、教員の確保はできないのではないか。

(入学者選抜)
○ 法科大学院への受験競争が激化しないようにする必要。
○ 選抜方法については、客観テストのみでなく学部の成績や社会活動・経験、面接等を組み合わせる方法が考えられる。
○ 他学部・他大学出身者や社会人が法科大学院へ進む公平な機会を確保することが必要。

(教育内容)
○ 法科大学院での教育内容を具体的に検討する必要がある。
○ 法科大学院は、法曹養成コース以外にいくつかの関連コースを持つ幅広いものとすることが望ましいのではないか。

(司法試験・司法修習との関係)
○ 法科大学院の修了資格と、司法試験・司法修習の位置付けは慎重に再検討し、新方式を作り上げるべきである。
○ 法科大学院の修了を司法試験の受験資格とすることは、経済的に余裕の無い者の法曹資格取得の道を閉ざすこととなり、機会均等の見地から問題ではないか。法科大学院卒業生以外にも法曹資格取得の道を残すべき。
○ 法科大学院を修了しなくても大学検定試験的なもので司法試験受験資格を認めることも考えられるのではないか。

(奨学制度等)
○ 経済的に余裕の無い者のためにも、法科大学院に対しては、奨学制度と優遇税制を手厚くするべき。

(地域配置)
○ 地域配置のバランスに配慮する必要。
○ 政策的に地域配置を考慮するだけでは、教育の質や教員の確保等に困難な面がある。
○ 設置数を限定するのは適切でなく、基準を充たす限り設置を認めるべき。

(今後の審議の進め方)
○ 法科大学院の具体的中身については、高等教育や法律実務の専門家に詳細を検討してもらう必要があり、その結果を踏まえて、審議会として国民的見地から審議し判断することとしてはどうか。
○ 専門家に検討を依頼するとしても、基本的な骨格を先に審議会で決めた上で依頼することが必要。
○ 検討依頼先がどのようなものになるかも重要であり、審議会委員の誰かが入るなど何らかの形での審議会とのリンクが必要。

以 上