別紙1
平成12年5月30日(火) 司法制度改革審議会第20回会議司法制度改革審議会 |
私は、去る4月5日、病に倒れられた小渕前総理の後を受け、内閣総理大臣に就任いたしました。私は、司法制度改革を最も重要な課題の一つとして位置付けており、小渕前総理と同様に、熱意を持ってこれに取り組んでまいりたいと考えております。
このため、私は、内閣総理大臣就任直後から、司法制度改革審議会に是非出席したいと考えておりましたが、政務等の都合から、当審議会に出席いたしますのは本日が初めてとなりましたので、開会に当たり、ひとことごあいさつを申し上げます。
現在、我が国においては、グローバル化、情報技術革命といった時代の大きな流れの中で、社会が「事前規制型」から「事後チェック型」へと移行するなど、これまでのシステムや「ものの考え方」に対する否応ない変革が迫られております。そうした中、国民の基本的人権を擁護し、権利の実現等を最終的に担保する司法の果たすべき役割は益々重要なものとなりつつあります。司法の機能を充実強化し、国民に身近で利用しやすい司法制度を構築することは、目下の緊要事となっております。
さて、当審議会においては、昨年12月には論点整理をとりまとめられ、本年1月からは論点ごとの審議を行われるなど、充実した調査審議を着々と進められているものと承知しております。毎回長時間に及ぶ熱のこもった御議論を重ねられ、また、最近では、連休を返上して欧米諸国の司法制度の実情を実地に調査、研究されたとお聞きしており、皆様のひたむきな御努力に対しまして、改めて、深い感謝と心からの敬意を表します。
当審議会の御審議の結果が、来世紀の我が国社会を支える司法制度の適切な基本的施策を描き出し、輝かしい「次なる時代」を切り拓く礎となることを念じつつ、私としても、当審議会の御審議が充実したものになるよう、政府を挙げて協力、支援に努めてまいりたいと考えておりますので、引き続き、委員の皆様の御尽力をお願い申し上げまして、私のあいさつといたします。