第24回会議配付資料
司法制度改革に関する意見 (追加)
《趣旨》
下記家事事件に関し、行政書士が家庭裁判所の許可を得ることなく代理人、補佐人となることができるよう、家事審判規則第5条を改正すべきである。
記
- 家事審判法第9条第1項甲類に掲げる事件
- 戸籍法第119条に掲げる事件
- 精神保健及び障害者福祉施設に関する法律第20条第3項に掲げる事件
- 破産法第68条第2項後段に掲げる事件
《理由》
- 出生、認知、養子縁組、養子離縁、婚姻、親権及び後見、死亡及び失踪、生存配偶者の復氏及び姻族関係の終了、推定相続人の廃除、入籍、分籍、国籍の得喪、氏名の変更、転籍及び就籍、戸籍の訂正(戸籍法第27条~117条)に伴う届出は行政書士の業務であり、現にこれを業務として行っている。
特に、最近の国際化により、これらの業務の重要性は顕著である。
- 例えば、入管法は、 本邦に在留する外国人は、それぞれ当該外国人の活動、身分によって在留資格を定めている。
これらの在留資格中、「家族滞在」「特定活動」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」については、身分変動によってその地位の得喪が決定づけられる。
具体的には、出生、認知、養子縁組、婚姻、離婚、親権等を挙げることができる。
これらの手続に関して、外国人はほとんど了知しておらず、また渉外戸籍事務にあたるので、複雑な問題を発生させる。 これらの手続について、外国の家族法を了知し、且つ本邦の親族法、戸籍法の知識を有する行政書士が当事者を援助し、当該官庁との調整に当たっているのが現状である。
- これらの業務を行う前提として家事審判法第9条第1項甲類に掲げる事件等本稿「趣旨」記載の審判を経ることを要するものが多数存在する。
これらの事件を家事審判の対象としたのは、個人の自由処分にゆだねると法律秩序が乱れるので、家庭裁判所が後見的に形成したところに従うべきとするのが、立法趣旨であり、いわゆる「争訟性」を有しない
(同旨 長山義彦外 『家事事件の申立と書式』新日本法規出版4ページ)。
ところが、家事審判規則(以下家審規という)は、本人出頭主義を採用し(家審規第5条第1項)、やむを得ない事由が存するとき、委任による代理人を認めるが(家審規第5条第1項但書)、弁護士でない者が、代理人になるには家庭裁判所の許可を必要とする (家審規第5条第1項但書)。
しかし、そもそもこれらの事件は「争訟性」を有しないのであるから弁護士に限る必要はなく、これらの業務に精通している行政書士に、家審規第5条第2項の制限を受けることなく、代理人、補佐人になることを認めるべきである。 (以上)