Ⅱ 内閣機能の強化
1 基本的な考え方
(3)内閣機能強化に当たっての留意事項
内閣機能の強化は、日本国憲法のよって立つ権力分立ないし抑制・均衡のシステムに対する適正な配慮を伴わなければならない。
(中略)
さらに、司法との関係では、「法の支配」の拡充発展を図るための積極的措置を講ずる必要がある。そしてこの「法の支配」こそ、わが国が、規制緩和を推進し、行政の不透明な事前規制を廃して事後監視・救済型社会への転換を図り、国際社会の信頼を得て繁栄を追求していく上でも、欠かすことのできない基盤をなすものである。政府においても、司法の人的及び制度的基盤の整備に向けての本格的検討を早急に開始する必要がある。
なお、司法改革の端緒とする意味も込めて、独立行政委員会等が果たしてきた行政審判機能(準司法手続)の統合(行政審判庁構想)等についても、真剣な検討が必要である。
別紙3
分野別措置事項(抜粋)
事項名 | 措置内容 | 実施予定時期 | 備考 | 当初計画との関係 | 所管省庁 | 平成10年度 | 平成11年度 | 平成12年度 |
⑤法曹人口の大幅増員等 | 司法試験合格者の1、500人程度への増加については、修習の内容や方法の改善、司法修習生の修習先への受入態勢等について継続的に調査・検討を行った上で、国民各層からの意見を反映した新たな中立的立場で行う検討の結果をも踏まえて、適切かつ迅速に検討を進め、早急に結論を得て、所要の措置を講ずる。 その際、司法試験合格後に民間における一定の実務経験を経た者に対して法曹資格の付与を行うための具体的条件等を含めた制度的な検討も行う。 なお、いわゆる隣接法律専門職種と弁護士との役割分担の在り方等についても司法試験法及び裁判所法の一部改正法等による措置の状況等を見つつ、検討する。 |
10年度(1、000人程度への増加に関し、法律改正み) | 11年度(調査・検討) | 12年度(調査・検討) | 司法試験法の一部を改正する法律(12年1月1日済施行)裁判所法の一部を改正する法律(11年4月1日施行) | 14⑤ | 法務省 |
⑧弁護士事務所の法人化等 | (a)弁護士事務所の法人化の具体的在り方等につき、さらに調査・検討を進め、これを踏まえて、速やかに所要の法的措置を講ずる。 | 10年度(法人制度の導入及び広告制限の緩和ないし撤廃に係る要請の実施に係る方針を決定) | 11年度(調査・検討) | 12年度(措置) | 14⑧ | 法務省 | |
(b)弁護士広告制限の緩和ないし撤廃につき、平成11年度中に、日本弁護士連合会に対し、必要な協力を行うとともに、所要の措置が早期に講じられるように要請する。 | (措置) | 14⑧ | |||||
⑨総合的法律・経済関係事務所の開設 | 弁護士、公認会計士、税理士、弁理士等がそろった総合的な法律・経済関係事務所の開設について、関係省庁間における検討結果を踏まえ、平成11年度中に所要の措置を講ずる。 | 10年度(検討結果取りまとめ) | 11年度(措置) | 14⑨ | 法務省 大蔵省 通商産業省 等 |