場 所:司法制度改革審議会審議室
出席者(委 員)
【佐藤会長】定刻もまいりましたので、ただいまから第38回会議を開会いたしたいと思います。
本日は前回御審議いただきました中間報告の原案につきまして、引き続き意見交換を行い、最終的には皆様の御了解をいただいて、決定したいと思っております。
本日は午前中の審議ということで、余り時間もございませんし、また、本日中に総理官邸に中間報告をお届けしたいと考えておりますので、皆様の御協力をお願い申し上げます。
それでは、中間報告の原案につきまして、意見交換に入ることにしたいと思います。
前回の意見交換の際に皆様から御意見をいただきまして、修正等を行うということで宿題になっておりました点などを中心に、私と会長代理で相談の上で修正させていただきました。その修正を加えたものを、既に委員の皆様にお送りしておりますけれども、本日お手元に同じものをお配りしておりますので、まずその修正を加えた部分について御意見をいただければと思います。
お送りしてから御検討いただくのに十二分なお時間がなくて、誠に申し訳ないことでございましたけれども、既にごらんいただいてお分かりのように、修正等を加えた部分には見え消しやアンダーラインを引くなどしておりますので、最初にそれらの部分について順次御意見をいただければと考えておりますけれども、よろしゅうございましょうか。
その後で、その他の部分についても御意見がございましたら、改めて皆様の御意見をちょうだいしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、最初に修正を加えた部分としては、15ページで「標準修業年限」のところでございますが、法学既修者「法学部出身者であると否とを問わない」ということを明示させていただいております。
それから、16ページの「要件事実や事実認定に関する基礎的部分」です。
見出しのところは(d)とか(e)とか、少し変えましたけれども、それはよろしゅうございますね。
そして20ページの「修了者」、21ページの「司法修習を経て」、その上の「関係者の自発的、積極的な取組みが求められる」、これはたしか吉岡委員の御意見だったと思いますけれども、入れております。
22ページの「異論がないものと考えられる」というところですが。
【吉岡委員】元が「異論のないところであろう」というのを、私は「ある」に変えてほしいという発言を前回させていただきまして、ほかの御意見もあったので、「ないものと考えられる」ということになったのだと思いますが、私がここでもう少しはっきりと言っていただきたいという趣旨から申しますと、「あろう」というのと余り「考えられる」という言葉になっても、変わりがないと思うのですが。
【佐藤会長】そういうことではないかということですから。
【吉岡委員】「異論のないところと言える」ぐらいにしていただけないかなと思います。
【佐藤会長】「ないところと言える」ですか。どうしましょうか。
【竹下会長代理】まあそれでよろしいのではないでしょうか。
【佐藤会長】「異論のないところと言える」ですか。では、「異論のないところと言える」というふうに直させていただきます。
それから、25ページに「労働組合」が入りました。
27ページに「人間性」。
28ページも、こういうように実質化を図ること「を検討すること」はと入れまして、はっきりさせまして、そして「と人間性」を入れ、こういう表現ぶりにさせていただいたところであります。
【髙木委員】28ページの真ん中の「実質化を図ることを検討すること」というのを入れられたのは、前回こういう議論がありましたでしょうか。
【竹下会長代理】前回、「実質化を図ること」というのが、後の「今後検討されるべき改革の方向であると考えられる」、そこと同位置になるのか、その1つ上の「備えていることが必要である」というのと同位置になるのかがはっきりしないという井上委員からの御指摘があって、こうはっきり分かるようにしたということです。よろしゅうございますか。
【髙木委員】「を検討すること」で、何かトーンが弱くなった感じがするんだけれどもね。
【佐藤会長】「図ることはもとより」のほうがむしろ趣旨がはっきりするなら、取っても。我々の理解としてできるなら、取ってもいいですが、どうしましょうか。
【井上委員】「こと」が間にはさまっているからでしょうか。
【佐藤会長】「こと」がね。取りますか。趣旨は御理解いただければと思います。
【竹下会長代理】では、元に戻します。
【佐藤会長】よろしいですか。次に34ページ、これは「新民事訴訟法」といきなり言っても分かりづらいので、少し説明的に書いたということになります。
それから、45ページ。ここも、特に学校教育などとの関連で御指摘のあったところでありますが、簡潔ですけれども、こういうように書かせていただいたところであります。御趣旨は大体盛り込んでいるんじゃないかと思いますが、よろしゅうございますか。
【鳥居委員】45ページの修正の一番最初の修正、「この国の」を取りましたね。続けて読むと「一国の法が血肉と化し」と、これは。
【竹下会長代理】普通は「一国」のほうを取るのですかね。
【佐藤会長】そうですね。
【鳥居委員】「法がこの国の血肉と化し、『この国のかたち』となるために」はですね。
【佐藤会長】確かにそうでございますね。あとはよろしゅうございますか。
次に、56ページ。「直接主義、口頭主義の実質化」といきなり言われて分かりにくいということで、括弧書きの中にやや解説的なものを挿入させていただきました。
それと、57ページ。これも髙木委員の御意見だったと思いますが、公的弁護制度を導入するということを明確にするという観点から、そういう文章にさせていただいております。よろしゅうございましょうか。
それから、60ページ、61ページになりますが、60ページは「至っていない」と直すべきだということでそういたしました。そして、鳥居委員に限りませんけれども、特に鳥居委員御指摘の戦前の陪審制度については、冒頭にそういう形で入れさせていただくことにしました。
【鳥居委員】修正3行目の括弧がはっきりしないんですね。
【佐藤会長】裁判所法のことですか。
【鳥居委員】そうですね。何で「なお」なのかが分からないし、上の2行は戦前のことを言っていて、この括弧は今のことを言っているわけですね。
【佐藤会長】今の状況は、この裁判所法をごらんくださいと。
【井上委員】採ることを妨げないという趣旨のものですから、「なお」という位置づけが適切だろうと思います。
【佐藤会長】議論すると、いろいろまた出てくるかもしれませんので、この程度でいかがでしょうか。
【鳥居委員】簡潔に今の話であることをできないでしょうかね。
【井上委員】やるとすれば、条文の中身をそのまま書くしかないのです。
【鳥居委員】そうではなくて、私の1つの修正案としては、「なお、裁判所法第3条第3項は、陪審制度に言及している」とかいうことじゃないでしょうか。
【佐藤会長】条文を見ていただければ、そういう趣旨も理解していただけるのではと思うんですけれども。
【井上委員】原案の形でくみ取っていただくというほうがいいんじゃないでしょうかね。
【鳥居委員】もし、このままでどうしてもとおっしゃるのであれば、「いたが」というのはおかしいと思います。「いた」で一旦終わりにしないと。
【井上委員】この前はそういう了解だったのですよ。
【鳥居委員】「いたが」のところまでは戦前の話で、「なお」から後ろは今の話です。
【井上委員】それは、旧陪審法と現行法との接続の関係を裁判所法で書いているわけで、法律自体は現行のものなんですけれども、旧陪審法とのつながりのところに位置するのです。それでここに書いたということだろうと思うんです。
【鳥居委員】難しい話になってしまうんだけれども、現行の裁判所法第3条第3項というのは、本当に戦前の陪審制度に言及したものなんですか。
【井上委員】それを復活するのも、新しい法律で全く新しい制度を設けるのも、妨げないという趣旨で、両方なのです。
【鳥居委員】戦前のものを一旦ターミネートしているということに関する条文ではないとしか私にも読めませんけれどもね。
【井上委員】その復活の可能性も含んでいるのです。旧陪審法は停止しているだけですから。
【鳥居委員】そういう解釈も法律学者の間にはあるんでしょうけれども。
【佐藤会長】単なる復活ということもあり得るし、それから新しい、答申に拘束力のないようなものではなくて、もっとちゃんとはっきりしたものを設ける、という両方があるんでしょうね。
【鳥居委員】でありますから、戦前にはこういうことが実施されていたという話と、次の文章は現行司法参加制度を見ると云々という話とは、全く別の話なんで、一旦そこで切って、現在の話をするほうが正しいのではないかと思います。
【井上委員】でも、それでは変な位置づけになるのですよ。文章を切るのも、1つの案だとは思うのですけれども。
【佐藤会長】つながりとしては、実施されていたけれども、現在はこういうことで限定的になっていると。最後の文章に。
【鳥居委員】この括弧書きをそのまま生かすとすれば、限定的であると言えるかどこか、その後ろに付けたってちっともおかしくないですね。
【佐藤会長】そうすると、もっとも我が国においては戦前こうだったというように入れ変えることになりますか。
【井上委員】入れるとすれば、位置としてはここなんでしょうね。
【鳥居委員】ここに入れると明らかにあれですね。戦前の制度の復活条項である。
【井上委員】しかし、「なお」書きですからね。
【佐藤会長】そうではないと思うんです。
【井上委員】そこのつながりというのは、復活の可能性だけを意味しているものじゃないですから。
【鳥居委員】もし、皆さんがそうお考えであれば。
【髙木委員】もしそうなら、1つは「同17年」でいいのか、私らは18年と思っていたが。
【佐藤会長】実際に行われておったのが17年までということです。
【井上委員】17年度までなんです。最後に2件あったというのは17年度なのです。18年に停止の法律ができた。ですから、実効を保っていたという意味で「17年」にしたのだろうと思います。
【髙木委員】陪審制が実施されていたが、18年に陪審法の停止に関する法律で停止された。そこまで書くかどうか知らないけれども、陪審の停止に関する法律の附則で、陪審法は今次の戦争終了後再施行するものとし、その期日は各条につき勅令をもってこれを定むというのが入っているわけですね。
【藤田委員】この17年か18年かというのは、陪審制度が実施されていた終期ということになると、たしか昭和18年は陪審が1件しかなかったんですかね。
【佐藤会長】1件もないという話です。
【藤田委員】ゼロでしたか。しかし制度が実施されていたのは18年までですね。
【佐藤会長】法律的にはそうです。
【藤田委員】この箇所で「陪審の答申は裁判所を拘束しない」というのは制度の内容を言っているんで、制度が施行されていたという点では18年のほうがいいのかなと思います。
それと、裁判所法3条3項は、どうしてこういう条文が入ったかといういきさつを考えますと、憲法制定のときに連合軍の総司令部民間情報部のマニスカルコ大尉が個人的に陪審制度を入れるように示唆をしたという経緯があるようです。起訴陪審を入れよという点については、我が国の国情に照らして導入はいかがかということで、それに代わるものとして検察審査会の制度を入れたということのようです。それで総司令部の将来の陪審制の導入の示唆を受けて、まだ憲法に入れるまで熟していないということで、裁判所法に3条3項を入れたといういきさつだと伝えられております。そういう経緯を捨象して、ここに裁判所法3条3項を挙げるのは、やや唐突という感じもあります。3条3項についてここに詳細に記述しますと、それは陪審の方向への示唆というふうに受け取られる恐れもありますので、削除するか、それとも、鳥居先生はこういう条文もあったんだということを国民に知らせたいという御趣旨を前回言われていますので、場所はともかくとして、3条3項という規定があるということだけここに挙げておくか、いずれかではなかろうかと考えます。
【鳥居委員】分かりました。
【佐藤会長】そうすると、場所としてはこういう書き方でよろしいですか。後へ持ってきたりすると、また文章が。
【鳥居委員】ここでいいんじゃないですかね。
【竹下会長代理】後ろへ持っていくと、よけい陪審とのつながりが離れてしまう。
【中坊委員】別にここは審議会のみんなの意見の一致で決めるんですから、みんなの意見が一致することを前提にしてですけれども、陪審の問題について、戦前陪審があったということについては、括弧してただし書きで、それは裁判官を拘束してなかったんだというところまで明示しておいて、他方確かに鳥居さんのおっしゃるように、今度、現行法でも「刑事について、別に法律で陪審の制度を設けることを妨げない」というところには内容を書かずに条文だけ書くとおっしゃっているところに不自然さが残っておるんです。本来、裁判所法3条3項の規定は、刑事について別に法律で陪審の制度を設けることを妨げないと書いてあるんだから、それはそのとおりに書くほうが普通だと思うんです。
私はこういうことをやっておかれたら、だれかが、片一方は相当陪審の反対の意見があって、それでこの陪審の問題について、片一方は陪審制度が戦前にあったと言えば、今度はそこには、この間現にあったし、裁判所を拘束しないというのはそのとおりですね。それをわざわざここに括弧書きで書いて、まさに鳥居さんのおっしゃるように、導入するかどうかということになれば、先ほど藤田さんのおっしゃったように、そういうところにも取られるというんで、今度は裁判所法第3条3項参照という措置をしておられるところに不自然さが基本的に残っていると思うんです。だから、どうせ内容をお互いに書くんなら、この3条3項をこのとおり書けばいいことだと思います。
ただし、これはみんなの意見の一致だから、この最初に書いてあるんだから、意見が一致しなければ、それでやむを得ないとは思いますけれども、しかし、やむを得ないにしても、そういう傷跡が残っている文章として残るという意味だと理解しておく必要があると思います。
【井上委員】こだわるつもりはないのですけれども、旧陪審制度は、今陪審を入れるべきだという意見を持っておられる方の想定されている陪審とは、性質がちょっと違っているのじゃないかという意見もあって、それでこういう注書きをしたほうがいいんじゃないかというのが、この前のここでの御意見だったと思うのです。
裁判所法については、これはどこかでメンションしておくべきだと鳥居先生がおっしゃったので、それでこういう修文になったのでしょう。
確かに中坊先生おっしゃるような誤解を招きかねないとすると、この裁判所法への言及というのは非常に難しくなるのです。全部ひら文でこうなっていると言うふうに書かざるを得ないと思うんです。
【鳥居委員】やはり読み返してみると、括弧書きのままでいこうとすると、その「なお」という括弧は、さっき申し上げたように、「限定的であると言える」というところの後ろへ付けてもちっともおかしくないんじゃないですか。
【竹下会長代理】それならそれでも。
【鳥居委員】そして、上の3行は「実施されていた」で一旦切って、「現行司法参加制度を見ると、調停委員、司法委員、検察審査会等の制度があるものの、司法全体についてみると、国民が司法の運営に対し参加(関与)し得る場面はかなり限定的である上、参加(関与)の場面で国民に与えられている権限もまた限定的であると言える。(なお、裁判所法第3条第3項参照)」とやってもおかしくない。
【井上委員】裁判所法では、法律で復活したり、新設することもあり得るということを書いてあると、そういう意味ですね。
【鳥居委員】そういう意味でここに付けると。それなら分かるんです。
【井上委員】じゃ、そうしましょう。
【竹下会長代理】では、そういたしましょうか。
【鳥居委員】もし御賛同いただければ。
【井上委員】ついでですけれども、「見る」と「見る」が2度続いていますね。「てにをは」にこだわるようですが、後ろのほうは「司法全体としては」としたらどうでしょうか。
【鳥居委員】「現行司法参加制度」。
【井上委員】最初の「を見ると」というのはいいんですが、後のほうでまた「見ると」となっているものですから。
【吉岡委員】言うつもりじゃなかったんですけれども、旧陪審制度が昭和の初めにあったというところのただし書きですけれど、陪審の答申は裁判所を拘束しない、これは確かにそうなんですが、同時に陪審員に選ばれる人は非常に限定的だったという問題もあったと思うんです。それから、女性は入っていない。
そういうことから言うと、選挙制度も含めて、今の感覚とは大分違う陪審制度だったと思うんです。
ですから、ここで殊更に裁判所を拘束しないということだけを取り挙げているというのは、いかがかものかなと思います。
【井上委員】この前、それに言及することについては、そういう注意書きが最低限必要だというご意見が出ました。それを踏まえた修文だと思うのです。
【佐藤会長】それは選挙権とか、そういう関係があります。そもそも戦前と戦後とは随分違うので、そこまで正確に書かなくても、むしろ法的に問題なのは拘束するかしないかという、ここに大きな違いの意味があるわけで。
【山本委員】少なくとも参審・陪審に言及するんであれば、この拘束力の部分についてどうだったかということを言うべきだと思います。
これまで盛んに司法参加の在り方として、参審とか陪審とかという言葉をたくさん使ってきているわけです。戦前に陪審が行われたということを言って、では、今はどう考えるかという文脈なのですから、戦前の陪審について説き起こすときには、その陪審の本質は何だったかということぐらいは言っておかないと、参審との比較が適切になされなくなってしまうという意味で申し上げたわけです。それ以外のすべての制度をここで説明すべきだということになると、それは大きな話になりますので、むしろそうしたら戦前の陪審とは言わないというほうが分かりやすいと思います。
【佐藤会長】しかし、前回、鳥居委員の御主張もあって、さっき言ったようなこの辺まで書くということには合意ができたかと思うんです。だから、いじり出すとあっちもこっちもになってくるんで、ミニマムにとどめていただきたいと思います。
【中坊委員】さっきの鳥居さんの修正だけすれば、位置だけ変えればいいんじゃないですか。
【鳥居委員】それと今の18ね。
【佐藤会長】正式にもう一遍修文をおっしゃってください。
【竹下会長代理】「我が国において、昭和3年から同18年までの間、刑事訴訟事件の一部について陪審制度(ただし、陪審の答申は裁判所を拘束しない。)が実施されていた。現行司法参加制度を見ると、調停委員、司法委員、検察審査会等の制度があるものの、司法全体としては、国民が司法の運営に対し参加(関与)し得る場面はかなり限定的である上、参加(関与)の場面で国民に与えられている権限もまた限定的であると言える(なお、裁判所法第3条第3項参照)。」
【佐藤会長】では、そういうことでよろしゅうございますか。
【佐藤会長】ありがとうございます。
次は62ページでございます。例の国民主権の原理から直ちに云々は削除しまして、そういう表現ぶりにさせていただきました。御議論もこういうことではなかったかと考えておりますけれども、いかがでしょうか。
【佐藤会長】よろしゅうございますか。ありがとうございます。
あとは66ページの最後のところですけれども、これはやや含みの多い文章で、今は余り厳密にどうのこうので言われると、いささか困るんですけれども、少し書きぶりを変えさせていただきました。
以上でございますが、いかがでございましょうか。
【鳥居委員】文章ではないんですけれども、13ページから番号の付け方にa.b.と(a)(b)があるでしょう。親になるほうのa.b.のほうが字が小さく見えて、子どもの(a)(b)の活字のほうが大き目でしょう。読みにくいですね。ちょっとポイントを上げてもらえないですかね。
【井上委員】大文字ですか。ほかのところに影響しないですかね。
【鳥居委員】ほかに影響しますね。しようがないね。
【佐藤会長】思いついて言い出すと、思わぬところに影響が出てきたりしますね。
【石井委員】この前申し上げましたとおり、このように立派な目次を付けていただきどうもありがとうございました。ところで普通ですと、「はじめに」の上に「目次」という標題を付けると思いますが、そのようにしたほうがよいのではないでしょうか。
もう一つ、内容的なことですが、この前申し上げなくて今ごろ申し上げるのは何ですけれども、弁護士にしろ、法曹で国際的視野に立って活躍される人をもっとつくるということをどこかで強調したいと思うのですが。それはどこに入っているんでしょうか。
【佐藤会長】総論から各論にまで、いろんなところで出てきていると思います。
【石井委員】それならいいのですが、何か余り強調されていないような気がしたものですから。
【竹下会長代理】まとまっていないためにね。
【佐藤会長】まとまった項目としては出ていませんけれども、いろんなところで触れてあります。
【竹下会長代理】法曹養成のところでも触れてあります。
【石井委員】では、分かりました。
【竹下会長代理】最終報告のときには、あるいは独立の項目を立てることも考えられます。
【石井委員】では、最終のときにでも、出来ればご検討をお願いします。今日のところは、このままで結構です。
【山本委員】32から33ページのところに書いてあります。
【佐藤会長】これもありますし、それから目標と理念のところにも。7ページから8ページにかけて、国際的な文脈が大事ですよということを強調しています。
【井上委員】33ページの真ん中くらいに、かなり書いてありますね。
【山本委員】あちこちにあります。
【石井委員】項目としては32ページの(ウ)ということですか。
【山本委員】そうですね。
【石井委員】ありがとうございました。
【佐藤会長】では、よろしゅうございましょうか。
【佐藤会長】どうもありがとうございます。お陰様でここにたどり着くことができまして、会長として厚く御礼申し上げます。大変御無理を申し上げて、これほど委員がこき使われる審議会はないんじゃないかという風評がもっぱらでございますけれども、御協力いただきまして、本当にありがとうございました。また、事務局長始め事務局の皆さんにも心から御礼申し上げたいと思います。
以上でこの中間報告について確定させていただきますが、なお、「てにをは」等については、最終的にもう一遍確認させていただきたいと思います。形式的な「てにをは」だけでございますが、その訂正について私と代理に御一任いただけますでしょうか。「てにをは」だけでございます。
【佐藤会長】それから、この中間報告は本日中に総理官邸に届けるようにいたします。その関係で、委員の皆様に最終的に完成した中間報告をお送りするのが、総理官邸にお届けした後になるかもしれませんけれども、その点は御了解いただければと思います。
また、この中間報告の報道解禁は午後5時30分ということにしておりますので、その点も御了解いただければと思います。
以上で中間報告についての意見交換を終了させていただきますが、今後この中間報告に対する国民各層の御意見も広く参考にしながら、更に最終意見のとりまとめに向けて審議を行うことになります。
これまでも本当に委員の皆様には御無理をお願いしてまいりましたけれども、今後も引き続き最終報告に向けてかなり集中的に審議を行わなければならないのではないかということでございまして、引き続き御無理を申し上げて何ですけれども、その辺は何分ともよろしくお願いいたします。この件は以上で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
【鳥居委員】スケジュールはこれからお話しになるんですか。
【佐藤会長】そうです。次回は11月28日で、午後3時から5時までということを予定しております。この審議室で行います。
前回の審議会でお決めいただいたように、年明け後の審議の進め方につきまして、意見交換を行って、大枠について御了解をいただければと考えております。この点につきましては、会長代理と御相談させていただきまして、どのような点を中心に意見交換をしていただくか、それを記載したレジュメのようなもの、レジュメと言えるかどうか何ですけれども、そのようなものをお手元に「平成13年1月以降の日程について(検討事項)」として1枚紙をお配りしております。この点、次回までにそれぞれお考えいただければと思っております。
それから、この1枚紙の下の※のところで、7月までの開催予定日を入れておりますけれども、最終報告を出して、その後、どういうように実現されていくのか、少し見定める期間も必要かと思いますので、7月の任期ぎりぎりに、最終報告というよりも、少し余裕を見て最終報告をとりまとめられればというように考えております。7月でなくて6月くらいかなと思っております。確たることは今の段階で申せませんけれども、ぎりぎりというのもちょっと何ですので、そんな腹づもりでおります。
【鳥居委員】今年じゅうのスケジュールが書いてありませんが、先ほどお話のありました。
【佐藤会長】前回の終わりのほうでお諮りさせていただいたんですけれども。
【鳥居委員】11月28日のほかには、12月にありましたか。
【佐藤会長】3回あります。12月1日、第40回、1時半です。それから12月12日、これも1時半から。司法による行政に対するチェック機能に関して、ヒアリングを予定しております。そして、12月26日。
【鳥居委員】12月18日はなしですか。
【佐藤会長】予備日はなしにしました。12月26日も司法の行政に対するチェック機能についてでありまして、1時半からということにしております。よろしゅうございましょうか。
【鳥居委員】時間が短縮されたのは次回だけなんですね。3時から5時。
【佐藤会長】そうです。実は28日は終わった後懇親会を予定しておりまして、この日はさっき言ったような今後の審議の段取り、大きな方向について御審議いただくということを中心にして、終わった後懇親会ということですので、2時からする必要はなかろうということで3時にさせていただきました。
今日予定しておりました審議は以上でございますが、お陰様で非常に早く終えることができました。
【髙木委員】来年の5月21日の予備日を使うということになりましたが、22日と連続ですね。連続でもいいですけれども。
【佐藤会長】その辺も含めて、次回ちょっと御相談させていただきます。場合によってはそういうこともあり得ないわけではなくて、そうなるとできるだけ早目に皆様の御予定も伺わなくてはいけないと思っています。
【鳥居委員】連続ではないですけれども、1月だって、1月30日にやって、2月2日というのは2日置きですね。
【中坊委員】数え方も少しおかしい。集中審議は別にして、期日の中に入っていないでしょう。何回やりまして、集中審議が3日ありましたというのも、おかしいんですね。だから、できれば全部統一してやっているんだから、そこは調整されたほうが。何回やりましたか、いや、何回やりまして、集中審議がありましたなんて、えらいオーバーに言うてるみたいに思われまして、よろしくないんと違いますか。回数だけであれしておけばいいような気がするんです。それ以外に集中審議が3日ありましたか。
【井上委員】2日半ですね。
【佐藤会長】あれは5回分くらいですね。
【中坊委員】そうでもなかったんじゃないですか。
【井上委員】時間的には5回分ですね。
【佐藤会長】その辺も含めまして、次回に少し議論していただきます。まあ28日に、全部ぴしっと、どのテーマをどうやるかについて確定するのは難しいと思いますけれども、大体こういう感じで来年進めていきたいということに関し、大体のコンセンサスができればと思っております。率直な御意見をまた28日にちょうだいできればと思います。
最後になりますが、ADRのことについて、かねて少し立ち入って研究する必要があるかなというように思ってきました。会長代理と御相談してきたんですけれども、少し勉強会のようなものを持っていただいたらと思っております。これについては代理のほうから。
【竹下会長代理】今、御決定いただきました中間報告におきまして、利用しやすい司法制度という中に、ADRの拡充・活性化を図っていくべきであるということが書かれておりまして、ADRの拡充・活性化のための基盤整備として、「各ADRそれぞれの特長を生かしつつその育成・充実を図るため、裁判所、関係省庁や関係機関が密接に連携して必要な基盤整備を推進すべきである」とされております。
今後、最終意見に向けまして、これを具体化していく方向での検討が必要になるのではないかと考えているところでございます。
その場合に、実現可能な方策、余り理念的なものというよりも、実際に実現可能な方策を検討する上で、どのようなことが考えられるかについて、この段階で少し材料を集めておいたらどうだろうかと考えております。
そこで、その方法といたしまして、ADRを所管している省庁の関係者に集まっていただきまして、勉強会という性格、この間の文部省への法科大学院についての検討依頼のような、ああいうものではなくて、実務的、ないし事務的な勉強会という性格で、関係者と意見交換をしながら、その意見を整理するような形で、ここで御審議いただくための材料を集めてはいかがかというふうに考えて、会長や、それから、そういうことが可能であるかどうかということについて事務局のほうとも相談をしてまいりした。
民事司法関係のとりまとめ役を私がお引き受けしている関係で、私はそれに出席させていただきたいと思っておりますが、ほかの委員の方でも御関心がおありになる方は御参加いただいて結構だと思います。そういう形で勉強会を何回かやりたいと思っておりますが、御了解いただければと思います。
【佐藤会長】代理には、12月26日の行政訴訟制度についての取りまとめをお願いしております。大変忙しい中恐縮なんですけれども、資料集め、整理を中心に行うということですので、いかがでしょうか。
【竹下会長代理】決して原案みたいものをつくるとか、そういうことではありません。
【佐藤会長】勉強会です。
【吉岡委員】勉強会をやることは結構だと思うんですけれども、審議会の日程もかなり詰まっておりますので、早目に日程をお知らせいただくようにお願いします。できる限り参加させていただきたいと思います。
【竹下会長代理】具体的に今、とにかく一応関係機関の方にお集まりいただかないと、そこから先の話が進まないものですから、その関係で第1回目を、とりあえず12月6日の水曜日辺りに開くということでどうだろうかというので事務的に調整をしていただいているところです。午後2時から4時くらいということです。
【山本委員】1回だけですか。
【竹下会長代理】2、3度と思っているのですが、とりあえず年内に立ち上げだけはしておきたいと考えています。
【山本委員】そういうのは代理出席はだめですかね。
【佐藤会長】勉強会だからいいんじゃないですか。
【山本委員】とてもじゃないけれども、そこまで時間を割けませんので。
【佐藤会長】皆さん、余りオブリゲートリーに考えられると、ちょっと。資料を集めて勉強する会ですから。私は、代理には申し訳ないんですが、出席しません。
【竹下会長代理】どの範囲という問題もございまして、具体的に関係機関を挙げていきますと、大変大勢になってしまう可能性もあるのです。余り大勢になったのでは、幾ら勉強会だと言ってもまとりまりがなくなるので、適当な範囲に、重要なADRを所管している各省庁の担当者辺りにお集まりいただこうかということを内々相談しているところです。
【吉岡委員】私も山本委員が言われた代理というか、勉強という意味であれば、私も水曜日はちょっと無理なんですけれども。
【竹下会長代理】それは結構でございます。
【吉岡委員】主婦連というよりは、消費者団体の中から何人か参加させていただくような、そういうことを考えさせていただきたいと思いますけれども。
【竹下会長代理】人数のほうがですね。
【佐藤会長】余り大勢になると何でしょうけれども。
【吉岡委員】30人も40人もということではなくて、2人か3人くらいという、そういう範囲で参加させていただくように。
【竹下会長代理】具体的には御相談させていただきますので。
【藤田委員】私は労働委員会の仕事が入っていて、6日はだめなんですが、記録は残るんでしょうか。それを見て勉強できるようなものは。
【竹下会長代理】勉強会の記録というようなものを残すということよりも、むしろいろいろ資料を集めていただいて、まとめみたいなメモ的なものを作成しておくということになると思います。その程度のものは残しておかないと、ここで皆さんに御議論いただくときに困ると思われます。
【藤田委員】それは配っていただけるんですか。
【竹下会長代理】ええ。
【藤田委員】分かりました。
【中坊委員】1つの考え方ですけれども、今までも1つのテーマごとにリポーター役と利用する側とであったでしょう。その1つだというふうに理解して、竹下さんが民事司法のほうを担当されておったんで、えらい義務を負わされるようだと言われると何だから、そのメンバーがいらっしゃったわけでしょう。竹下さん、吉岡さん、山本さんと髙木さんでお考えいただいたらどうですか。そうしないと、これだけはみんなに参加だと言うと、出ないといけないのかなという義務感が非常に出てきてしまう。何か特殊なものだというのではなしに、今までから民事司法を担当しておったので、そのグループとしてこういうことを考えていますという程度ならいいのではないでしょうか。
【竹下会長代理】そういうことでございます。舌足らずでしたけれども。
【佐藤会長】代理にいろいろ御足労を願って恐縮ですけれども、そういう形で進めさせていただくということでよろしゅうございますか。
【佐藤会長】ありがとうございます。
【石井委員】今勉強会の話が出ましたので、前にお願いした件ですが、ここのメンバーの皆さんに出ていただく必要は全くないのですが、私としては、どうしても陪審を実際に経験した方のお話を伺いたいという希望をいまだに持っておりますので、そういう方においでいただいて、お話を伺うという機会をつくっていただけたらありがたいと思います。
【佐藤会長】国民参加については、また、まとめて何回か議論をしていただきますので、そのときにどういう審議の仕方をするかということは考えさせていただきます。今の御希望にどこまで沿えるかはむずかしいところがあるように思います。審議も非常に詰まっておりますから。ですから、御希望のとおりになるかどうか分かりませんけれども、その審議の在り方についてのところで、また、いろんなことを考えさせていただきます。今日は御意見、御希望として承っておきます。
どのような立場の人から聞くかは難しいところがありますので、その辺は是非とも念頭に置いていただきたいと思います。
【石井委員】おおいに関心があるものですから。
【鳥居委員】多くの方は高齢化して。
【石井委員】そういう意味ではなくて、外国で実際に体験された方のお話を伺いたいと思っております。
【佐藤会長】外国のことになりますと、陪審だけでなくて参審のほうもあるでしょうし、それからいろんな立場でいろんな見方が出てくると思います。どの人を呼ぶかは物すごく難しいと思います。
【石井委員】例えばアメリカ人で今、日本に来ていて、そういう経験をされており、この人なら中立的な意見を聞けるだろうという人を探すというのはそんな難しいことではないと思います。
【佐藤会長】御趣旨はよく分かりますが、何が中立的かということが難しゅうございますのでね。
【石井委員】そういうことで、何もここの皆さんに一緒に出ていただく必要はないのですが、私としては、一応これを決める前に、実際に経験した方々の御意見だけはきちんと伺っておきたいなという気がしているものですから。
【佐藤会長】今のおっしゃり方だと、必ずしも審議会としてはということではないんですね。
【石井委員】審議会でということではありません。今、勉強会の話が出たものですから、それと同じような趣旨で実施していただけたらと思ったわけです。
【佐藤会長】ADRの場合とまたちょっと違うように思います。
それを含めて考えさせていただきますけれども、いろいろ難しい問題もあるということは是非とも念頭に置いていただきたいと思います。
それでは、記者会見でございますけれども、中間報告について「てにをは」などを含めて確認するということが必要でございまして、そんな関係で、3時30分からということで予定しております。御出席いただきたいとお願いすることについては、ちょっと時間があくのが気になるのですが、いかがしましょうか。
そうしたら、代理と一緒にさせていただきます。
本日はどうもありがとうございました。
(以上)