司法制度改革審議会
司法制度改革審議会 第39回議事概要
- 1. 日時 平成12年11月28日(火) 15:00~16:40
2. 場所 司法制度改革審議会審議室
3. 出席者
- (委員・50音順、敬称略)
石井宏治、井上正仁、北村敬子、佐藤幸治、竹下守夫、髙木 剛、鳥居泰彦、中坊公平、藤田耕三、水原敏博、山本 勝、吉岡初子
(事務局)
樋渡利秋事務局長
- 4. 議題
- 平成13年1月以降の審議の進め方等
5. 会議経過
(1) 冒頭、佐藤会長より、中間報告を森総理大臣へ手渡ししたこと等について報告があった。
(2) 平成13年1月以降の審議の進め方について、以下のような意見交換がなされた。
- 改革の推進体制への移行手順を見定めるなどのため、法律上の設置期限に若干の時間的余裕を残しつつ最終意見を取りまとめるべきである。
- 中間報告への国民各層の意見を整理して、審議に反映させるべきである。
- 残されている論点は多岐に渡るが、時間的制約も考慮しつつ、審議会として優先的に検討すべきものは何か判断していくべきである。
- 労働関係事件及び行政事件について十分に審議すべきである。
- 違憲立法審査の在り方についても審議すべきである。
- 違憲立法審査については、裁判官制度などとの関連で審議することも考えられる。
- 弁護士の国際化、アジア等への法整備支援についても審議すべきである。
- 援助というと過剰反応する国もあるので、協調・調整という用語を用いてはどうか。
- 裁判官制度について、現場の裁判官の意見を聴く機会を設けるべきである。現場の裁判官の間には、裁判官批判が一方的なものではないかとして憤りがあるとも聞くが、そうしたこれまで外に向かって発言できていない人の声にも耳を傾ける必要がある。
- 弁護士任官者からも意見を聴いてはどうか。また、検察官、弁護士、警察関係者から聴くことも考えられる。
- 裁判官の人選が難しく、ヒアリングは現実的ではないのではないか。ヒアリングするとすれば、利用者サイドからも聴かねばならなくなる。裁判官にも、対外的に意見を言う機会はいくらでもあるはずである。
- 既に中間報告で骨格が決まり具体的内容を詰める段階であり、現場の裁判官から改めてヒアリングをするような段階ではない。これまでにも法曹三者からの意見は聴いており、マスコミ報道もされているので、現職の裁判官が何を発言するかは予め想像がつく。あくまで利用者の立場からの司法改革であることを忘れてはならない。
- 中間報告を更に具体化する上で、認識を深めるためのヒアリングを行うことは必要ではないか。
- 仮にヒアリングをするとすれば、現状に批判的な意見を表明している裁判官からもバランスよく聴く必要がある。
- ヒアリングの有無も含め、今後どのような形で裁判官改革の具体策を詰めていくかについては、更に検討する必要がある。
- 裁判所の運営や人事についてはこれまでの説明に不十分な点が多く、最高裁事務総局のしかるべき者から直接ヒアリングをするべきである。
- 法科大学院の設置認可・第三者評価基準の策定、新司法試験及び司法修習などの具体的な制度設計については、関係機関に任せきりにしてはならない。
- 弁護士費用の敗訴者負担、懲罰的損害賠償、クラスアクション・団体訴権、差止請求、証拠収集手続の拡充、専門参審・専門委員制度、家事事件の義務の履行確保、知的障害者の司法へのアクセスの問題、国民の司法参加、裁判官の選任過程への参加についても、審議すべきである。
- 国民の司法参加、裁判官制度の改革及び弁護士制度の改革の3つが特に重要である。
- 弁護士制度は、裁判官制度より先に審議すべきである。
- まず国民の司法参加を審議し、その次のテーマとして、裁判官制度がよいか、弁護士制度がよいかについては、更に検討する必要がある。
以上の審議を踏まえ、以下について認識が一致した。
- 最終意見取りまとめの時期については、一応の目標を6月12日とする。
- 引き続き大括りにまとめたテーマ毎に審議を進めるほか、改革の推進体制等についても審議を行う。
- テーマ毎にどの程度の回数の審議会を充てるか、どのような方法で審議を進めるか等については、更に検討する。
- 1月9日及び23日は、国民の司法参加について審議する。
- 国民の司法参加の次は、裁判官制度の改革か弁護士制度の改革かのいずれかを審議することとし、その順序については、更に検討する。
(3) 次回会議(12月1日 午後1時30分から)では、労働関係事件に関して、菅野和夫東京大学教授からのヒアリング、髙木委員からのレポート等を踏まえ、意見交換することとされた。また、次々回会議(12月12日)では、司法の行政に対するチェック機能について、園部逸夫立命館大学客員教授、藤田宙靖東北大学教授、山村恒年弁護士からヒアリングをすることとされた。
以 上
(文責 司法制度改革審議会事務局)
ー速報のため、事後修正の可能性ありー