配付資料

別紙1

「訴訟手続への新たな参加制度」骨子(案)

平成13年3月13日
司法制度改革審議会


1. 裁判員の役割

 裁判員は、有罪・無罪の決定及び刑の量定に関与する(ただし、法律問題、訴訟手続上の問題等に関与するかについてはさらに検討が必要である。)。

2. 裁判官と裁判員との役割分担

 裁判官と裁判員は、評議に基づき、有罪・無罪の決定及び刑の量定を行う(ただし、裁判員が関与しない部分については、裁判官のみの評議による。)。評議において、裁判員は、裁判官と基本的に同一の権限を有する。審理の過程においては、裁判員の主体的・実質的関与を確保するため、裁判員に適当な権限(証人等に対する質問権など)を認める必要がある。
 一つの裁判体を構成する裁判官と裁判員の数は、裁判員の主体的・実質的関与を確保するという要請と評議の実効性を確保するという要請とを踏まえ、この制度の対象となる事件の重大性の程度や国民の負担等をも考慮の上、適正な数を定める。
 評決は多数決による。多数決の方法については、裁判員の主体的・実質的関与を確保するという要請、憲法上被告人に保障されている裁判を受ける権利の趣旨等を踏まえて定める必要があるが、少なくとも、裁判官又は裁判員のみによる多数で被告人に不利な決定をすることはできないようにすべきである。

3. 裁判員の選任方法・裁判員の権利義務等

 選挙人名簿から無作為抽出した者を母体として、公平な裁判所による公正な裁判を確保する等の観点に基づき、適切な過程(欠格・除斥事由、忌避制度等もその過程における仕組みの一つとして位置付けられる。)を経て、具体的事件を担当する裁判員を選任する。裁判員は、具体的事件毎に選任され、一つの事件を判決に至るまで担当する。
 裁判所から召喚を受けた裁判員候補者は出頭義務を負う(ただし、一定の場合には免除される。)。
 裁判員は、評議の内容等職務上知ることのできた秘密に関する守秘義務を負う。
 裁判員は、相当額の補償(旅費・日当)を受ける。

4. 参加の対象となる刑事事件

 対象事件は、法定刑の重い重大犯罪とし、公訴事実に対する被告人の認否(自白、否認等)を問わない(ただし、事件の性質や裁判員の負担等を考慮し、例外的に対象事件から除外できるようにすることも考慮すべきである。)。
 上記対象事件に属する事件において、被告人が、裁判官と裁判員で構成される裁判体による裁判を辞退する(その結果、裁判官のみで構成される裁判体による裁判となる。)ことを認めるべきではない。

5. 公判手続・判決の在り方等

 訴訟手続は裁判長(裁判官)が主宰する。
 裁判所が、主体的に、第1回公判期日前に争点を整理し、連日(的)開廷を前提にした審理計画を立てることを可能にするような公判準備手続を設けるほか、刑事訴訟手続に関し、必要な改正を行う。
 判決書は、裁判官のみによる裁判の場合と基本的に同様のものとし、裁判官が、裁判員との評議結果に基づき作成する。

6. 上訴

 当事者からの事実誤認又は量刑不当を理由とする上訴(控訴)を認める(控訴審の裁判体の構成、審理方式等については要検討)。