配付資料

別紙3

法務省・「福岡地検前次席検事による捜査情報漏えい問題 調査結果」
(抜粋)

第5 総括(問題の所在と改善策)

 2 本件一連の行為により、永年にわたって築き上げてきた検察及び司法の公平性に対する信頼が深く傷つけられたことは誠に遺憾であり、本件を深く受け止め、国民の信頼回復に努める必要がある。
 今回の事件を契機として、国民から検事に対し、市民感覚からずれて独善に陥っている、被害者の心情に対する理解が十分でない、警察等の捜査関係機関に対する理解が十分でない等の厳しい批判がなされているが、これらの批判を真しに受け止め、検察官の意識改革を図るべく、
  1.  検事を一定期間市民感覚を学ぶことができる場所で執務させることを含む人事・教育制度の抜本的見直しを検討すること
  2.  幹部を含む検察官が犯罪被害者の心情や捜査現場の第一線で汗を流している警察官の活動等に対する理解を深めるための具体的方策を検討していくこと
  3.  部内研修等の充実強化を通じて、検察官が独善に陥ることを防止するとともに、検察官としての基本的な在り方を徹底すること
が必要と考えており、その旨関係部局に指示することとした。
 また、公訴権の行使や検察運営に関し民意を反映させることは、検察が独善に陥ることを防ぐとともに、検察に対する国民の信頼と理解を得る上で大きな意義があり、具体的には、検察審査会の一定の議決に法的拘束力を与えることに加えて、
 検察審査会が検察事務の改善に関し検事正に対して行う建議・勧告に制度を充実・実質化すること
などの制度改革が重要であると考える。なお、この問題は、現在、司法制度改革審議会において「国民の司法参加」という論点で議論されているところであるので、法務省としても、こうした意見を来る3月13日開催の第51回審議会において積極的に提言するとともに、最終報告において改革の具体的な方向性が示されたときには、その実現に向けて所要の措置を採ることとしたい。
 さらに、今回の事件に関連して、検事と裁判官の関係の在り方が問われているが、法務省においても、当省への出向者が裁判官に偏っている現状を改め、裁判官以外からも広く人材を受け入れるための方策を検討していきたい。