司法制度改革審議会

第63回司法制度改革審議会議事録



日 時:平成13年6月12日(火) 14:30 ~15:00 

場 所:内閣総理大臣官邸大客間

出席者

(委 員(敬称略))
佐藤幸治会長、竹下守夫会長代理、石井宏治、井上正仁、北村敬子、髙木剛、鳥居泰彦、中坊公平、藤田耕三、水原敏博、山本勝、吉岡初子

(政府側)
小泉純一郎内閣総理大臣、森山真弓法務大臣、福田康夫官房長官、安倍晋三内閣官房副長官、上野公成内閣官房副長官、
古川貞二郎内閣官房副長官、竹島一彦内閣副長官補

(事務局)
樋渡利秋事務局長

  1. 開 会
  2. 最終意見の確認
  3. 最終意見の内閣総理大臣手交
  4. 内閣総理大臣あいさつ
  5. 法務大臣あいさつ
  6. 会長あいさつ
  7. 閉 会


【佐藤会長】 委員の皆様がおそろいになりましたので始めさせていただきたいと思います。
 今日は第63回会議でございます。本日は、まず、前回の審議会で内容を確定していただきました最終意見につきまして、委員の皆様に御確認いただきたいと思います。
 また「会長談話」の内容を委員の皆様にお伝えした上で、小泉内閣総理大臣にお見えいただきまして、当審議会としての意見としてお渡ししたいというように思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、早速、最終意見の確認をしていただきたいと思います。お手元に最終意見を印刷したものをお配りしております。既に委員の皆様にお送りしているものと全く同じものですので、お目を通していただいていることと思いますが、これでよろしゅうございましょうか。最終確認でございますが、よろしゅうございますか。
              

(「異議なし」と声あり)

【佐藤会長】 どうもありがとうございます。
 御確認をいただきましたので、当審議会の意見として後ほど小泉内閣総理大臣にお渡しすることにしたいと思います。
 次に、お手元に「会長談話」をお配りしております。お読みいただきたいと思いますが、この「会長談話」は、最終意見や当審議会のこれまでの審議を踏まえまして、私が会長としてお出ししたいということで作成したものでございます。審議会終了後の記者会見の際に、記者にお配りしたいというように思っておりますけれども、さっとお読みいただきたいと思います。
 そういうことで、よろしゅうございましょうか。それでは、先ほどのような手順で進めたいと思います。お配りしたいと思っております。
 どうもありがとうございました。
 ここで、暫時休憩いたしまして、小泉内閣総理大臣にお見えいただくことにしたいと思います。
                 

(休 憩)

【佐藤会長】 それでは、審議を再開いたします。
 小泉内閣総理大臣を始め、森山法務大臣、福田官房長官、安倍官房副長官、上野官房副長官、古川官房副長官には、お忙しいところお見えいただきまして、誠にありがとうございます。
 当審議会は、一昨年7月に発足以来、延べ60回を超える会議を開会いたしました。本日、これまでの調査審議した結果に基づきまして、司法制度改革に関する意見をとりまとめることができました。司法制度改革審議会設置法第2条第2項に基づきまして、当審議会としての意見を内閣に提出したいと存じます。
 でき上がりましたので、よろしくお願いします。
         

(佐藤会長より小泉内閣総理大臣に意見書手交)

【佐藤会長】 できましたら、小泉内閣総理大臣から一言、ごあいさつを頂戴できればと思います。

【小泉内閣総理大臣】 ただいま、佐藤会長から司法制度改革審議会の意見書をいただきました。委員の皆様方には、平成11年7月の審議会発足以来、2年間で60回を優に超える会議を重ね、精力的な調査審議を行っていただき、心から感謝いたします。
 今般の司法制度改革は、昭和22年に施行された日本国憲法に基づいて発足した現行の制度を、半世紀を経て初めて利用者である国民の視点から抜本的に改革するものであり、大変意義深いものと考えております。
 21世紀にふさわしい、自由で活力ある健全な経済社会システムを確立するためには、明確なルールと自己責任原則に貫かれた、事後チェック救済型社会への転換を更に進めることが必要であり、国民の権利、利益を救済する司法の機能の充実強化が極めて重要です。 その意味で、司法制度改革は、行政改革を始めとする社会経済の構造改革を進めていく上で不可欠なものであり、国家戦略の中に位置づけるべき重要課題と考えております。
 本日いただきました意見書には、司法制度が我が国社会の基盤として、その機能を十二分に発揮できるよう司法制度の改革と基盤の整備に向けて広範な提言を盛り込み、国民の期待に応える司法制度、司法制度を支える法曹の在り方、国民的基盤の確立という三つの柱を掲げているものと承知しております。
 内閣としては、この御意見を最大限に尊重して、司法制度改革の実現に取り組むこととし、速やかにこれを推進するための所要の作業に着手して、全力を挙げて取り組んでまいるつもりであります。
 委員の皆様方には、実り多い御意見をまとめていただきましたことについて、改めて厚く御礼を申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。
 ありがとうございました。

【佐藤会長】 どうもありがとうございました。
 続けて、当審議会の担当大臣でいらっしゃいます、森山法務大臣にも御臨席いただいておりますので、一言ごあいさつを頂戴できればと思います。

【森山法務大臣】 佐藤会長、竹下会長代理を始め、委員の皆様方には大変御多忙の中、一昨年7月の本審議会設置以来、60回を超える会議におきまして、熱心にかつ充実した審議を行っていただき、本日、小泉総理に意見書を御提出いただいたことにつきまして、本審議会の担当大臣といたしまして、心からお礼申し上げます。
 本日、内閣に御提出いただきました本意見書は、委員の皆様方において、国民、各界、各層から寄せられた、さまざまな意見や提言をも十分に踏まえ、国民的見地から行っていただいた、これまでの御審議の集大成でありまして、我が国の司法改革の歴史に名を残す大変すばらしいものであると確信しております。
 小泉総理の御発言にもありましたように、司法制度改革は、日本の再生と発展のため、経済、行政、社会、政治の各分野における構造改革を進めていく上で不可欠なものであり、国家戦略の中に位置づけるべき重要課題でございます。
 小泉総理から、先ほど内閣としてこの御意見を最大限に尊重し、司法制度改革の実現に向けて全力を挙げて取り組んでいくとの力強いお言葉をいただきましたが、内閣の一員として、かつ司法制度を所管する法務省の責任者といたしましても、本審議会の御意見を真剣、かつ積極的に受け止め、その実現に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。 佐藤会長、竹下会長代理を始め、委員の皆様方の2年間に及ぶ御尽力、御労苦に、あらためて心から敬意と感謝を表しまして、私のごあいさつとさせていただきます。
 ありがとうございました。

【佐藤会長】 どうもありがとうございました。
 小泉総理大臣及び森山法務大臣から、ありがたいお言葉をちょうだいして、本当に心から御礼を申し上げます。
 ここで、私からも一言、お礼等をかねまして、ごあいさつ申し上げたいと存じます。
 本日、2年間にわたる調査審議に基づきまして、最終意見書を取りまとめることができまして、ただいま小泉内閣総理大臣にお渡しすることができました。先ほど、総理大臣から、最大限尊重し、国家戦略と位置づけて取り組むというお言葉をちょうだいしました。また、法務大臣から、全力を挙げて推進していくというお言葉を頂戴して大変うれしく思っている次第でございます。
 当審議会は、一昨年7月27日に第1回会合を開きまして、今日は第63回会議でございます。この間、4か所にわたり公聴会を開いたり、あるいは昨年4月末から5月10日ころに掛けまして、海外視察をしたりいたしました。それから、昨年の8月には、3日にわたる集中審議を行ったりしたわけでございます。委員の皆様には、まさに筆舌に尽くしがたい御苦労をお掛けしたということでございますが、御尽力、御協力に対しまして心から厚く御礼申し上げます。
 また、政府、その他関係諸機関におかれましては、折に触れ御支援、励ましをいただきまして、この場を借りまして厚く御礼を申し上げます。
 また、私どもの審議会を真剣に支えてくださった事務局の方々お一人ひとりに心から御礼申し上げたいと思います。
 先ほど、総理のお言葉にもございましたけれども、今般の司法改革は、昭和22年日本国憲法発足とともに出発しました、我が国の司法制度について、国民の視点という観点から抜本的に改革しようというものでございます。
 日本は、前世紀末に直面したいろいろな困難にかんがみ、政治改革、行政改革、地方分権推進、あるいは規制緩和等の経済構造改革などに取り組んでまいりました。それらの諸改革の中には、既に現実化しているものもありますけれども、これから本当に取り組まなければならない難しい課題があるということを承知しております。小泉内閣総理大臣が、これらの課題に果敢に、渾身の力を込めて取り組んでいらっしゃることに深い共感を覚える次第であります。
 今般の司法改革は、それらの諸改革を成功させる最も基礎となる社会的な基盤整備であると考えております。外国からも、日本の諸改革が成功し、日本が本当に再生するかどうか、その試金石の一つとして、この司法改革を位置づけている、そういう声も聞こえてきているところでございます。
 今般の私どもの審議に当たりまして、国民各層から、いろいろな御叱正、御意見をちょうだいしました。それらの御叱正、御意見があったからこそ、私どもは今日この日を迎えることができたというように思っております。
 そういうことでございますので、先ほどの内閣総理大臣のお言葉にもございましたように、内閣として全力を挙げて、この改革に取り組んでいただくことを心から期待している次第でございます。
 それから、いわゆる法曹三者の責任は極めて大きいと思います。この機を、自己改革、自己変革の好機としてとらえ、今後改革の推進に全面的に協力していただきたいと心から願っております。
 これまで支援していただきました国民各層、各位に対して心から御礼申し上げたいとともに、委員の皆様方とともに有意義な充実した時間を過ごさせていただいたことに、改めて御礼申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

【佐藤会長】 それでは、ここで小泉内閣総理大臣、森山法務大臣、福田官房長官、安倍官房副長官、上野官房副長官、古川官房副長官は公務のために退席されます。
 本日は、どうもありがとうございました。

【小泉内閣総理大臣】 ありがとうございました。頑張ってください。
     

(小泉内閣総理大臣、森山法務大臣、福田官房長官、安倍官房副長官、上野官房副長官、古川官房副長官退室)

【佐藤会長】 以上で、無事に当審議会の意見を内閣に提出することができました。委員の皆さん、本当にどうもありがとうございました。
 本日のこれからの予定を少しお話しさせていただきたいと思います。審議会終了後、前回の審議会の際にお話しいたしましたように、虎ノ門の審議室に移動いたしまして、できましたら委員全員に御出席いただきまして、午後3時半ごろから記者会見を行いたいと思っております。これは文字通り最後になりますので、御都合のつく方はよろしくお願いいたします。
 次に、今後の予定についてでありますけれども、既にお話ししてありますように、7月6日にお集まりいただき、本日内閣に提出した我々審議会の意見を踏まえて、内閣としてどのような対応をしていただいているかというようなことについて、御報告を受けたいというように考えております。
 ただ、私としては、本日当審議会としての意見を内閣に提出しましたので、この7月6日は会議というよりも、懇談会という形にさせていただきたいと思いますけれども、その点、よろしゅうございましょうか。
 場所とか、時間等につきましては、会長代理とも相談させていただきまして、できるだけ早く事務局から御連絡を差し上げるようにしたいと思っております。
 なお、事務局からこの点をお伝えいただきたいとお願いされている事項でございますが、議事録の関係でございます。事務局の存続期間を切られているということから、できるだけ早く委員の皆様にチェックをしていただきたいということなんです。どうも私が一番遅れているようでございまして、内心じくじたるものがあるのですが、よろしくお願いいたします。
 事務局長、何かございますか。

【事務局長】 特にございません。

【佐藤会長】 それでは、本日の審議会は、以上で終了とさせていただきます。先ほどお話しいたしましたように、3時30分ころから審議室で記者会見を行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 本日は、どうもありがとうございました。