配付資料

2000.8.8

司法制度改革審議会

司法制度改革に対する意見(要旨)

鳥 居 泰 彦



Ⅰ.司法制度改革審議会の任務(設置法第2条)

(1)21世紀の我が国社会において司法が果たすべき役割を明らかにする

(2)国民がより利用しやすい制度の実現

(3)国民の司法制度への関与

(4)法曹の在り方と、その機能の充実強化

(5)その他司法制度の改革と基盤整備

Ⅱ.司法制度改革の歴史的意味

Ⅲ.「この国のかたち」

(1)司法改革と行政改革会議最終報告の理念は共通 (2)自民党司法制度調査会報告の理念

(3)司法制度改革推進審議会「論点整理」----(詳細省略)

(4)真の三権分立を求めて

1.国会

2.内閣

3.司法

① 民事訴訟・刑事訴訟・行政訴訟 立法と行政のチェック
人間の問題(個人対個人、個人対法人、法人対法人、個人対行政、法人対行政)事件(訴訟)に基づいて個別具体的に解決

② 司法に問われるもの

固定的法律からダイナミックな立法へ
法執行の透明度と説明責任
法の「理」の根源の国民的理解
法律万能主義から → 判例主義・法曹一体化・陪審制
現実の「情」が加味される余地のある制度
法理論から現実の問題解決へ → 法科大学院・実務訓練
裁判官の本質的役割
公開法廷・関係当事者(対等な当事者主義)
具体的案件(事実主義)
裁判官は法の「理」と現実理解の「情」を持った公平な第三者
裁判官は孤立した第三者ではない

4.時代の要請

① 21世紀の時代の要請

② 新しい要請に応えるために検討を要すること
(従来、議論されていない点)

Ⅳ.法曹人口を考えるための基礎データ

1.医師と法曹の人口  

  日 本アメリカ
  総数国民支援比総数国民支援比
医師237,000人520人/医師737,800人 336人/医師
弁護士17,000人7,230人/弁護士805,875人307人/弁護士
  50,000人2,458人/弁護士  

2.先進諸国と日本の法曹人口比較----(詳細省略)

3.アメリカに学ぶ

3-1.Bar増加の二大原因

―― 民事訴訟の増加と刑事事件の増加 ――

  民事訴訟増大の最大の要因
―― 経済発展・産業構造変化・サービス経済化・プロパテント時代 ――

アメリカの法律事務所は、何故増加したか

  1990年――1995年
サービスGDP1,059.4  1,350.4(百万ドル)
(増加率)  27.46%  
法律事務所収益97.6  124.6(1,000ドル)
(増加率)  27.66%  
事業所77,000  140,000
(増加率)  81.8%  
雇用者351,000   749,000
(増加率)  113%   

3-2.アメリカの弁護士(Bar)

1940年~1990年の推移の特徴

3-3.法曹人口推計(考察の目安としての日米比較)

(1)政府活動における法曹ニーズ

GDP比による日米比較(試算;1991年法曹統計ベース)

米 : 日    (1965年)  (1994年)  
GDP  4.86:11.46:1
法 曹  805,872165,817551,967
裁判官  21,5364,43114,750
開業弁護士  587,289120,841402,252
関連雇用者  93,84919,31064,280

(2)アメリカの法学系学位授与者数

    71年  80年  85年  90年  95年
LLD204010511188
LLM9951,8171,7961,8882,511
JD14,91635,64737,49135,48539,349
(f)(5.4)(30.2)(38.5)(42.2)(42.6)

・ 日本(試算);アメリカの法曹人口比を想定した日本のJD推計

(1965年ベース)(1994年ベース)
JD =法曹 ×(JD/法曹)  
165,817×(35,485/805,872)
=165,817× 0.044
=7,301
551,967×(35,485/805,872)
=551,967× 0.044
=24,286

4.アメリカの対外政策と特許戦争時代

アメリカの通商政策

アメリカの今後のねらい:Treaty on the Harmonization of Patent Laws

WTHOとWIPOが舞台

アメリカ独特の特許戦略
 (1)先発明主義
 (2)潜水艦特許(非公開)
 (3)遺伝子特許にみるアメリカの戦略
 (4)ビジネスモデルにみるアメリカの戦略

5. アメリカは犯罪減少局面に入っている

 (1)経済社会発展が進めば、犯罪は減少する
 (2)1977年~1986年の犯罪
 (3)犯罪防止・減少の要因;警察制度
 (4)裁判所;訴訟の増加
 (5)拘置所と刑務所