6.おわりに
以上のとおり、授業の素材や設問の方法等には多様なあり方が考えられる。本報告書に示したものは、そのいくつかの例にすぎない。要は、本報告書冒頭に示した法科大学院の教育理念と具体的目標に即して、教師自らが毎回の授業において教示すべき事項を徹底的に研究し、教材を集めて分析し、学生に問いかける設問を練り上げ、さらに、教場において臨機応変にかつ教示すべき事項を見失うことなく、授業を進行させてゆくことが肝要である。
これは、言うは易く、行うには相当な努力を要する、まことに厳しい創造的作業といわなければならない。教師のこのような徹底した努力に応じて、学生が十分な予習と課題処理を励行することにより、はじめて法科大学院の教育目標は達成・実現されることになろう。
以上の報告書は、執筆者3名の共同研究・討議の成果である。
上智大学法学部 | 酒巻 匡 |
慶應義塾大学法学部 | 井田 良 |
名古屋大学大学院法学研究科 | 大澤 裕 |