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資料4-5
中央教育審議会大学分科会
法科大学院部会(第23回)平成16年7月22日
(参考)

評価基準と専門職大学院設置基準等との対比表(財団法人日弁連法務研究財団)(案)

評価基準 専門職大学院設置基準等
0. 概要

(1) 評価基準の構成および評価との関係
当財団の評価基準は9分野につき47の評価基準より構成される。当財団は、個々の評価基準についての評価判定を行った上で、9つの分野についての「分野別評価」と、法科大学院全体について本評価基準に適合しているか否かの評価判定(適格認定)を行う。

(2) 個々の評価基準についての評価
まず、個々の評価基準毎に別途定める判定基準に従い、「合否判定」または「多段階評価」を行う。「合否判定」及び「多段階評価」における評語及びその内容は以下のとおりである。
1 合否判定
適合 当該基準に適合している。
不適合 当該基準に適合していない。
2 多段階評価
プラス 卓越している。
非常によく実施できている。
よく実施できている。
実施できている(最低限必要な水準に到達している)。
実施できていない(最低限必要な水準に達していない)。
個々の評価基準(21以下に記載)の末尾の(多)(合)は、それぞれ多段階評価を行うもの、合否判定を行うものであることを示す。

(3) 分野別評価
当財団は、個々の評価基準についての評価に基づき、評価対象法科大学院が以下の各分野毎に「どの程度しっかり取り組んでいるか」の多段階評価を行う。多段階評価は、個々の評価基準についての評価を、各分野毎に統合して行うものとする。分野別評価のための判定基準は別途定める。
1  法科大学院の運営体制と自己改革
2  入学者選抜
3  教育体制
4  教育内容・教育方法の改善への組織的取り組み
5  カリキュラム
6  授業
7  法曹に必要な資質及び能力の養成
8  学習環境
9  成績評価・修了認定

(4) 適格認定
当財団は、個々の評価基準についての評価に基づき、評価対象法科大学院が全体として本評価基準に適合しているか否かの認定(適格認定)を行う。認定の基準は以下のとおりとする。

まず、評価基準は、適格認定との関係で以下3種に分類される。
法令由来基準   法令由来基準 設置基準等の法令に由来する評価基準。
追加基準A   追加基準A 法令由来基準以外で重要な評価基準。充足が必須。
追加基準B   追加基準B 法令由来基準以外で、充足が望ましい評価基準。
・・・個々の評価基準(21以下に記載)に付した記号法令由来基準追加基準A追加基準Bは、当該評価基準の上記分類上の種類を示す。

個々の評価基準の評価をふまえ、評価対象法科大学院の適格・不適格を以下の方式に従い判定する。

1   法令由来基準法令由来基準の一つでも不適合又はD評価であれば当該法科大学院は「不適格」とする。
2   追加基準A追加基準Aの一つでも不適合又はD評価であれば、当該法科大学院は原則「不適格」とする。但し、他の評価基準の評価結果も考慮すると当該法科大学院としては当該不適合又はD判定は補われていると判断できる場合は「不適格」とならない。
3   追加基準B追加基準Bは、不適合又はD評価であっても、それだけで当該法科大学院を「不適格」とは判定しない。
 
1. 法科大学院の運営と自己改革

1−1 基本方針の設定と周知徹底
法令由来基準1−1−1  適切な基本方針が明確に設定された上で関係者等に周知徹底され、実践されていること。(多)

(注) 1「基本方針」とは、その法科大学院が「どういう法曹を養成しようとしているのか」及び「そのためにどういう教育を実施するのか」ということを法科大学院全体の運営方針として取りまとめたものをいう。
【専門職大学院設置基準】
二条 専門職学位課程は、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とする。
十八条 第二条第一項の専門職学位課程のうち専ら法曹養成のための教育を行うことを目的とするものを置く専門職大学院は、当該課程に関し、法科大学院とする。
  1−2 自己改革への取り組み
法令由来基準1−2−1  自己改革を目的とした組織・体制が適切に整備され機能していること。(多)

(注) 1「自己改革」とは、当該法科大学院でなす法曹養成教育の内容や方法を不断に見直し、教育効果の検証等を反映させて、その法科大学院の使命のより効果的な達成に向け教育研究活動等を改善していくことをいう。

法令由来基準1−2−2  自己点検・評価活動が適切に実施され、教育改善に向け有効に機能していること。(多)
【学校教育法】
六十九条の三 大学は、その教育研究水準の向上に資するため、文部科学大臣の定めるところにより、当該大学の教育及び研究、組織及び運営並びに施設及び設備(次項において「教育研究等」という。)の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するものとする。
  1−3 情報公開
追加基準A1−3−1  教育活動等に関する情報を適切に公開し、学内外からの評価や改善提案を受ける体制を備えていること。(多)

(注) 1「教育活動等に関する情報」とは、基本方針、入学者選抜の基準・方法、教員や職員の体制、カリキュラム、シラバス、教え方、学生(在籍者数、収容定員等)、奨学金等の学生支援体制、施設や設備環境、成績評価や修了認定の基準や判定手続、自己改革の取り組み等、法科大学院の教育研究活動の改善に向けて必要十分な情報、また入学志望者や修了生の就職先等、社会がその法科大学院を評価するために必要・有益とされるであろう十分な情報をいう。
 
  1−4 管理運営
法令由来基準1−4−1  法科大学院の教育活動に関する重要事項が、法科大学院により自主性・独立性をもって意思決定されていること。(合)
追加基準A1−4−2  法科大学院が教育活動等の重要事項について学生に約束したことを実施していること、実施していない場合には合理的理由があり、かつ適切な手当等を行っていること。(多)
【大学院設置基準】
五条 研究科は、専門分野に応じて、教育研究上の目的から組織されるものであって、専攻の種類及び数、教員数その他が大学院の基本となる組織として適当な規模内容を有すると認められるものとする。
  1−5 特徴の追求
追加基準B1−5−1  特徴を追求する取り組みが適切になされていること。(多)
 
2. 入学者選抜

2−1 入学者選抜
法令由来基準2−1−1  適切な学生受入方針、選抜基準及び選抜手続が明確に規定され、適切に公開されていること。(多)

(注) 1「適切な選抜基準及び選抜手続」とは、学生受入方針に適合しており、かつ公平、公正な選抜基準及び選抜手続をいう。公正とは、法曹養成と合理的関係の無いこと(寄附金の多寡、法科大学院関係者との縁故関係、自大学出身者であること等)を選抜の過程で考慮要素としないことをいう。

法令由来基準2−1−2  入学者選抜が、入学者選抜の基準及び手続に従って実施されていること。(合)
【専門職大学院設置基準】
十九条 法科大学院は、入学者の選抜に当たっては、文部科学大臣が別に定めるところにより、多様な知識又は経験を有する者を入学させるよう努めるものとする。
二十条 法科大学院は、入学者の選抜に当たっては、入学者の適性を適確かつ客観的に評価するものとする。
  2−2 既修者認定
法令由来基準2−2−1  適切な法学既修者の選抜基準・選抜手続、及び既修単位の認定基準・認定手続が明確に規定され、適切に公開されていること。(多)
(注) 1「適切な法学既修者の選抜基準」とは、既修単位認定を行う全科目につき、当該法科大学院で履修し単位認定をする場合と同等程度以上の能力のあることを認定するという目的に照らして、単位認定の基準及び方法に合理性が認められ、かつ公平・公正な基準であること、及び関係法令に適合した基準であることをいう。

法令由来基準2−2−2  法学既修者の選抜及び既修単位の認定が、所定の選抜・認定の基準及び手続に従って実施されていること。(合)
【専門職大学院設置基準】
二十五条 法科大学院は、当該法科大学院において必要とされる法学の基礎的な学識を有すると認める者(以下「法学既修者」という。)に関しては、第二十三条に規定する在学期間については一年を超えない範囲で当該法科大学院が認める期間在学し、同条に規定する単位については三十単位を超えない範囲で当該法科大学院が認める単位を修得したものとみなすことができる。
 前項の規定により法学既修者について在学したものとみなすことのできる期間は、前条の規定により在学したものとみなす期間と合わせて一年を超えないものとする。
 第一項の規定により法学既修者について修得したものとみなすことのできる単位数は、第二十一条第一項及び第二項並びに第二十二条第一項の規定により修得したものとみなす単位数と合わせて三十単位(第二十一条第一項ただし書の規定により三十単位を超えてみなす単位を除く。)を超えないものとする。
  2−3 多様性・開放性
法令由来基準2−3−1  入学者全体に対する「法学部以外の学部出身者」又は「実務等の経験のある者」の割合が3割以上であること、これに至らない場合は3割以上となることを目標として適切な努力をしていること。(合)
(注) 1「実務等の経験のある者」とは、各法科大学院が、社会人等の入学者の割合を確保しようとする趣旨を考慮しつつ定義するものであるが、原則として最終学歴卒業後3年を経過したものをいう。
【専門職大学院設置基準】
十九条 法科大学院は、入学者の選抜に当たっては、文部科学大臣が別に定めるところにより、多様な知識又は経験を有する者を入学させるように努めるものとする。
 
追加基準B2−3−2  2−3−1の外、入学者の多様性確保及び入学志望者に対する障碍を除去するために適切な努力をしていること。(多)

(注) 1「適切な努力」とは、法曹の資質や能力と関係のない事柄に基づき門戸を狭めることがないように注意すること、及び身体的障害を持つ者や経済的困窮者等が入学を躊躇うことのないように策を講じることをいう。
【専門職大学院に関し必要な事項について定める件】
三条 法科大学院は、入学者のうちに法学を履修する課程以外の課程を履修した者又は実務等の経験を有する者の占める割合が三割以上となるように努めるものとする。
 法科大学院は、前項の割合が二割に満たない場合は、当該法科大学院における入学者の選抜の実施状況を公表するものとする。
3. 教育体制

3−1 教員の体制
法令由来基準3−1−1  法律基本科目の各分野毎に必要数の専任教員がいること。(合)
(注) 1「各分野毎の専任教員の必要数」は、(1)入学定員が100人以下の法科大学院では、憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の各科目につき1人、(2)入学定員が101人以上200人未満の法科大学院では、民法に関する分野を含む少なくとも3分野については2人以上、(3)入学定員が200人以上の法科大学院では、公法系4人、刑事系4人、民法に関する分野4人、商法に関する分野2人、民事訴訟法に関する分野2人である。
法令由来基準3−1−2  5年以上の実務経験を有する専任教員が2割以上であること。(合)
(注)
1 「5年以上の実務経験」とは、いわゆる法曹三者としての職務経験の他、企業や公共団体等の法務担当部門等で法律(日本法に限らない)の解釈・適用に関する業務を執り行っていた経験をいう。
2 「2割以上」とは、専任教員全体の数に対する「5年以上の実務経験を有する専任教員」の割合が2割以上であることをいう。

法令由来基準3−1−3  専任教員が12名以上おり、かつ学生15人に対し専任教員1人以上の割合を確保していること。(多)
(注) 1「学生」数とは、収容定員(入学定員を3倍した数)をいう。
法令由来基準3−1−4  専任教員の半数以上は教授であること。(合)
追加基準B3−1−5  教員の年齢及びジェンダーに配慮がなされていること。(多)
【専門職大学院に関し必要な事項について定める件】
一条 専門職学位課程には、専攻ごとに、平成十一年文部省告示第百七十五号(大学院に専攻ごとに置くものとする教員の数について定める件)の別表第一及び別表第二に定める修士課程を担当する研究指導教員の数の一・五倍の数(小数点以下の端数があるときは、これを切り捨てる。)に、同告示の第二号、別表第一及び別表第二に定める修士課程を担当する研究指導補助教員の数を加えた数の専任教員を置くとともに、同告示の別表第三に定める修士課程を担当する研究指導教員一人当たりの学生の収容定員に四分の三を乗じて算出される収容定員の数(少数点以下の端数があるときは、これを切り捨てる。)につき一人の専任教員を置くものとする。
 前項の規定により専攻ごとに置くものとされる専任教員は、専門職学位課程について一専攻に限り専任教員として取り扱うものとする。
 第一項の規定により専攻ごとに置くものとされる専任教員の数の半数以上は、原則として教授でなければならない。
二条 前条第一項の規定により専攻ごとに置くものとされる専任教員の数のおおむね三割以上は、専攻分野におけるおおむね五年以上の実務の経験を有し、かつ、高度の実務能力を有する者とする。
 前項に規定するおおむね三割の専任教員の数に三分の二を乗じて算出される数(小数点以下の端数があるときは、これを四捨五入する。)の範囲内については、専任教員以外の者であっても、一年につき六単位以上の授業科目を担当し、かつ、教育課程の編成その他の専門職学位課程を置く組織の運営について責任を担う者で足りるものとする。
 法科大学院に対する前二項の規定の適用については、これらの項中「おおむね三割」とあるのは「おおむね二割」と読み替えるものとする。
法科大学院においては、第一項に規定する実務の経験を有し、かつ、高度の実務の能力を有する専任教員は、法曹としての実務の経験の経験を有する者を中心として構成されるものとする。
  3−2 教員サポート体制
追加基準A3−2−1  教員の担当する授業時間数が十分な準備をすることのできるものであること。(多)
追加基準B3−2−2  教員の授業やその準備等を支援する仕組み・体制が用意されていること。(多)
追加基準B3−2−3  教員の研究活動を支援するための制度・環境に配慮がされていること。(多)
 
4. 教育内容・教育方法の改善への組織的取り組

4−1 教育内容・方法の向上に向けての組織的取組み
法令由来基準4−1−1  教員に教育内容や教育方法を改善するための研修機会や内部研鑽の機会等が適切に用意され、実施されていること。(多)
追加基準B4−1−2  教育内容や教育方法を学生が評価し教員に通知する仕組みが制度上用意され実施されていること。(多)
【専門職大学院設置基準】
十一条 専門職大学院は、当該専門職大学院の授業の内容及び方法の改善を図るための組織的な研修及び研究を実施するものとする。
5. カリキュラム

5−1 科目構成・履修単位
法令由来基準5−1−1  法律基本科目、法律実務基礎科目、基礎法学・隣接科目、展開・先端科目の全てにわたって授業科目が体系的かつ適切に開設されており、学生の履修が各科目のいずれかに過度に偏ることのないように配慮されていること。(多)
(注) 1「学生の履修が過度に偏ることのないように配慮する」とは、必修や選択必修の構成、開設科目のこま組みや履修指導等で、バランスよく履修させるための取り組みを実施することをいう。具体的には、修了までに「法律実務基礎科目のみで6単位以上」、「基礎法学・隣接科目のみで4単位以上」、かつ「法律実務基礎科目、基礎法学・隣接科目及び展開・先端科目の合計で33単位以上」が履修されるように、カリキュラムや単位の配分等が工夫されていることをいう。
【専門職大学院設置基準】
六条 専門職大学院は、その教育上の目的を達成するために専攻分野に応じ必要な授業科目を開設し、体系的に教育課程を編成するものとする。
【専門職大学院に関し必要な事項について定める件】
五条 法科大学院は、次の各号に掲げる授業科目を開設するものとする。
 法律基本科目(憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法に関する分野の科目をいう。)
 法律実務基礎科目(法曹としての技能及び責任その他の法律実務に関する基礎的な分野の科目をいう。)
 基礎法学・隣接科目(基礎法学に関する分野又は法学と関連を有する分野の科目をいう。)
 展開・先端科目(先端的な法領域に関する科目その他の実定法に関する多様な分野の科目であって、法律基本科目以外のものをいう。)
 法科大学院は、前項各号のすべてにわたって授業科目を開設するとともに、学生の授業科目の履修が前項各号のいずれかに過度に偏ることのないよう配慮するものとする。
 
法令由来基準5−1−2  履修科目として登録することのできる単位数の上限が年間36単位以下であること、及び修了の前年度の年次は44単位以下であること。(合)
【専門職大学院設置基準】
十二条 専門職大学院は、学生が各年次にわたって適切に授業科目を履修するため、学生が一年間又は一学期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めるものとする。
 
追加基準A5−1−3  法曹倫理を必修科目として開設していること。(合)
(注) 1「法曹倫理」とは、法曹として職務を遂行するにあたり遵守すべき真実義務、誠実義務及び守秘義務等の倫理原則の理解、及び裁判官、検察官、弁護士としての職務を遂行するにあたり要求される高い倫理観の涵養を目的とする科目をいう
【専門職大学院に関し必要な事項について定める件】
七条 法科大学院の学生が履修科目として登録することができる単位数の上限は、一年につき三十六単位を標準として定めるものとする。
6. 授業

6−1 授業
追加基準A6−1−1  学生に対し適切な科目の履修選択ができるよう指導をしていること。(多)

法令由来基準6−1−2  開設科目が効果的に履修できるような適切な態様・方法で授業を実施していること。(多)
(注) 1「効果的に履修できるような適切な態様・方法で授業を実施している」とは、開設科目の効果的な履修に向け、科目の内容の組立、授業準備、授業そのもの、授業を受けた学生のフォローを含め、各科目で教育効果を高めるための創意工夫や努力がなされていることをいう。特に、学生が十分な予習を効率的に行うことができるように的確な指示や指導を行うことが重要である。また、法科大学院での教育内容に法的議論能力の養成等が含まれることからは、授業の中での双方向・他方向の議論等の工夫が重要となる。

追加基準B6−1−3  理論教育と実務教育との架橋を意識した授業が実施されていること。(多)

追加基準B6−1−4  臨床科目が適切に開設され実施されていること。(多)
(注)
1 「臨床科目」とは、社会で実際に起こっている問題を題材として事例研究や法曹としての対応の仕方を学習する科目をいう。
2 「適切に開設されている」とは、弁護士法等の法令を遵守した形態で開設しているのみならず、実施にあたって依頼者の利益を損なわない、法令違反等の問題を起こさぬように適切な段取りを実施していることを含む。

法令由来基準6−1−5  1つの授業を同時に受講する学生数が適切な数であること。(多)
(注)
1 「1つの授業を同時に受講する学生数」とは、クラスに参加する全ての学生の数をいい、本科生、留学生、科目等履修生、聴講生等を含む。
2 「適切な数」とは、その開設科目として効果的な授業を行うのに適した人数をいう。法律基本科目の場合は、50人を標準とし、60人を大幅に超えることのないように適切な努力がなされていることをいう。
【専門職大学院設置基準】
六条 専門職大学院は、その教育上の目的を達成するために専攻分野に応じ必要な授業科目を開設し、体系的に教育課程を編成するものとする。
七条 専門職大学院が一の授業科目について同時に授業を行う学生数は、授業の方法及び施設、設備その他の教育上の諸条件を考慮して、教育効果を十分にあげられるような適当な人数とするものとする。
八条 専門職大学院においては、その目的を達成し得る実践的な教育を行うよう専攻分野に応じ事例研究、現地調査、双方向又は多方向に行われる討論又は質疑応答その他の適切な方法により授業を行うなど適切に配慮しなければならない。


【専門職大学院に関し必要な事項について定める件】
六条 法科大学院は、一の授業科目について同時に授業を行う学生数を少人数とすることを基本とする。
 前項の場合において、法律基本科目の授業については、五十人を標準として行うものとする。
7. 法曹として必要な資質・能力の養成

7−1 法曹として必要な資質・能力の養成
追加基準A7−1−1  法曹に必要とされるマインドとスキルを養成する教育内容が、開設科目等の中で適切に計画され、適切に実施されていること。(多)
(注)
1 「法曹に必要とされるマインドとスキル」とは、法曹として社会から期待される機能を効果的かつ適切に果たすために、法曹が備えておくべきマインドやスキルとして、各法科大学院が認識するものをいう。
 
8. 学習環境

8−1 施設及び設備
法令由来基準8−1−1  授業等の教育の実施や学習に必要な施設・設備が適切に確保・整備されていること。(多)
法令由来基準8−1−2  教育及び学習の上で必要な情報源及びその利用環境が整備されていること。(多)
【専門職大学院設置基準】
十七条 専門職大学院の施設及び設備その他諸条件は、専門職大学院の目的に照らし十分な教育効果をあげることができると認められるものとする。
  8−2 学生サポート体制
追加基準B8−2−1  学生が学習に集中できるように支援する体制が備わっていること。(多)
追加基準A8−2−2  学生が学習方法や進路選択等につき適切にアドバイスを受けられる体制があり、有効に機能していること。(多)
追加基準B8−2−3  学生が適切に精神面のカウンセリングを受けることのできる体制があり、有効に機能していること。(多)
8−3 実社会との接触・交流
追加基準B8−3−1  実社会と接触・交流等を持つための取り組みがなされていること。(多)
追加基準B8−3−2  国際性の涵養に配慮した取り組みがなされていること。(多)
 
  8−4 適切な学生数
法令由来基準8−4−1  入学者数が入学定員に対してバランスを失していないこと。(多)
(注)
1 「入学者数」とは、実際に入学した学生の数をいう。
2 「入学定員」とは、各年度の入学定員として各法科大学院が定める人数をいう。
法令由来基準8−4−2  在籍者数が収容定員と適切なバランスがとれていること。(多)
1 「在籍者数」とは、在籍の法科大学院生の数をいう。
2 「収容定員」とは、「入学定員」の3倍に相当する人数をいう。
【大学院設置基準】
十条 収容定員は、教育組織及び施設設備その他の教育研究上の諸条件を総合的に考慮し、課程の区分に応じ専攻を単位として研究科ごとに定めるものとする。
 大学院は、教育研究にふさわしい環境の確保のため、在学する学生の数を収容定員に基づき適正に管理するものとする。
9. 成績評価・修了認定

9−1 成績評価
法令由来基準9−1−1  厳格な成績評価基準が適切に設定され、事前に学生に開示されていること。(多)
法令由来基準9−1−2  成績評価が、成績評価基準に従い厳格に実施されていること。(合)
追加基準B9−1−3  成績評価に対する学生からの異議申立手続が規定されており、適切に実施されていること。(多)
9−2 修了認定
法令由来基準9−2−1  修了認定基準、修了認定の体制・手続が適切に設定されていること、及び修了認定基準が適切に開示されていること。(多)
(注)
1 「適切に」設定されているとは、修了認定要件としての、必要単位数や履修必要科目(必修科目や選択必修科目)、他学部や他の法科大学院等との単位互換条件等が適用される法令に準拠し明確に規定されていることをいう。修了に必要な単位数は93単位以上でなければならず、100単位程度までで設定されることが望ましい。
法令由来基準9−2−2  修了認定が、修了認定基準及び所定の手続に従って適切に実施されていること。(合)
追加基準B9−2−3  修了認定に対する学生からの異議申立手続が規定されており適切に実施されていること。(多)
【専門職大学院設置基準】
十条 専門職大学院は、学生に対して、授業の方法及び内容、一年間の授業の計画をあらかじめ明示するものとする。
 専門職大学院は、学習の成果に係る評価及び修了の認定に当たっては、客観性及び厳格性を確保するため、学生に対してその基準をあらかじめ明示するとともに、当該基準にしたがって適切に行うものとする。
3 .附則
本評価基準は、2004年5月21日を制定日とし、当財団が認証評価機関として文部科学省の認証を受けた日を施行日とする。
 


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