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意見書目次

V 今般の司法制度改革の推進



第1 司法制度改革の推進体制の整備

本意見の提言する改革は、内閣が総力を挙げて取り組むこととしなければ、容易に成し遂げられるものではないことから、内閣に強力な推進体制を整備し、一体的かつ集中的にこれに取り組まれるよう求める。

 本意見は、司法制度の全般にわたり、利用者である国民の視点から、その根幹にかかわる大幅な改革を提言するものである。その意味で、本意見の提言する改革は、時代を画するほど壮大で、我が国司法制度にとって歴史的意義を有すると言うことのできるものであり、内閣が総力を挙げて取り組むこととしなければ、容易に成し遂げられるものではない。このため、当審議会としては、今般の改革が決して画餅に帰することなく、確実に、しかも早期に実現されるよう、内閣に強力な推進体制を整備し、引き続き利用者である国民の視点から、一体的かつ集中的にこれに取り組まれるよう求めるものである。

第2 今般の司法制度改革の実現に向けた内閣及び関係行政機関の取組等

  • 内閣及び関係行政機関に対して、司法制度改革に関する施策を総合的に策定するとともに、計画的に、かつ、できるだけ早期に、それらの施策を実施するよう能う限りの努力を傾注されることを強く求める。
  • 内閣及び関係行政機関による司法制度改革に関する施策の実施に当たっては、最高裁判所、日本弁護士連合会その他の関係機関による協力と貢献が得られなければ、改革を十全に実現することは困難であるため、それらの関係機関に対して、内閣及び関係行政機関による司法制度改革に関する施策の実施に最大限協力するとともに、これと並行して、自らの職務に係る制度や運営の改革・改善に積極的に取り組まれることを要望する。

 今般、当審議会においては、前述のとおり21世紀の我が国社会の姿と、そこにおいて司法に期待される役割を描き、司法制度が国民の期待に応えてその役割を十二分に果たしうるものとするために、その改革を推進していくに当たっての基本的な理念と方向性を示し、これを内閣に対して意見として提出する。
 当審議会としては、内閣及び関係行政機関(以下、「内閣等」と言う。)に対して、前述のとおり、今般の司法制度改革が、「この国のかたち」の再構築にかかわる一連の諸改革の「最後のかなめ」として位置付けられるべきものであり、21世紀の我が国の国家と社会の在り方をも占う重要な意義を有するものであることを改めて深く認識し、司法制度改革に関する施策を総合的に策定するとともに、計画的に、かつ、できるだけ早期に、それらの施策を実施するよう能う限りの努力を傾注されることを強く求める。
 また、内閣等による司法制度改革に関する施策の実施に当たっては、実際に司法権にかかわる職務を遂行する最高裁判所、日本弁護士連合会その他の関係機関による協力と貢献が得られなければ、改革を十全に実現することは困難であることは言うまでもない。このため、当審議会としては、それらの関係機関に対して、内閣等による司法制度改革に関する施策の実施に最大限協力するとともに、これと並行して、自らの職務に係る制度や運営の改革・改善に積極的に取り組まれることを要望する。

第3 財政上の措置

裁判所、検察庁等の人的体制の充実を始め、今般の司法制度改革を実現するためには、財政面での十分な手当が不可欠であるため、政府に対して、司法制度改革に関する施策を実施するために必要な財政上の措置について、特段の配慮をなされるよう求める。

 裁判所、検察庁等の人的体制の充実を始め、今般の司法制度改革を実現するためには、財政面での十分な手当が不可欠であることは論を待たない。当審議会においては、調査審議を進めながら各界・各層の意見や要望などを幅広く汲み取る過程で、国民各層から、信頼するに足りる力強い大きな司法の実現を求める声に少なからず接してきた。こうしたことからも、当審議会としては、司法関連予算の拡充については、それを求める世論が既に国民的に大きな高まりを持つに至っていることを確信しており、政府に対して、司法制度改革に関する施策を実施するために必要な財政上の措置について、特段の配慮をなされるよう求める。