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法科大学院部会(第24回)議事録・配布資料


 日時   平成16年11月17日(水曜日) 10時30分〜12時30分

 場所   三田共用会議所第2特別会議室(2階)


 議事
(1) 評価機関の認証について
(2) その他

 配付資料
資料1  法科大学院部会(第23回)議事要旨(案)
資料2   認証評価機関の認証について(諮問)(PDF:17KB)
    (参考)独立行政法人大学評価・諾意授与機構の行う評価の概要について
資料3-1   認証基準と申請内容との対比表
(独立行政法人大学評価・学位授与機構【法科大学院】)(案)
資料3-2   評価基準と専門職大学院設置基準等との対比表
(独立行政法人大学評価・学位授与機構【法科大学院】)(案)
資料3-3   専門職大学院設置基準等と評価基準との対比表
(独立行政法人大学評価・学位授与機構【法科大学院】)(案)
資料4  新司法試験問題検討会(必須科目)の前期検討事項について
(平成16年11月12日司法試験委員会)
資料5  平成16年度法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム申請・選定状況一覧
資料6   大学分科会関係の今後の日程について

机上資料)
 法科大学院部会基礎資料集
 我が国の高等教育の将来像(審議の概要)
 大学院部会における審議経過の概要-国際的に魅力ある大学院教育の展開に向けて-
 高等教育関係基礎資料集
 文部科学統計要覧(平成16年版)
 大学設置審査要覧
 教育指標の国際比較(平成16年版)
 大学審議会全28答申・報告集
 中央教育審議会 答申
「大学等における社会人受入れの推進方策について」「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」「大学院における高度専門職業人養成について」「法科大学院の設置基準等について」「新たな留学生政策の展開について」「薬学教育の改善・充実について」「新しい時代における教養教育の在り方について」
 司法制度改革審議会意見書
 和英対訳 米国法曹協会・ロースクール認定基準(柳田幸男弁護士 翻訳 日本弁護士連合会)

認証評価関係>
認証評価関係資料集
独立行政法人 大学評価・学位授与機構【法科大学院】<申請書>

 出席者  
(委員)   鳥居泰彦(会長)、佐々木 毅(分科会長、部会長)の各委員
(専門委員)   荒井 勉、大谷晃大、川端和治、小島武司、ダニエル・フットの各専門委員
(委任状出席)   はま田道代臨時委員
(文部科学省)   石川高等教育局長、泉高等教育局担当審議官、惣脇高等教育企画課長、杉野専門教育課長 他

 議事

(1 )事務局から認証評価制度の概要及び審議の進め方等について説明があった後、申請機関である「独立行政法人大学評価・学位授与機構」(以下「機構」という。)を認証評価機関として認証することについて、諮問が行われた。
その後、事務局から申請内容の概要について説明があり、申請者からさらに詳細な説明があった後、以下のとおり質疑応答が行われた。

(○:委員、□:申請者)

委員  評価方法として訪問調査をすることになっているが、具体的には何人程度が何日間訪問する予定か。

申請者  これまで実施してきた試行的評価も踏まえ、概ね7、8人程度になるのではないかと考えている。また日程は、2泊3日程度を考えている。ただし、自己評価書の分析の状況によっては、ある程度、日程を短縮できるのではないかと考えている。各法科大学院を3日間拘束するということになると他の業務に支障を来すということもあり、実際に調査を行うに当たっては評価の仕方によって工夫していきたいと考えている。

委員  解釈指針3−3−1−4で、例えば、4年を前提に計算すると、履修科目登録単位数の上限が114単位になる。3年の場合、登録単位数の上限は116単位なので、2単位減ってしまうことになるのではないかと思うが、このことについて、どのように考えているのか。

申請者  持ち帰って検討する。

委員  評価基準8−5−1の教員の授業負担について、解釈指針8−5−1−1においては、各専任教員の授業負担は年間30単位以下と定められているが、現に授業の準備に何十時間もかかるという教員もいる状況の中では、少し多過ぎるのではないかという気もする。30単位以下との基準を決定した理由について、説明をお願いしたい。

申請者  このことについては、解釈指針において「年間20単位以下であることが望ましい」としつつ、「多くとも30単位以下であること」としている。しかし、これを20単位以下にとどめることとし、厳しく規範化することは、様々な状況に置かれている法科大学院の現状を考えると好ましくないため、このような解釈指針の設定が最も現実的ということになった次第である。ただし、評価基準としては「適正範囲内にとどめられていること」としており、何が「適正な範囲」であるかは実態を見ながら判断することとなる。

委員  解釈指針2−1−2−5について「実質的に法律基本科目に当たる授業科目が、基礎法学・隣接科目、展開・先端科目、その他の授業科目として開設されていないこと」とあるが、司法制度改革の本来の趣旨、司法制度改革審議会以来の発想から言うと、世の中のこと、人間のことが分かる法曹を教育しようということであるから、4種類の科目(法律基本科目、法律実務基礎科目、基礎法学・隣接科目、展開・先端科目)の中の基礎法学・隣接科目であるとか、展開・先端科目であるとかいうところで、憲法、民法、商法、行政法等々でカバーし切れない細かい法律をいかに教えるかが重要である。もちろん、全部教えきれるはずがないので、どうやって関連法に行き着くように誘導するのかということになると思うが、その点を認証評価機関の評価で上手に示していかないと、各法科大学院が矮小した教育に向かい、基本的なことだけ教えればそれで良いということになってしまいかねない。相当の目配りができる法曹、関連法に素早く行き着ける法曹をどう養成するのかという点を評価することが必要であると思うが、機構としてはどのように考えているのか。

申請者  一言で言えば、委員御指摘のような科目を大事にしていただきたいということである。つまり、基礎法学・隣接科目、展開・先端科目、この辺りを充実してやっていただくことが重要であり、このような科目の看板を掲げて、実は法律基本科目、例えば民法の基礎ばかり繰り返し教えているというようなことであると、今般の司法制度改革の趣旨が失われかねないとの趣旨から解釈指針2−1−2−5を設けているものである。これに加えて、評価基準4−2−1では科目の系統ごとに修得すべき単位を定めており、さらに解釈指針4−2−1−2において、授業科目の名称を問わず、実質的な内容が法律基本科目に当たるようなものを基礎法学・隣接科目や展開・先端科目とするような、一種の脱法行為のようなものは認めないとしている。したがって、当該基準は委員の御指摘の趣旨に合致しているものと考えている。

委員  評価基準4−1−3の進級制の関係だが、解釈指針4−1−3−1では進級要件が決定されて、学生に周知されていることを求めているが、法科大学院によって進級要件が厳格なところと緩やかなところとがあり得る。進級要件の中身についての審査ということは、どのように考えているか。

申請者  これについても大分議論があった。議論の過程で分かったことは、やはり相当大学によって進級要件の中身が異なり、厳格に、つまり1単位でも1科目でも落としたら原級留置というのが望ましいと考えて実施する大学もあれば、それは学生に無駄を強いるものではないか、進級させて、その科目だけ再履修させれば良いのではないかというような考えもあり、各法科大学院がポリシーを持ってやっている。とすれば、進級制に関する基準として定める事項は、各法科大学院の自主性と客観的な水準の維持という2つの要請の兼ね合いを考えてということになる。進級制の中身に関しては、合理的と思われる内容を示せば良いということに落ちついた次第である。

委員  進級要件の内容の合理性について審査をするということなのか。

申請者  そのとおりである。あまり合理性がないというものであれば、改善を要する点であると指摘して各法科大学院に対しフィードバックしていくということを考えている。

(2 )法務省から新司法試験問題検討会(必須科目)の前期検討事項について説明があった後、以下のとおり質疑応答が行われた。

(○:委員、□:法務省)

委員  今回ある程度多様な形でサンプル問題が提示され、その基本的な方向も有益なものと思う。まだまだ試行錯誤の過程であると思うが、実際のサンプル問題等の策定に当たり、どのような点を議論のテーマとして検討したのか。

法務省  公法系を中心に委員から指摘があった点について説明すると、短答式については、例えば、どのようにすれば幅広い問題が出せるのか、多様な問題となるのかとの視点で考えた。問題の多様化という観点について言えば、従来は、五肢択一であるが故に、偶然の確率で20%程度正解するということになるわけである。なおかつ問題全てが分からなくとも、1問のみ正解があるということを示してしまうと、他の肢について知識がなくても正解してしまうという点も指摘されていた。それぞれの知識が定着しているかどうかを判別するために、五肢それぞれについて正誤を理解しているか否かを判別するという観点から作成している問題もある。その外、十肢択一とするなど、様々な観点での工夫をしていきたいと考えている。
また例えば、資料10ページの第9問については、様々な分野に関し、法令及び最高裁判所の判例に照らし、内容の正誤を各肢ごとに聞いている。幅広い問題を出すためには、従前の問題では取り上げられなかったような分野をピックアップしていくようにして、全体に満遍なく出題する工夫をしてみてはどうかということで、このような問題が作られている。また、問題によっては五肢が作れないものもある。さらに、六肢以上を作った方がより正確な理解が問えるのではないかとの観点から作られた問題もある。そのため選択肢が三肢の問題もあるし、六肢以上の問題もある。各問題に適する形で、可能な限り、真に幅広い知識が定着しているか否かということを判別できるよう工夫したいということで、短答式を作成している。
論文式については、要求されている理論的、実践的な能力を見る。それは単に知識を覚えているだけではない、色々物事を分析し、思考する力、表現する力を見るということで、長文の中で法的な観点から見て必要な事項を抜き出せるように、雑多な事実なども載せている。例えば資料12ページに公法系の問題が出ているが、第1問を見ると「しかし、Xは、これは市当局による検閲であるとして、Bの要望を拒否した」というように書いてある。実はこれは検閲でも何でもないことだが、敢えてこのように理由として検閲だと言わせて、本当にそれが検閲の問題なのか否かを考えさせる。逆に、ここで検閲の問題について長々と論じるというのは、見抜く力がないと分かる、こういった処理ができるではないかということである。

委員  問題が作成された場合に非常に重要なことは、それがどのように採点されるかということだと思う。その際には誰が採点をするのか。多義的な問題であるが、どのような基準で採点するかということを相当考えなければいけないと思う。採点と連動した狙いについてはどのように考えているのか。

法務省  委員御指摘の点は、当方の問題意識と共通する点があろうかと思う。採点については短答式と論文式とがあり、短答式はどちらかと言うと形式的な採点であるが、それでも問題に応じた点数を配点していくのが良いであろうということで、必ずしも全ての問題が同じ点数ではなく、問題の形式、難易度に応じ、例えば2点問題と3点問題の区別をするということも考えていきたい。また論文式の関係だが、採点基準の在り方は非常に重要なポイントと考えている。検討会の検討事項としては、出題のイメージを出すため、サンプル問題を提出するということの外に、司法試験委員会から、来年の3月までに更に検討を深めなければいけない事項が示されている。その付随的な検討事項とは、論文式の採点指針及び採点調整の方法、成績評価の方法、問題作成及び答案審査体制である。当方では後期における検討課題と言っているが、これについては更に議論を深めていきたいと認識している。

委員  後期における検討事項についても、また報告の機会を作っていただきたいと思う。

委員  今までの司法試験では合格者にある種の人数の枠があったが、新司法試験ではある程度の正解率の人は必ず全員合格ということになるのか。その点、これからどのような方向となるのか伺いたい。司法制度改革審議会における検討時から、法曹の数を増やすということが1つの大きな目標であり、今回、相当数の合格者が出て当然と私は思っている。もう1つは、医学の分野と非常にアナロガスに考えられているのだが、医学の分野では学校の数が79校である。1年当たり約7,000人の卒業生が医師の国家試験を受けるわけである。医師の母集団は、法曹の約1万2千人に対して、24万人、そのような世界で今どのような試験を実施しているかと言うと、4学年時に学部在籍者全員に対してCBTというものを行っている。全員がコンピュータの前に座ってアトランダムに出題される大量の問題、サンプル問題で言うと短答式に回答していくわけである。その試験にパスすると、今度は臨床の様々な事例に関する問題、サンプル問題で言うと長文問題に当たる試験があり、それを4学年時と卒業時の二度行った上で、国家試験を受けるということになっている。
このようにコンピュータが大量の問題を用意して、その中からアトランダムに受験者一人一人に問題を当てはめていくという試験を現在やり始めているわけだが、皆が同じ紙に同じ答えを書くという時代からどのように脱却できるかと考えている。

法務省  司法試験合格者の人数、あるいは、一定の基準を満たせば全員合格するような仕組みなのかどうかということについては、これは少し検討会の性質とは別の問題であり、合格者の在り方というのは、司法試験委員会の方で現在検討を始められているところであると聞いている。従前の議論としては、例えば、司法制度改革審議会の意見書において、平成22年頃には3,000人を目指すという記述がなされている。同時に、この3,000人というのは必ずしも上限を意味するものではないということも書かれているところであり、このような意見書及び推進計画等の趣旨を踏まえつつ、更に司法試験委員会で検討されることになろうと、このように認識している。

委員  今の最後の点は法科大学院にとっても大変重要な話だと思うので、余り遅くならないうちに、しかるべきタイミングで、本部会で一度議論をする必要があるのではないかと個人的には思っている。

委員  試験の問題というのは、どうしてもアメリカの実情を踏まえて様々なことを考えやすいが、アメリカでも相当議論があり、医学やその他の分野も参考にして、あまり固定的に考えずに、多角的な新しい評価法を開発していく位の気持ちがなければならないのではないか。その先にはやはり試験の根本的な位置付けの問題があるが、そのような意味で、指摘の点はどこが所管だということに拘らず、様々な角度から意見が出されることが望ましいのではないかと思っている。

(3 )事務局から「法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム」の申請・選定状況について、報告があった。

   次回の日程
次回は、12月1日(水曜日)13時〜15時に開催することとなった。


(高等教育局高等教育企画課高等教育政策室)

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